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更新日:2009年6月8日

知事定例記者会見(2009年6月8日(月))

【発表項目】
1 政策会議議題
(1)消防広域化推進計画の策定  
(2)消費者行政の総合的推進
(3)平成21年度 男女共同参画社会づくりの総合的推進
(4)阪神・淡路大震災15周年事業
(5)西脇市土づくりセンター「ゆめあぐり西脇」の稼働開始 
(6)姫路城をデザインした「ひめじ田宴アート2009」の実施
2 その他
(1)地方分権改革推進委員会「義務付け・枠付けの見直しに係る第3次勧告に向けた中間報告」について(知事コメント)  
(2)財政制度等審議会「平成22年度予算編成の基本的考え方」について(知事コメント) 

知事会見内容

知事:

 政策協議事項の1番目は「消防広域化推進計画の策定」についてです。

 もともと消防は江戸時代の町火消し以来、地域の安全・安心を守る基本業務ということにされてきたことから、自治体消防、特に市町村消防を原則として機能を発揮されてきました。しかし、非常に規模の小さい消防になりますと、近代化できない、設備能力が弱い、組織力が弱いということがあるものですから、消防としての機能アップを図ろうという意味で広域化が議論され、平成18年6月の消防組織法の改正で広域化についての基本指針を消防庁が作り、それに基づいて、都道府県が市町村の消防の広域化を推進するための計画を定めるということが、都道府県の事務とされました。検討を重ねてきているわけですが、市町村消防が基本にあるべきだということの中で、広域化を図らなくてはならない必要性のあるところについての指針となるような計画にすべきではないかと考えていますので、できるだけ基本は市町村の考え方をベースに整理をしていこうということで作業をしてきたところです。現時点での市町村の最大公約数を県としても支援していこう、ただ、それぞれの地域がブロック単位で抱えている問題がありますので、その問題についても指摘をしておこうという基本スタンスで整理をしたということです。

 位置づけは、平成24年度末の実現をめざして、広域化に向けた具体的な協議を行う市町の組合せ、これは2か所ですが、それ以外の市町村との方向付け等を定める計画となっています。

 期間は平成24年度までの4か年計画です。

 今後の進め方としては、広域化の対象となる市町は、協議会等を設置して具体的な協議を進めるということになります。それから、基本方向についての議論にとどまっているところについても合意形成を図るような場を作っていただき、合意形成がなされた場合は計画を改定して追加していくというような取り扱いを考えています。

