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更新日:2010年5月12日

地域の再生(ニューひょうご平成22年5・6月号)

地域の再生

人口減少社会

 地域格差の拡大が懸念されて久しい。今後の人口減少社会の到来を控えて、地域の将来を見るとさらに厳しいものとなる。今、兵庫県人口は推計人口で559万人台であるが、2030年にはこのまま推移すると500万人を割ること、しかも都市部に集中し、農山村地域の人口減少が著しい不均一となることが予測されている。

 しかも、高齢化と少子化がともに進行していく、まさしく成熟社会現象が生じていく。しかし、このような人口構造や地域分布の見通しは、私たちに課題として何をつきつけるのだろう。


高齢者への期待

 第一は、今後の社会の活力をどう持続可能なものにするかだ。よく言われる労働力人口が減少し、従属人口が増加する点でいえば、労働力の定義15歳~65歳を5歳あげて20歳~70歳にすれば、その減少は激減から、まことになだらかなものになる。高齢者と子どもの従属人口が、高齢者が30%台、子どもが10%台となる。しかし、子どもと高齢者は同じ従属人口といっても質が違う。少なくとも大部分の高齢者は元気で社会活動を展開しうる体力と経験と知識を持ち、基本的に今までの蓄積があり、自立できる。子どもはどうか。生活には扶養が必要だし、教育など学ばねばならない。これから投資しなければならない。社会的にはまさしく扶養対象だ。こう考えてみると、今後の少子高齢社会は社会コストとしては明るい見通しを持つことができるのではないか、高齢者の社会参加と構造的担い手としての働きに期待するからだ。


生活の豊かさと流動性

 第二は、住まい方や生活のあり方である。これからは仕事も生活ももっともっと流動化する。社会の動きも激しくなるし、人々の価値観も多様化し個性化する。人々の生活もワンパターンではなく、いくつかのパターンの組み合わせがあたり前になるだろう。例えば、二地域居住。月~金は都会で生活し、土日は農山村の自然の懐で生活する。あるいはその逆だって成立する。場所と時間が制約要因から選択要因に変わる。


自己実現

 第三は、自己実現や参加意識である。大量生産大量消費の時代はまさしく成長過程の生活スタイルだった。しかし、エネルギーや環境の制約のもと、右肩上がりが続かない今後、社会経済システムからその中にいれば満足度をあげられた状況、つまり受動的でも生活満足が得られた時代から社会経済のメンバーとして自分自らが自分自身の能力に応じて一定の役割を果たすことで満足する選択と自己実現の時代を迎えるのではないか。すでに、趣味やサークル活動からボランティアへの参加、第二の人生としての活躍など幅広く自己存在を示す時代となってきた。仕事と生活の両立を求め、二つながら充実した生活スタイル、例えば、週末の市民農園や家庭菜園などの普及もそれではないか。主体的に自己実現を求めながら社会の構成員として役割を果たしていこうとするスタイルが必要である。


交流

 第四は、交流人口への注目である。人口減少社会を迎えるというが、減少の要因をみると、生死による自然減と転入転出による社会減による。少子高齢化は自然減をもたらす。しかし社会減は、住所の移転が伴うことが前提だが、住所は一つでも住む所や滞在する所はいくらあってもよいはず。地域の個性や特性を活かし、その魅力をそこだけでなく他の地域の人にも開放する。一方で来てもらうという社会的交流の促進に着目したい。交流人口が増えれば地域のにぎわいは衰えるはずがない。


地域再生大作戦

 兵庫県では、平成22年度から「地域再生大作戦」と銘打ち、地域の自立と都市との交流を基軸とする地域おこしを実施している。

 その一が、まちなか振興モデル事業。従前の地域の中心部であっても、地域の活力が失われている地域がでてきている。例えば、旧役場所在地だ。この地域の賑わいを取りもどすため住民の合意のもとによる計画づくりや実践を応援する。まず、計画づくり、このためのプロジェクトチームの派遣などだ。次に、生活利便施設整備、例えばコンビニ、スーパー立地支援などのまちづくり協議会の事業の支援、空き施設活用支援、旧役場、学校の公共施設、農協等の空き施設などを活用してNPOの活動拠点、観光施設、宅配サービス、高齢者見守りなどの用に供されるようにする支援などが中心となる。

 その二が、小規模集落元気作戦の展開だ。人口が減少し、高齢化が進む小規模集落を対象に、主として都市住民との交流を通じて地域を元気にしようとする。まず、集落の合意形成、このためアドバイザーなどの協力を得る。次の段階は、パートナー探し、集落の魅力を提示して交流する都市住民とのマッチングを行う。お見合いだ。第3の段階は交流の試行。集落と都市住民とが相互に交流するデート期間だ。第4段階は交流拠点整備と本格的交流の実行。交流拠点を地元の手でつくる、体験型交流ツアーを行う、特産品の生産、都市部での直売など本格的交流の実現だ。

 その三は、ふるさと自立計画推進モデル事業。多自然地域において、小学校区単位程度の範囲で、少なくとも充実した生活ができる地域づくりを計画的に推進しようとする事業だ。まず地域の自立計画をつくる。このためにアドバイザーを派遣する。自治会等が中心に計画をつくる。次に地域おこしのために空き地や空き家の活用、遊休農地を市民農園に、宿泊や交流スペースの確保、買物施設や出前売場などの運営など計画実践トライやる事業を行う。生活圏域として相互補完しながら地域おこしをするものだ。

 その四は、中山間の農の再生。中山間地域の農地を活用して地域おこしをする事業だ。まず企業と農山村とのマッチング。企業の資金や人材、知識を遊休地を含めた農地や林地を活用して農業を軸としたビジネスを展開してもらう。地元農家が協力して農産物等を地元給食、直売所等継続的な事業を展開、そのための施設整備も支援する。あわせて、都市農村交流の促進を図るものだ。

 その五は、多自然居住の推進。田舎ぐらし情報の提供などソフト事業の展開にあわせて、多自然地域での交流拠点の整備と、都市部での情報発信施設の整備支援、NPO団体等の活動支援、古民家再生活用の推進などを行っている。

 その六は、ユニークな地域再生応援事業の展開だ。これまでの事業を専門的知見を生かす、NPO活動として取り組む、大学のフィールドワークとするなど地域空間を活用して活動を展開するグループを支援していく、つまり、ファンクラブ活動の展開である。


元気な県土空間

 兵庫の県土は広い。そして歴史的にも文化的にも自然にもマッチした県土をつくってきた。人々の生活も地域資源も多様だ。これからの時代の特長は多様性である。兵庫の県土空間をフルに生かした豊かな自然と共生する空間としていくことが、元気兵庫の課題である。


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