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更新日:2019年1月23日

地域再生大作戦(平成31年2月)

地域再生大作戦

人口減少

人口減少が続いている。平成21年10月と11月に560万人を突破してから毎年のように減少して、平成30年12月では548万3000人になった。しかも、自然減、つまり死亡者数と出生者数との差がマイナスになったのは、平成20年からだし、社会減、つまり県内への流入人口と県外への転出人口との差が減少しはじめたのは平成22年から、しかも、その絶対数は全国ワースト2位で、平成29年で6600人程のマイナスとなっている。

自然減対策としては、平均寿命が延びることと併せて、出生数を増やせないまでも、減少幅を減らすことだ。平成28年は4万4000人台だったのが、平成29年は4万2000人に減少してしまった。地域創生戦略の目標4万4000人台維持を割ってしまった。この要因としては、若者と若い女性の県外への流出があることは間違いない。このため、若者と若い女性の兵庫県内に就職すること及び一度出た人達が兵庫へカムバックすることが必要である。

格差の拡大

もう一つ進行中の課題は、日本列島の中で東京一極集中が止まらないことだ。日本の人々が毎年全体として30万人程度減少しているにもかかわらず、東京圏には毎年12万人近い社会増が生じている。

さらに、このような大都市への人の集中現象が、兵庫県内でも生じており、阪神間、神戸東部地域などが増加する一方、その他の地域、特に、従来人口減少が続いている農山村地域の減少が著しい状況が見られる。県内人口は平成17年から27年までの間で、1%の減、過疎地域は13.5%の減、高齢化率は平成27年には全県27.1%、過疎地域は35.6%となっている。

兵庫全体としては、自然減は避けられないとしても、せめて社会減だけは歯止めをかけ、プラス化を目指さなければならない。

小規模集落

一つの典型として、小規模集落の推移を見てみよう。小規模集落とは、その集落における世帯数が50世帯以下で、その集落の住民の高齢化率が40%以上である集落をいう。この数がどんどん増加してきている。例えば平成20年247であった小規模集落が、平成28年には502と増加し、阪神北地域でも11集落生じるなど阪神南、神戸、東播磨以外に広がっている。この主たる要因は、世帯数の減少よりは高齢化の進展に伴い高齢化率が40%以上となった集落が多いことによる。このことは、若者や女性、また、働く世代の流入がほとんどなく、まさに現有勢力が年齢を重ねているという状態だからだ。

地域再生大作戦

小規模集落の活性化をめざして、平成20年度から地域再生大作戦を行ってきた。現在は次のような事業体系で実施している。

第一が、集落再生支援事業だ。過疎化、高齢化が進行するなかで、集落活動を維持するための活動や支え合いの仕組みづくりである。まず、活性化するための住民意識づくり、組織づくり、そして基本方針づくりであり、アドバイザーの派遣などを行う。次に、このプランに基づき、試行的取り組みを行うトライやる事業である。

第二が、「がんばる地域」応援事業だ。この事業は、小規模集落の活動そのものを応援するものだ。この事業のうち、まず、「がんばる地域」交流・自立応援事業。地域が主体的に取り組む活性化事業や遊休施設を利用する取り組みを支援するもの。一つは、地域の活動そのものを支援する事業。例えば、私の故郷たつの市新宮地区での新田山の活用と、万燈祭の復活への取り組みだ。二つは、地域の交流拠点施設等の整備支援。例えば、丹波市上久下地区の「元気村食堂」の運営を通じた交流拠点の整備だ。

三つは、遊休施設の再利用。例えば、篠山市福住地区の廃校となった小学校を活用して、交流カフェ、食品加工、貸しオフィス、郷土資料展示などを展開する。次に、ふるさとにぎわい拠点整備事業。合併市町の旧中心部等まちなかの賑わいを再生するための先導的な事業への支援だ。例えば、淡路市岩屋地区のたこフェリー乗場の跡地を活用して、直売所、レストラン等地域参加型店舗等の整備の支援だ。四つは、UJIターン促進事業。増加する空き家の活用など移住、定住を促進する事業。例えば、多可町岩座神地区。東京からUターンする若者の、古民家の改修による宿泊施設とカフェの開設を支援する。五つは、大学等との連携による拠点形成事業。大学等と地域が連携して活動拠点を整備するもの。例えば、金融機関も巻き込み、県立大学と地域のNPO法人が連携して空き家の再生活用を支援する事業がある。