 兵庫県消防広域化推進計画の概要ですが、現状、県内の常備消防体制は30消防本部、54消防署、115出張所、消防職員数5,585人となっています。このうち、18本部が管轄人ロ10万人未満の小規模消防本部であり、消防職員の充足率は67.8%で、若干全国平均より低いという状況です。一方で、救急の出場件数が非常に増えています。226,215件で10年前の約1.5倍です。それから、先日も神戸市内で不幸な事件が起きましたが、災害や事故が特殊・多様化してきているということも否めないと思います。そのような状況を踏まえて、小規模消防本部の多くが、単独による消防力の増強整備が困難な状況に置かれています。広域化によって、対応することが極めて有効なのではないかということで、目標の規模を、管轄人口30万程度以上の消防力水準を確保したいという原則を掲げましたが、地理的条件等によって達成が難しいケースがありますので、少なくとも管轄人ロ10万以上の消防力水準を確保したい、これを基本にしています。そのような中で検討したところ、具体的に協議をしていこうというブロックが2つ出てきました。1つが阪神北地域で、宝塚市、川西市、猪名川町です。もう1つが北播磨地域で、西脇市・多可町、三木市、小野市、加西市、加東市となっています。協議を進めていこうということですので、平成24年度までの間にその協議が具体的に整ってくれることを期待しています。一方で、今後のそれぞれの地域の状況はどうかということですが、神戸は管轄人ロ150万を超える消防本部ですので、今のような議論の対象に本来はなり得ませんが、将来的には周辺の地域からのアプローチが考えられるのではないかということを書いています。阪神南地域も既に芦屋市を除き、尼崎市も西宮市も管轄人ロ30万を超える消防本部でありますが、非常に近接していますし、地域が狭いということがありますので、広域化の検討、特に芦屋市をめぐって検討するということが考えられると思いますが、一方で、地域を越えて指令業務の共同化という取り組みも進んできています。そのような意味で、これからの検討課題です。阪神北地域は宝塚市、川西市、猪名川町の3市町は、既に指令業務の共同化をベースにさらに1歩進めようかという協議を進めていくわけですが、伊丹市や三田市については、今直ちにということではなく将来的な課題にされています。東播磨地域は、明石市及び加古川市・稲美町・播磨町は既に管轄人ロ約30万の消防本部です。そう意味からしますと、高砂市が課題でありますので、ここもさらに協議を進めていただく必要があります。北播磨地域は先ほど申し上げたとおりです。中播磨地域については、平成19年4月に姫路市と神崎郡3町が広域化されていますので、まずは広域化された新姫路市の体制を整備していくことが課題であるわけですが、あわせて隣接地域との関係をどう考えていくかがあります。西播磨地域は既に上郡町と赤穂市やたつの市を中心に広域消防を形成しているわけです。それをさらに一体化するかどうかが課題になりますが、面積が非常に広いですから、その広い面積との関係でどのような将来像を描けるかがまだ煮詰まっていないという状況です。但馬も同じような課題があります。合併市町ができてそれぞれ大きなエリアを抱え、管轄の人口規模は30万人には達していないですが、面積的には非常に大きなエリアを抱えています。そのような中でどういう将来像を描くのかが課題になっていると思います。丹波地域は丹波市及び篠山市の2市のみで、丹波地域2市が一体になったからといってメリットがあるのかないのかということを含めて、南に行くのか西へ行くのか北へ行くのか、それぞれの選択があるわけですので、そのような意味でさらに検討を進めていく必要があると思います。淡路地域は既に淡路島全体が1つの消防本部になっていますから、管轄人口も10万人以上でもありますし、当面は充実強化を自前で図っていくところでしょうが、将来的には明石海峡大橋を渡って連携をするのかしないのかが課題になるところだと思います。いずれにしましても、今後、このような整理をベースにさらに市町の側での自主的な取り組みも踏まえながら県としての再整備を図っていきたいと考えています。

 これは市町村合併によく似ています。ですから県としては技術的な支援や応援はしていきますが、こうでなくてはいけないという県の立場で、そこまで踏み切ることの是非をよくわきまえながら議論を進めていきたいと思っています。

 

 2番目は「消費者行政の総合的推進」についてです。

 消費者行政については、この秋には消費者庁も発足するというような検討がされているようですが、既に私どもはこの4月から消費者行政の総合的推進について、新たな組織を発足させ、21年度から本格的に取り組んでいるつもりです。

 推進体制としては、1つが「兵庫県消費者行政推進本部」を設置し、推進を図ることしました。その事務局機能を果たすあるいは消費者行政の中核事務局になります「生活消費局」を設置しています。消費生活課と生活衛生課が所属しています。あわせて、「健康生活科学研究所」を設置しました。これは、いわゆる健康に係る旧衛生研究機能と、消費生活相談や原因究明テスト等を行っています生活科学研究機能とを一体化して消費者に関わる安全・安心の科学分析機関を整備するとともに、各種の研修、各種の相談を併せて行う、そういう意味では相談から分析、調査、対応を一貫してできるような仕掛けを作っていこうとしたというものです。この生活科学総合センターと健康科学研究センターをその中の置いているものです。

 信頼確立のために4つの柱で推進を図ります。相談体制の整備と正確な情報の発信。自立した消費生活の確立としての学習とかグループとの連携、特に食品ロス削減運動を展開します。それから事業者主体の信頼の確立で、特に県版HACCPの認定制度や食品のトレーサビリティシステムの推進、あるいは自主行動基準のガイドラインの策定等を通じて事業者自身が食の安全・安心に主体的に関わっていくという対応を3つ目の柱にしています。4つ目は迅速な危機への対応で、監視の強化と迅速な対応、あるいは食品トレーサビリティ等を推進することによって、流通過程をフォローして対応ができる。この4本の柱で消費者行政の総合推進を行いますので、よろしくお願いいたします。

