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更新日:2008年12月1日

知事定例記者会見(2008年12月1日(月))

【発表項目】
 1 財政制度等審議会「平成21年度予算の編成等に関する建議」について
 2 東播磨生活創造センター「かこむ」の利用状況(4月~10月)
 3 兵庫県立美術館と滋賀県立近代美術館との相互協力に関する基本協定の締結

知事会見内容

知事:

 項目の1番目は「財政制度等審議会『平成21年度予算の編成等に関する建議』」についてです。

 地方財政関係についてもいくつか触れられていますので、それについての本県の考え方を指摘しておきたいと思います。

 まず、社会保障国民会議の試算についてですが、社会保障国民会議の試算は地方単独の福祉事業が含まれていません。したがって、社会保障に係る財政需要に関連して、地方の社会保障分野である休日夜間の救急医療、健康診査をはじめとする健康予防対策や、少子対策、高齢者対策などの福祉事業についての財政需要も勘案すると、地方消費税の充実も併せて図る必要があると考えています。

 次に、我々は三位一体改革により地方交付税が大幅に削減されたことが地方財政の窮乏化をもたらした原因と言っているのですが、財政審は「地方交付税と臨時財政対策債を合計すれば5.7兆円の減少となるが、地方税はこれを概ね埋め合わせるだけ増加し、地方の一般財源は十分確保されている」と言っています。これは、いささか分析が表面的でして、地方が政策的に使える一般財源が、約3兆円減少している事態が生じています。三位一体改革で国庫補助負担金が4.7兆円削減されるとともに、地方への補助事業の移転とその財源としての3兆円の税源移譲が行われました。この場合、1.7兆円分の補助事業が不要とされたことになるので、これに見合う地方交付税1.7兆円の削減であれば合理的だったのですが、5.1兆円も削減されてしまっているのではないかというのが我々の主張です。しかも、三位一体改革の前後で増加している地方一般財源の2.1兆円のうち、2兆円は水準超団体の税収増ですので、我々からすると一般財源そのものはほとんど増えていないという状況です。さらに、3兆円の税源移譲も、児童扶養手当、国民健康保険や義務教育費国庫負担金等の義務的な負担が地方に転嫁されたにすぎず、これを控除すると、地方が政策的に使える一般財源は、逆に約3兆円減少しているということになります。

 次に、「交付税を過去の水準に復元するとの主張は、地方から国に負担を付け替えるとの主張にほかならない」とありますが、実態面から見ますと、社会保障関係経費など国の制度に係る地方歳出が増加し、地方単独事業でやってきていた事業が制度的に交付税等で保障されていないという実情が出ています。それから、形式的に「一般財源比率が上昇するなど、財政体質の改善を示している」と言われていますが、地方が数字的にいいように見えているのは、地方は、給与削減をはじめ懸命の歳出抑制をする一方、こうした国の制度に基づく負担に応えざるを得ず、このため、他の地方単独事業を犠牲にせざるを得なかった、その結果なのです。そういう結果を無視して、指標のみで財政体質が改善しているとする主張は、あまりにも形式的で、国、地方を通じた財政運営について、地方が財政制度を作れない中で、最終的な責任を持つ国が、このような言い方をするのはいかがなものかと思います。

 次に、「地方への税源移譲は地域間の財政力格差を拡大させる」と言われていますが、実態から見ますと、三位一体改革の前後においても、地方税源をベースとした格差は、ともに1.73と変化はありません。一方、地方税収入に地方交付税等を加えた比較では、平成15年度の格差平均が1.03とほぼ是正されているのに、平成19年度では地方再生対策費などの対応を加味しても1.21程度にしか格差は縮小されていません。このことは、地方交付税が持っている財源保障・財源調整機能が低下したことを示しているのではないかと思います。それから、地方法人特別税・同譲与税で格差是正の仕掛けが導入されましたが、4000億円弱ぐらいの機能しか果たしておらず、これはあくまで地方消費税が充実されるまでの暫定措置として位置づけられています。したがって、我々からすると、偏在性が小さく税収が安定的な地方消費税を充実することによって、格差是正の一助にしていくということが基本ではないかと主張しています。

