ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 知事のページ > 知事エッセー > 兵庫の魚、サカナ(平成30年8月)

ここから本文です。

知事のページ

更新日:2018年7月24日

兵庫の魚、サカナ(平成30年8月)

兵庫の魚、サカナ

旬のサカナ

これからの季節は、まさに味覚のシーズンだ。はも道中も淡路から京都まで、しかも八坂神社までピチピチの鱧の奉納が行われたばかり。鱧鍋など鱧尽くしもいただける。さらに、太刀魚。これから秋にかけて太刀魚がうまい。もう15年ばかり前になるが、夕方垂水の海づり公園で太刀魚を釣って午後9時ぐらいにお店に持参されるお客がおられた。新鮮というより釣ったばかりだから、刺身で食べると本当にコリコリとして絶妙な味だった。最近こんな太刀魚にはお目にかかっていない。鮎もまさにシーズンである。初夏の小鮎の天ぷらもご機嫌だが、これからは鮎の塩焼き。骨抜きをしてスダチで食べる爽やかな食感はこたえられない。さて、骨抜きの方法はご存じかな。塩焼きされた鮎を、頭を手で添えて縦にして上下に圧迫し、骨と身とを離し、尾を取って、頭から身を箸で支えてそっと引き抜く、まさに天然鮎こそスーと骨が抜ける。どうぞ試してみてください。

サンマ

これから待ちどおしいのは、秋刀魚(さんま)だ。あの落語で有名な目黒のさんまこそ焼きサンマの焼きたてで、油が滴る、よく熟したサンマの芳醇な味覚は忘れられない。しかし、近年、日本近海での水揚げが激減している。日本のサンマ漁は沿岸漁で沖取りをしていないが、中国や韓国などはサンマの一群を太平洋上で一網打尽にしてしまうらしい。北太平洋漁業委員会を開催し、資源保護の観点と乱獲防止のため、各国漁獲量規制を提案したが、合意ができなかった。さて今年の秋のサンマはどうなるだろう。値段が上がりすぎても消費者としては困るのだが。

ウナギ

もうすぐ7月20日(金曜日)がやってくる。夏の土用の丑の日だ。江戸時代からこの日にウナギを食べると健康に良いといわれているし、夏負けしないといわれている。これは、あの蘭学者の平賀源内が、ウナギ屋に勧めたのが始まりといわれる。しかし、このウナギも生産量が激減しているらしい。特に、ウナギの稚魚であるシラスの生産量が少なく、結果として国内産の生産が乏しいとのこと。しかし、7月20日丑の日にはウナギの蒲焼きを食べたい。

松葉ガニ

今年の松葉ガニ漁はどうだったのだろう。生産量としては例年より少なかったが、価格がそれなりに上がったために、全体の水揚げとしては、前年並みで、まずまずだったという。しかし、例年より近年生産量が減少しているので心配だ。日本海の大和堆やその周辺には好漁場となる適地がある。これには及ばないが、人工的に大型漁礁や増殖場を整備していっている。これに期待したい。なお、大和堆は日本の専管水域であるが、北朝鮮の漁船、しかも木造船が何百も入り込んで、漁をしていることが多い。政府に対して早急な解決を要請しているが、なかなか解決しない。もう一つの課題は、隠岐島北方の日韓暫定水域だが、日本では禁止されている刺し網などが残置されるなど、本来交互に漁をする原則が踏みにじられ、韓国が占拠している状態を原則に復さねばならない。

日本海漁業の課題

日本海漁業の課題は、二つある。一つは底引き船などの老朽化が進んでいることだ。船の更新には数億から10億円程度かかるといわれている一方、船主の経営状態は厳しさを増しているといわれている。県としても、船や設備の貸与制度の活用をはじめ支援を行っていく必要がある。もう一つは、マンパワーの問題だ。象徴的な事例を挙げれば、漁船を支える漁労員には、インドネシアの研修生が70人を超え、彼らなくして但馬の漁業は成立できなくなっている。3年間の研修制度であるが、日本での就業が許されない状況では、帰国されてしまい、人手不足が常態化しているとのこと。船員確保も厳しさの要因である。県立香住高校には、但州丸という実習船があり、南太平洋への遠洋漁業の実習も行っているが、この卒業生が現に船に乗ってくれることが少ない。自然との調和の下に展開する漁業の厳しさを示している。

