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更新日:2014年2月19日

南海トラフ巨大地震津波浸水シミュレーションの実施にかかる知事会見

【発表項目】

 南海トラフ巨大地震津波浸水シミュレーションの実施

知事会見内容

知事:

 すでに12月末に淡路地区と阪神地区について公表させていただいたわけですが、今日は、神戸地区と播磨地区の両地区を追加して、全体像を明らかにした上で、個別の神戸地区や播磨地区について、コメントさせていただきたいと思います。

 このシミュレーションは、国のシミュレーションに基づいて、さらに兵庫県の最新のデータを入れながら、また、国の想定では前提とされていなかった地形データ等も含めながら、県独自のシミュレーションを行ったものです。

 どこが違うかと言いますと、1つは、最新の防潮堤等の構造物の位置や高さが反映されているということです。

 それから2つ目に、河口幅が30メートル未満の2級河川も反映しているということです。ただし、特に高砂や赤穂等で、普通河川についている水門等が配慮されていませんので、その結果、本来だとこういう形にならないような結果が出ています。この点ご留意ください。結局、市町データを十分に反映し切れていないということです。これは市町で具体のハザードマップ等を作っていただくことになっていますので、その作業に際してよく協議をして、できるだけ的確なものにしていきます。

 3つ目は、防潮堤が南海トラフの揺れに伴って沈下しますが、その沈下量が国でのシミュレーションでは見込まれていないということです。県の想定ではこれを見込みました。

 次に浸水想定図ですが、2つのケースについて作成しています。基本的には10メートル掛ける10メートルのメッシュでシミュレーションを行っています。ケース1は、最大の津波浸水エリアを前提とするということで、門扉は開放している、防潮堤はちょっとでも越流すると破堤されるという前提です。このケース1はどういう場合に使うかと言うと、一番厳しい事態を想定しておくという意味で、避難対策等に活用するということがベースになると考えています。

 ケース2は、門扉は閉鎖してある、そして防潮堤等は津波が越流しても破堤しないという前提でシミュレーションしています。ある意味で、ハード整備の一つの目標設定に活用したいという狙いがあります。

 今回の作成した図面は、現在の知見を基にしたものですので、実際の災害では、浸水域外での浸水の発生や、浸水深が予測通りになるかどうかの保証はありません。そういう意味では十分留意してお使いいただきたいと思っています。

 次に、シミュレーション結果です。まず、市町別の最高津波水位、最短到達時間です。表にあるように国想定よりも概ね下回っているというのが実情ですが、たつの市だけ30センチ今回の想定が上回っています。これは、豊後水道の方から入ってきた津波の影響が、このような形で出てきていると想定しているものです。総じて言いますと、たつの、相生、赤穂のこの津波高は、鳴門海峡や紀淡海峡からの津波というよりは、豊後水道からの津波による影響が大きいと見ています。ただ到達時間は、一番最初の早い津波が来るのは紀淡海峡や鳴門海峡からの波ですので、括弧書きで最短到達時間を書いています。注4で、県想定では、たつの市、相生市、赤穂市について津波水位が最高となる津波断層モデルと、1メートル上昇時が最短となる津波断層モデルが異なるためと書いているのは、この豊後水道と紀淡海峡・鳴門海峡ルートとの差が影響していると考えています。

 市町別の浸水深別の浸水面積ですが、ケース1における県全体の浸水面積は、6141ヘクタールとなり、国想定3.2倍に広がる結果になっています。ケース2の場合でも、2.2倍の広がりを持つことになっています。やはり、30メートル未満の2級河川が配慮されていないことや、防潮堤の沈下が配慮されていないことの影響が大きいということであろうかと思っています。

 このような結果に対して今後の対応ですが、被害想定については、今回この様なシミュレーションをしましたので、これをベースにして被害想定をしていきたいと考えています。それから、津波防災インフラ整備5箇年計画ですが、現在の暫定版で示した津波対策を見直す必要が出てきています。特に現在の津波インフラ整備5箇年計画では、防潮堤の沈下を想定していませんので、この対策がまず重要になってきます。津波が越流する箇所について、防潮堤等の基礎部補強に加えて、地震動等により防潮堤等の沈下が著しい箇所において、沈下対策を検討していきます。これについては、平成26年度に専門家の意見を踏まえ、対策を検討したいと考えています。そして、その際には、対策を行ったらその結果どんな効果が生じるか、つまり浸水面積がいかに縮小するかということもあわせて、想定結果を公表させていただくことにしたいと思っています。

 次に、重点整備地区については、洲本市の炬口地区、尼崎市の尼崎地区、西宮市の鳴尾地区を重点整備地区として、水門や防潮堤の強化等を行うこととします。もとより福良港、阿万港、沼島漁港、西宮市の今津地区は対象としています。神戸地区については、神戸市が管理している海岸の防潮堤もありますので、神戸市と相談をさせていただいて、重点地区の対応をしていく必要があります。特に東灘の魚崎地区が対象になりうると考えていますが、これは神戸市とさらに検討を行って対策を講じていきます。それから、重点整備地区における津波対策ですが、防潮堤等の整備として基礎部の補強や沈下対策、防潮水門の整備、あるいは、防潮水門をさらに下流部に移設する、湾口防波堤の整備の検討等により浸水被害を軽減しようとするものです。