 次に、「国は総体としての地方よりも極めて厳しい財政状況である」と言われています。国が厳しくないとは言いませんが、地方は給与削減にまで踏み込んで、平成15年度以降3.9兆円もの徹底した一般歳出削減を実行してきています。この間、国は、税収増加分に見合う国債発行の抑制しかしてこなかったのですが、地方は水準超団体の2兆円の増加分を除き、一般財源が0.7兆円しか増加していません。そういう状況のなかで、地方債を5.5兆円削減し、財政の改善に努めていることを正しく評価してもらいたいと思っています。

 次に、「国の財政状況への信認自体が地方財政に影響を与える」ということについて、これはその通りです。しかし、その前に、地方に対して国がこんなことをやったと多く書かれていますが、国の政策に伴う地方税の減収や補てんというのは、国が自分の政策に対して地方にも協力させたわけですので、当然、国が責任を持ってしかるべき課題ではないかと思っています。併せて、日本の財政再建を考えれば、国・地方を通じて達成されなければなりませんし、国だけでいい、地方だけでいいという問題ではないということ、そして、特に財政制度の総合的な責任を負うのは国ですので、この財政制度を作る権能のない地方に財政再建の責任を押しつけるのは無理があるのではないかということを言っておきたいと思います。

 次に、「平成19、20年度予算における折半対象財源不足が解消」とありますが、結果として地方税収が増えるという財政計画の見通しが、計画割れになることが見込まれていますので、これからの厳しい経済情勢を踏まえて、実態に即した税収見積もりと、増嵩する財政需要を的確に見込んで、適切な地方財政対策を講じるべきであるということを主張したいと思います。

 次に、「経済対策のために歳出を拡大すべきではない」と言われています。我々も経済対策のために地方が協力しないで国が全て責任を持って対応していただけるなら、それはそれで一つの選択だと思いますが、国と地方が協力しながら現下の厳しい経済状況に対処していくべきものだと思いますし、併せて、それに伴う地方負担分については、確実な財源措置が講じられてしかるべきではないかと考えています。

 次に、「一般行政経費は高止まり、ムダ・ゼロに向けた改革努力を行っていくべき」と言われていますが、我々は当然そういうことはやっています。大きな額が増えているような印象を与えているのは、3兆円の税源移譲に伴い、従来、国が行っていた児童扶養手当、国民健康保険、義務教育費国庫負担金などの国庫関連事業が、地方単独事業に振り替えられているからです。これらの削ることができない事業が上乗せになっているのにもかかわらず、高止まりという言われ方をするのは、いかがなものかと思います。また、地方単独事業は、国民生活に不可欠な事業がほとんどですし、また、投資的経費も含めた地方事業全体では、平成15年度から平成20年度にかけ、義務教育、警察、国庫補助関連事業などの国関連経費が約2兆円増加している一方、地方単独経費は5兆円近くも削減しているという実態を十分に踏まえていただきたいと思っています。それで、地方は無駄遣いをしているという指摘はいかがなものかと思います。

 次に、給与については、「職務と責任に基づくラスパイレス指数を用いるべき」という議論が昨年から財政審で行われているわけですが、職務と責任に基づくラスパイレス指数とは何かと言いますと、学歴や経験年数を一切考慮せず、役職に応じた給料表の適用を受ける職員同士の比較であり、例えば、給料表の10級にいる職員を単純に比較し、高い低いというふうに比較すればいいのではという話なのです。民間においてもある程度経験年数に応じた賃金水準となっていることを踏まえると、いかがかと思いますし、組織の規模、形態や職制が異なっている国と地方との比較で、それぞれの団体の職制などを単純に比較するというのはいかがなものかと思います。なお、すでに地方公務員のラスパイレス指数は平成13年の100.5から19年には98.5になっており、さらに、38の都道府県が給料本体の減額を行っている状況を見ると、単純に地方公務員の給与が国に対して高いと言えるのかどうかということについて、反論したいと思います。

 次に、補助金についてですが、必要な財源を地方に移譲して、地方の自由度が高まるような見直しを是非行ってほしいということです。

 次に、「道路特定財源の一般財源化に当たっては、国の財政健全化に資する改革とすべき」と言われています。資するという意味で活用されるのも一つの選択だと思いますが、我々が言っているのは、地方の財源であったものはきちんと地方の財源として措置してほしいということを第一義として言っています。もう一つは、追加経済対策で示された「地方への1兆円」については、地方の財源とは別の議論ですので、道路財源の「地方枠」(3.4兆円)とは別枠で確保してほしいということです。

