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兵庫県出身の医師が地域おこしにも尽力震災で壊滅的な被害を受けた石巻市雄勝町。町内に4カ所あった医療機関は全て被災、地域の医療も完全に崩壊してしまった。医療をはじめ、生活のさまざまなインフラを失ったまちからは人口流出が続く。震災前、4300人だった町の人口は今1300人にまで減っている。兵庫県出身の小倉健一郎さんは、町内で唯一となる雄勝診療所の医師だ。阪神・淡路大震災をきっかけに災害医療に取り組んできた小倉さん。東日本大震災でも発生直後から石巻市で活動した。そして、被災地に継続的に関わりたいと、平成23(2011)年10月に同診療所の開設とともに赴任した。午前、午後の診療のほか、訪問診療をこなすなど小倉さんの日常は多忙だ。活動は医療だけにとどまらない。「医療を土台に地域おこしにも取り組みたい」と餅つき大会や落語会などを開催した。そして外部からのいろいろな支援を受け入れる窓口としても活躍している。小倉さんを介して雄勝町を支援している団体の一つに社会貢献学会(事務局・神戸学院大学)がある。同会に所属する防災・減災を研究する学者や市民、学生らは、研究に基づいて教育や普及活動を実践している。雄勝町で兵庫県出身の医師が活躍しているとの話を聞き、小倉さんにアプローチ。それから雄勝町に多彩な支援を行うようになった。これまで会員の学生を中心に海岸清掃を行ったほか、地元からの要請を受け、漁業用の荷物を置くコンテナや防災などに活用される有線放送の設備などを寄贈してきた。廃校を再生して人々が集う宿泊施設に雄勝町で震災直後から支援を行ってきた団体がある。公益社団法人sweettreat311だ。代表の立花貴さんが雄勝中学校の元校長と知り合いだったことから、震災発生直後、雄勝町で炊き出しを実施した。それをきっかけに、学校給食の炊き出しや子どもたちの学習支援、農業、林業、漁業、料理等の体験学習などに活動は広がっている。そんな時、旧桑浜小学校を何かに活用できないかと所有者から相談を受けた。同校は14年3月、生徒数の減少で廃校に。立花さんは、地域の人から愛されてきた小学校の再生を決意。自然が豊かな雄勝町の魅力を少しでも多くの人に知ってもらおうと、大人から子どもまで楽しめる体験型の宿泊施設にすることとした。校舎は大正12(1923)年建築の木造建築。ボランティアを募集し、今年4月から補修工事をスタートした。地元の人も作業に参加したり、炊き出しを行ったりと率先して参加してくれる。小倉さんも、再生プロジェクトに共感し一緒に活動している。人口が大幅に減少してしまったこのまちが再生するには、交流人口を増やすことが必要と感じていたからだ。小倉さんは社会貢献学会にも協力を要請した。9月12日、旧桑浜小学校では学生を中心とするボランティア約20人が補修作業を行っていた。体験型宿泊施設への再生が始まった旧桑浜小学校。小倉健一郎さんCASE1宮城県石巻市雄勝町廃校再生プロジェクト17