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更新日:2019年2月19日

神戸ビーフ(平成31年3月)

神戸ビーフ

豪州への輸出 

 1月23日に、西オーストラリア州のマガウワン首相が神戸を訪問された。西オーストラリア州とはすでに38年間にわたり友好州県の関係にあり、神戸には代表部があるうえ、兵庫県もパースに事務所を置いている。私も2001年の9.11ニューヨーク事件の直後、提携20周年式典の折、県民交流団と訪問してから、5年ごとにパースを訪ねている。ご承知のように淡路ファームパークイングランドの丘のコアラは、西オーストラリア州からの贈り物で、現在も5頭健在で愛嬌をふりまいている。パースの事務所の近くには兵庫県から日本庭園が贈られ、市民の憩いの場となり、事務所は、日本文化センター機能を兼ねている。

 今回のマガウワン首相の訪問は、ANAの成田からパースへの直行便が開通したことの記念で東京に立ち寄った帰りに1日神戸に来てくれたもの。奇しくも、あの世界的旅行家兼高かおるさんが亡くなった月でもあった。兼高さんは、TVの創生期に世界各地を訪問してまだ自由に外国旅行が困難なときに、その各地の紹介を「兼高かおる世界の旅」として放映され、人々に感動を与えていた。私の記憶では、「パースは世界中で一番美しい街だ」と紹介されていた。それほど美しい市街地を持ったパースを首都とするのが西オーストラリアである。ぜひ次は関西空港からのパース直行便の就航を期待したい。

 その会談直前に私に入ったニュースが、神戸ビーフのオーストラリアへの初輸出情報だった。輸出先はシドニーで、パースではなかったが、マガウワン首相も和食の大ファンでもあり、次の機会にはぜひパースに輸出してほしいとのことだった。もともとオーストラリアでは日本種の和牛が肥育され、欧州では「和牛」とか「神戸ビーフ」とか称され、すでにブランド化されているらしい。TPP(環太平洋連携協定)が発効したので、日本へもオーストラリア産和牛が商社ルートで入ってくる可能性も指摘されている。しかし、神戸ビーフのブランド力はすごいものがある。最近、外国のお客さまも多いが、神戸、兵庫の知名度よりも断然、神戸ビーフが名高い、全世界的ブランドなのだ。

神戸ビーフとは

  神戸ビーフはいかに定義されているのだろう。県内で生まれ、県内で肥育された但馬牛(うし)で、かつ県内のと畜場で処理した牛肉を但馬牛(ぎゅう)といい、その中で肉質等級4または5で脂肪交雑が6から12までの高品質のものを神戸ビーフという。最近では、枝肉成績や繁殖成績を基に血統の多様性を考慮した選択を行い、能力の高い種雄牛を造成している。また、美味しさをつくる脂肪酸組成やロースの画像解析による小ザシ指数(筋肉内に入り込んだ細かなサシである「小ザシ指数」が高いほど脂肪交雑が細かい)などによる改良も進んでいる。



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神戸ビーフ

神戸ビーフの品質保証

 神戸ビーフの輸出は、平成24年2月のマカオをはじめとして、その年香港、米国と続き、現在23ヵ国・地域に拡大している。すでに、200トンを超す神戸ビーフが輸出され、EU圏70トン、香港60トン、シンガポール19トン、米国17トンなどとなっている。神戸ビーフの流通の中心を担っているのが神戸肉流通推進協議会で、ブランド管理の徹底と適正流通を確保するため、「神戸ビーフ」「但馬牛(ぎゅう)」にGIマークを付して、店頭まで流通させている。GIとは、地理的表示保護制度のことで、生産地と結び付いた農林水産物の名称を品質とともに登録し、地域の財産として保護する制度で、神戸ビーフ、但馬牛(ぎゅう)が第1弾登録産品として平成27年12月に登録された。海外での商標登録はすでに主要国・地域で登録済みであり、流通推進協議会がブランド保護に努めている。神戸ビーフや但馬牛(ぎゅう)については、内外とも指定登録店が卸売り、小売り、レストランなど一貫しており、神戸牛のブロンズ像と神戸肉之証が入口に掲げられている。