 続いて、11ページ以降の資料について説明します。図表1は、昨年の税制調査会に提出された資料ですが、国の負担が増えると地方の負担も増えるというのが実情です。図表2は、三位一体改革についてです。参考にありますように、税源移譲と国庫補助負担金改革の差額である約1.7兆円について、補助金が2分の1補助だとすると、地方負担分については交付税でまかなわれたはずですから、その分が削減されるというのであれば、マッチしているのですが、それ以上に削減されてしまったというのが非常に大きな問題点だったのではないかということを言っています。図表3は平成15年度から20年度までの地方財政計画ベースでの一般財源総額の推移を示しています。地方税が5.3兆円増えていますが、地方交付税等が5.7兆円減っています。一般財源が2.1兆円増えたことになっていますが、水準超経費を除くと1000億円しか増えていない、税源移譲の影響を除くと2.7兆円減になるという構造だということを言いたいと思います。図表4、は、住民サービス提供に必要な経費に回す分のウエートがどんどん減ってきているということを示しています。社会保障関係の経費について、平成15年を100とすると、平成20年には1.56倍になっている一方で、人件費、公債費がほぼ横ばい、住民サービス提供に必要な経費が2割減にならざるを得なくなっているということを言っています。図表6は、超過負担、つまり、本来なら交付税措置などの制度で見られるべきものが十分見られていないというものがこんなにあるということを整理したものです。図表7は、三位一体改革前後で地方税収の都道府県格差、東京都を1としたとき、地方は1.7倍しないと東京都の1にならない、つまり、東京都の0.6とか0.7というのが実態だということを示しています。それが、平成15年度では地方交付税等により1.03まで是正されていたのが、19年度では1.21にしかなっていないということを見ていただきたいと思います。図表8は、平成15年度から20年度の地方財政計画ベースでの国と地方の歳入歳出の状況を比較した表です。地方歳入は地方税と交付税で2.7兆円増えていますが、地方債を5.5兆円減らしています。歳出は、一般歳出で3.9兆円減らしているということを示しています。一方、国の方は国税が11.8兆円増えていますが、それに伴い国債を11.1兆円減らしています。歳出は一般歳出を3000億円しか減らしていないという状況だということを示しています。図表9は、給料本体をカットしているのが38団体あるということを示しています。ラスパイレス指数の推移を見ていただくと、平成19年では都道府県平均は99.6、指定都市平均が101.0、市平均が97.9、町村平均は93.9となっています。この7年間で、地方は11万人減らしてきましたが、国は8,000人しか減らしていないということを示しています。図表11は、来年以降、財源不足額がかなり増えていくということを示しています。図表12は、地方単独事業経費の推移です。一般行政経費を見ていただきますと、国庫補助関連経費が3兆9,141億円の増に対し、地方単独経費は1兆6,060億円しか増えておらず、国庫に関連する部分が増えているということです。また、投資的経費は、トータルで8兆4,717億円の減ですが、国庫補助関連経費が1兆8,013億円の減額なのに対し、地方単独経費は6兆6,704億円減っています。結果として、地方財政計画(歳出)における歳出総額について、国関連経費が2兆385億円増えているのに対して、地方単独経費は4兆8,478億円減っているということを示しています。以降については資料をご参照ください。

 いずれにしましても、来年度は、国も地方も税収の伸びが期待できない厳しい状況に置かれますので、財政審でも経済対策で臨時的な対応をせざるを得ないと言われているように、来年度は特例的な対応をせざるを得ない地方財政計画や予算の編成ということも検討せざるを得なくなるのではないかと思います。

 

 2番目は「東播磨生活創造センター『かこむ』の利用状況(4月~10月)」についてです。

 オープンから約6カ月で延べ53,281人に利用していただいています。グループ登録数も10月末時点で167団体が登録しています。生活創造センターとしての機能が定着しつつあるということを報告させていただきます。

 

 3番目は「兵庫県立美術館と滋賀県立近代美術館との相互協力に関する基本協定の締結」についてです。

 12月5日に基本協定を締結することになりました。両館の展覧会の共同開催や共同研究、所蔵品の相互活用、学芸員の交流、ボランティアの交流など、滋賀県立近代美術館と兵庫県立美術館とが相互協力をしながら活性化を図っていこうということが決まりました。

