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知事のページ

更新日:2010年9月9日

自殺を防ごう(ニューひょうご平成22年9・10月号)

自殺を防ごう

現状

 現在、社会の閉塞感の兆候ともいえる現象が日本における自殺の多さではないか。平成21年で32,845人に達している。ここ10年連続で、平成10年に一挙に8,500人増加し、32,863人になってから、3万人台を続けている。兵庫県も全く同様の傾向を示している。平成21年は1,354人で、平成10年に約500人増加して1,452人と1千人台に達してからはずっと千人を割り込んだことがない。交通事故の死者数が200人を割っている現状と比較してもその数の大きさに驚かされる。

 平成10年とはどういう年だったろうか。日本経済がバブル後の構造改革を試みたが、なかなかデフレ経済から脱することができず、低迷していたときである。兵庫県も大震災直後の復興ブームが収まり全国的な不況と重なって厳しい経済状況にあった頃である。国民生活の厳しさが全国3万人台、兵庫県1千人台と大台を超えた理由ではないかといわれている。

 しかし、経済的な停滞が続いているとはいえ、なだらかな回復基調を示してきたのに、相変わらずの水準が続いていることを説明するには違和感もある。


自殺者の傾向

 平成20年の兵庫県の自殺者の傾向をみてみよう。男女比では71%が男性、29%が女性である。年齢別では60代が18%で一番多く、60代以上で39%に達する。しかし、働き盛りの30~50代は49%とほぼ半数に達している。若年者がとかく話題になるが12%である。しかし、20代の死因からみると、自殺が49%を占め、不慮の事故17%、がんなど病気が17%などからみると、若者が悩み死に至ることが多いことが問題なのだ。

 自殺の原因や動機を県警資料からみると、健康問題が43%、経済生活問題が18%、勤務問題が7.5%、家庭問題が9%などとなっており、家庭や健康など個人的事情が5割を超えている。白書からではあるが、自殺の背景には4分の3に精神障害があり、うつ病が約半分、統合失調症が4分の1、アルコール依存症が約2割などとされていることをみると、精神的悩みを持たれている人への対策が不可欠であることが課題となっている。


対策の基本

 これからの社会は、人口減少社会を迎えつつ、少子高齢化が進む。しかも、経済的にはまだまだ厳しさを払拭するのは難しいとすれば、高齢者対策とストレス対策が欠かせない。県民意識調査では、少子高齢社会のイメージとして「暗い社会」とのイメージが4分の3を占めている。社会の先行きに希望が持てないとすると、生きる気概も失せてしまうことにつながる。「健康で安心して暮せる社会」を4分の3の県民が期待されていることからみても、健康で安心安全な充実した生活が基本であることと改めて確認できる。

 健康は、自殺の原因が精神的要因にあることが多いことからもいかにストレスの少ない、健康を守り、病気になればいかに適切な治療を受け、リハビリ、社会復帰する社会システムをつくることの大切さも確認しうる。


兵庫の対策

 兵庫県は、県内の自殺者数を1千人を下回ることを目標に掲げ、平成21年5月に「自殺対策推進本部」を立ち上げるとともに、その事務局として本年4月に「いのち対策室」を設置した。自殺防止は社会全体の課題だからこそ、行政、関係団体、企業、地域社会が総力をあげて取り組んでいかなければならない。兵庫の自殺対策は4つの柱で推進している。

 第1は、自殺予防に対する県民の理解の促進。自殺や精神疾患に対する正しい知識や自殺を考えている人に気づいたときの対処など、各種研修や広報などを通じて、周知啓発を図る。

 第2は、相談体制の充実。相談窓口の少ない夜間に自殺に追いこまれる人も多い。その前に何か伝えたいという行動をとることが多いといわれる。「いのちと心のサポートダイヤル」を開設し、いのちの電話とあわせて電話相談の24時間化を図っている。また、うつ病などの精神的疾患に対しては、専門的な面接相談が不可欠である。健康診断での問診も重要だし、本人はあえて否定しがちであるだけにご家族や関係者が通常とは異なる兆候をみつけたら専門機関を相談できる体制を整備していくことだ。こころのケアセンターや県立精神保健福祉センター、健康福祉事務所などでこころのケア相談を行っている。市町の健康診断の活用や企業や関係団体における相談窓口の設置などにも努めたい。知られたくない意識もあるので、利用しやすい環境づくりが必要だ。学校では、スクールカウンセラーを配置して、様々な相談に応じている。悩みを一人で抱えこまないで、いかに共有するか、それにより孤立化を防ぎ、行き場をなくさない積み重ねが大切なのだろう。

 第3は、うつ病を中心とした精神疾病対策だ。検診や相談体制の整備にあわせ、うつ病自体の予防、ストレス対策の周知、啓発を行う。うつ病で休職されている人に対する職場復帰トレーニングも実施していく。

 第4は、未遂者のケアや自死遺族支援だ。未遂者は、再発しがちである。再発対策が必要である。また、遺族は社会的に孤立しがちだからこそ、ボランティアを含めたケアが必要である。


社会として取り組み

 自殺は、追い込まれた末に死を選ぶといわれる。だからこそ社会全体で手をさしのべることを基本に取り組んでいく必要がある。一人で悩み苦しまないで、周囲の人や関係機関にためらわずに相談する。また、家族や友人、同僚などが、不眠や原因不明の体調不良など自殺の危険を示すサインを見逃さずに、そのサインを助けてという呼びかけと受けとめて、相談機関や専門医に相談する。

 県民みんなの協力により、誰もが健康で生きがいをもって暮らせる「元気で安全、安心な兵庫」を実現しようではありませんか。


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お問い合わせ

部署名:企画県民部知事室広報課
電話:078-362-3017
FAX:078-362-3903
Eメール:kouhouka1@pref.hyogo.lg.jp