ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 知事のページ > 知事定例記者会見(平成20年) > 明石海峡沈没船からの油抜取りに係る事前調査についての知事記者会見(2008年8月1日(金))

ここから本文です。

知事のページ

更新日:2008年8月1日

明石海峡沈没船からの油抜取りに係る事前調査についての知事記者会見(2008年8月1日(金))

【発表項目】
明石海峡沈没船からの油抜取りに係る事前調査

知事会見内容

知事:

 明石海峡沈没船についての対応を技術検討委員会を設けて検討してきました。技術検討委員会は海上保安庁第五管区海上保安本部と県と地元3市と県漁連とで構成し、専門家に入っていただいて検討を進めてきました。引き上げ作業については、海底80mで、海流が最大7ノット以上、しかも、明石海峡という航行量が多い海峡ですので、封鎖して何ヶ月もかけて対応することは事実上困難な事情もあり、技術的にも環境的にも難しい状況です。ROLSというシステムを使って油の抜取りをすることが適切ではないかという方向で、しかし、現実に可能なのかを事前に確認をする必要がありますので、ROVという遠隔操作ができる無人の潜水探査機を入れて沈没船を水中カメラ等で確認して次の段階に進めるように事前調査をすることにしました。月齢で潮目がプラス・マイナス・ゼロになるときが月2回ありますが、その時でないと最大7ノット程度の水流がある状況ですので、その2、3日の間を狙って調査をすることになります。次の潮目があるときの8月9日から11日が一つの時期とされていますので、この時期に実施をする準備を進めています。調査項目は1の(1)にありますように沈没船の着床状況の確認や船体付燃料タンク区画の船体外板の損傷状況の確認、船体周辺の状況確認、油抜取り手法である機械のROLSエンジニアによる使用可否の確認、その他の技術的検討を加えるための情報収集をしていきます。その前提として、(4)その他に書いていますように海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の規定に基づいて、地元関係機関に対して必要な措置の要請を受けましたので、県として3市と協力しながら共同実施をします。事前調査結果については、専門家にも入っていただきながら、引き続き、油抜取り作業の実施を目指して、検証してそれに基づいた結果で作業手順等についても議論を進めていきたいと考えています。

 ようやく技術的に一定の方向付けの前段階としての調査にこぎ着けて、対応ができるようになったという意味で喜んでいます。特に来年の、のりの作付け等を考えると作業を急がないといけません。窮屈な日程になりますが、油抜取りができるように調査結果を踏まえて実施していきたいと考えています。ただし、現在ROLSは台湾でベンゼンの抜取りにあたっています。その後、韓国を経て日本に来る予定ですので、早くて10月以降から使用可能とされています。従って、それまでの間に調査結果を踏まえて検証をして、適切な対応についての専門的な議論を積み重ねて、のりの前期生産が12月から始まりますので、遅くとも、それより前に油の抜取り作業が行えるようにしたい、そのようなスケジュールに間に合うようにできればと考えています。

私からは以上です。

質疑応答

記者:

 これに係る費用はどれぐらいで、どこが負担することになっているのでしょうか。

 

知事:

 要請を受けた県と市町が負担します。

 

記者:

 費用はいくらになりますでしょうか。

 

知事:

 3,000万円程度です。油抜取り作業までの一連の前段階と位置付けていますので、最終的には国の補助制度を活用して対応したいと考えています。先日、冬柴国土交通大臣には、このような作業段取りになった時の補助制度の適用について依頼をしました。

 

記者:

 最終的な費用は、ROLSを使えばどの位になるのでしょうか。

 

知事:

 まだ、はっきり分かりませんが10億円は超えるといわれています。12億円という試算もありますが、はっきりしたことはわかりません。

 

記者:

 国の補助制度はどのような制度でしょうか。

 

知事:

  2分の1の補助制度です。

 

記者:

 補助制度の名称は何でしょうか。

 

知事:

 外国船舶油等防除対策費補助金です。

 

記者:

 日本サルヴェージ株式会社が調査委託先になっていますが、抜取り作業もこちらに委託することになるのでしょうか。

 

知事:

