ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 知事のページ > 知事エッセー > ユニバーサル社会づくり(平成30年6月)

ここから本文です。

知事のページ

更新日:2018年5月18日

ユニバーサル社会づくり(平成30年6月)

ユニバーサル社会づくり

ユニバーサル社会とは

皆さん、ユニバーサル社会という用語をお聞きになったことがありますね。もともとユニバーサルデザインから拡張された言葉といえる。ユニバーサルデザインは、全ての人々にとって、できる限り利用可能であるように、製品、建物、環境をデザインするという考え方だ。バリアフリーが、障害のある人が社会生活を送るうえでの障壁、バリアーを除いていくという意味であるが、ユニバーサルデザインは、設計段階から全ての人が共通して利用できるようにデザインしていこうという考え方である。

ユニバーサル社会は、障害の有無、子どもから高齢者までの年齢、男女の性別、文化や風土の違い、人種や国籍の違いなどにかかわりなく、誰もが、同じ地域社会で生活するものとして、社会のあらゆる活動に参加できる。そして生涯を通じて、その持てる能力を存分に発揮し、自分らしく生きることのできる社会だ。私たちは、このような社会づくりを目指していかねばならない。

これまでの取組み

兵庫県は、あの阪神・淡路大震災を経験した。そして、創造的復興を目指してきた。この歩みにおいて、私たちは、人と人とのつながりや地域の支え合いの大切さを知った。共に生きる。絆をつくる。このことを復旧復興を通じて学んだ。もともと、これまでも、全国に先駆けて福祉のまちづくり条例による建築物のバリアフリー化などや障害のある方への声かけ運動の展開など、人にやさしい生活環境づくりを進めてきている。また、作業所が生産した授産品の通信やネット販売、ITを活用した在宅就労や自立的活動支援、筋電バンクなど、障害のある人の社会参加に向けた取り組みを推進している。

このような活動の指針として、平成17年度からひょうごユニバーサル社会づくり総合指針を定め、誰もが主体的に生き、支える社会づくりを目指してきた。このため、県民、地域団体、企業、行政など地域社会を構成する全ての人が一体となって取り組んできた。

授産品のネット販売
「+NUKUMORI」ホームページ

ユニバーサル社会づくり推進条例

このたび、ユニバーサル社会づくり推進条例が制定され、この4月から施行されている。この前文で条例制定の趣旨をのべているので紹介したい。

まず、阪神・淡路大震災からの復旧復興を通じて、全ての人が支え合いながら生きることの大切さを学び、支え合う文化を培ってきた。これを生かす必要がある。

二つに、人口の減少、少子高齢化という大きな社会変化に直面し、地域社会の活力を持続させるためには、子育てを社会全体で支え、高齢者、女性、障害者、若者などが担い手として活動する環境をつくる必要がある。

三つに、医療、福祉、労働、教育など社会の幅広い分野で、情報の取得、建物施設、交通、製品やサービスの普及などユニバーサルデザイン化が進み、障害者をはじめ全ての人が社会参加し、地域社会の一員としての活動が期待されている。

四つに、外国人県民や観光など国際化の進展のなかで、異文化との共生や交流を円滑に進めることが必要である。

このような経緯や根拠の故に制定されたのだが、なぜ指針から条例化したのだろう。それは、1.指針だと県が取り組む基準とされ、市町をはじめ県民等の取り組みの根拠となっていない。2.国でも、障害者差別解消法や部落差別解消法など差別対策の制度化がなされ、差別の解消や人権確保の要請がある。3.2025年問題が示すように、介護予防や生活支援体制の整備充実に取り組む必要がある。4.2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ関西の開催を控え、また県内で生活する外国県民の増加を踏まえ、多文化共生の社会づくりをさらに進める必要がある、などの事情から条例化を行ったものである。

条例の基本理念

条例の基本理念は、ひと、参加、情報、まち、ものの五つとなっている。

まず、ひと。人と人が相互に人格と個性を尊重しつつ、支え合う社会を目指す。まさに、ユニバーサル社会の基本。年齢、性別、障害、文化などの違いにかかわらず、だれもが一人の人間として生き、理解し、支え合う社会を目指す。

二つは、参加。全ての人がその能力を発揮して、多様な社会参加ができる社会を目指す。だれもがその能力に応じて働き、社会活動に参加し、多様な選択が用意されている社会。障害者、高齢者、女性、若者などの社会参加や自己実現の環境を整える。

三つに、情報。生活に必要な情報を円滑に取得し、利用する手段が確保され、意思疎通の手段が選択できる社会を目指す。インターネットやAIなど情報通信技術を活用したり、筆記、音声、手話など様々な情報伝達手段を組み合わせ、情報へのアクセスや活用、情報交換できる環境をつくるものだ。

四つに、まち。福祉のまちづくりの推進により、安全で安心な暮らしが確保される社会をめざす。高齢者や障害者をはじめ誰もが安心して暮らせるユニバーサルデザインからも安全快適な生活空間を目指す。

五つに、もの。全ての人々にとって利用しやすく、質の高い製品やサービスが普及する社会を目指す。生活に必要なものやサービスをだれもが利用できるものとし、提供者と利用者が相互に信頼する社会だ。

この五つの理念の実現を目指して、ユニバーサル社会づくりを進めていくのだ。このために、条例に基づいてユニバーサル社会実現のための総合指針を策定することとしている。あわせて、県民や事業者、団体が功績をあげた場合には、その業績を公表し、表彰することとされている。

障害者の情報の取得・利用、意思疎通の確保条例

障害者にとっては、生活における多様な意思疎通等の手段が確保され、自らが選択をして、自己にふさわしい交流が確保されなくてはならない。例えば、手話は国連障害者憲章でも位置づけられた言語であるが、これを言葉として行使できる環境が整えられなくては、絵に描いた餅にすぎない。だからこそ、手話などの普及をさらに配慮していく必要がある。

このために、意思疎通等の手段の確保に関する計画を策定し、情報交流への配慮、災害時の発信、意思疎通等の支援、手話・点訳等を行う人材の養成、学習機会の確保、その他の支援を行うこととなる。

この条例は、県議会の各会派が協議され、議員提案により成立した。

ユニバーサル社会を目指して

近頃、私たちの社会の話題となっているのが、各種ハラスメントではないか。パワハラ、セクハラなど、これらの事件も、相互に尊重し、相手の存在を社会的に当たり前のものとして認識している社会に十分なりきっていないからなのではないかとの感が強い。

年齢、男女、障害、人種、文化など違いを認め合い、共生するユニバーサル社会づくりを、ここ設立150年を迎えた兵庫だけに、県民の皆様とともに進めていきたい。

音声による知事メッセージ

全文版(約10分)(MP3:9,237KB)

要約版(約4分)(MP3:3,514KB)

音声を再生するには、「Windows Media Player」がインストールされている必要があります。
プレーヤーがインストールされていない場合は、プラグインダウンロードページからプレーヤーをダウンロードしてからお聞きください。

 

お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3019

FAX:078-362-3903

Eメール:kouhouka1@pref.hyogo.lg.jp