 特に相談の関係では、市町の消費生活センターは、現在まだ13市町しかできていませんので、この消費生活センターをぜひ設置してもらえるように働きかけをします。そして、生活科学総合センターとの連携による全県一体的な対応を推進していこうとしています。新しい行政分野でもありますが、消費者庁が発足すれば、その消費者庁との連携や県民である消費者との連携に留意し、食の安全・安心、あるいは事業者の責任の確立、消費相談の充実に努めます。

 

 3番目は「男女共同参画社会づくりの総合的推進(平成21年度)」についてです。

 平成21年度の男女共同参画社会づくりの総合的な推進の柱を立てました。1つ目は女性の活躍支援、2つ目は各種団体との協働の推進、3つ目は家庭生活、地域社会への参画促進、4つ目は仕事と生活の両立や少子対策・子育て環境の整備、5つ目は第3次男女共同参画兵庫県率先行動計画の推進と整理をしています。

 あとは資料をご参照いただければと思いますが、資料3ページにありますように、企業と協定を締結し、企業側における男女共同参画社会づくりへの協力共同事業化を進めています。既に350社2団体と協定を結んでいるという状況です。それから、兵庫県地域女性団体ネットワーク会議の連携です。例えば、登下校の見回りや声かけなどは、「子育て応援ネット」の活動が中心に展開されています。それから、兵庫県経営者協会女性産業人懇話会も1つの活用になっていきます。それから、資料の5ページにありますが、「家族の日」運動の普及活動ですが、その中に「わが家のルール」づくりの取組支援というのが書いていますが、それぞれで「家族の日」を決めて、それぞれの家族で話し合ったルールや実践事例をできるだけ広く集め、これを、こんな活動が展開されているという事例を広く知ってもらうことによって取り組んでもらうということが非常に大事ではないかを考えています。ほかに大会とかもさせていただきます。また、男女共同参画の兵庫県率先行動計画の実現に向けても努力をします。非常に広い分野になりますので、その分野ごとに対応を整理したものです。資料の10ページに男女共同参画プラン21後期実施計画の目標数値の達成状況を整理しています。特定保育とか子育て家庭応援推進員等がちょっと下回っていますが、他は達成できています。別紙2には新ひょうごアクション8の今までの実績を整理しています。

 

 4番目は「阪神・淡路大震災15周年事業」についてです。

 来年1月17日、15周年を迎えることになります。15周年のテーマとしては、阪神・淡路大震災の経験や教訓が十分に生かされていない、あるいは風化してきているのではないかという懸念が示されていますので、これを県内外に伝えていく、そして伝えていったことを踏まえて、次の災害に備えていくという「災害文化」の定着を図るということをテーマにしています。それを端的に「伝える」「備える」というテーマで整理しています。推進主体はひょうご安全の日推進県民会議です。事業としては、大震災教訓発信シリーズ“もっと伝えよう”、15周年記念事業、ひょうご安全の日のつどいという3本の柱で推進を図ります。“もっと伝えよう”シリーズは神戸に震災後、国際機関、研究機関が数多く立地してきていますので、その立地機関による研究成果の発表をしていただこうとするものです。DRI(人と防災未来センター)は防災セミナーを毎月行います。Hem21(ひょうご震災記念21世紀研究機構)は21世紀文明シンポジウムを実施します。APN(アジア太平洋地球変動研究ネットワーク)もその成果を発表します。UNCRDは国連地域開発センターの防災ディビジョンですが、歴史都市防災シンポジウムを開催します。三木市にありますE-ディフェンス(実大三次元震動破壊実験施設)では震動台での実験結果等の成果を公表していただきます。IGESは地球環境戦略研究機関の関西研究センターですが、地球環境と災害というテーマで議論していただきます。EDM(地震防災フロンティア研究センター)、アジア防災センター、WHO神戸センター等の関係機関についても参加していただくよう現在調整しているところです。

