更新日:2009年11月26日
さわやかエッセー 商店街、頑張ろう
鉄人28号
先日、新長田の若松公園での鉄人28号の竣工式に出席した。あの震災の最激甚被災地の一つである。商店街がそれこそ大被害を受け、地域の人々も被災し、人口が減少し、街としてのにぎわい、人々の交流が少なくなり、地域の再生が大きな課題であった。
地域の人々が自主的主体的に取り組まれたのが、地域に縁のある漫画家横山光輝さんの「鉄人28号」である。ご存知だろうか。私の子ども時代の3大スターといえば「少年ケニヤ」とあの「鉄腕アトム」と並んで、この「鉄人28号」であった。正太郎少年のコントロールのもと、正義の味方として大変人気があった。また、テレビ化もされ大変人気を博した。この「鉄人28号」を再現し街のシンボルにすることとなった。
秋空のもと、全長18・の「鉄人28号」がくっきりと二本足で立つ景色は、しかもあの「ガオー」と右手を構えた姿は、いかにも頼もしい。人々に「元気をだせ」、「頑張れ」と声援してくれているポーズである。まさに、新長田の新しい名所として、人々の訪れを期待したい。
三国志
また、新長田の2号線より南の地区では、やはり横山光輝さんが中国の古典「三国志」を原本とした漫画で、7000万部を超えるベストセラー作品となりゲームや映画等に全世界的に息の長いブームを呼び起こした「横山光輝版三国志」がある、これにちなんで三国志のスターたちの石像オブジェを街角におく。三国志の群像達が商店街を練り歩くパレードなどのイベント等を展開している。ユニークなのは、スタンプラリーで、関羽、劉備、諸葛亮などの武将の石像を訪ね歩き、そのスタンプポイントを探して、街全体を楽しんでもらおうとするものだ。
このように街中が、多くの人々が集まり、歩き回り、憩う空間に変わることにより魅力アップを図ろうとされている。
グージー
長田神社前商店街も頑張っている。ここも半数以上が全半壊、中央市場一帯が全壊し、また周辺の住宅も大半倒壊したところ。このため、地域のシンボルである長田神社を中心に「福のあるまち」をコンセプトとして、「住みたいまち」「訪れたいまち」をめざしている。このプロジェクトの中心になっているのが「萬福グージー」というシンボルキャラクターだ。すでに、地域情報誌「萬福グージー通信」が発行され、地域情報の地域全体の共有や発信となっている。そのうえに、モニュメントまで作られた。小さな祠の中心に木彫りのグージー像が祭られた。富山県井波は北陸浄土真宗の拠点で、天然木から彫り上げる伝統の井波彫刻の産地であるが、ここの作品が据えられた。
「グージー」は、震災後長田神社に渡ってきて、復旧復興を励ましてくれたフクロウをモチーフにして「グージー」というマスコットがつくられたものらしい。このような街のシンボルを中心に、商店街の人が団結して、まちおこしのための各種事業を展開していくことが頼もしいのだ。
商店街
今、商店街は厳しい状況におかれているところが多い。よくシャッター街といわれるが、店舗が点々と空いてシャッターが閉まっている状態からこのように呼ばれるのだ。
商店街の衰退の要因は様々だが、生活スタイルが変わったことが一つある。冷蔵庫に冷凍機能が付加され、毎日毎日の日用品がその日のうちに買い物されていた時代から一週間分など「まとめ買い」が一般化する。すると、自分で商品を探して買い物するより一カ所ですべてがそろう「スーパー」などの大規模店が便利になる。しかも、「まとめ買い」は大量になるので車で買い物に行きやすい郊外型スーパーが人々を引きつけるようになったからではないか。
もちろん、商店街自身の課題として、高齢化と後継者不足や旧態依然、魅力づくりに欠けるなどあげられるが、このような地域構造、環境変化が大きかったのだろう。
新たな変化
しかし、これからの高齢社会の進展は、従来の商店街を取り巻く環境を大きく変えることになるのではないか。まず第一は、車で行く「まとめ買い」が高齢者にとっては難しくなっていくことだ。すでに70歳以上の方々は運転免許の更新に高齢者講習が義務づけられて簡単ではなくなりつつある。車がなければ郊外の大規模店に出かけることが困難となる。さすれば、最寄りの商店街に関心が集まるのが必然ではないか。
第二は、高齢者へのサービスのあり方である。高齢者にとって価格も大切だが、サービスの質も重要である。例えば、大規模店でテレビを買ったら価格は安いが、アフターサービスが行き届かないことが多い。一方、街の電気屋さんならば、夜、操作が分からないとき、最近のテレビは複雑でよく操れないことが多い、そのとき気軽に電話一本で来てくれて教えてくれたり、交換してくれたり、ケアしてもらえる。つまり、サービスのフォローが違うのではないか。だから商店街で、とならないだろうか。
頑張ろう
商店街が元気になって欲しい。街としての魅力を取り戻して、人々が集い、楽しみ、憩う空間であって欲しい。課題はいっぱいあるが、私は、ぜひ、その地域の顔、その地域らしさを演出してくる商店街の再生を期待している。頑張りましょう。