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更新日:2011年6月17日

社会保障改革案に対する本県意見にかかる知事会見(2011年6月17日(金))

【発表項目】
社会保障改革案に対する本県意見

知事会見内容

知事:

 社会保障と税の一体改革については、現在、精力的に議論が行われているところで、できれば20日に政府案をとりまとめたいということでずいぶん調整が行われています。その調整過程ではありますが、問題点を指摘して、社会保障と税の一体改革の適切なとりまとめをしてもらいたい、という意味で本県の意見をまとめました。

 

 意見の1つ目は、社会保障改革として政府がとりまとめようとしている対象が、社会保障全体から見ると限定されすぎているということです。つまり、年金と介護保険、医療、子ども・子育ての4経費に限定されていることです。最初は、対象は年金と高齢者医療と介護の3経費だけでした。それはなぜかというと、国の予算総則で消費税が充当される事業がこの3経費だとされていたからです。このため、最初は3経費だけで議論がされていたのですが、最終的には、高齢者施策ばかりに消費税をあてるのは社会保障目的税化の議論とのずれが生じてくるので、子ども・子育てが追加されました。ただ、子ども・子育てが追加されたといっても保育に限定されていて、児童扶養手当や特別児童扶養手当、母子・寡婦対策などが対象になっていないという課題があります。また、障害者施策については、「推進本部の検討を踏まえて、障害者総合推進法の2012度法案提出」とされているだけで、具体的な見直し内容はこれからとなっています。生活保護についても、具体的な見直しの効果額が試算されていませんし、地方負担が大きながん検診や妊婦検診、難病なども対象となっていません。ですから、社会保障改革といいながら、改革として対象となっている事業が4経費に限定されているのはいかがでしょうかということが1つ目です。

 

 2つ目は1つ目とも関連しますが、制度全般にわたる改革を行うといいながら、制度の見直しが部分的で、抜本的な検討や見直しをする発想がないのではないかということです。例えば、介護保険を見ると、介護保険の適用範囲の見直しや2号保険者の適用範囲の拡大の取扱いにはふれられていません。また、介護保険計画で決めることになっている介護保険料には現在は上限がないので、それをどうするのか、それから、保険料と公費負担は1対1になっていますが、これをそのまま維持するのかどうかといった制度の抜本的な議論がされていないのではないかということです。

 医療についても、「短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大」や、「受診時定額負担等」にとどまっています。我々は医療保険制度を一本化すべきだ主張しています。どの医療制度に加入しているかによって、医療費の負担が随分違います。例えば国民健康保険に加入していると保険料は非常に高いですが、我々が所属している社会保険だと、国民健康保険に比べて負担が軽いという実態があります。こうした医療保険制度のあり方についての議論がかけているのではないかということです。

 

 3つ目は、地方単独事業についてです。今日の国の会議の資料でも、「全体的に社会保障関係の国・地方をつづる全体的な所要額を踏まえて対応を考えなければいけない。」とは書いてありますが、その範囲がどこまでかというのははっきりしていません。自治体が実施する社会保障施策の全体像を十分把握したうえで、必要額の配分を行っていただく必要があると考えています。地方は福祉医療費や様々な子育て支援事業、健康づくり・健診事業、各種相談事業を実施していますので、これらも当然対象に含めて、国の実施している福祉と地方が国の制度を活用しながら実施している事業全体を対象にして議論を進めていただく必要があるのではないかと思っています。

 

 そして、国と地方との間でどのように財源配分するのかは、社会保障全体の所要経費がどれだけかかるか、そして国が負担すべきものと地方が負担すべきものを見定めたうえで負担割合を決めないとおかしいのではないかと主張しています。

 

 いずれにしても、社会保障と税の一体改革の成案を得るとすれば、以上のような諸問題が解決される必要があるというのが主張のベースです。

 

 参考資料の表をご覧ください。医療、介護、年金、子ども・子育て等の経費について、いわゆる社会保障改革案が対象しているものと対象外のものを整理しています。例えば、年金では年金給付費は対象になります。医療では国民健康保険と後期高齢者医療、その他の医療保険は対象になりますが、医療サービスや医薬品・医療機器の開発、がん対策などは対象外です。介護では地域包括ケアと介護サービスは対象ですが、介護用品等支給は対象外です。子ども・子育てでは、保育所とその他待機児童解消・放課後児童対策、乳幼児検診・妊婦検診は対象ですが、子ども手当や母子保健医療、児童虐待、育児休業などは対象外です。その他では障害福祉サービスや自殺対策などは対象外です。網掛け部分の地方単独事業は全然対象になっていません。

 それをトータルで見たのが下の表です。6月3日時点の資料をベースに分析してみると、社会保障関係経費全体では107.3兆円で、その内訳は保険料が59.6兆円、公費が47.7兆円です。公費のうち36.67%が対象外とされていますが、そのうち国の対象外経費は22.85%で、地方は61.28%です。社会保障全体をにらんで、どのようなサービスをどのような財源で負担していくのか、その場合に国と地方の負担の状況を踏まえて、国と地方との財源配分を検討していただく必要があることを指摘するためにこのような整理をしました。

 

 ただ、今朝、政府与党の社会保障改革検討本部が開かれて、まだ明確ではありませんが、「国民の視点で、地方単独事業を含む社会保障給付の全体像を整理する。」とうたわれていて、方向としては、全体をにらんで議論を進めていこうとされています。それから、地方単独事業についても、どこまでかというのがはっきりしていませんが、「地方自治体は、国費に関連する制度と相まって、地域の実情に応じて社会保障関係の地方単独事業を実施する。」という役割を負っていることも明示されています。また、消費税の使途の明確化の中で、「国・地方を通じた社会保障の安定財源の確保」という項目に、「基本的に地方単独事業に関して必要な安定財源の確保ができるよう、地方税制の改革などを行う。」という基本方向が示されています。そして、「地方に関わる事項については地方団体の意見に十分配慮して検討を進める。」というような配慮既定があります。「どこまでか」というのはまだこれからの詰めですが、今指摘したような点について、基本方向としては指摘事項のままで済ますのではなく、例えば4経費以外の経費も検討の俎上にあげていくし、地方単独事業についても全体像の対象として考えていくという方向が出されています。検討の方向として取り入れられたということは、ある意味で一つの成果ではないかと思っています。ただ、制度全般にわたる改革を行うことをうたいながら、これについては十分な検討がされているわけではありませんし、検討過程のものもありますので、十分見守る必要があると考えています。

 

 国の新しい動きが今朝の段階で出てきたので、その内容を十分に見極めないと、評価できるのかできないのか、あるいはさらに主張していかないといかないのか、どうも今のままでは少し明確ではないという状況になっています。そのような状況なので、何となく今日お話ししたことが肩すかしを食らっている感じになっていますが、その点はご了解いただきたいと思います。

 

 

 


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