 2つ目の柱の15周年記念事業ですが、主催事業としていろいろこれから県民会議で検討していただきますが、防災はまさしく地域が主体で活動を展開していただくべき事業ですので、10周年の時ほどの助成はできませんが、従来の助成事業に加え、限度額を引き上げて大規模な事業についても、15周年ですので実施をしていただくべく募集します。募集期間については、第1期事業は7月1日(水)から7月31日(金)まで、第2期事業が7月1日(水)から10月30日(金)ということにしています。助成率は助成対象経費の2分の1以内ですが、この2分の1の負担の中には、例えばボランティアさんが自前で働くのを金銭換算すれば事業費になるわけですが、そういうボランティアさんの人件費を実支出ではなく実働に応じて金銭換算して事業費に充ててもらえれば2分の1負担に相当することになるというような対応を考えています。事例としては、震災で学んだ教訓を継承・発信、災害への備えや対応についての実践・発信、復興の過程で積み上げた経験の継承・発信、犠牲者を追悼、国内外の災害の教訓を共有・発信する事業、こんなことをとりあえずの事例として整理してみました。15周年の1つの区切りを迎えるにあたって被災地として国内外に、被災地の15年間の復興過程で学んだことや将来に伝えていかなければならないことを発信する事業であればいいということになろうかと思います。

 3つ目の柱はひょうご安全の日のつどいです。1.17ひょうごメモリアルウォークや交流ひろば・交流ステージ、防災訓練等を実施しますが、1.17のつどいは追悼式典として少し規模を大きくする予定で検討を進めていきます。

 あとについては資料をご参照ください。

 

 5番目は「西脇市土づくりセンター『ゆめあぐり西脇』の稼働開始」についてです。

 西脇市に土づくりセンターゆめあぐり西脇が稼働しましたのでお知らせします。西脇市の旧黒田庄地域は、兵庫県でも有数の肉用牛の産地でしたが、肉用牛の育成に関連する堆肥等の土づくりセンターができました。

 

 6番目は「姫路城をデザインした『ひめじ田宴アート2009』の実施」についてです。

 昨年は姫路城とはばタンの絵柄を田園アートにされましたが、今回は中・西播磨の高校生を対象に公募して最優秀の作品だった、お城とお姫様と白鷺と一緒にしたデザインをベースに田園アートを整備されます。1.6ヘクタールの田んぼを使って、夢前夢工房やJAなどの協力を得て、推進させていくことになりました。田植えを6月20日、21日に実施されますので、是非おいでください。

 

 その他の1番目は「地方分権改革推進委員会『義務付け・枠付けの見直しに係る第3次勧告に向けた中間報告』について」です。

 基本的には、これまであまり具体的な俎上に取り上げられていなかった「施設・公物設置管理の基準」や「協議、同意、許可・認可・承認」の基準、「計画等の策定及びその手続」について、義務付け・枠付けがされたことに対しての見直しをしようということですので、具体的に成果が上がると期待しています。ただ、文書等を読んでいますと、広範な例外を認める可能性が随所にありますので、そのような意味でぜひ次のような点について注意をしてほしいという意味で取りまとめています。

 まず1つ目は、例外の基準を限定的に定めるべきということです。例外を裁量的行為に許すのではなく、裁量的行為を極力減らし基準化すべきだということです。例えば、「地方自治体の区域を越える総量規制・管理が必要な場合」といっても区域を超えれば例外なのか、ここが問われているわけで、地方支分部局の必要性等も都道府県域を少しでも超えれば国が乗り出さなければ調整がつかないというような発想で、常に議論がされていくというところが問題なわけですから、そのような意味で、基準を限定的に明確化してもらわないと困るということです。

