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更新日:2016年9月12日

在宅介護看護(平成28年9月)

在宅介護看護

2025年問題

2025年問題をご存じでしょうか。いわゆる団塊の世代が全員2025年には75歳以上となる。いわゆる後期高齢者となるのだ。団塊の世代とは、戦後直後のベビーブーマーたちを呼んでいる。彼等は昭和22年から25年までの4年間の生まれ、最後の昭和25年は1950年だから、昭和25年生まれは、2025年で75歳に達する。このことは団塊の世代が全て後期高齢者になるということである。
後期高齢者となると何が問題なのか。まず圧倒的に75歳を境として健康状況が違ってくる。例えば介護保険サービスの受給率でみても、前期高齢者である65歳から75歳と後期高齢者である75歳以上とを比較してみると、前期がたかだか5%程度だが、後期は35%程度に跳ね上がる。
しかも、圧倒的にボリュームが違うのだ。今は出生数はせいぜい100万人で、少子化が進行しているが、団塊の世代のピークだった昭和24年の出生数は2倍以上の260万人を超えている。つまり今と比べると4年間で10倍以上の高齢者が後期入りする。これに介護保険受給率を乗じてみれば、介護保険サービスを受ける人がいかに大きく増加するかがわかるはず。

本県の場合

本県の場合でいうと、平成26年度では高齢者数1,460千人、うち後期高齢者686千人であるが、平成37年度(2025年度)では、高齢者数は1,591千人と131千人、9.0%の増加である一方、後期高齢者数は953千人と267千人、38.9%の増加と著しいものがある。介護保険サービスの対象となる要支援・要介護認定者数は平成26年度274千人、19%程度であるのが、平成37年度(2025年度)では388千人と114千人、42%増加することが見込まれている。

これへの対策

このためにも、地域の実情に応じた計画的な介護サービスの基盤を整備していかねばならない。現在第6期(平成29年度まで)の介護保険事業支援計画に基づき整備中であるが、例えば特別養護老人ホームの数は、平成27年度末では24,334床、在宅介護の中心となる定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所は29カ所にすぎず、それぞれ計画では、平成29年度末に26,591床、60カ所を目標としている。今後、私たちは、介護が必要となっても、高齢者が希望する限り少しでも長く住み慣れた自宅で暮らせるように、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが日常生活圏域でトータルに提供される「地域包括ケアシステム」を構築しなければならない。介護保険施設の整備とともに、在宅介護サービスの基盤強化への取組を進めていかなければならない。

介護離職ゼロ

この2025年問題を控えて、政府は、「新三本の矢」の一つとして、「介護離職ゼロ」を目標としている。かなり多くの、働き盛りの人やせっかく社会参加した女性が在宅介護のために職場を離れて家庭介護せざるを得なくなっている現状から、在宅介護体制を充実して介護のための退職をゼロにしようとする狙いである。このためには、特別養護老人ホームのような介護施設の整備と、介護施設に入所できない者つまり家庭介護であっても家族の負担を軽くする在宅介護サービスの充実が欠かせない。
50代の働き盛りの多くの人々が家庭での介護のために退職を余儀なくされている。これは男女を問わない。介護の対象は両親であったり夫婦であったり近い家族である。これが高齢化すれば高齢者どうしの介護、老々介護になる。最近もこの家族介護に疲れ果てたことから悲惨な事件が起きたりしている。

本県の2025年対策

私たちの試算によると、2025年までに、特別養護老人ホームの入所床数でいうと、1万3千床の増床が必要だと見込まれている。市町がつくっている介護保険事業計画をベースに毎年約千床程度の増床を見込んでも、8千床は確保できるものの、5千床のめどが立たない。つまり、施設介護ではなく、在宅介護の体制を整えねばならない。特別養護老人ホームが百床設置されると、ほぼ同数の者が、医師、看護師、介護士、ホームヘルパーなどに就業することになる。したがって、特別養護老人ホーム等の介護施設の整備は、地域に大きな就業の場をつくることとなる。介護人材が不足しているといわれるが、処遇改善はさらに進むであろうから、これからの時代、介護関連施設の立地とその雇用を地域振興の一つ、企業誘致に類する就業機会の創出として捉えることもできよう。

 

安心して生き生きと暮らせる場の充実

在宅介護

在宅介護の基本は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護である。おおむね30分以内に訪問できる地域を対象に、ケアプランに基づき、決まった時間に訪問する「定期巡回」、利用者や家族からのコールを受けて随時の対応の相談を受ける「随時対応」、利用者や家族からのコールを受けて、必要に応じて訪問する「随時訪問」、医師の指示に基づき、看護師が訪問する「訪問看護」の4種類のサービスを提供する事業である。24時間365日オペレーターに電話でつながり、夜間でも安心できるし、在宅での受給であり、在宅生活がサポートされ、訪問介護と訪問看護が密接に連携しながら、サービスが提供される。独居や日中家族の介護が受けられない者、在宅で生活を続けたい者、家族の介護が困難な者などが対象となる。

在宅介護看護事業所の困難

しかし、定期巡回・随時対応サービス事業を行う事業所は平成27年度末で29カ所しかなく、29年度末の第6期の市町介護保険事業計画でも60カ所が予定されているが、大変達成が難しいといわれている。それは、まず夜間・深夜の訪問体制の構築が厳しいことにある。特にこれから訪問介護看護事業に参入を検討する事業者にとって大きな障壁となっている。二つに、随時対応を行う職員体制の構築も厳しいことと受け取られている。三つに、しかも、随時対応の発生頻度の予測が難しいこともあげられる。四つに、看護職員の確保、連携先となる訪問看護事業所の確保が大きな課題となっている。五つは、ケアマネジャーの理解や利用者や家族への周知などの徹底もあげられる。最後に、事業所として経営体としての成立が大変困難だともいわれている。

地域サポート型特養

2025年問題の解決のためには、今後さらなる定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所が増えてくれなければならない。このために兵庫県は、一つの社会実験に着手している。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などは、入所者に対して24時間の介護看護サービスを提供しているだけに、介護看護のスタッフが備えられている。この人的資源を活用することができないだろうかとの視点から、オペレーター一人の配置を県が助成して、特養等の周辺について在宅介護看護サービスを提供してもらおうとするものである。まだモデル事業であるが、これが成功すれば全県展開したいと考えている。

在宅介護体制の整備

ともあれ、2025年問題の対応のポイントは、在宅介護体制を整備することにある。介護施設の整備とあわせて、しっかり構築していかねばならないと決意している。

音声による知事メッセージ

音声でも知事メッセージを聞くことができます。

【全文版】約10分(MP3:9,429KB)

【要約版】約4分(MP3:3,318KB)

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お問い合わせ

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