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更新日:2015年7月10日

最近の経済動向(平成27年7月)

最近の経済動向

(経済の動きと有効求人倍率)

最近の兵庫県経済の動向をみると、全国経済の動きと同じく、順調な基調にあるといわれている。顕著なのは、有効求人倍率で、この5月で全国や近畿が1を超えているし、本県も0.97と1に近くなっている。しかも、求人は会社所在地、求職は住所地所在地のハローワークに登録されるので、兵庫の場合、大阪との境界域を考慮すると1を超えていると考えられる。有効求人倍率は、ハローワーク登録の求職数を分母、求人数を分子にした割合で、1を超えることは求人数の方が求職数よりも多い、つまり、総体としては、人手不足状態になっていることになる。ただ、業種ごとに異なるので一概に決めつけられない。私は、特に感慨無量の思いを持つ。今年は、阪神・淡路大震災から20年を経過したが、平成10年~12年頃、震災の復興ブームの一段落、日本経済の全体的停滞、消費税率アップの消費減という三重苦により、大変な不景気で、有効求人倍率0.3台であったことを思うと、雲泥の感である。私の知事選挙の公約として、5万人雇用を掲げたこともこの時代の課題を示していた。

(医療福祉等の人手不足)

特に、業種間の人手不足は著しくなっている。看護職・介護職など医療福祉分野の人員不足が著しい。待機児童対策で需要の多い保育士も同じだ。これらの職種は、資格を持ちながら仕事をされていない潜在者が多い職種でもある。この家庭等におられる有資格者の顕在化、職場復帰を進めるためどのような環境整備を行えばよいのかが、課題となっている。例えば、看護協会ではナースセンターで相談、就職などのワンストップで対応できる仕組みもある。また、これらの職種は、退職者が多いといわれる。仕事が厳しい、給与や福利厚生が低いなどの問題があり、勤務条件の改善など処遇環境の整備も課題となっている。

(建設業の担い手)

もう一つ、建設業がある。建設業はここ20年厳しい状況におかれてきた。財政再建の名の下に、国や地方の公共事業が縮減していった。特に、前政権時代には、コンクリートから人へのスローガンに象徴されるように、冷遇された。本県も、震災復旧復興以来高止まり気味であった公共事業の事業量を全国自治体の財政運営の基準である地方財政計画の水準まで見直してきた。ただ、災害復旧復興など緊急事業は別途上乗せしてきている。このような動きのなかで、仕事に応じて建設土木従事者も縮小せざるを得ない、新規就業者も減るなどの現象に見舞われてしまった。特に、3Kといわれる、きたない、危険、厳しい職場であることもあって、若者の新規参入が弱い。本県では、ものづくり大学校やインターンシップ、つまり就職前就業体験などに努めている。

(現場人材と外国人)

いずれも、現場を支える人材が不足気味であることが課題となっている。このような文脈のなか、外国人労働者の活用が課題となる。日本の労働慣行は、外国人からみるとあまりにも硬直的で流動性に乏しく、魅力がないものとなっているらしい。しかし、受け入れるべき仕組みをきちんと整備して、助っ人として機能してもらうことはできるのではないか。自由ということでなく、専門的技術的な枠組みがつくられればよい。なお、看護師の資格試験のように、日本語のみで、あまりに難しい国家試験でなければならないかなど検討すべき課題も多いといえる。

(生産年齢人口)

労働に関する構造問題がある。いうまでもなく、人口減少化に伴う少子高齢化である。つまり生産年齢人口(15歳~65歳)が今後減少していくことだ。日本の働き手が少なくなり、日本経済の担い手をどう確保するかという課題である。しかし、高齢者でも60代は大変元気であられるからこそ、社会参加してその能力を発揮してほしい。女性の社会進出も欠かせない。若者で引きこもりやニートなどの活用も必要だ。障害者の社会参加は重要だ。つまり、高齢者、女性、若者、障害者が今後のキーワードとなる。

(設備投資)

