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更新日:2007年11月20日

知事定例記者会見(2007年11月20日)

【発表項目】
1 地方交付税に関する主張
2 財政制度審議会「平成20年度予算の編成等に関する建議」への反論
3 平成20年度国の予算編成に対する提案
4 地方分権改革推進全国大会決議文
5 政府税制調査会答申に対する知事コメント
6 自然公園ふれあい全国大会開催結果
7 兵庫県芸術奨励賞受賞者の決定

知事会見内容

知事:

 資料の1番目は「地方交付税に関する主張」についてです。今の地方財政が厳しい状況になった原因は、交付税が削減されたことであり、我々としては地方財政計画に地方の財政需要が適切に算入されていないことが一番の原因だと強く主張しています。地方財政計画に地方の財政需要を適切に算入することを通じて、地方交付税を復元、充実してほしいということを今回の地方6団体の要請の第一義にしています。なぜそうなのかを説明したいと思います。15ページをお開きください。これは国・地方の平成13年度から19年度の歳入歳出状況について、地方財政計画ベースと国の当初予算ベースを整理したものです。地方財政計画ベースで歳入を見ていただきますと、地方税と地方交付税をあわせたものは2.1兆円減っています。つまり一般財源が減っています。税収が伸びているのに一般財源が減っているということは、地方交付税が減っているということです。また、地方債の依存度も下がっています。従って、プライマリーバランス上は1.3兆円の改善になります。歳出では公債費が3000億円増えていますが、地方一般歳出は7.9兆円減らしています。これでプライマリーバランスの改善は7.6兆円です。平成13年度から19年度の間で8.9兆円の改善をしています。その要因のほとんどが、地方一般歳出を7.9兆円減に押さえ込んだためとだと思います。それで我々の方が厳しくなってしまいました。本来、地方財政需要を的確に入れていかなければならないのに、地方の歳出をできるだけで切ってしまおうという地方財政計画の編成がなされることによって、地方のプライマリーバランスが回復し、黒字化したのではないでしょうか。国の状況を見てください。国は歳入では、国税が2.8兆円増えています。地方だってそれに見合うくらい増えていてもおかしくないのに2.1兆円減っています。それは地方交付税をそれだけ減らしたからです。国債は2.9兆円減らしています。国は歳入でプライマリーバランスを5.7兆円改善しています。しかし、歳出では国債費が3.8兆円増えて、国一般歳出を1.7兆円しか減らしていませんので、結果として2.1兆円悪くなっています。この間のプライマリーバランスの改善は3.6兆円しかありません。地方にずいぶん歳出削減の圧力をかけて、国は逆にプライマリーバランスの歳出面では悪化をさせてしまっているといいたいのです。その結果は8、9ページをご覧ください。一般財源から義務的経費を引いた残りが政策的経費に使える一般財源です。つまり、一般財源の中で、人件費や公債費、社会保障関係経費は優先的に経費を充てざるを得ませんので、それに充てた残りが政策的経費に使える一般財源になります。それが平成15年度から19年度までで、予算ベースですが、東京都、愛知県を除く交付団体ベースで合計すると、社会保障関係経費は77.5%増えています。一般財源は横ばい、しかし政策的経費に使える一般財源は半減しています。財政力指数が0.7~1.0のグループは大阪府や神奈川県、埼玉県、千葉県で、財政力指数が0.5~0.7のグループは静岡県、栃木県、群馬県、福岡県です。これらの県は、政策的経費に使える一般財源が7割程度の水準を保っていますが、兵庫県が属する財政力指数が0.5未満のところは5割を切っています。次に10ページです。一般財源の対東京一人あたりの格差の推移です。地方税について東京都との格差は0.11広がりました。地方交付税が税の格差を埋めてくれるはずなのに、地方税と地方交付税をあわせた一般財源ベースでの東京都との格差を見ると0.21広がっています。つまり本来地方交付税が格差是正に働かなくてはならないのに、格差是正に働いていないという結果になっています。格差是正をされている県がいくつかありますが、結局、格差是正をされている県のあおりをくらって、逆に格差が拡大してしまっています。それだけ地方交付税が機能していない、量が足りない事を表していると思います。このようなことから、我々としては的確に地方財政計画に地方の財政需要を算入することと、算入することによって地方交付税を復元・充実することを強く主張しています。

 

資料の2番目は「財政制度等審議会『平成20年度予算の編成等に関する建議』について」です。財政制度等審議会が建議をされましたが、建議された中で、いくつかの問題点があると思います。

まず、第1番目は地方歳出の抑制についてです。地方財政の悪化を抑えるための補填措置等も加わり、国の財政状況が急速に悪化したとありますが、国の財政の悪化を地方財政のせいにしています。地方交付税が増加したのは、景気対策や赤字国債を財源とする国の政策的な事業に対応するために生じたことであり、地方公共団体の負担は地方交付税で補填するのが建前です。その財源不足額については、地方交付税の法定率の引き上げを行わずに、特別会計借入金や地方にも臨時財政対策債を発行させるなどの臨時的な対策により対応してきたために生じたことであって、地方財政の悪化を抑えるために国が財源補填措置を行ったから悪化したのではありません。