 

 私からは以上です。


質疑応答

記者:

 12月4日に第297回県議会が始まります。住基ネットを疾病追跡で利用したいということについて、公開質問状等の返答が市民団体側に来ていないそうですが、予定どおり上程をされるのかお聞かせください。

 

知事:

 公開質問状については関係部署がきちんと答えると思います。例えば、薬害被害等に遭われた方を救済するのに必要な情報量が少ないので、その救済手段として連絡先を把握するために住基ネットを活用しようという趣旨です。それ以上の活用を目指すものでもありません。十分、個人情報の保護の観点も踏まえたうえでの措置をとらせていただきますので、基本的に条例で用途を定めて活用できるようにしたいと考えています。

 

記者:

 裁判員制度について県職員も裁判員になることがあると思います。裁判に掛かる日について、勤務にするのか年休にするのか、あるいは企業によっては特別休暇にするという所もあるそうですが、何かお考えがあればお聞かせください。

 

知事:

 具体的に裁判員制度が動き出すのは来年の5月ですので、制度が動き出すまでに検討をする必要のある課題と考えています。何らかの措置、特別休暇制度の一つに取り入れていくというのも一つの対応だと思います。何らかの制度的な対応を検討する必要があると考えています。

 

記者:

 年休をとって行くということはお考えではないですか。

 

知事:

 この辺りが微妙な問題で、裁判員になることは公務ではありますが、日本国民としての協力の一環だという位置づけだと思います。特別休暇が当然だということになるのかどうかという点について、十分に吟味しておく必要があります。しかし、公益性も非常に高いので、協力できるような仕掛けは作っていく必要があると思っています。そのような意味で検討をしていきたいと申し上げました。

 

記者:

 財政制度等審議会の「平成21年度予算の編成等に関する建議」についての意見は、今後関係省庁等に資料を持って行くとか、陳情するなどのご予定があるかお聞かせください。

 

知事:

 関係省庁へというよりも、これは財政制度等審議会の建議についての課題や問題点を整理して、私たちの立場を主張することが大事だということでまとめたものです。私は地方交付税問題小委員会の委員長でもありますし、地方交付税の確保についての働きかけもしていますので、このような論点をベースにこれから地方交付税の確保を働きかけていく材料にしていきたいと思っています。原文をそのまま持って行くような性格のものではないと思っています。

 

記者:

 大阪府が11月27日に大阪府の地方分権の改革ビジョンを発表しています。ここでは、関西州の設立に向けて関西広域連合を経た形で位置づけられています。既にご覧になっていれば感想をお聞かせください。また、ご覧になっていない場合は、このような大阪府の取り組みについてどのようにお考えかお聞かせください。

 

知事:

 抜本的な基本方向として関西州を導入したいということが大阪府の将来ビジョンだということは承知しています。その過程の中で広域連合を作り上げて、その次の段階として考えていくというのが大阪府の位置づけではないかと思います。私なりに考えると、道州制そのものがどのような形で今後議論、検討され、筋道だっていくのか今の段階でわかりません。関西州は道州制の一環でしょうからコメントは控えたいと思います。広域連合を前提として進めていくことは、私たち自身も広域連合で防災や医療等、具体的な県民、関西の人達の利益の増進につながることをやっていこうとしていますので、一つの筋道だと思います。

 広域連合を具体的に運営する中で、広域連合を充実していけば、十分道州制に代わる機能を果たせるのか、それとももっと広域団体として徹底していった方が良いのか、自ずと見えてくると思います。広域連合の設立を第一歩として進めることが重要だと思っていますので、それについては共通の理解をしていると思っています。

 

記者:

 今まで、知事は個人として道州制の問題について折に触れて発言をされてきました。大阪府がこのような形で示していますが、兵庫県として地方分権、地方自治の将来像として計画や素案など、まとめたものを発表する、もしくは検討するご予定はありますでしょうか。

 

知事:

 今のところは、具体的には関西広域連合を設立して、広域連合の適切な運用をステップアップしていくことが、関西全体にとっても望ましい基本方向ではないかということを明示しようとしています。今の時点では、その線に沿って進めていくことが大事だと考えています。

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