 2つ目ですが、施設や公物設置管理の基準について、国庫補助要綱による枠決めが結果として働いてきます。中間報告では、道路、学校、福祉施設などを整備する場合の基準については、法的拘束力がないため条例によって、それ以上の整備をしても許される「参酌する基準」を示すことができるとされているのですが、結果として、これらは国庫補助が措置される場合が多いので、参酌する自由度が与えられたとしても、それに対する分は自前で勝手にするということになってしまって、結果として国の示す基準が一人歩きするということが多いわけですので、「参酌する基準」にするなら、国庫補助事業ベースでも例えば2割増、3割増、5割増は自動的に認めるというような要綱ベースでの弾力化が図られる必要があるというものです。また、国に計画をつくって持ってきなさい、計画の中身は国が検査するから、その審査を受けたらメリットがあるというような仕掛けが最近ものすごく多いです。それはどういうことになっているかというと、結果として地方の自主性や主体性を発揮させる形式を取りながら、実質的には国による事前の承認手続きとして計画が利用されてしまっているのではないでしょうか、ということを私たちは指摘をしたいと思っています。従って、地方が計画を作って国が知らないというわけにはいかないかもしれませんから、知らせるとか届けるということはともかく、承認制に類するような計画づくりとメリットがリンクするような仕掛けはやめた方がいいということを述べています。

 これが中間取りまとめでの段階ですので、本取りまとめに至るまでの間にぜひ整理をしてほしいということです。

 

 その他の2番目は「財政制度等審議会『平成22年度予算編成の基本的考え方』について」です。

 定例会見の時に我々の考え方を触れさせていただいた方がいいのではないかということで、十分な分析は終わっていませんがコメントを出しました。更にきちんとしたものにまとめたいと思っています。

 消費税の全税収を社会保障制度の費用に充てるとの考え方を踏まえ、社会保障制度の安定財源の確保に向けた国民的議論を進めると書いてありました。そのコメントの中で、年金と医療、介護、少子化対策というようにあげられていることについては、大きな異論はありませんが、地方の財政需要を忘れないでくださいと申し上げています。特に、資料の16ページにありますように、税制改正の基本方向が法律の付則に書かれています。その中で、消費税の全額が、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充てられることが予算及び決算において明確化されることを前提に、消費税の税率を検討と書いてあります。これは国の立場が書かれています。もう一つは地方税制については、地方分権の推進及び国と地方を通じた社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともにという形で、消費税の議論は地方消費税の議論と一体として行われるべきことを法律でも定めています。財政審としての制約があるのかもしれませんが、忘れないでくださいということを1番で述べています。

 次は公立病院を含む公的病院は、非効率な経営の問題が指摘されているといわれています。今、公立病院が非常に苦労しているのは何かというと、不採算部門を扱っているということと、公立病院が最後のセイフティネットにさせられていて、公立病院にツケがどんどん回ってきてるということです。そのような中で、過重労働等から鳥取大学の救急医療センターの医師が全て辞められたようなことが、いつ起こるか分からないような事態を招いているという認識がない、また、このような認識で議論をされていたら大変なことになりかねないということで指摘をしました。

 公立病院では、民間病院では行えない不採算医療等の機能を担っている面も主張されていますが、救急や小児科等不採算部門から撤退している状況もあるから撤退したらいいじゃないかという指摘だとすると、とんでもない指摘だと思います。医療現場の混乱を招いてきた反省が全然ない。基本的に社会保障、医療等についてのシーリング規制で自然増経費の面倒をみないという仕掛けを作って、それでいろいろな諸問題を引き起こしてきたという意味での構造的反省がないのではないかと心配しています。

 次は地方財政についてです。地方の債務が国の債務より少ないから、地方財政は国よりもいいといっていますが、地方財政の責任を持っているのは国ですから、責任を持つことをはっきりさせてもらったら、現在高がどうであろうと、我々が気にすることはありませんが、債務残高が800兆円の内、地方が200兆円と国が600兆円くらいですが、その比率をもって、地方の方が楽です、地方に偏っている訳ではないですよという言い方をされているというのは、地方財政を含めた国家財政に責任を持っている国の言い分とは思えませんということです。