設備投資もようやく増加しつつある。平成20年(2008年)のリーマンショック以来、需給バランスが大きく崩れ、企業活動も停滞し、それ故、設備投資のような前向き投資が弱くなっていた。しかしここにきて、アベノミクス効果である、金融緩和、円安に伴う経済の好転を背景に、企業のビヘイビアーに変化が生じてきた。まず、大きな円安が、80円台が120円台になっている、大企業を中心とする輸出環境を改善し、業績が改善し、企業収益も向上している。これが株式市場の活性化、好況を呈している。企業からすれば、今まで本来償却済みの生産施設も厳しい業績のなかでは更新を我慢せざるを得なかったのが、ようやく踏み切れる更新投資が増えてきた。また、これからの需要増、つまり消費が増加すると見込まれるための能力を増加させる能力増投資も期待できる。

(国内での立地動向)

さらに、大幅な円安と海外の物価の上昇に伴う海外メリットの減少に伴って、設備投資の回帰現象、海外から日本への動きもみられている。また、本格化している訳ではないとしても、検討しているところが多いと聞こえる。

あわせて、国内でも効率化や合理化の動きが強まっている。旧来の多くの工場が各地に展開されている状況を再編して、拠点に集中統合するケース、都市部の従来工場を最新鋭工場に統合して、都市部の工場を閉鎖するケースなどである。一方、流通部門を中心に、インターネット販売の増加に伴い、都市近郊に物流施設を立地させる動きも目立っている。

(工場団地の不足感)

本県は、これまで、工場事業所等の新規立地件数において常に上位を占めてきたが、これまでに工場団地等の立地が進み、工場等用地の在庫が不足気味になりつつある。本県でも、例えば、情報公園都市について山陽自動車道の南側用地は全て売却済みになった。もちろん、これだけで全てではないが、少しずつ適地が厳しくなっている。これからの見通しが難しい状況下、県としても基本方向を明確にして、誤りなきを期さねばならない。

(これからの社会資本整備)

今後の社会資本整備も大きな課題だ。南海トラフ地震対策、耐震化など地震対策、津波対策。集中豪雨など自然災害対策、総合治水、土砂災害防止など。インフラの老朽対策、インフラの長寿命化、維持管理の徹底。道路等交通ネットワークの整備など公共投資も計画的に進めねばならない。国も国土強靱化計画に基づき、国土の脆弱性の強化と安全度の向上、レジリエンスのための公共投資を行うこととしている。私たちも、厳しい財政事情ではあるが、必要な公共事業は進めていかねばならない。あわせて、東京一極集中を是正し、日本列島のレジリエンスを確保するためにも、一刻も早く、関西を首都機能のバックアップ地域と位置づけ、双眼型国土構造をつくりあげねばならない。

(消費の動き)

消費にも期待したい。昨年、今年とようやくの企業業績の回復に伴い給与のベースアップやボーナスの増加が大企業を中心に行われた。中堅企業、中小企業への波及も期待したい。昨年来の消費税3%アップ(5%→8%)に伴う消費減も、この5月の消費額が4.8%のプラスに消費税アップ後初めてを記録した。従来、株価等の上昇に伴う資産効果で、あるいは企業業績の上昇に伴う配当増などもあって、高級品などの消費増が目立っていたが、ようやく全般的な消費増が見られるようになってくれた。あわせて、円安に伴う外国人観光客の入れ込み増による効果も見逃せない。26年は全国で1,341万人に達し、本県でも83万人を超えた。この人たちのホテル旅館での宿泊料やみやげなどの買い物も大変大きなものとなっている。観光は多面的なサービスを提供する必要がある分野でもあり、裾野の広がりが期待される。

(今後の方向)

日本経済も本県経済もこのような回復基調を保持し続けてほしい。このためには、第3の矢としての成長戦略の実践具体化が不可欠である。ものづくり県としての特色を生かしながら、医療介護福祉、観光などの新分野への展開、科学技術基盤の活用、エネルギー、水素、航空機など新成長産業、オンリーワン企業の育成、地域資源を活かす事業、生活を支えるまちづくりや商店街などそれぞれが未来を拓いていってほしいと願っている。

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