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「痛くない注射針が誕生」。そんな吉報に胸躍らせて医療ベンチャーの㈱ライトニックスを訪ねました。話題の新製品は血糖値測定などに使用するランセット針「ピンニックスライト」。これが針?ギザギザの先端部分に目を丸くすると、「この形こそ痛みを軽減する秘密」と社長の福田光男さん。刺す面積を小さくし傷つける細胞を最小限に抑えることで痛みの軽減が実現しました。一日に何度も採血を余儀なくされる患者さんから「もっと早く出合っていたら」との声が届くたびに、大きな励みになると福田さんは目を細めます。もう一つの特長は素材。金属針の代わりに手術用糸と同じでんぷん由来の樹脂を使用。人体に安全・安心なことはもちろん、環境に優しいことで、従来品が医療廃棄物として病院で処理される必要があるのに対し、家庭ごみとしての処分が可能となりました。再使用不可の安全仕様も施され、針刺し事故や二次感染の防止を徹底。現状を改善する工夫が随所に込められています。その先進性や安全・安心に配慮した点が評価され、平成24?(2012)年度「ひょうご№1ものづくり大賞」を受賞。「人にも環境にも良い医療の実現を目指す」。その志の第一歩が世界初の樹脂製ランセット針の誕生でした。*製品開発に要した年月は10年。立ちはだかる壁も一つや二つではありませんでした。材料を流し込む金型の製作。型に充じゅう填てんして成形する加工技術。一ミリ以下の世界でのものづくりは過去に例のないことばかり。「とにかく自分で動いてみるしかなかった」と福田さんは試行錯誤の日々を振り返ります。そんな中、助けの一つになったのは会社がある「西宮」という地域性。阪急今津線沿いの住宅街で自宅の一室を使ったオフィスは、沿線に住む医療関連会社に勤める人たちが集い、縁がつながる場となりました。「多くの企業さんの熱意と技術が製品誕生には欠かせなかった。西宮だからこそ生まれた製品です」と福田さんは胸を張ります。販売開始から1年余りで評判は海を越え、夏には米国での販売を開始予定。〝メイドイン兵庫〟の小さな救世主は今、世界を舞台に優しさの輪を広げます。兵庫の未来を創る県内のキラッと輝く企業を紹介します。痛くない針の参考にしたのはなんと"蚊の針"。㈱ライトニックス西宮市甲東園2-2-640798(52)3594Madei n HYOGO.痛くない針で世界へ㈱ライトニックス26