 次は基本方針2006を踏まえ、地方歳出削減や課税自主権といった自助努力を基本として財政再建を図るべきとありますが、自助努力で財政再建を図れるような財政構造を地方につくってないのではないでしょうか。自助努力してきた分まで召し上げるような構造にしておいて、何を言われてるのでしょうか。基本方針2006の議論は、どんどん社会保障関係経費が増えてくることに伴って、地方の単独事業の部分にまで食い込んできているということを言わなければなりません。それは11ページの右側の表で歳出に占める社会保障費の一般財源比率をみてください。人件費などはほとんど変わっていませんが、社会保障関係経費だけがウエイトをどんどん増しています。何を物語っているかというと、地方単独事業をどんどん食い込んでいるという実態になっているということです。必要な国の施策はやらざるを得ませんが、天井を作っていますからどこかに食い込ませていくという状況がこの表から読み取れます。その点は12ページをご覧ください。表の一番下の計の所です。平成19年度と20年度の比較で、国関連経費は約4100億円増えていますが、地方単独経費は約9800億円減らしているという状況です。

 次は経済危機対策における地方への配慮として措置された新たな交付金は、臨時異例の措置とすべきとあります。臨時異例かもしれませんが、例えば、補正予算債などの元利償還について、きちんと面倒をみなさいということです。

 次は地方交付税についてです。

 地方一般財源は増加していると理解できないようなことが書いてあって、どのような意味なのかというのをみると、15ページの図表10をご覧ください。臨時財政対策債で調達した地方交付税の投資的経費の財源、本来地方交付税で配るべきですが、地方交付税原資がないから、臨時財政対策債を発行して地方交付税代わりに財源調達をして、後年度に全額地方交付税で償還していきましょうというフレームです。それを棚に置いて、地方交付税の実額と地方税を足した額、例えば平成15年度ですと地方交付税が18兆円と地方税が32.2兆円で足すと50.2兆円です。21年度は地方交付税15.8兆円と地方税36.2兆円ですので足すと52兆円ですので1.8兆円増えているという論理を展開されています。臨時財政対策債で調達した財源は地方交付税のようなものです。ですから、この地方交付税と臨時財政対策債の合計の23.9兆円と地方税32.2兆円を足した56.1兆円と平成21年度の地方交付税と臨時財政対策債の合計21兆円と地方税36.1兆円を足した57.1兆円を比較して、一般財源ベースでどうだという議論を本来すべきだと考えています。非常にナンセンスな議論を財政審がしていることになります。

 基準財政需要額でみられていないものがたくさんあるにもかかわらず、こんなものはみなくていいんだという論理を展開されるとか、超過課税や歳出削減で対応すればいいんだといわれていますが、超過課税は課税ベースも大きくありませんから、超過課税で財政再建ができるほどの税収増は図れません。また、歳出削減による独自に財源を確保すべきといっても、独自財源をどんどん国の事業のために食い込ませておいて、更に独自の財政再建をして歳出削減をしろというのは、何をか言わんやということではないでしょうかという問題意識です。例えば、人件費でいうと、地方財政計画では約2.5万人減らしています。国は平成21年度の予算で2,500人しか減らしていません。そのような削減努力、行革努力をしていないのに何をいうもんだと、国に対して言ってほしいというところです。これが6ページです。

 まさしく、ナンセンスな主張は7ページにあります。国からの義務づけ・枠付けの見直しは、地方交付税の財源保障の範囲に直結する。つまり義務づけ・枠付けを無くしたら、つまり弾力化したら、国が保障する基準が無くなります。だから地方交付税の対象から外しますという話をされています。そんな話があるんでしょうか、仕事を無くすなら地方交付税の対象から無くしてもらっても結構ですが、仕事は残して自分が作った基準を弾力化したら財源保障をやめますという論理があるのでしょうかというのが我々の主張です。

 次は税収比で4:6になっているからいいんじゃないのということですが、税収比の議論をしているのは、支出ベースでの財源を保障する税財源構造にしろということを言っています。単純な税の配分割合を言っているわけではありません。今のような税収を上回るような赤字国債で仕事をしているようなところで2分1の財源の配分割合が5:5とか4:6になっているから、それで地方は食っていけばいいんだというような財政構造全体を無視した議論はやめてほしいというのが7ページの下の部分です。

