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知事のページ

更新日:2015年2月9日

震災20年(平成27年2月)

震災20年

(20年式典)

エッセー2701

20年追悼式典の様子(兵庫県公館)

この1月17日は、あの阪神・淡路大震災から20年を経過した日だ。当日は、県公館において、天皇皇后両陛下の御臨席のもとに、20年追悼式典を執り行うことができた。もともと、両陛下には大震災発生直後から被災者と被災地に対して深い思い入れをいただいてきた。また被災地には、被災直後の御見舞い、6年後の御視察、10年追悼式典への御臨席、のじぎく国体開会式への御臨席とお運びいただき、励ましをいただいてきた。この度も、両陛下おそろいで御臨席いただき、20年をめぐる私たちの復旧復興への歩みにねぎらいを、そして今日を迎えたこと、さらに今後の安全安心を目指す私たちに激励をいただいた。

(創造的復興)

大震災から20年。長かったようでもあり、あっという間であったようでもある。ないまぜの思いが被災者や被災地の20年であろう。6,400名を超える犠牲者に心からの哀悼を、被災者のこれまでのご尽力に敬意と内外のご支援や励ましをいただいた方々に感謝を申し上げたい。

この大震災は、21世紀を目前にした1995年1月17日午前5時46分に起こった。マグニチュード7.3、全半壊住宅約25万棟、直接被害額10兆円という大惨事をもたらした。高度に都市化した大都市を襲った都市直下型地震であり、今後の高齢化社会における社会課題が浮き彫りになった。だからこそ、この復旧復興の基本理念が、「創造的復興」とされたものである。21世紀の成熟社会を先取りし、単に元に復旧するのではなく、時代の要請に応えられる復興を目指すものであった。この高い目標を掲げたことが、被災地、被災者をはじめ人々の復旧復興への意欲や行動を一つのものとして、力を合わせて歩むことができたのではないか。

(復興への道)

復旧復興には、「3・3・10の原則」があるといわれる。被災直後の3ヵ月は緊急救援対策、それから3年はインフラや経済社会の復旧復興、そして10年は生活復興に要する期間だからだ。私たちの復旧復興も、6ヵ月後に「震災復興計画(フェニックス計画)」を定め、10年間での復興を目指した。あわせてインフラ、住宅、産業の3カ年計画を定め、緊急復興を目指した。そして、10年。フェニックス計画の目標を多く達成することができたが、やはり大きな傷跡を残した。一つ例を挙げれば、県内総生産(GDP)は、兵庫県は5年後震災前の水準に戻ったが、経済成長率はその後もほぼ横這い、全国平均に比べると2、3ポイントとかなりの差がある。やはり、私たちはマイナスからスタートして、他の地域と競わざるを得なかったこと、被害が過去の蓄積を失わせ、余裕をなくしたこと、それだけに日本経済全体の停滞の影響が大きかったことなどが挙げられよう。

(残された課題)

ともかく20年。残された課題は何か。

まず第一は、高齢被災者対策である、20年経つということは20年被災者も年を取ることだ。災害復興公営住宅の高齢化率は50%を超えた。もう自治会を維持できないところもでている。あわせて孤独死などの事例もみられる、それだけに、復興住宅への生活援助員(LSA)や高齢世帯生活援助員(SCS)の派遣が欠かせないし、地域ぐるみの見守り体制をこれからも続けていかねばならない。

第二は、まちのにぎわいづくりだ。復興市街地再開発事業や復興土地区画整理事業が行われた地域は、人口減少時代を迎えたこともあって、従前のにぎわいを取り戻していない。人々の生活実態をはるかにオーバーする施設が整備され、空床や空地が見られる。これらを今後いかに活用するか、新しい空き店舗対策が必要なのだ。

第三は、震災の風化である。20年経過したことは、震災を経験していない人たちが被災地でも50%近くになる。50%に近い人々が震災を知らない。それだけに、震災の経験や教訓を「忘れない」だけでは済まない。この経験や教訓を「伝える」ことが不可欠。そして、このことを防災減災対策に「活かす」ことが必要。さらに、今後30年以内に70%の確率で起こると予想されている南海トラフ地震など自然災害に「備える」ことが必要となる。

震災から20年を迎えることから、昨年4月から今年の3月までの1年間「震災20年、県民発信事業」を展開してきた。県民総参加のもと、それぞれの方々がこの20年の活動の積み重ねを内外に発信して、私たち自らが「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」を実践しようとするものだ。県に登録された事業だけで千件にも上る。特に自主防災組織、自治会など地域コミュニティレベルでの防災減災活動や訓練、防災士など防災専門家などとの協働した実践的防災訓練、多分野にわたる調査研究の総合化などが発信されている。今後の防災減災に活かされることが期待できる。

(安全な地域づくり)

さて、大震災から20年を経過して、これからの「ポスト20年」をどう進めていくのか。私は、「安全な地域づくり」を基本目標にしたいと考えている。人々の生活や社会構造、経済の活性化も全て安全という基盤のもとで展開される。それだけに、安全な県土を創り上げねばならない。日本一、いや世界一安全な地域を目指さなくてはならない。安全が確保されていれば、人々も企業も安全を求めて住み、立地するし、安全ならば子育てにも安全ということで若い人々も集まってくれる。安全だからこそ、住みやすい地域なのだ。まさに創造的復興を継続しながら地域の安全を目指すことになる。

このため、既に取り組んでいる南海トラフ地震対策の進展を図る。住宅の耐震化など地震対策、防潮堤の強化、水門の整備、液状化対策など津波防災インフラ対策、逃げるをはじめとする地域防災力の強化などソフト防災対策を総合的に進めていかねばならない。これから10年が正念場だ。財政的な制約があろうと、ぜひ計画的に進めていかねばならない。県民の皆様とともに推進していきましょう。安全な兵庫を目指して。

あわせて、地震対策とともに、昨年の8月豪雨に伴う土砂災害に見られるような土砂災害対策を行う必要がある。土砂災害警戒区域だけで2万400カ所ある。計画的に緊急箇所から順次対策していきたい。

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