岩座神地区で古民家を改修するUターン予定者

 

第三は、地域再生促進事業だ。まず、都市部に設置するアンテナショップ。農産物や加工品等を都市部で販売PRし、都市農村の交流などを進めるもの。例えば、元町マルシェ、北播磨おいしんぼ館、西播磨ふるさと特産館が神戸市内に設置されている。次は、ひょうごの元気ムラ大交流会の開催だ。地域再生大作戦関係者の事例発表、交流、研修を行う集会だ。


お客様でにぎわう元町マルシェ

 

第四は、地域おこし協力隊事業だ。都市地域から過疎地域等に住所を移して、生活の拠点とする者を「地域おこし協力隊員」として委嘱し、隊員が概ね1~3年地域居住して、地域ブランド、地場産品の開発、販売、農林水産業への従事、生活支援など「地域協力活動」を行う事業だ。平成29年度、兵庫県では、113人が16市町で活躍中。

豊岡市13人、丹波市12人、南あわじ市14人、淡路市10人など中核となって活躍している。県としては、地域おこし協力隊等のネットワーク化と彼らが中心となって起業して、地域の振興を行う事業の立上げを支援するモデル事業を行っている。例えば、香美町貫田地区では、隊員が地元で結婚して定住する際、元民宿を改修、ゲストハウスを運営する事業を支援している。

課題

10年間地域再生大作戦を実施してきたが、現状を踏まえて課題を挙げると、次の通りと考えられる。

まず、地域再生大作戦自体は着実に実施されてきているが、小規模集落の増加が止まらないこと。

二つに、都市と農村の交流や地域の活性化事業への取り組みは活性化しているものの、その集落が主体的に取り組むことに終始して、新たな担い手の開発や増加に十分繋がっていないこと。このため、リーダーとなっている人々が疲れてきておられること。

三つは、地域活性化に関わる人達の数は増加しているものの、その人達との繋がりが中心で広がりに乏しく、また、集落や人材同士の情報共有やネットワーク化が進んでいないこと。

四つは、小規模集落の活動だけに、交流人口そのものは増加しているものの、どうしても他地域や県外に対する発信力が弱く、不十分であること。興味のある地域づくりが知られていない。

五つは、他の施策との連携である。例えば、地域創生のための事業、特に、国や県の地域創生交付金の活用とマッチした取り組みが望ましいが、ほとんど行われず、単品の地域再生大作戦の事業枠内にとどまっていること。

これらの課題に対応した対策が求められる。

これからの在り方

私は、特に、次を強調したい。

まずは、小規模集落への新規移住や交流の促進だ。小規模集落が増え続けているのは、新たな集落への移住がほとんどないことによる。UJIターンが行われる環境整備や道具立てがいる。交流人口の増加にも工夫がいる。例えば、NPO法人ノオトが篠山で展開されている地域全体丸ごと旅館のように、古民家を改良して、レストラン、カフェ、宿泊、美術館、体験館などをネットワーク化して、地域全体でそれぞれの機能を分担して外からの交流人を歓迎する試みなどもありうる。

第二は、地域おこし協力隊等、地域に関わる人材の養成とその活動支援だ。すでに起業化モデル事業や研修など実施されているが、もっと組織的体系的な人材の確保と取り組みが必要。そのために、年一回の元気ムラ交流会の開催だけでなく、交流センターを設置して人材育成、情報集約発信、マッチング、相談機能の充実、戦略や方針の決定推進などを行っていく必要があるのではないか。

第三は、他事業との連携である。例えば、新規農業人材の確保は、多自然地域の人材不足に応えることと同義である。もっとそれぞれの事業が協力連携されなければならない。また、その集落に住み続けるだけでなく、農地や事業を他の地域から通うことにより持続することも考えられる。

地域再生大作戦は、地域創生戦略の大きな柱の一つとして、今後さらに充実活用して、私たちの先輩が営々として地域を守り、維持し、生活を確保してきた文化の継承ができるように進めていこうではないか。

音声による知事メッセージ

全文版(約12分)(MP3:11,573KB)

要約版(約4分)(MP3:3,219KB)

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