 平成26年度末に専門家の意見も踏まえて、対策内容を確定させて、津波対策による浸水想定区域の縮減効果も含めてとりまとめします。

 以上のような対策を検討しながら、南海トラフ地震・津波対策アクションプログラムを策定して推進するようにします。また、地域防災計画の修正も進めます。

 5頁は、今回の公表図面においての計算条件等を整理したものです。国との想定の違いは、国は沈下が考慮されていません。それから防潮門扉については、国は閉鎖されていることを前提としていますが、県では、ケース1は開放を前提とし、ケース2で閉鎖を前提としています。河川については、国では、1級河川と河口幅30メートル以上の2級河川を考慮されていますが、県では、1級河川、2級河川全てを考慮しています。地形ですが、国では、国土地理院のデータを使っていますが、県では、このデータを基本に一部現実に応じた修正を加えています。

 次に市町別の浸水想定結果の概要について説明します。神戸市は、東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区の沿岸部に浸水が生じます。ケース1の場合に、東灘区、中央区、兵庫区の一部では、浸水深が2メートルを越えるところも出てきます。特に、東灘区では、深江、青木、魚崎を中心に広く浸水し、阪神深江駅、青木駅まで入っています。ポートアイランドも浸水しますが、住宅への浸水はありません。市街地でも2メートルを越えるところもありますが、浸水区域内にはJR神戸駅、地下鉄海岸線みなと元町駅から和田岬駅が含まれます。ケース2の場合は、ケース1に比べて浸水面積は25%減ります。浸水深が1メートル以上の面積が約5割減ります。東灘区では浸水域が深江駅や青木駅付近までにとどまります。中央区でも地下鉄の駅などは浸水区域外になります。ただ、ポートアイランド大橋やポートアイランドのトンネル出口等は浸水が一部見られます。

 播磨地域は、明石市では、防潮堤外にとどまります。播磨町も防潮堤外にとどまります。

 加古川市は、尾上町、別府川下流の一部が浸水します。しかし、防潮堤の閉鎖等で浸水域は縮小します。

 高砂市は、遡上した津波により、一部地域が浸水しますが、鹿島川と松村川が市管理河川ですので、本来防潮堤等があるものの考慮されていませんので、浸水域が広がって試算されています。ケース2では、高砂地区や伊保地区は浸水しません。

 姫路市では、広範囲に飾磨区や大津区に浸水が見られます。防潮水門の閉鎖により大津区や飾磨区は、ほぼ浸水しません。

 たつの市は、ケース1では、富島川を遡上した津波が堤防を越えて御津町に浸水します。中川の堤防を津波が越流して背後地の農地(成山新田)が浸水します。これが非常に大きな面積を占めています。ケース2では、富島川の水門閉鎖により、ケース1と比べて、浸水域がとどまり、住宅地が浸水しません。

 相生市は、ケース1では、防潮門扉が解放された状況ですので、相生地区、旭地区、那波地区、桜ヶ丘地区などが広く浸水します。防潮水門や門扉閉鎖により、相生地区、旭地区は、ほぼ浸水しません。しかし、那波地区と桜ヶ丘地区の浸水深が概ね1メートル未満ですが、若干残ります。

 赤穂市の場合、御崎雨水ポンプ場周辺の堤防がない状態で試算していますので、その部分が残っています。

 

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 神戸地区では、ケース1の場合、比較的乗降客数が少なくない神戸駅も浸水域に含まれています。今回、新たに公表された試算について、どう受け止められますか。

 

知事:

 ケース1は、堤防も効かない、水門も効かない最悪の状況で想定しています。最悪の場合、こんなところではないかということです。最悪の場合は絶対来ないという保証もありませんので、駅対策、特に地下鉄や地下街対策についてどんな対応が必要なのか、例えば防潮堤やその他の対応で、いわば水際作戦だけで十分なのか、水際作戦とあわせて次の対策も行っておいたほうがいいのか、よく神戸市と相談して対応していくべき物理的な課題だと思います。

 

記者:

 神戸市は人口も多く、避難対策をどう考えますか。

 

知事:

 現時点の知見を元にしたシミュレーション結果ですので、これを踏まえて、避難経路、避難所の評価を行っておく必要があると思います。地域防災計画の改定も視野に入れていくことになると思います。

 住民の皆さんに強く関心を持っていただきたいと思います。自分のところは最悪のときどうなるのか知っているだけで、いざというときに、どっちへどう行動をとるのかベーシックな判断基準になります。理解を深めていただきたいと思います。ただ、絶対そうなるわけではありませんし、防潮堤の沈下を止めると、浸水域は本当に少なくなると想定をされます。「絶対」はありえませんので、最悪のケースを念頭において行動をとっていただく判断材料にしていただきたいと思います。

 

記者:

 神戸は地下街が多いですが、日中と夜間では人の数も違うと思います。日中に起きたときのことを想定すると、今後の対策も必要と思いますが、その点いかがでしょうか。

 

知事:

 水際でほとんど対応できるはずですが、万が一ということがありますので、よく具体の対策を神戸市と協議を進めていくことになろうかと思います。現実に津波ではありませんが、福岡では洪水で地下に水が入って被害を受けた事例もあります。そういうことも参考にしながら対応していくのが防災減災対策だと思います。

 

記者:

 今回調査で県内全域のシミュレーション結果が出ましたが、被害額などの経済学的な影響の試算も今後発表されるのでしょうか。

 

知事:

 ようやく物理的な被害想定エリアが出てきて、しかも浸水高も想定されていますので、これをベースに経済的な被害額や公共施設等の破壊想定もしていこうと考えています。被害想定がでないと、対策をどの程度まですべきなのかという判断にも関連がありますので、実務的にできる限り今年度中にしようとしています。

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