 国庫補助金についての主張がありますが、これは我々と発想が違います。

 よく分からない主張は、地方消費税は地方税源ではなくて国税ですよ、だからなんだと何が言いたいか分かりませんが、地方消費税をつくるときに地方で徴収するといったら、国民生活に大きな影響を与えるから税務署で徴収する今の仕組みをそのままにして、国に対し、委託をした方が便利じゃないかと主張したのは国です。ですから、そのような主張をそのままお返ししたいと思っています。

 地域間格差の問題については、地方交付税の機能が非常に減退しています。15ページの右側の表をご覧ください。三位一体改革の前の地方税の格差に地方交付税を加味した場合、格差は1.03まで縮まって地方交付税が機能していました。ところが、三位一体後の平成19年度に、仮に地方再生対策費や今年の経済危機対策交付金、臨時の措置なのでこれを入れるのは変ですが、仮に臨時の措置を入れてどうなったかを計算しても格差が1.19にしか縮まっていません。地方交付金が三位一体改革前は地域間の格差是正の機能を果たしていたのに、今は2割の格差を残してしまってもいいという状況にしかなっていません。それにもかかわらず、税源移譲が行われたから、補助金改革が行われたから、地域間格差が拡大したのであって、地方交付税が減ったわけではないというような主張をされているとすると、全く認識が間違っているのではないでしょうかという意味です。

 9ページの下の部分については、譲与税を活用していくのがいいのか、偏在の少ない自由度の高い、地域間格差の少ない地方税体系にしたうえで地方交付税で補完する制度にすべきだと考えています。譲与税は国の裁量によって、配分割合等が決められていくという仕掛けですから、極力本税に置き換えるべきだと考えています。臨時財政対策債は赤字地方債ですので、歳出削減努力を通じて減らせばいい、交付税の原資を自前の歳入確保努力や歳出削減努力で交付税以外の財源を生み出して、交付税を減らす努力をしろと言っています。交付税原資は、今交付税率が32%や29.5%とされていますが、法律の規定に従えば3年連続して赤字になれば交付税率を変えることになっています。それを変えられないから、臨時財政対策債などの財源手当をしているにすぎないのに、開き直って交付税そのものではないものを措置している分は自前で措置しろと言われているので、仕掛けや経過、現状を認識した上で財政審で議論をしていただく必要があるのではないかと強調させていただきたいと思います。

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 都賀川の事故について、7月28日が事故の日ですが、先日、亡くなった子どもの友達の保護者が、5000人あまりの署名を持って、神戸市にこの日を子どもの命を守る日にしてもらいたいという話がありました。都賀川は兵庫県も関わっている川ですので、このような動きについて県として何かお考えやどうするかなどありましたらお聞かせください。

 

知事:    

 現実にそのような動きは承知していません。いずれにしても都賀川を含めた親水公園をもっている県下19河川については、7月の中旬までにはラジオ電波とリンクした警報装置が設置されて、動き出すことになっています。これも万全ではありませんが、二度とそういう不幸な事故を起こさない、しかも地域の方々を中心に基本的な都市河川に対する危険認識を共有化していくという意味で、ご提案のような形がいいかどうかだと思います。都市河川の安全を共通認識するという一つの機会にはなりうるのではないかと思います。どのような形式が望ましいのかは神戸市等を含めてよく検討させていただいたらと思います。今後の課題です。

 

記者:

 財政審に対する兵庫県の考え方ですが、今後、どのような形で使われるのでしょうか。

 

知事:

 今日の段階で、考え方を整理しましたが、できるだけ早く全国知事会の交付税問題小委員会で議論を深めて、小委員会の意見に反映させていきたいと思っています。個別に言っても対応をしにくい点もありますので、知事会全体として公式の意見にまとめて、意見を述べていくようにしていきたいと考えています。

 

記者:

 新型インフルエンザについてお聞きします。県内初めての感染確認から日が経ちますが、改めて、学校名の公表、非公表のお考えについてお聞かせください。

 

知事:

 基本的には、公表することはいかがかと思っています。というのは、今の時点になると相当程度、新型インフルエンザが弱毒性で危険が少ない、注意さえすればいいんだという共通理解ができています。今の時点でどうするかということと、当初時点における取扱いをどう考えたらいいのかと言うことだろうと思いますので、具体名は公表しない方がいいと思います。具体名を公表することによるリアクションの方が大きすぎると考えます。現に、一番最初に感染が確認された学生の高校などについても、地域を含めて相当いろいろな被害を受けられているという状況を承知しています。そういう状況を全く無視して、公表していた方がみんなが注意するから効果があると言われている方がいるらしいですが、どうしてそういう結論が出てくるのか理解ができません。

 

記者:

 原則と言われましたが、例えば公表する場合があるとすれば、直後とずいぶん経ってからに分けられましたが、どのような場合でしょうか。

 

知事:

 感染経路が相当特定できて、それに対する対応が我々なりに明確になっているという時点になれば、不安を与えることはありませんので、公表することもあり得るかもしれないと思います。感染経路が特定できずに地域における不安感が非常に高い時に、それをあおることになりかねない措置を行っていくことはいかがだろうかと思っています。これについては、どういう取扱いが適切なのか第三者委員会で十分に議論していただこうと思っています。国に対しても公表基準をきちんと作ってほしいと言っているところです。

 

記者:

 先ほどの、防災担当大臣との面会の中で、特に大臣に対して訴えたこと、要請したこと等お聞かせください。

 

知事:

 大臣は人と防災未来センター、アジア防災センターが初めてなので、防災担当大臣として視察をしておく必要があるということで、今回来県されたとお聞きしています。

 私は四川省の復旧復興の支援との関連で、心のケアの問題についてお話しました。兵庫県はこころのケアセンターを持っています。こころのケアのPTSDを中心とするセンターは国内ではこころのケアセンターが唯一ですので、心のケアの重要性を強調しました。

 それと、IRP(国際防災復興協力機構)があります。ISDR(国際防災戦略)が、国連防災機関の一部として設置されています。国際機関の災害協力についての調整をする機関ですので、IRPが設けられた趣旨も含めて、IRPの活用についても説明をして活用支援をお願いしました。

 併せて、今回の新型インフルエンザについては、防災担当大臣としてもご心配いただきましたので、その点についてもお話ししました。第三者委員会で検証して、国に提言をしますと申し上げました。

 

記者:

 安全宣言からもまもなく1週間経ちますが、振り返って現時点で、対策上でこれは国に対して要望していきたい、あるいは神戸市などとの絡みの分で国にこういうところを整理ほしいというようなことがあればお聞かせください。

 

知事:

 まだ、国は感染地域という地域概念にこだわられています。現実に今回の状況を見ると地域感染をしたというよりは、ルート感染です。感染ルートが次々に広がっていく可能性が高かったと思います。事後的だから分かってきましたが、濃厚接触のルートを押さえていけば、押さえられるということが明瞭になりましたので、そのような実態をもっと押さえてほしいという思いがあります。相変わらず、地域概念で対応をしようとしているというのはいかがだろうかと思います。しかも、その地域が、神戸市のように非常に大きな地域であったり、芦屋市のような地域であるようなこともあります。ものによっては、地域というのも一つの押さえ方ですが、別の押さえ方も検討する必要がある可能性が高いと思います。本県の場合は感染者の多くが高校生だったということもあって、当初は校区単位で考えていきました。市町村単位だと大きすぎる場合と小さすぎる場合があるということを前提に、校区単位で面的規制をしていったということです。これは現実的な対応だったと思います。あれだけの社会生活規制をすることの是非は、第三者委員会等の評価を待ちながら次なる備えの場合のプログラムの検討課題にあたって参考にしていきたいと思っています。

 

記者:

 防災担当大臣との面談についてです。IRPの活用支援についてお願いしますと言われてことと、新型インフルエンザの第三者委員会の提言について、大臣はどのようにおっしゃいましたでしょうか。

 

知事:

 大臣は特に意見はありませんでした。例えば、国に対しての要請については、国に対してきちんと言ってください、それは国として十分検討しますということでした。IRPは大臣自身も活用すべきだと思っておられましたので、特にコメントはされませんでした。

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