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更新日:2017年6月7日

阪神・淡路大震災20年事業(平成26年6月)

阪神・淡路大震災20年事業

(阪神・淡路大震災20年)

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 来年1月17日であの阪神・淡路大震災から20年を迎える。もう20年、まだ20年、被災者、被災地だからこそこれまでの復旧復興過程を振り返ってみると、いろいろの思い出が呼び起こされ、複雑な思いにかられるはず。それだけに、この20年の私たちの経験や教訓をどのように位置づけ、検証し、活かしていくかを今こそ整理して発信していくことが必要なのではないか。このような想いこそが「阪神淡路20年~1.17は忘れない~」の事業展開に結びついている。
 20年は一つの通過点に過ぎないとも言えるが、やはり一つの節目であることは間違いない。私たちは、20年を迎えるにあたって今の状況を踏まえておかねばならない。

(震災の経験・教訓)

 まず第一に、20年を迎えるということは、阪神・淡路大震災を知らない、経験していない人々が被災地でも40%を超えるということだ。20歳未満の青少年のみならず社会移動もあり、私たちの経験や教訓を伝えていくことが必要となっている。

(続く地震災害)

 第二に、阪神・淡路大震災以後も、国内だけで見ても、鳥取西部地震、中越地震、中越沖地震、能登半島地震と続き、極めつきはあの東日本大震災だった。また、風水害被害も続出している。私たちも平成16年の台風23号被害、平成21年の台風9号被害などの自然災害に遭遇してきた。この復旧復興に際して、私たちは初めての経験、手探りで進めてきた。何が必要なのか、その時々に対応せざるを得なかった。その後の被災地の復旧復興は同じではないにしても、阪神・淡路大震災の復旧復興過程は大いに参考になるはずである。

(迫る南海トラフ地震)

 第三は、南海トラフ地震の発生確率がこの30年で70%となり、その発生が間近か、切迫してきたからだ。正確ではないにしても、安政の大地震(1854年発生)は東海、東南海、南海地震の三連動地震であったが、1944年東南海地震、1946年南海地震が起こっているのに、東海は今日まで動いていない。すでに160年になる。もともと慶長の大地震(1605年発生)、宝永の大地震(1707年発生)、安政の大地震とほぼ100年~150年ごとに起こっているだけに、東海に引きずられて、三連動地震の発生が懸念されるからである。

(地震津波対策の進展)

福良港防潮堤

南あわじ市福良港の防潮堤

 第四は、東日本大震災をはじめ科学的知見の蓄積と計画的対策の進展である。すでにこの3月には中央防災会議から南海トラフ地震対策推進基本計画が定められたし、兵庫県でも国の想定を踏まえて、二級河川への遡上や地震による防潮堤の沈下量も見込んだ津波浸水シミュレーション結果を2月に公表した。ケース1は、防潮堤や水門などが越流すると機能しなくなることを前提とした最大の浸水域を見込んだ場合である。ケース2は、防潮堤や水門が津波により越流しても破れないことを前提に越流水による浸水域を示したもの。ケース1は避難対策に、したがって、市町でつくるハザードマップなどで最悪の事態に備える。ケース2は、防潮堤などハード機能の現状の把握と今後の対策に活用できる。ただ防潮堤は越流すると破壊され易いので防潮堤の裏側を補強する、水門を河口部に移し河川遡上を抑制する、門扉の自動閉鎖を進めるなどの整備のため、津波防災インフラ整備5箇年計画を進めていく必要がある。さらに、防潮堤の沈下対策は専門家委員会で検討し、この結果を5箇年計画で今年度中に反映させることとしている。これらを踏まえて、南海トラフ防災対策アクションプランを定めて、その推進を図っていくこととなる。

 また、関西広域連合でも、関西全体としての防災・減災対策をとりまとめている。もともと南海トラフ対策は、太平洋沿岸部、瀬戸内海沿岸部により事情は異なるとしても、全体に大きな被害が予想されるだけに、関西各府県がどのような役割を果たせるのか、そのための連携調整をどうするのかシナリオ化して備えていかねばならない。

(東日本大震災被災地支援)

 第五は、東日本大震災被災地復旧復興への支援だ。3年3ヵ月を経過しようとしている。ようやく高台移転の住宅地造成と海岸べりのかさ上げ工事が始まり、新しいまちづくりをめざすスタートが切られた。私たちは、阪神・淡路大震災を経験しているだけに、私たちの経験や教訓を活かしてもらわねばならない。任期付き職員50名を含めた県職員、市町職員、警察官等140名余が市街地再開発、区画整理等のまちづくり、公共用地取得、企画などの事務、各種計画づくり、住民生活支援など全般を支援している。それだけではない。まちづくりの専門家、生活支援グループなどボランティアメンバー、芸術文化を通じた支援、音楽、園芸療法、まちの保健室等看護、保健グループなど阪神・淡路大震災の復旧復興過程で活躍された方々も支援し続けておられる。まさに「活かす」フィールドとなっている。関西広域連合も210名の人たちが被災地で活躍している。

(防災訓練の実施)

 第六は、実践的な防災訓練の積み重ねである。自助、共助、公助の組合せが防災・減災対策の基本であるが、まず発災時に問われるのは自助、自ら守ることではないか。危険時の持ち出し袋、避難所の確認、家具の転倒防止措置などまずチェックが必要。防災機関は地域防災計画において為すべき行動一覧が掲げられているが、状況によりどのような手順でそれぞれの機関がいかなる行動をとるのか事前の行動計画をシナリオ化しておく必要がある。これは、米のハリケーンサンディの被害対策として採り入れられた「タイムライン」の考え方であろう。事前の行動計画のシナリオ化を行う必要がある。

 そして、これらは事前に何度も実践的な訓練が必要であることは、言うまでもない。

(今年1年周年事業の展開)

 したがって、「阪神淡路20年~1.17は忘れない~」の基本テーマは「伝える」「備える」「活かす」である。これを基本に県民総参加の減災発信事業を展開していく。すでに4月から始まっている。大震災の犠牲者への追悼とあわせ、経験と教訓を忘れずに他地域や世代を超えて「伝える」、次なる大震災の被害を可能な限り減らすため県民ぐるみで「備える」、被災地兵庫の成果を国内外の防災・減災の取り組みに「活かす」。このために、県民総参加でそれぞれが取り組む事業を登録してもらい、阪神・淡路大震災20年事業として展開していく。兵庫からの発信をしよう。

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