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更新日:2007年6月13日

コウノトリ(ニューひょうご平成19年6月号)

コウノトリ

コウノトリのヒナ誕生
 うれしいニュースが入ってきた。昨年放鳥したコウノトリのペアがヒナをかえした。昨年は抱卵したペアが現れたが、残念ながら育たなかっただけに、また、今年ももう一つのペアが抱卵しはじめたが失敗していただけに、大変な喜びで、全国をニュースがかけめぐった。地元豊岡では号外も出たらしい。
 自然界でのコウノトリの誕生は四十三年ぶりとのこと、ようやくコウノトリの放鳥による自然界への復帰と再生が着実に進みつつあることを歓迎したい。絶滅した種の再生として、もう一つのカリフォルニアコンドルにもヒナが誕生したそうで、コウノトリの郷公園には、そのヒナの写真付きで今回のコウノトリのヒナ誕生へお祝いのメッセージが送られてきたこともうれしい。
 五月末の土曜日、私も豊岡の六方田圃の真中にある巣塔でヒナを抱えるコウノトリを見に出かけた。広々とした田圃に十三メートル程のコンクリート製の塔で巣がつくれる程の鋼鉄製のお皿が乗っているのだが、ペアが小枝を集め、抱卵からヒナをかえし、子育てまでの拠点となっている。丁度オス親鳥がヒナを抱いているところで、一~二時間ごとに立って、ドジョウやカエルなどを噛み砕いたもの、半消化状態になったものをヒナに吐き出して与えるとのこと。残念ながら、ヒナは見ることができなかったが、人工飼育されたコウノトリであってもきちんとヒナを育てることができることは感動ものである。心配は生後十日程の間にカラスなどに攫われることで、親鳥が抱えている間以外の留守の際には、下から竹竿で護ることにしているとの報告を受け、外からの見守りも大事なコウノトリのヒナにはやむを得ないかと思ったものである。
 もう一つ報告、このペアは卵を三つ抱えていた。一つの卵は孵化しないこととなった段階で巣から外へ落としたし、一つの卵は孵化したものの育たなかったヒナを巣から落としたが、これも生物の法則らしい。孵らない、育たないということがはっきりした場合のみ巣から外に捨てる、これも本能なのだろう。
 農道を隔てて、コウノトリを観察する望遠鏡やカメラを持った何人かの人達がおられたが、遠くから騒がずに巣を見守っておられた。うれしい光景であった。山裾を一羽悠々とコウノトリらしい鳥影が見えたが、ペアのうちの一羽かも知れないなど、六方田圃の広さと山影と夕暮れを楽しむことができた。コウノトリが何羽か生活していく様を想像するだけで自然と人間の共生の一つを実感できる。
 春の園遊会に出席した。もとより招待がないと出席できないが、今回は昨年の国体や障害者スポーツ大会へのお礼を天皇皇后両陛下をはじめご皇族に申しあげる機会となるので四月下旬の快晴の日に出席させてもらった。このとき、一昨年九月にコウノトリの自然放鳥を最初に行ったが、まさしく秋篠宮同妃両殿下にコウノトリの入った箱のテープを切っていただいた。テープをカットするとともに、大空高く碧青の青空に舞いあがったコウノトリの雄姿は忘れられない。そのコウノトリ、昨年ペアとなってヒナが生まれることが期待されていたのだが、残念なことに孵化しなかった。そのコウノトリは送電線で感電して亡くなってしまった。今年の二月のことだった。私は両殿下にお詫びの言葉を申しあげたら、「自然界に帰すということは自然の中で危険を乗り越えながら自ら生きること、今回のことは残念ですが自然に帰すということはこのようなこともあるということです」と言われて、本当にこのプロジェクトを理解していただき応援していただいていることに感動した。やはり生物学の研究者であられるだけに、心から感謝したい。

人と自然との共生
 コウノトリが生活の中に当り前に存在できる空間とはどのようなものか。コウノトリが田畑を中心にエサを求め、大空を舞い、河岸で休み、松に営巣して子育てできる、しかも、人間の生活と調和しているからこそ人と自然との共生といえるのだろう。一例は農薬を使わない環境保全型農業だ。アイガモに雑草を食べてもらって米をつくるのも、農薬を使わないでつくる米もそうだ。安全で安心な米だから人々も評価する。コウノトリ米はブランド化しつつあるそうだ。値段も五割増しでもすぐ売り切れる程の評価を得ているのもコウノトリの生息空間だからだろう。
 また一つ嬉しいニュースがあった。あの亡くなったコウノトリのパートナーであったコウノトリが福井県で生息していた。この四月中頃から見えなくなっていたので心配していた。目撃情報もなく最悪のことまで想定されていたが、百二十キロも離れた土地で暮らしていたのが見つかった。もともと豊岡と同じく福井県はコウノトリが飛び廻っていた地域だからやはり住み易い環境なのだろう。

兵庫の自然再生・創造への取り組みの発信
 コウノトリが翔る地域づくりが但馬地域ビジョンの目標とされている。人と自然の共生の地域づくりが進みつつあることを少しずつ感じている。自然の再生こそこれまで自然を破壊してきた私達のこれからの進むべき途である。コウノトリはその象徴としたい。
 来年、サミットに先立って、五月に神戸で環境大臣会合が開催されることが決まった。ここでもコウノトリ野生復帰をはじめ兵庫の自然再生・創造への取り組みを広く内外に発信していきたい。

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