生産対策

 この神戸ビーフや但馬牛の課題は、なかなか生産量が需要に対して追いつかないことだ。但馬牛(うし)は繁殖経営の規模拡大が遅れ、小規模・高齢農家の廃業等が続き、県としては、繁殖雌牛(めすうし)2万頭の飼育を目指しているが、頭数は1万6,000頭と横ばいで推移している。平成30年の但馬牛の子牛を生産する繁殖経営農家は1,140戸(前年比93.4%)と減少しているが、1戸あたりの飼育規模は14.1頭(同106.8%)と拡大している。しかも、近年枝肉価格と子牛価格は24年度以降回復し、26年度以降は最高水準で推移し、29年度では枝肉価格1,644千円/頭、子牛価格914千円/頭となっている。

 だからこそ、この高値安定によるこの機に増頭作戦を展開する必要がある。繁殖雌牛の増頭対策と減頭抑制対策に併せ、但馬牛(うし)受精卵移植による肥育牛増産を推進している。まず増頭対策として、新規就農者や規模拡大者に対して国や県の補助制度や融資制度を活用して牛舎を整備する。29年度には12戸370頭増加した。新規就農者は独立5人雇用5人の10人だった。次に、繁殖雌牛の導入の支援で、同じく1,340頭の実績だった。これを指導して支援しているのが、県内16地域で生産者、JA、市町、県機関等で構成する増頭戦略会議である。三つとして、減頭抑制対策として、こうべ育成牧場や妊娠牛供給センター(神戸、豊岡)による支援、ヘルパー組織の運営支援、離農予定者から牛舎、雌牛を継承する但馬牛経営継承バンクの活用と新規就農者や増頭希望者等のマッチングを推進している。

 受精卵移植による但馬牛の生産も29年度で292頭となっている。品質の向上対策も進み、神戸ビーフの認定率を高めるため、県農林水産技術総合センターでは但馬牛(うし)肥育マニュアルの普及を図っている。これにより生産者の飼養管理技術が向上し、29年度では認定率82.1%と高いものになってきた。

 

畜産参入支援センター

 来年度からは、法人等による本格的な畜産業への参加を促すため、畜産参入支援センターを設置する。まず、遊休農地など、畜舎等を整備したり廃校などの施設の再利用できる用地や施設情報を調査し、一元管理する。二つは、法令や牛や牛舎の整備の支援事業の情報を一元管理して相談者に提供するワンストップ相談窓口となる。三つは、法人等に働きかけ、参入を誘導する。四つは、新規参入者、雇用就農者等への総合支援や関係機関とをつなぐコーディネートをする。このセンターが機能してくれることを期待している。

神戸ビーフ館

 このような神戸ビーフや但馬牛の情報が総合的に把握でき、しかも食事もできる神戸ビーフ館が、この3月にオープンする。もともと、神戸ビーフは著名だけれど、どのように飼育され、どのような流通をして、私たちの手元で食されているのか、神戸市内でどこで食し得るのか十分理解されていないのが実情である。このため、当面、JR新神戸駅に近く、観光客等のアクセスがよく、神戸肉流通推進協議会指定店の場所やメニューを検索でき、但馬牛(うし)や神戸ビーフの歴史や生産過程、神戸ビーフの美味しさや魅力などもスクリーンやタッチパネルで情報発信するとともに、神戸ビーフを用いた料理の提供を行う施設である。ぜひお訪ねいただきたい。 

神戸ビーフをもっと

 神戸ビーフがもっともっと人々のニーズに応え、その美味しさが世界中の人に愛され、ぜひ本場の料理をと関心がさらに高くなり、多くの人が神戸に来て楽しんでいただけるように、生産から流通そして料理まで一貫した高度なサービスの確立を目指していきたいもの。頑張っていきましょう。

音声による知事メッセージ

全文版(約11分)(MP3:10,431KB)

要約版(約3分)(MP3:3,189KB)

 

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お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3019

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