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更新日:2019年5月28日

海外誘客対策(平成31年5月)

海外誘客対策

インバウンド

平成30年の日本への外客数は、政府目標を大幅に上回り、3,119万人に達した。1年間で250万人増加し、8.7%の伸び率となっている。相変わらず日本への関心が高いことを示している。これには色々の要素があるが、大きいのは、まず円安。現在111円前後で推移しているので、日本へ渡航し易い状況である。また、訪日外客を主要国別にみると、中国が838万人13.9%の増加、韓国が754万人5.6%の増加、台湾が476万人4.2%の増加、米国が153万人11.0%の増加となっている。香港は221万人、△1.1%の減少であっても4人に1人が来日している主要国である。

この日本への外客数を基に、観光庁が公表している都道府県別の訪問率を掛けて、推計値ではあるが、都道府県別の外客訪問数を算出する。東京が1位で1,422万人、大阪が2位で1,142万人、千葉が3位で1,110万人、京都が4位で805万人、福岡が5位で324万人、などとなっている。兵庫県は11位で187万人、18.6%の増加であり、伸び率は全国が8.7%であるのに対して相当上回っているが、順位は11位と前年と変わっていない。特筆すべきは、奈良県である。前年は209万人、10位と兵庫の1つ上であったが、平成30年は278万人、32.5%の増加、順位も6位に躍り出ている。奈良県は、もともと神社仏閣など観光資源に恵まれているうえに、平城京朱雀門の再建や興福寺中金堂の整備など観光拠点が整備されてきたからだろう。

兵庫の課題

しかし、兵庫の場合は、インバウンドの伸び率が高いといっても、奈良に負けているし、その水準は、大阪、京都にはるかに及ばない。どうしてこんな状況なのだろう。

まず、観光客の行動分析が十分でないことだ。このためターゲットごとの対策が十分に行われていない。どこの国の誰がどこを訪ねているのか。どこに宿泊しているのか。例えば、神戸への来訪者がどこから来てどこを見て、どこへ帰っていくのか、データに基づく分析が必要だ。クルーズ船の乗客が上陸してからどこを訪ねて、どこで食事をして、どこで買い物をしているのか。インバウンドの情報分析を行って、ターゲットを見つけ出し、どう働きかければよいのか、それへの対策を行う必要がある。

第2は、アクセス基盤の弱さにある。インバウンド客の多くは航空機利用であるが、伊丹空港も神戸空港も国際線が運航されていない。関西空港との間はベイシャトルで海上アクセスがあるが十分に活用されていない。やはり、神戸空港等の国際空港化が必要だ。が、未だ関西空港の発着上限23万回には余裕があり、平成30年度で19万回程度だろう。関西空港の限界も見極めながら、神戸空港等の国際化が検討されてしかるべきではないか。関西3空港懇談会でしっかり議論してもらいたいものだ。

第3は、兵庫の持つ自然や地域資源が活かされていない。例えば、六甲山。あれだけの都市近郊の都市山がありながら、夜景の素晴らしさも自然の豊かさも十分に活用されていない。往時の六甲山を取り戻さなければならない。今の観光客は、体験型、参加型であるから、ハイキング、トレッキング、野外活動、ナイトツアーなど工夫しなければならない。

第4は、文化財や地域遺産などが歴史的に位置づけてネットワーク化されていない。例えば、世界遺産姫路城。兵庫一のインバウンドの注目を集めているが、城下町として発展してきた痕跡が随所にあるはずだが、これが複合的にネットワーク化されていない。また、レストランや楽しい買い物などのスポット化が必要ではないか。さらに、兵庫は日本一数多くの日本遺産を持つ(30年度時点)。篠山のデカンショ節、淡路島の国生み神話、鉱石の道と銀の馬車道、北前船、立杭の六古窯と5つもあるが、それぞれの文化的、歴史的価値に見合うプレゼンとこれらの連携が十分とはいえない。

第5は、食の拠点がない。楽しく食事ができる拠点施設が十分整備されていない。例えば、サンフランシスコやシドニーのフィッシャーマンズワーフのような食を中心とするエンターテイメント施設が必要ではないか。ようやく神戸ビーフ館が新神戸のホテル低層階に誕生した。デモ店舗であって本格的な展開となっていないが、一歩前進といえる。また、神戸にはくつろげる本格的料亭がなくなってしまった。一流客のもてなしには不便となり、みすみす大阪、京都に依存してしまっている。

第6は、宿泊施設、特に本格的ホテルが少ない。ようやくホテルが神戸や姫路あるいは内陸部にも整備されてきているが、問題は世界的ホテルチェーンの立地がほとんどないことだ。世界の富裕層をメンバーとするホテルチェーンがないと、なかなか神戸をはじめ兵庫に泊まってくれない。したがってナイトレジャーも乏しいものとなる。
このようなホテルの誘致は簡単ではないが、まちの魅力アップの一環として、ぜひ取り組まなければならない。県庁舎の建て替えにあたっても、この観点も1つのポイントとしていくこととしている。

第7は、まちの魅力アップが必要。まちの魅力は、何か1つのポイントで評価されるものではなく、総合的なものであろうが、人々が集い、楽しめ、しかも、ビジネスでも先端をいっているようなまちづくりをしたい。そこに住む人が幸せであることはもちろん、訪れる人にとっても新鮮で楽しくなるまちとしたい。

第8は、観光施策の総合的推進と施策の連携の強化である。兵庫は、すでにひょうごツーリズム協会として、観光施策の実戦部隊を持っている。とくに、平成14年からツーリズムとして観光を広くとらえて取り組んできたが、全体としての司令塔機能が弱い、積極的な取り組みが少ないなどの課題がある。兵庫県物産協会との連携も必要だ。組織のあり方を検討すべき。国のDMO(ディスティネーション・マネジメント/マーケティング・オーガニゼーション)の登録も視野に入れなくてはならない。

第9は、発信力の強化だ。兵庫ほど観光資源に恵まれているところは少ない。自然、産業、芸術、文化、歴史、人物、特産物、食材など五国の魅力にあふれている。それだけ焦点がしぼりにくいのかもしれないが、ストーリーをつくり、そのストーリーに沿って訪ね歩きたいと思われる情報発信が必要だ。

今後の観光

以上のような課題を課題ごとに明確な対策を打つとともに、複合的で多重な施策展開を図り、体系的、計画的に取り組んでいかねばならないのではないか。

折しも、今年からゴールデンスポーツイヤーズ、すなわち2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2021年ワールドマスターズゲームズ2021関西がスタートする。そして2025年には大阪・関西万博が開催される。世界の目は関西に向かうのだ。この機会をぜひ「兵庫を知る」をテーマとして、多くの海外客に訪れてほしいものだ。そのために、県民とともに官民挙げて取り組んでいきたい。

音声による知事メッセージ

全文版(約9分)(MP3:8,798KB)

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