 それはわからないです。世界でもノルウェーの会社の1社に1台しかありません。ただ、どういう契約を結ぶかですね。主契約が日本サルヴェージ株式会社になって、それがROLSを使えるノルウェーの会社を下請けにするのか、あるいは共同にするのか、契約のやり方について調査等を終えた後の検討とさせていただこうと思います。

 

記者:

 実際油の抜取りをすると、どの位の期間が掛かりますか。

 

知事:

 作業する期間が限られています。大潮の時は作業ができません。月齢が変わる潮目が無くなるような凪になるときは月に2回しかありません。この2回の時に作業をすることになります。

 

記者:

 時期が分断された形で1カ月以上かかるのでしょうか。

 

知事:

 1カ月になるのか2カ月になるのかは作業量の問題です。

 

記者:

 事前調査は、何時から何時が想定されていますか。また、元々どれ位の油が入っていて、今のところどれ位油が残っているとみられているのかデータがあればお願いします。

 

知事:

 データがあれば、知りたいです。データがないので困っています。今の現状をきちんと確認しながら目途も付けたいというのが実情です。作業時間は、8月9日23時から8月10日5時までと8月11日の1時30分から6時までの予定です。特に、航行する船舶に注意喚起をしないといけませんので、作業日程はきちんと公開しなければなりません。情報提供をさせていただきます。

 

記者:

 現状の油の状況が分からないということと、県をはじめとして神戸市も海洋の調査を継続的にされていますが、この調査の結果をみていると油が出ていると思えないですが、一方で漁業者の方々からの要請があると思います。油の抜取りをお金をかけてやると判断された状況と基準をお聞かせください。

 

知事:

 技術検討委員会によると、量ははっきりしませんが船体に油が残っている可能性が非常に高いという状況です。大きな被害をもたらしていませんが、時々沈没船から出たと思われる油の波紋が海域に見受けられる状況がありますので、若干の油漏れが生じているのではないか、それは船体に油が残っているのではないかということが技術検討委員会の見方です。これを踏まえて、残っているとすると現在定点観測している状況では被害が生ずるような状況ではありませんが、残っている部分の抜き取り作業をすることによって2次被害、3次被害を防止できることにつながります。技術検討委員会も、沈没船を引き上げることは技術的に困難だが、ROVという手法とROLSという手法を活用することによって抜取りが可能なのではないかという結論を出していただきました。その結論に従って作業を開始することを決めました。

 

記者:

 費用についてですが、県と3市の負担割合をお聞かせください。

 

知事:

 県は2分の1負担します。3市の負担割合は、現在3市と相談していますが、県としては、概ね1:1:1の方向で相談をかけさせています。

 

記者:

 話が変わって申し訳ありませんが、大阪府の橋下知事の伊丹空港の廃止論について知事のお考えをお聞かせください。

 

知事:

 正式名は大阪国際空港ですが、国際級(3000m超級)の滑走路は、関西国際空港と大阪国際空港、神戸空港も入れても、3本しかありません。関西国際空港の2本と大阪国際空港の1本です。その他は神戸空港が2,500mで1本と大阪国際空港のA滑走路が約1,800mです。2,500mとか1,800mでは外国とは無理ですね。2,500mだと近いところまでは飛んでいけるかもしれません。オーバーパシフィックのところは3本しかない実態です。3空港があるから多いみたいに考えられていますが、関西地域全体の都市装置としての空港としてみると、まだ非常に貧弱です。ニューヨークのケネディ空港は1港だけで国際的に使える滑走路を3本持っています。ニューヨークにはその他にニューアーク空港とガラーディア空港があります。そのような実態が現実にあるということをみておいていただく必要があります。現に、第2滑走路ができましたが、関西国際空港は今でも約130,000回、大阪国際空港で130,000回が飛んでいます。関西国際空港だけでは260,000回は対応できないです。それなのにどうして廃止するのでしょうかとお聞きしたいです。これが物理的な課題です。2番目は関西国際空港は何のために作ったかという原点にもう一度返っていただいたらいいと思います。関西国際空港擁護派の方々は大阪国際空港の騒音問題を解決するために関西国際空港を作ったのではないですかと言われるでしょうが、いろいろな経過があって大阪国際空港を存続させようということになりました。他の空港は国際空港としてどんどん入ってくるなら自由に入ってくださいという状況をつくりながら、関西国際空港は国際空港を機軸として運航するために大阪国際空港と神戸空港だけは国際便は飛ばさないという規制を加えて利用してきています。関西国際空港が国際空港なんだという位置づけがあるからです。他の2空港は関西国際空港を支援してきたわけです。このような役割分担を前提にした整備が進められてきたのに、役割分担を無視してしまうのでしょうかということです。3番目は旅客のニーズにどう応えるかということを考えなければいけません。大阪国際空港から強制的に関西国際空港に持っていった長距離路線がいずれも運航が困難な状況で今回のような問題を起こしています。ということは、お客さんは路線を強制的、政策的に持っていったからといって利用してくれるものではないということを示しています。そうだとすると、空港旅客ニーズにどう応えるかを無視したような議論を展開しうるのだろうかと考えたときに、大阪国際空港を廃止することは現実的な議論ではないと思います。仮に廃止すれば、逆に近畿の重要な都市装置の一つを失うことになりますので、関西圏全体を沈ませる政策をやろうとされていることになりかねませんねということを強く申し上げています。