第2番目はプライマリーバランスについてです。先ほど実態を見ていただきましたように、地方のプライマリーバランスの回復は、地方財政計画上、多額の公債費を償還しながら、一般歳出についてあえて地方の財政需要を上回る削減を行うことにより改善したものであり、決して地方財政に余裕があるわけではありません。地方は、国を上回る規模で、既に行財政改革を実行していますので、もうこれ以上の歳出削減を一方的に地方に求めるのではなく、地方財政計画において地方の財政需要を適切に算入すべきだと考えています。

第3番目は地方交付税の増額についてです。地方交付税の削減が政策的経費に使える一般財源の逼迫につながっているほか、財政力格差是正の機能を減退させ、地域間に格差拡大をきたしています。地方交付税総額の復元・充実を行っていく必要があります。

第4番目は地域間財政力格差の是正についてです。法人二税について全国的に再配分するしくみとすることが考えられるという形で提案されています。これについては、法人ニ税の一部を国が徴収して譲与税として配分することは、地方税を国税化するものでいかがなものかということを強く主張しています。我々は、地方交付税の原資である消費税の一部と法人ニ税の一部を交換することを提案しており、これが地方税源の格差是正や安定性の回復につながるのではないかと考えています。

第5番目は地方の社会保障関係経費についてです。社会保障について、平成15年度と19年度の予算を比較すると全都道府県で1兆6000億円、約79%も増えています。これは今後とも増加が見込まれています。また乳幼児医療費助成や障害者医療費の助成などは全国的に定着していて、東京都の医療費の助成だけを例にあげて、これは不必要なものだと言われるのはいかがなものかと考えます。社会保障財源として地方消費税の充実が不可欠だと考えます。また、地方の福祉職職員の給与は民間よりも相当高額で、民間と比べて高額な人件費を地方消費税により賄うことが果たして納税者の理解が得られるのかきわめて疑問であるとの指摘をされていますが、この試算は民間福祉関係職種の平均給与の算出基礎として厚生労働省の賃金構造基本統計調査を使っています。前にも批判しましたが、これにはアルバイトなどの臨時労働者等が含まれています。ですので、公務員の業務に対応した同種同等のもの同士の比較でないとおかしいのではないかと言っています。統計上のマジックを使ってミスリードするような結論を出すのは、財政制度等審議会の権威が疑われるのではないかと思っています。

第6番目は地方公務員人件費の抑制についてです。財務省が試算をしていますが、この試算はラスパレス指数で用いられている学歴・経験年数に加え、職員の役職が分類基準として加えられています。これでは職員が早く、若くして昇任すればするほど役職の給与水準が低くなります。財務省の指数は、我々のように昇任・昇格を抑制すると、年齢構成が高くなることによって指数が上昇し、逆に国のように昇任・昇格のスピードを上げると平均年齢が下がり、指数が低下します。昇任・昇格のスピードが遅い地方公共団体と早い国とを比較しますと、同じ職種、同じ地位の人では、地方公共団体の方が平均給与が高くなり、国の方が低くなりますから、どうしても指数が高く出てしまいます。また、地方公共団体は60歳定年制による職員管理をしています。定数を減らそうとすれば新規採用を抑制することになりますが、新規採用を減らせば減らすほど指数が高くなります。行革をすればするほど指数が高くなるということになりますので、地方公務員の人件費が高いという言い方はいかがなものでしょうかと言いたいと思います。

第7番目は道路特定財源の見直しについてです。道路整備の需要が非常に高いことと、地方の道路特定財源比率が低いために現行の税率水準を維持して道路特定財源の割合を高めるべきだと思います。

 

資料の3番目は「平成20年度国の予算編成等に対する提案」についてです。本年6月に提案していますが、6月以降の新たな課題や国の概算要求の状況を踏まえた提案を追加して、157項目の提案を行いたいと考えています。特に緊急的に提案活動を行う必要のある項目としては、安定した医療制度の確立、感染症対策の強化、県土の骨格を形成する高速道路の整備促進、利用者の理解が得られる阪神高速道路対距離料金の実現、道路特定財源の安定的確保と地方への配分強化、関西三空港の整備促進と連携強化、地方分権第二期改革の推進、行財政構造改革への対応です。

 追加の提案としては、資料にありますように、いじめ、暴力行為、不登校等に対する総合的な対策の推進、「教職員定数改善計画」の早期策定・実施等、教職員定数の改善、農地・水・環境保全向上対策の推進、環境創造型農業の推進、遊休農地解消の取組に対する支援、飼料価格高騰対策、日韓暫定水域における資源管理体制の確立、ジオパークの推進・登録、国際ツーリズムの一層の推進、ゆうちょ銀行における公金の収納手数料の見直し、感染症対策の強化、安定した医療制度の確立などについて、新たに提案することにしましたので、ご承知おきください。

