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更新日:2015年1月19日

私たちを取り巻く危険(平成26年12月)

(災害)

災害は、いつも不意打ちで襲ってくる。典型は地震だ。その予測は未だ確立していないし、プレート型はまだ周期性があるが、直下型の活断層などいつ動くか全くわからない。台風はまだ事前対策が取れるが、近年温暖化のせいか、その勢力が増すとともに従来とは発生から消滅までのコースのパターンが変化してきている。極め付きは、ゲリラ豪雨だ。特定地域に集中して、まさに想定外の量の雨が降る。このため、山腹崩壊、深層崩壊など土砂災害を引き起こす。火山の噴火もそうだ。先日の木曽御嶽山の例にもあるように火山噴火予知も極めて困難だ。

(感染症)

もう一つ厳しい対応を迫られるのが、感染症だ。最近のエボラ出血熱のような激烈な感染症もある。私たちにとっては、もう5年前になるが、新型インフルエンザ対策で大変苦しい経験を持った。このときは、感染の蔓延を防ぐために学校閉鎖など社会的規制や行動規制を行った。自然界は未知にあふれている。人と自然との接触が広がれば広がるほど未知のウイルスなどとの接触リスクも高まる。これは未開発地域が海外であるだけに、水際での防止対策が重要となる。しかし、潜伏期間などの関係で滑り込んでしまうことも考えられる。この場合には、関西には20床の第1種感染症指定医療機関に収容して治療などを行うことになる。兵庫では、神戸中央市民病院と県立加古川医療センターが指定されている。今回は、既に関西広域連合でも広域的な連携について相談協議をしている。万全を期したいものだ。

(環境問題)

これら自然災害だけではない。私たちの社会生活を取り巻いている状況をみても、いろいろな現象が生じている。環境問題だ。今や地球的規模で懸念されているのが、地球温暖化現象だ。国連のIPOC(気候変動に関する政府間パネル)の予測では、2100年に温室効果ガス(CO2)の発生をゼロにしても大気温は2℃上昇するとのこと、海面上昇など大きな変化をもたらす。大気汚染も問題だ。PM2.5が話題となっているが、習近平国家主席が「APECブルー」といわれた北京はもう視界が効かないらしい。複合汚染の典型だ。水質汚染も深刻だった。瀬戸内海は「瀕死の海」と呼ばれたほど窒素・りんなどにより水質悪化していた海が、発生源対策など環境規制により「きれいな海」が回復した。しかし、栄養源が不足するほどになり、漁獲量も往時の2分の1になってしまった。この瀬戸内海をもう一度「豊かな海」にする、「美しい海」を取り戻すことが課題だ。土壌汚染も問題だ。足尾銅山を持ち出すまでもなく、自然界の危険物質の含有による危険の顕在化、ほとんどが人の活動に伴う人為的顕在化。もう一つは、化学薬品などの長年の堆積による汚染もある。いずれもその主要な原因は人的活動にある。まさに、因果は廻る。

(交通機関の事故)

最も私たちにとって悩ましい危険は、生活の利便性の向上に伴って生じる危険だ。産業災害を除いて考えてみよう。第一は、交通機関の事故だ。今は、交通機関自体の内在する要因で事故が起こることは、事前の厳しいチェックや安全基準でなくなっているが、例えばあのコメット旅客機の事故など悲惨であった。運行システムの欠陥が事故につながる。信号系統の不具合で電車が衝突するなどの例だ。最近自動車のエアバッグの不具合によってリコールが世界中で行われている。部品が高度化し、共通化されることにより一つの欠陥が大規模化する傾向が強い。これと同じ現象があの東日本大震災のときに起こった。あのサプライチェーンの切断だった。例えばモーターの制御を司るチップの品不足が世界中の自動車生産を止めてしまった。これなども、代替やバックアップをいざというときに組み込んでいないと大変なことになるという大きな警鐘になった。

(誤操作)

操作誤りが私たちにとって普通見受けられる事故だ。例えば自動車のオートマチック車のアクセルとブレーキの踏み間違いなどだ。郊外大規模スーパーの駐車場から車が転落する事故などではこの例が多い。自動車の過スピードによる横転やガードレールへの衝突、自転車への追突など自動車事故は、ほとんど無理な運転に伴い車の操作力、コントロールを失うことにより生じている。注意すれば防げるだけに十分交通安全に努めなければならない。

(ルール違反)

ルール違反は、問答無用だ。一方通行の逆走など典型だが、最近高速道路のインターから出入りを間違う例が見受けられる。高齢者に多いといわれる。注意したい。

(危険ドラッグ対策)

最もけしからんのは、麻薬や覚醒剤などの使用だ。法に違反しているだけでなく、自ら自身の身体や心を傷つけている。一時の快楽を求めるあまりのことである。今、大きな課題は、危険ドラッグ対策である。危険ドラッグは、主として身体に用いられると幻覚などの症状がでる薬物であり、自動車運転中の使用が重大事故を起こしたりして、大変憂慮されている。実は、国の規制では危険ドラッグの定義を化学構造に基づいていたため、基本構造にくっつく一部の変更で別物となり、規制対象の指定はいつも事後的になり、規制が手遅れになりがち、また、規制と構造変化がイタチごっこになりがちであった。このため、兵庫県では、危険ドラッグ自体ではなく、危険ドラッグを扱っている店舗を知事監視店と指定して、危険ドラッグの販売規制、これを担保するための監視強化などの規制制度をつくり、12月から施行した。県内ではもう危険ドラッグは扱えない状況をつくりたい。もう一つ、インターネットや他県からの購入に対しては、本人規制と通報制度で臨む。危険ドラッグを一般的に身体に利用することを禁じるとともに、近親者や関係者から通報してもらう制度で規制することとした。兵庫では危険ドラッグは入手できない、使用できない環境をつくりたい。

(自転車対策)

最近増加しているのが自転車事故だ。交通事故は近年減少傾向であるが、子ども・高齢者、たそがれ時、自転車の事故は相変わらず増加又は横ばいになって減っていない。特に、自転車事故で死亡事故まで引き起こしている。従って、安全運転のための県民運動の推進はもとより、自転車道路の整備、自転車通行のマナーの徹底などを進める必要がある。併せて、万が一事故が起こったとき、最低限の補償の制度が必要ではないかとの指摘がある。自動車は、自賠責制度という強制保険の加入が義務づけられているが、自転車にはない。しかし、すでに各種保険、例えば自動車の任意保険の付加給付でカバーされるケースもある。現在の自転車利用者の4分の1が何らかの保険にすでに加入されている。この実態から自転車自体の車体に義務づける保険は難しいので、現在、自転車だけの低廉な特別な保険も用意して、未加入者や購入者に加入を義務づけることを検討している。このような自転車安全対策を総合的に網羅した自転車安全条例の制定を検討しているところだ。2月議会にも提案したい。

(不慮の事故)

大変不幸なことが起こってしまった。貝原前知事が不慮の交通事故で亡くなられてしまった。11月13日の午後のことだった。あの阪神・淡路大震災の創造的復興を先頭に立ってリードされ、来年1月17日に20年を迎える矢先であっただけに、返す返すも残念である。心からご冥福をお祈りしたい。

(安全安心の兵庫)

それだけに、私たちふるさと兵庫こそ、自然災害をはじめ、社会的危険や私たち自身の不注意から生じる危険をミニマイズして、最も安全で安心できる地域として確立していかねばならない。南海トラフなど地震津波災害対策をはじめ減災をベースとした災害文化の確立を目指していきたい。県民の皆様の参画と協働をお願いする。

 

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