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県立ふるさとの森公園の体験プログラムにより、地域の人々とともに稲刈り体験をする小学生たち。体験では、米や野菜づくりを通じて生命の不思議と大切さ、そして取り込み食べることにより感謝を体験する。地域の自然の中での体験では、草花や昆虫の観察、ホタルの飼育、生き物や野鳥の観察などにより自然の営みを学び、自分もその一員であると知る。これらの体験は、きっと故郷の良さを感じる体験にもなるはずだ。■故郷と持続人口兵庫県も、今回の国勢調査でとうとう人口減少県の仲間入りをしてしまった。わずか2468人の減だとしても。しかも、少子化、高齢化、そして阪神・神戸地域とその他の地域との格差が拡大している。現在559万人が、30年後には約90万人の減の470万人程度になると見込まれている。このような人口減少時代を迎えれば迎えるほど、定住人口と交流人口の合計人口、これを持続人口という、に着目しなければならない。定住人口は現在と同じ主たる住所の人口だ。交流人口はその地を訪れる、週末に過ごすなど、一時滞在者の数だ。定住人口は減っても、交流人口が増加すればその地域の活力は失われない。だから持続人口が、大きな意味を持つ。■Uターンを促すそれでも、定住人口が増えてくれる対策をまずは採る必要がある。その際、一番に注目すべきは関係者のはず、つまり、その地を故郷とする人たちではないか。まず一時勉学のため、あるいは就職のため地域外に出ている者が故郷で就職できるようにする、働く場の確保だろう。このとき、農林水産業など第1次産業の振興、見直しが重要である。農業は厳しい環境ではあるが、兵庫は大都市近郊という地の利を生かして量ではなく質を重視し、消費者ニーズに応えていかねばならない。ブランド化、特産品化、経営力の向上、都市ニーズへの対応など、新しい農に重点化する。都市住民の農への関心や農業参加の拡大、豊かな自然の中での生活など楽農生活を展開することが期待されている。すでに、定年退職後にも故郷へ戻って充実した生活を築く動きもみられるが、このようなUターンを促すためには、故郷の良さを知り、故郷への憧れがベースになっていなければならない。また、自然や農林水産業との共生を求めて、あるいは古民家や田舎暮らしに憧れて移り住むJターンやIターンも増えていくだろう。■人口減を補う新規参入特に、これからの人口減少社会のもと、地域が活力を維持しながら展開していくためには、人口が減少してもそれを補う、新たな人々が移り住んで新規参入する構造がつくられなければならない。そのためには、故郷への思いを現実化して故郷で生活する人たちを増やしていくことが、最も確実で可能性のある対応ではないか。だからこそ、子どもたちに故郷の良さを知らせ、故郷の思い出をしっかり植えつけ、どこにいても故郷への強い思いを持ち続けてくれれば、ある転機に故郷で生活しようと決心してもらえるのではないか。故郷万歳。11