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更新日:2010年12月9日

児童虐待(平成22年12月)

児童虐待

実情

 児童虐待が増えている。こども家庭センターにおける相談件数をみると、平成17年度958件であったものが、平成21年度では1,557件と1.6倍になっているし、市町における相談件数をみても、平成17年度1,612件が、平成21年度3,131件とほぼ2倍に達している。

 このこども家庭センターの平成21年度の相談内容を分析してみると、主な虐待者は、実母62%、実父23%であり、養父母は11%にすぎない。被虐待者の年齢でみると小学生40%、3歳~学齢前22%、0~3歳18%、中学生14%などとなっており、小学生までで80%となっている。虐待の種類としては、身体的虐待43%、ネグレクト33%、心理的虐待21%、性的虐待3%である。

 総じてみると、実父母による小学生までの児童、乳幼児に対して身体的な虐待が多いということになる。

 どうしてだろう

 このような児童虐待が生じる背景としては、第一に、家族の核家族小規模化、このための家族の絆が弱まっていること、第二に、これに関連して地域とのつながりが希薄化していること、第三に、家事や育児の基本的ノウハウが子どもの親世代に伝承されていないこと、第四に、子どもを愛そうとする反面、行き詰まりから虐待してしまう相矛盾する精神状態が生じることなど複雑に絡みあって生じているのではないかと考えられる。


オレンジリボン

 オレンジリボンを知っていますか。毎年11月は「児童虐待防止月間」とされ、県民の機運を高めるキャンペーンが展開された。オレンジリボンは、このようなキャンペーンのシンボルで、虐待を受けた子どもが幸せになれるようにとの気持ちがこめられている。オレンジが太陽のように明るい未来を願った色から選ばれた。

 今年は、ヴィッセル神戸の協力により、ゲーム観戦者への啓発、選手からのビデオや電光掲示板を通じたメッセージなどを行った。また、県民に対する啓発事業として医師会と協力して県民フォーラムを開催したり、ポスターの掲示をコンビニに協力してもらった。


情報のキャッチ

 児童虐待のこども家庭センターへの相談がどのルートから行われているかを平成21年度についてみると、近隣知人22%、福祉事務所等26%、学校、保育所等、医療機関が14%、警察等が16%、家族親戚が13%となっており、児童本人1%となっている。これらを地域での児童の見守りを行う児童委員が支えている。このことから、地域の協力の重要性、関係機関の情報共有の大切さ、そして本人や関係者からの相談し易い仕組みが課題であることが理解る。


子育て応援ネット

 まず、地域の協力として、子育て応援ネットによるSOSキャッチ活動がある。地域の女性団体等がネットワークを組み、地域ぐるみでの子育て家庭への見守りや声かけなどを行い、虐待や問題行動等のSOSサインをキャッチして専門機関につなぐ活動である。このネットワークはすでに794の全小学校区に設立されている。とくに、虐待や問題行動等の背後には、何らかの変化がみられるはずで、これを見逃さずに注意していこうという運動である。


ひょうごオレンジネット推進事業

 このためにも積極的な役割を担っているのが、民生委員児童委員の方々である。地域における住民生活の現場で生活相談にあたったり、子どもを見守り、児童虐待や犯罪被害から守る取組みを行っているので、この活動を強化してもらう必要がある。ひょうごオレンジネット推進事業がこれである。民生委員児童委員の巡回相談や相談窓口機能の強化、市町家庭児童相談室やこども家庭センター等専門機関、児童養護施設等との連携、研修の徹底、地域住民への働きかけなどを進めてもらっている。


関係機関の情報共有

 第2に、学校、保育所等、病院、福祉事務所等関係機関が虐待の可能性や危険のある子どもについて、それぞれが持っている情報を共有化して、専門機関として機能する必要がある。往々にして、組織としての縦割りから、それ以外の機関との連絡調整が怠られる懸念がある。このために、サインを見つけたら専門機関につなぐことが必要である。また、一時保護から家庭復帰後の見守りについては、市町単位に設けられる要保護児童対策地域協議会において関係機関が情報を共有して個別具体的な対策を実施していくこととなっている。

 さらに、一時保護など具体の子どもの取り扱いを検討する場合には、市町相談室やこども家庭センターのスタッフだけでなく、民生委員児童委員、医師、弁護士等の専門アドバイザーなどの参加を得た家庭復帰等評価委員会をこども家庭センターに設け、必ず、一時保護の取り扱い、家庭復帰をさせるかどうかなど、幅広く諮ることとしている。どうしても、子どもは家庭でともに生活することが望ましいとの前提で判断しがちであり、これがリスクを増幅する可能性があるからである。


24時間ホットライン

 第3に、相談体制の充実である。乳幼児医療の世界でも子ども医療センターで第一次的診療や相談を行って専門病院につなぐことが行われているが、虐待においても同じことがいえる。しかも、相談しにいくい案件であり、また、昼夜を問わないのが虐待である。したがって、昼間は各こども家庭センターや市町家庭相談室が対応しているが、夜間は直ちに対処しにくいので、各こども家庭センターに24時間電話相談を行うこととしている。気軽に悩み事を相談してもらうことを期待している。


まちの子育てひろば

 同志社大学の立木先生の調査によると、子育て中の親は子どもと2人で向きあっているときはストレスが高まり、第三者がそばにいるときは、子育ての良さや充実感が増す傾向があるとされる。まさしく子どもを愛するが故に、なぜ言うことをきかないのかとの思いがつのり、虐待してしまうという親の精神状況がある。このため、子育て中の両親が気楽に集って、子どもどうしの遊び場とする、子育ての苦労を交換する、たまには子育てのぐちをこぼす、先輩から子育てのアドバイスをもらうという広場を展開している。まちの子育てひろばだ。すでに、県下で2,000カ所を超える展開がなされている。まさに、地域ぐるみの取組みの一つである。


地域ぐるみ

 子育てに多くの人がかかわって育てていくことが困難になってきている。だからこそ、各家庭にのみ委ねるのではなく、地域のなかにいかに多くの家族がつくれるかがポイントとなるのではないか。いかに疑似家族をつくっていけるか、地域三世代同居の運動も一つである。

 子どもは、自分自身の命を守れない。孤立しがちな子育て家庭を社会全体で包み込み、支援することが基本である。

 子どもこそ未来の担い手、子どもたちの子育て環境の整備を進めることとあわせて、児童虐待を防止しうると信じる。県民の皆様よろしくお願いします。


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