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更新日:2010年8月6日

家族と家庭(平成22年8月)

家族と家庭

家族の結びつき

 近頃、児童虐待をめぐるニュースが相次いでいる。しかも痛ましい事案が多い。どうしてこんなに家族の結び付きが弱体化してしまったのだろう。これらは、極端な事例だとしても家族のあり方が問われていることに間違いはない。

 私は、家族が支え合って暮らすという社会的要請が少なくなったことに大きな要因があると考えている。戦前の家社会は、家族単位で社会が構成され、家長と家族との共存が中心であった。戦後、あの焼け野原から立ち上がるためには、家族同士が相互に支え合う生活をせざるを得なかった。お父さんは、必死に働いたし、お母さんも家庭を切り盛りしながら生活維持に苦心していた。子どもたちもそのお父さんやお母さんを見ながら自分たちができることを行うことで家族の役割分担をしていた。このように必死で生活を支えていたときは、家族は意識していなくても固く結びついていたといえる。


今の家族の状況

 今は、どうだろう。まず、生活は豊かになった。家族がそれぞれに生活を支え合う必要がなくなり、子どもたちにとって、毎日の食事、学校などの生活はあたりまえであって、その生活を支えているとの実感がない。

 第2に、意識の変化。あたりまえの生活を享受していれば、その生活に対する感謝が生まれるはずがない。したがって、人から支えられていると思っていないから全て自分中心で回る天動説になりがちとなる。

 第3は、一億総サラリーマン化。自営業ではなく殆どがサラリーマン化したため、店を手伝うとか配達をするとかの体験がサラリーマン家庭にはない。仕事と家庭が峻別されていることが通常となり、家庭に仕事が持ち込まれなくなった。自営業のお宅でも店と家庭は別れていることが多い。

 第4は、三世代同居が少ない。祖父母と孫とが一家族として生活を共にしていると、祖父母の挙作から自然と人としての生き様を学ぶとともに、思いやりや人と人との交流の大切さを知ることになる。

 第5に、地域社会との関わり。各家庭と地域との結びつきが乏しくなっている。マンション生活はドア一つで家と社会を隔てるし、一般住居でも地域との結び付きが少ない。

 第6に、家族の多忙。家族のそれぞれが忙しすぎる。したがってお父さんもお母さんも子どもたちも一人ひとり自分の時間を生きて家族としてまとまった行動をしていない。


家族の再構築と家族の日

 このように、家族や家庭をめぐる変化を踏まえて、家族や家庭の再構築をどのように進めていったらよいのだろう。

 まず、「家族の日」をつくること。バラバラな毎日を送っていることが多い家族の生活を見てみよう。食事をいっしょにしない、夜の寝る時間もマチマチ、休日もゴルフ、学習講座、塾での勉強など家族で共同行動をとりにくい。だからこそ、月一でもよい、週一でもよい、一日を定めて、家族全員で参加できる行事を実施してほしい。会食でもよい、散歩でもよい、映画や音楽鑑賞でもよい、何でもいいから一定時間ともに過ごす機会をつくって欲しい。これを「家族の日」として決めておき、家族全員でこの日の一定時間をともに過ごしてほしいのだ。


地域との関わり

 その2は、地域との関わりの強化。地域ではいろいろな活動が展開されている。婦人会や自治会、老人会などの地域団体の活動もある。PTAやボーイ・ガールスカウトなど学校・青少年団体の活動もある。近頃では、「親父」活動、お父さんたちが集まって子どもたちの元気アップ事業を展開されている。婦人会等地域団体が子育て家庭応援推進員を設置して、声かけ、相談、イベント等を行い、また、SOSのシグナルを見逃さずに専門機関につなぐ「子育て応援ネット」やまちづくり防犯グループは登下校の子どもたちを見守ってくれている。

 また、「まちの寺子屋」では子ども連れのお父さんお母さんと地域の伝承や昔遊びをしながら、子育ての相談や三世代交流を行っている。「まちの子育てひろば」では、子育て中のお父さんお母さんが広場に寄り合って、子どもの友達をつくったり、子育て相談をしたり、悩みを愚痴ったりして交流できる所である。ぜひ地域との関わりを持ちたいもの。


体験学習の大切さ

 その3は、体験や経験を豊かにすること。人はなかなか知識から学んでも自らの行動には結びつかないもの。だからこそ体験や教訓を学ぶのではなく経験する、体験する、これによって身体から考えることが大切となる。兵庫の教育が体験学習を大きく柱に据えているのもこのためだ。小3の環境学習、小5の自然学校、中1のわくわくオーケストラ教室、中2のトライやる・ウィーク、高1の地域貢献活動、高2の就業体験学習など体系的な体験学習を用意している。

 さらに、「読書タイム」など、読書を通じてその著者の考えや行動を疑似体験することは良いトレーニングになる。映画や舞台も同様だ。

 いずれにせよ、体験を通じて自分と外との連なりや関係を自ら考えることは、人の幅や相手への思いやりなどまさしく家族だけでなく社会との結びつきを意識することになるし、自分自身を考える機会になると思う。


今後の家族

 ともあれ、家族や家庭こそ社会を構成する基本であるからこそ、家族同士が一体感をもてる生活スタイルをそれぞれつくりあげて欲しい。このことが、一体感ある家族、家庭、力強い地域をつくってくれるはずだから。


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