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更新日:2016年12月14日

東京一極集中の是正(平成28年12月)

東京一極集中の是正

知事会決議

先日、全国知事会議が開催された。そこにおいて、地方創生に資する人材育成、確保等に関する緊急決議がなされた。趣旨は、東京一極集中が止まらない、いや、むしろ、東京一極集中が加速している。このため、特に、大学への就学や就職を契機とした、若者の東京一極集中に歯止めを掛け、東京圏と地方圏との間の転入・転出の均衡を図るため、東京23区における大学学部の新増設の抑制と定員管理の徹底、そして東京23区から地方への移転の促進等を図れ、とのものであった。

人口動態

平成27年10月の国勢調査によると、わが国の人口は、国勢調査が始まって以来初めて減少し、その規模は、96万3千人であるが、兵庫県も553万5千人と前回より5万3千人の減少となった。一方、東京は、35万6千人増となっている。この間人口が増えたのは、東京圏の埼玉・千葉・神奈川、愛知、福岡で、大阪や神戸市も減少している。しかも、東京圏への転入超過数の大半は15~29歳の若者が中心であり、大卒後の就職時、大学進学時の転入が要因と考えられる。首都圏で、平成27年で見ても、15~19歳で2万6千人、20~24歳で6万7千人、25~29歳で2万人となって合計11万3千人となっているからだ。
さらに、東京都の全国人口に占める割合は10%程度であるのに対して、約25%の学生が東京都、しかもその70%は23区内の大学に集中している。それだから、知事会としても、大学立地の抑制を主張したものだ。

一極集中抑制制度

もともと、東京への一極集中は、かなり政策的な結果ではないか、ともいえる。戦後の推移を見てみると、高度成長期は地方圏から三大都市圏への大量の人口移動があったが、その後、地方分散政策が採られ、工場等制限法が施行され、当初は、工場立地、次いで大学と立地制限が三大都市圏の既成市街地に対して行われた。この結果、昭和50年代には、「地方の時代」といわれたように、三大都市圏から地方圏への人口流出現象まで生ずるに至った。しかし、昭和末期から平成にかけてのバブル期は人口が東京圏などに移動した。バブルの崩壊とともに、就職氷河期といわれた時期には、就職浪人が多く生じる事態もあって一時的に地方圏からの流出もかなり低い水準となった。

トリクルダウン

しかし、その後の日本経済の長期的停滞とデフレ状況を打開するために採られたのが、「トリクルダウン理論」に基づく経済対策であった。トリクルダウン理論は、平均的な底上げを図るのではなく、成長可能性の高い産業や地域に資源を集中しその潜在力をより高めることにより、他の産業や他の地域にも木立から露が滴り落ちるように中心産業や中心地の成長が全産業や全国土に広がっていくというものだ。だから、デフレ脱却、成長促進対策として、東京への一極集中を是認し、平成14年には工場等制限制度が廃止された。
経済のサービス化、少子化に伴う労働力の有効活用、産業のグローバル化などを背景に、分散から集中に転じた。このことにより、東京が機関車となって、日本を引っ張っていく構造をつくることが目指され、併せてその成果が地方にも及ぶものと期待されたのであった。

トリクルダウンの失敗

しかし、現実はどうなったか。東京のみがますます栄え、地方は東京に吸い取られてしまう現状になっている。しかも、地方創生が政策として掲げられ、国、地方挙げて取り組んでいるにもかかわらず、逆に東京への人口や企業の集中が加速している。さらに、三大都市圏のうち東京圏だけが人口増であるが、他の中京圏も近畿圏も減少している。大阪や神戸でさえ人口減都市なのだ。

東京への立地抑制

私は、だからこそ、もう一度、今回は三大都市圏へではなく東京圏への工場、事業所、大学等の立地制限を行うことを提案したい。もはや本社を地方へ誘導する地方拠点税制などのインセンティブ政策では全く対応できない事態となっているのではないか。だからこそ、直接に人口増加の主要因である工場、事業所、大学等の立地制限を行うべきだ。

一極集中の弊害

併せて、人口の東京一極集中の副作用は顕在化しつつある。平成27年度の人口移動で見ると、15歳から34歳までの若者が東京は8万7千人増加している一方、合計特殊出生率は1.17と全国最下位となっている。すなわち、人口からいえば縮小再生産のスパイラルに落ち込んでいる現状にある。
さらに、首都圏直下型地震は、今後30年のうちに70%の発生確率とされている。このことは、東京大震災の危険に対する備え、防災減災対策が不可欠だといえる。だが、十分に対応が進められているとはいえない。だからこそ、私は、関西を首都機能をバックアップする地域として位置付け、日本列島の双眼構造の形成を目指すべきと提案している。

地域創生

まさに地方創生、地域創生は待ったなしといえる。私たちも地域の資源を生かして、兵庫らしい地域づくりを進めねばならない。人口が減少しても、少子高齢化が進展しても、兵庫の活力の持続、発展を期さねばならない。県民の皆様とともにしっかり進めていきたい。

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