 

記者:

 最初、橋下知事から電話があったという報道がありましたが、聞かれたときはどう思われましたでしょうか。

 

知事:

 最初は、第2滑走路ができて関西国際空港が全体運用がされるようになって1年です。1年を踏まえてもっと3空港の役割分担の最適運用を図る、つまり、関西国際空港だけで国際便という今の体系で良いのだろうかという議論をされるのかなと一瞬思いましたが、話をしていると違っていました。それが橋下知事の持論だということですので、そういう話ならば乗っていけませんねとお答えしています。

 

記者:

 なぜ、橋下知事はこのようなことをおっしゃったと思われますか。

 

知事:

 関西国際空港の利用が少し落ちることに対して、起死回生策がないかというようなことから考えられたうえでの橋下流ではないでしょうか。ただ、JALは上海便とソウル便を増やそうとされています。これは関西国際空港のあり方からみたら評価すべきだと思います。国内便なんですよね。国内便は関西国際空港からするとマイナーなので、国内便で発着回数を稼いでも今の位置づけからすると関西国際空港の役割を果たしたことになりません。乗り継ぎ需要の便宜を図ろうという理由は成立しますが、関西国際空港を国内の基幹空港にしようと誰も思っていませんから、そういうことも考えてみると、もう少し冷静な議論をしなければいけないと思います。

 

記者:

 関西国際空港が大阪で、大阪国際空港が兵庫だからと思われているのではないですか。

 

知事:

 大阪国際空港は豊中市でしょ。よくご存じですよ。

  

記者:

 それはわかっておっしゃってるということですか。

 

知事:

 だから、それが橋下流なんじゃないですか。

 

 記者:

 知事がお考えの大阪国際空港を存続させる意義を改めてお聞かせください。橋下知事は廃止してもいいといわれていますよね。

 

知事:

 それは物理的にいっても、今の航空需要でさえ、賄い切れていないことになってしまうので、そういうことをあえて行うのでしょうかと疑問を呈しています。大阪国際空港を廃止すると大変なことになるのではないでしょうか。結果として、神戸空港と関西国際空港2港で担うとすると、近畿に三角形で配置されている空港需要について、大阪国際空港エリアの利用者はいろいろな選択余地がありますので、ニーズを無視すると、あえて空港を利用しないで代替手段である新幹線など別の手段を選択される可能性があります。そういうことになって、地域の経済社会活動が十分だといえるのかどうか、いろいろな選択があるという状態をできるだけ沢山作る方が地域経済の発展の基盤を作っていくことにつながるのではないかと思っています。旅客ニーズに対して選択肢を狭めていくのは供給者側の発想です。実際の利用者の立場に立った発想ではないと思います。今回のことは、橋下知事らしくないと思っています。

 

記者:

 橋下知事らしくないというのはどういうことですか。

 

知事:

 橋下知事は府民のみなさんの利益を図るんだということで行革をされているのに、今回は空港の利益を図るために推進されようとされているみたいだから、らしくないと申し上げました。

Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

お問い合わせ

部署名:企画県民部知事室広報課
電話:078-362-3020