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更新日:2014年8月12日

ふるさと(平成26年8月)

ふるさと

(お盆の帰省)

もうすぐお盆の季節を迎える。今年の帰省ラッシュはどの程度になるのか、気をもんでおられる方も多いことだろう。中国縦貫自動車道宝塚トンネルで30~40kmの渋滞など全国中で混乱が予想される。それだけ「ふるさと」を、せめて盆と暮れぐらいは共に過ごしたいとの願望が強いということだろうか。

帰省ラッシュの要因を考えてみよう。一つはお盆だからこそ先祖が戻ってくるというこの時期だからこその墓参り。二つは、家族、特に父母のもとを訪ねる子どもたちの行動である。ちょうど夏休みでもあり、孫にとっては夏季旅行にもなり、久方ぶりの家族だんらんが達成される。三つは、日本の慣習で、お盆には社会全体が夏休みに入り、各人が夏季休暇を取りやすいなどが指摘することができる。

(ふるさととは)

ただ、これらの要因を総合してみると、「ふるさと」を大事にしたい、するという意識を基本とした行動と理解した方がよいのではないか。「ふるさと」は私たちにとってやはり原点であるのだ。「ふるさと」とは何か。

まずは、生まれ育った所である。第一に自分が生まれた土地、第二に家族や友人や地域の方々と共に育った所、そして第三に伝統や文化を体験し、山や川など自然と交流し、社会的経験を重ねた所といえる。つまり、生まれ、育った土地、所である。

二つには、ふるさとという土地、空間での家族や友人や地域の方々との共通体験の共有である。つまり、小中高校体験、家族との生活体験、地域の方々との交流体験、山や川等との自然体験、お祭りや各種イベントなどの参加体験など自身と他者との体験を共有した空間である。思い出の宝庫であるといえる。

(ふるさとの仲間意識)

「ふるさと」のエネルギーはかなり高い。各地の県人会の活動、小、中、高校、大学を含めた同窓会活動が代表であるが、共通体験の共有からか、同じふるさとだとすると、何か直ちに仲間になれる。仲間意識を持てる。

このふるさとからくる仲間意識は、広狭の広がりを持つ。例えば、甲子園の高校野球ならば、兵庫県など都道府県単位になるし、生まれ育った所の市町村の一部の町、市町村、ブロックなど私たちは状況により規模を変えている。海外での県人会は、兵庫県などが単位である。

(ふるさとへの関心の要因)

「ふるさと」に関心が寄せられるのには、私は、よく言われる家庭や家族の変化と地域社会との関わりの変化にあると思う。共通するのは、連帯感の喪失ではないか。家族や家庭において共に行動する機会が少なくなっている。だからこそ、「家族の日」を提唱して月や週に一回でも食事や散歩など同一行動をとることを呼びかけているのだが、従前と違い、親子の生活時間のズレから統一行動が取りにくいだけに、ぜひ実行して欲しいものだ。

ふるさと塾

農業体験の機会を提供

もう一つ、地域でも向こう三軒両隣りの関係は、もう都市部を中心にほとんど失われてしまった。また、生活様式も変わり、一億総サラリーマン時代を迎え、地域に生活する人同士の関係が希薄になってきた。都市構造でも鍵一つで他と閉鎖されるマンションなど住宅事情もある。だからこそ、積極的に地域を単位としたふれあい活動を展開していくことが必要となる。まちの子育てひろば、子どもの冒険ひろばなど子育てグループの活動、ひょうごっ子ふるさと塾など体験機会の提供、自治会や老人クラブ、婦人会などの地域活動など、県民交流広場での各種事業の展開など、例をあげると多くの地域事業が行われていることを知ることができる。

(ふるさと意識と今の住居)

意識的に共通体験を共有することが大切になってきている。今住んでいる所だからこそ豊かな生活空間にしたいとの願いが増してきているのではないか。

「ふるさと」は、生まれ育った所が基本となるが、私は、今住んでいる所、あるいは過去に住んでいた所をも「ふるさと意識」を持って欲しいと考えている。住んでいる所に愛着がある。住んでいる所で共通体験を共有する。住んでいる所が一緒だから同胞感覚が持てる、このことが大切なのではないか。