ノリ

ノリはどうか。今年の生産は、この冬が例年よりも雨が多かったこともあり、まずまずの生育で、量としては昨年並み、佐賀県に次いで全国2位。価格が少し良かったこともあり、順調だったといえる。兵庫のノリの特色は、その柔らかな風味だろう。コンビニのおにぎりやのり巻きなどには、あまり適さないが、高級板のりや味付のりには重宝されている。近年、ノリ生産の現場では、主として瀬戸内海岸域であるが、栄養塩不足による色落ち現象が最大の敵である。ノリ漁場に適度な栄養塩が供給されないとノリが十分に成長できず、あの黒い艶が生まれない。このために、今切り札的に取り組んでいるのが、下水処理場の管理運転だ。つまり、栄養塩不足といわれる冬場の下水処理後の排水について、環境基準の範囲内で、できるだけ窒素などの栄養塩類が含まれた排水を海に流してもらうことを下水道管理者にお願いしている。瀬戸内海は、水質については、60水域のうち1水域を除き全て達成済みで、「きれいな海」は実現している。栄養塩対策は、山は海の恋人といわれるように、山の管理の適正化やかいぼりなどため池の日干しによる海への養分の流入、井堰や樋門などの開閉などを行っていく。しかし、もともと両立していた「豊かな海」と「美しい海」が課題となっている。この漁獲量6割減の現状をできるだけ回復するために、藻場の増殖、第二の鹿ノ瀬の整備などのハードと併せ、養殖や放流などにも配慮した総合的な取り組みをしている。早く「豊かな海」瀬戸内海を取り戻したい。

カキ

これから夏ガキのシーズンだ。海のミルク、大ぶりの夏カキ、岩ガキの甘いジューシーな味覚が口の中に広がる。ビールに合いますね。赤穂、相生、たつのの沿岸域は、養殖ガキやアサリの産地だ。新舞子に象徴されるような遠浅の干潟のある海が広がる。この好適地に、垂下式でカキがイカダにつるされて育成され、成長する。このカキのプリプリさや大きさは他の産地に絶対負けない。フライにしても身が小さく縮まない。これがまさに「播磨のカキ」なのだ。
今年の潮干狩りシーズンは、貝毒のため、禁止となったところが多かった。とくに播磨灘沿岸域まで広がった。これは今冬が寒くて、通常のプランクトンより低温や低栄養に強い有毒なプランクトン、アレキサンドリウム タマレンセが優勢となり、これを食べた貝類が毒素を持ったことに原因があるらしい。自然の連環で動いているのだ。

播磨のカキ

淡路

淡路島3年とらふぐを忘れてはならない。普通フグは2年で出荷するのに、もう1年かけて大きくし、しかも引き締まった身に育てた逸品だ。最近は、サクラマスの養殖も始まったし、サワラの適地放流も行なわれている。期待したい。幻の魚は、沼島のアジだ。ほとんど築地に直行するので、現地ではなかなか味わえない。大阪リーガロイヤルホテルで偶然めぐりあった時は感激した。

兵庫の漁業

兵庫は、北は日本海、中は瀬戸内海、南は淡路で太平洋に面している漁場の豊庫だ。海の恵みを活かす。自然と人との共生から生まれる漁業という営みを今後も大切にしていきたい。

音声による知事メッセージ

全文版(10分)(MP3:9,404KB)

要約版(3分)(MP3:3,229KB)

音声を再生するには、「Windows Media Player」がインストールされている必要があります。
プレーヤーがインストールされていない場合は、プラグインダウンロードページからプレーヤーをダウンロードしてからお聞きください。

 

お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3019

FAX:078-362-3903

Eメール:kouhouka1@pref.hyogo.lg.jp