ブックタイトルgokoku2013aki

概要

gokoku2013aki

「安心して仕事ができて、本当にありがたいです」。そうほほ笑む竹内智尋さんは、2歳4カ月のお子さんを持つお母さん。子どもを保育所に預けながら姫路市にあるビジネスホテル、フローラルイン姫路で働いて1年になります。保育所があるのは、なんとご自身が勤務するホテルの2階。「スタッフの産休・育休後の職場復帰を後押ししたい」と、平成23（2011）年4月、館内の空いているスペースを活用して開設された「こもれび保育園」です。現在約20人の子どもたちを預かるこちらの保育園の大きな特長は、ホテルスタッフだけでなく、地域住民も利用できるという点。女性の働き方の多様化に合わせて土曜、日曜、祝日も対応し、月決めのほか、週3日や一時保育も受け入れるなど利用メニューも豊富です。「地域に貢献できれば」と一般にも開放したことで、地域とのつながりも生まれ、さらには保育園を活用するお母さんらがホテルの会議室などを利用し、新しい客層の開拓にも結び付きました＊。スタッフの半数以上が女性である同ホテルが、女性が働きやすい職場づくりに積極的に取り組んだ背景には、ホテル特有の理由があります。「フロント業務などは経験がものを言う仕事。長く勤めてせっかくキャリアを積んだのに結婚や出産を機に辞めてしまうのはもったいない」。そこで、職場環境見直しの第一歩として、どんな制度が必要か全社員にアンケートを実施。現場の要望を反映し、育児短時間勤務制度や看護休暇制度、また勤務中に2回授乳のための30分休憩が取れる育児時間制度が導入されました。子育て支援の充実が地域との交流、ホテル利用率の向上にもつながったと、23年度には「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」を受賞。また県の「まちの子育てひろば」にも登録し、保育園内で子育て相談や育児書の貸し出しも行っています。「産休・育休から戻った後の働き方にはまだまだ工夫が必要」と営業企画部長の上脇立さん。常に変化する社内環境に対応しながら進むワーク・ライフ・バランスへの取り組みは、スタッフを、ホテルを、地域をますます元気にしてくれるに違いありません。兵庫の未来を創る県内のキラッと輝く企業を紹介します。ケイオー開発㈱フローラルイン姫路姫路市東延末3‐564079（222）8000ワーク・ライフ・バランスで笑顔の連鎖をケイオー開発㈱フローラルイン姫路26