だんじり

夏祭りに向け練習する

子どもたち

しかも、今住んでいる所に愛着がなければ、そこはある種の仮住居の地になってしまう。一時的な生活の場所ならば、そこに思い入れや愛着が生じるはずがない。これらの人々は、今住んでいる所の未来にも期待を持たない、持てない。そこは単に生活している所であって、自分にとって夢を実現する所ではない。期待すべき所でもないと思っている人にとっては、将来に希望を持ち、夢をはせることは当然ないのが一般だろう。しかし、「ふるさと意識」を今住んでいる所に持つことができれば状況は一転する。つまり、今住んでいる所を「ふるさと」にするのだ。歴史や文化、祭や伝承などを学び、参加する。家族ともども地域活動と結びつける。きっと学校が、自治会が、NPOなどが、コーディネーターとなってくれる。

私は、兵庫を「ふるさと」とする人だけでなく、兵庫に「ふるさと意識」を持つことのできる人とも、共になって明日の兵庫づくりを目指していきたい。

(参画と協働)

「参画と協働」は、兵庫づくりの基本原理であるが、この概念は、二つの意味を持つ。一つは、県政への参画と協働であり、兵庫の今と未来を皆で考え、皆で決めて、皆で実行し、その責任は皆が負う基本姿勢だ。自己決定自己責任、自立とも通じる。県政の推進ビジョンの策定過程でビジョン委員会をつくり、県民の方々に積極的に参加、意見をいただき、また自主活動を展開して成果をあげていただいた。もう一つは、地域社会の共同利益の増進への参画と協働である。私たちの生活は社会全体のつながりや協力の中で営まれている。この担い手となって支え合うことこそ地域で生活する私たちの責務であるともいえる。難しいことはいらない。一人でも、家族でも、ボランティアグループの一員としてでも、地域団体の一員としてでも、ある地域活動に参加し、活動することである。このような参画と協働を通じて、共に今と明日の兵庫を自主的主体的につくっていきたい。

(ふるさとへのカムバック)

人口減少社会への本格的対応が待ったなしとなっている。少子化対策ももちろん大切だが、私はもう一つ違った視点から提案したい。それは「ふるさと」にカムバックしてもらう、戻ってもらうことだ。ようやく東京一極集中の脆弱性に皆が気付き始めたのではないか。高齢社会を迎えているが、大都市ではこれから急激な高齢化を迎える。その高齢者となったとき、そこで待っているのはどんな未来なのだろう。特別養護老人ホームなどの高齢者施設の不足が目に見えているが、このことは何を意味するのか。しかし、多くの高齢者は、特に後期高齢者を含めてほとんどの方々は元気であり、生涯何か自分でできることを続けたいと願われている。しかし、大都市の真ん中では、なかなか自分の存在感を示す機会や役割がそう見つかるものではない。まさに、地域活動の担い手となることが必要だが、急に参加しできることでもない。

一方、中小都市や農山村なら高齢者にふさわしい活動の機会はそれなりに多くある。例えば、農業生産活動を始める。本格的就農をしなくても、家庭菜園をする、市民農園でつくる、歴史や文化を学ぶ、福祉施設で働く、子どもたちを指導するなど各種の活躍の場が待っている。

従って、もう一度定年退職した後のまだ長い人生を「ふるさと」で過ごして欲しい。このとき、たとえ奥様に反対されても単身でも「ふるさと」で活動することを考えて欲しい。この場合、まさしく二地域居住、平日は「ふるさと」で土日は「都市」でという生活スタイルが確立するではないか。Uターン、つまり「ふるさと」を出た人が「ふるさと」へ帰ることになる。何もUターンだけでなくてよい。Jターン、「ふるさと」ではないがゆかりの所に移り住むも良し、Iターン、ふるさと暮らしを求めて移住するも良し。徳島県上勝町の葉っぱビジネスではないが、「ふるさと」にはふるさとの暮らしがあり、それが生涯にわたる自己実現のフィールドを提供してくれるはずである。

(ふるさと兵庫)

「安全元気ふるさと兵庫」の実現が兵庫県の目標であるが、兵庫県を「ふるさと」と意識する人々と共に、今と明日の兵庫づくりを目指していきたい。豊かなふるさと兵庫をつくろう。よろしくお願いします。

音声による知事メッセージ

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