 

資料の4番目は「『地方分権改革推進』全国大会及び実行運動」についてです。昨日、東京に集まって、地方分権に関する決議を行いました。詳細な説明は省略させていただきますので、資料をご参照ください。

 

 資料の5番目は「政府税制調査会『抜本的な税制改革に向けた基本的考え方』」についてです。本日、政府税制調査会において、税制改革の答申がまとめられました。調査会の最終日は意見交換の場があまりないだろうということで、私は出席しませんでしたが、コメントをまとめましたのでお配りさせていただきます。原文については政府税制調査会のホームページをご参照ください。今回は抜本的な税制改革に向けた基本的な考え方ということで、来年度に向けた答申というよりは、かなり中長期的な税制改革の考え方がまとめられています。我が国の少子高齢化やグローバル化などの経済・社会の構造変化を背景とした、社会保障の安定財源確保、格差問題、成長力の強化といった国民的課題に応えた税制のあり方について、中長期的な視点から示したと考えています。

 少子高齢化の進展に伴い、消費税率の引き上げの必要性が強く指摘されています。逆進性があると言われていますが、政府税調としては、1年の所得に対する逆進性というよりは、長い期間の担税力に対して本当に逆進的なのかどうか、あるいは所得の高い人の方が、消費の内容や額も大きいわけであり、食料品などの一定の限られた分野だけで逆進性を議論するのではなく、トータルで消費に対する税負担を考えてみると、逆進的というよりは比例的なのではないかといった分析をされた上で、今後の少子高齢化の進展に伴う社会保障関係費の大幅な増加に対して、消費税の充実が必要だということが答申に書かれています。ただし、いつまでといったようなことは書かれていません。我々地方も、社会保障関係費の大幅な増加が見込まれますので、その財源として、また偏在性が少なく、税収の安定した地方税体系を構築するためにも、地方消費税の充実などにより地方税財源を充実することが必要だと考えています。

 それから、税収格差問題について、総合的な検討を進めて早急な対応を図るべきだと答申には書かれていますが、具体的な提案はまだされていません。法人二税の配分方法を変えるという財務省の案は、応益負担の地方税の原則を無視することになりますので、我々としては税源入れ替えによる地方消費税の充実が基本だと考えています。

 また、道路特定財源についても、暫定税率に依存している割合が地方は高いので、是非暫定税率を維持するとともに、地方への配分割合を高めるよう期待したいと思います。

 ふるさと納税については、寄附金税制を活用することとされていますが、この骨格は条例で定めるべきということになっていますので、法律の受任のもとで、適切な条例を定めることを検討していくことになります。

 それから、公益法人税制についても、公益法人制度改革にあわせて、税制面でも公益活動を資金面で支える寄附の活用を促す方向付けが出されていますので評価してよいのではないかと思っています。

 

 「自然公園ふれあい全国大会の開催結果」、「平成19年度兵庫県芸術奨励賞受賞者の決定」については、資料をご参照ください。

 私からの説明は以上です。

 

質疑応答

A記者:

 先日、与野党対決という形になった大阪市長選で現職が敗れるという結果になりました。その結果について知事はどのような感想を持たれましたか。

 

知事:

 大阪市長の選挙に兵庫県知事がコメントするというのもいかがかと思いますが、現職の関市長はある意味で思い切った大阪市の改革をされてきました。大阪市の従来のいろいろなしがらみを断ちながら、果敢に改革に取り組んでこられたことと思いますが、その点が市民の目にまで十分に届いていなかった結果なのかなと私は思っています。平松新市長の就任にあたっては、大阪市の新しい改革の芽を伸ばしていただくような市政運営を期待したいと思います。これ以上のコメントは控えさせていただきます。

 

B記者:

 民主党兵庫県連が原則相乗りを廃止しようという案を採択されました。知事は選挙で相乗り候補として出られていましたが、それについてどのような感想を持たれましたか。

 

知事:

 政策的に違いがあるのならば、その立場を鮮明にしていくということも一つの選択だと思いますが、政策的に違いがないのに、単に候補者をぶつけるためだけの原則だとすると、国における政党間の争いであれば、そのような選択もあるかもしれませんが、地方における選択としては少し違うのではないかと思います。問題は、政策的な基盤の違いがあるかないかというようなところで判断していただくことになるのではないかと思っています。私自身は、まだあと2年弱残っている任期を全うしていく、特に行財政構造改革を軌道にきちんと乗せていくことが一番の役割だと思っています。その時点で、もし私自身がさらに続けていくということであれば、ご相談申し上げていくということだろうと思います。今決めているわけでは全くありません。

 

B記者:

 その視点で大阪市長選をもう一度捉え直していただければどういうことになりますか。

 

知事:

 若干路線が違っていたのではないでしょうか。つまり、大阪市長選は市政運営に対して、若干の政策的な相違があったということではないかと思います。

 

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