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更新日:2016年9月6日

防災減災への備え(平成25年9月)

防災減災への備え

(南海トラフ地震) 

 9月1日は、防災の日。あの関東大震災が起こった日を今後の防災に取り組むことを期する日とされている。今年で90周年、しかし自然災害の襲来は減るどころか、ゲリラ豪雨など不安定さを増している。関東大震災は、相模トラフがはじけて起こった地震で、前にこれが動いたのは元禄年間といわれているので、200年程度の周期とされている。したがって首都圏の危険は、まだ100年もたっていない相模トラフよりも直下地震で、その発生確率は、今後30年で70%とされている。

 今後30年で70%といえば、私たちが備えなければならない南海トラフ地震の発生確率も同じと見込まれており、50年であれば90%を超える。つまり必ず起こるのが、南海トラフ地震なのだ。もともと、私たちの大地は、地球の表面を支えるプレートと呼ばれる巨大岩盤に乗っている。南海トラフでフィリピン海プレートとユーラシアプレート(日本列島はこれに乗っている)がぶつかりあい、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる。したがって定期的にユーラシアプレートがフィリピン海プレートに引きずり込まれて限度がくると跳ね返る。これが東海、東南海、南海地震である。南海トラフではほぼ100年から150年周期で地震が起こっている。最近では、1944年の東南海地震、1946年の南海地震である。しかしこのときは東海地震は発生していない。この3地震が同時に起こったのは安政大地震、1854年のことだ。したがって東海地震はすでに160年となり、いつ起きてもおかしくないといわれてきた。東南海、南海も大丈夫とはいえない。東海に引きずられて同時に起こることが考えられる。それで、30年で70%の発生確率とされているのだ。

 しかも、宮城県沖地震にみられるように、30年から50年の周期で起こっていた三陸沖地震が、東日本大震災のようにプレートの跳ね返りと巨大地すべりとが同時に起こる1000年程度の周期の大地震となることがある。

(地震対策)

 私たちの南海トラフ地震対策は、3つの対策を同時に進める必要がある。その1は、地震そのものの対策だ。その2は、地震が引き起こす津波対策。その3が、避難などのソフト対策だ。

 地震そのものの対策は、住宅の耐震化、避難路等の沿道建物の耐震化、人々が集まる大規模施設の耐震化、公共施設の耐震化などを進めなければならない。学校等は平成27年度には、95%の耐震化を目標としている。住宅は90%だ。

 さらに懸念されているのは、高層建物の揺れ対策である。とくに横揺れが著しいので、家具や机などの固定化が不可欠である。

(津波対策)

改良された防潮堤(南あわじ市沼島)

 南海トラフ地震のハード対策は、津波対策だ。100年程度の周期で起こる安政地震並みの地震に伴う津波は、防潮堤で守る。1000年程度の周期で発生する東日本クラスの大地震に対しては、防潮堤を越流しても防潮堤が破れないようにすることで浸水を越流分だけにとどめることを目的に、防潮堤の強化対策事業を行う。あわせて、西宮地区・今津地区の都市河川の水門が河口から少し上流にあるので、これを河口に移動整備し、淡路阿万地区に水門を新設することで遡上する津波を防ぐ。また、淡路福良地区は、湾口防波堤を検討していく。このため、「津波防災インフラ整備5箇年計画」を今年からスタートさせた。10年程度で整備を完了したい。

 ハードにあわせて、ソフト対策も欠かせない。「釜石の奇跡」といわれたように、小学生が津波に対して日頃から訓練していたとおり、惑わず高台に逃げることにより、全員が救われた。ハードで守るとしても限界があるので、必ずいざというときに生命を救う行動が不可欠となる。「“みんなで逃げよう”減災防災運動」を展開し、いざというときに備えていくことが欠かせない。このために、避難路を前もって指定し、いつも通っておくことも大切だ。淡路福良地区では、避難路を反射材入りのカラー舗装することにより、分かりやすくし、迷うことがないように整備されたが、これらの工夫も必要だ。

(災害弱者対策)

兵庫県・播磨広域・姫路市合同防災訓練(9月1日)

 もう一つ、いざというときの災害弱者、要援護者支援が行われなければならない。地域コミュニティ単位でのエリアプランと重症な人に対する個々の避難計画を定めておくマイプランを事前に用意しておき、実践的な防災訓練を重ねていく必要がある。

 9月1日に行われた姫路での総合防災訓練でも、福祉センターを避難所として地区の要援護者の避難訓練が行われていた。私は、福祉避難所は特別養護老人ホームなどの社会福祉施設に協力してもらうことが重要と考えている。施設とスタッフがそのままケアの体制として活用できるからだ。そのためにも、エリアプランとマイプランを定めておくことが出発となる。策定を急ぎたい。

(備えへの決意)

 もうすぐ阪神・淡路大震災から19年を迎える。大震災を「忘れない」、経験していない人が増えていることもあり「伝える」、そしてこれらの教訓や経験を活かして防災減災対策を進める「備える」ことを改めて認識し、実行していかなければならない。「災害は忘れたころにやってくる」では困る。「災害は忘れない」そして、だからこそ「備える」を基本に、安全安心の県土づくり、兵庫づくりを目指したい。

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