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更新日:2015年9月8日

減災社会の構築(平成27年9月)

減災社会の構築

(今年の夏)

二百十日や二百二十日が迫っています。この頃台風が日本列島を襲うことが多かったことから言われ続けてきました。しかし、今年は春から台風が発生し、もう18号に達しています。本土へも多くの台風が影響を与えました。異常気象といえば、今年の夏の暑さももう大変厳しいものです。いい加減にして欲しいとの思いが共有されたことでしょう。7月にミラノで開催されているミラノ万博での兵庫ウィークのプレゼンテーションに行きましたが、サハラ砂漠の熱波がイタリア北部まで及んで40度に迫る極暑でした。その中で、兵庫の食材を活用した料理の提供、各地の自然文化資源の情報提供、著名料理人やシェフによる和食の良さ体験、淡路人形浄瑠璃の披露などを行ったのですから大変でした。しかし、好評だったことが救いです。しかし、暑かった。

(大震災から20年)

今年は、あの阪神・淡路大震災から20年を経過しました。20年経ったということは、被災者も20歳年を取ったということ、それだけに被災者の見守りなどを継続しなくてはなりません。また、人口の減少下での復興でもあり、街のにぎわいの再生が相変わらずの課題です。第三は、時間の経過です。「忘却とは忘れ去ることなり」は有名な「君の名は」のせりふですが、まさに風化していくのです。しかも被災地でも40%以上の人々が震災を知りません。だからこそ、震災からの復旧復興の経験や教訓を単に忘れないだけでは済みません。経験や教訓を伝えて共有してもらわねばなりません。また単に知っている、体験しているだけでは防災減災分野に貢献したことになりません。活かさねばならない、そして、これから将来の自然災害に備えて、自然災害は避けられないけれど、被害を少なく、復旧復興を早くする減災社会をつくらねばなりません。県民総参加による震災20周年のテーマが「忘れない」「伝える」「備える」「活かす」であったのは、このような事情です。

(第3回国連防災世界会議)

知事エッセー2709-2

第3回国連防災世界会議開会式(仙台市提供)

今年の3月、仙台で第3回国連防災世界会議が開催されました。10年前に神戸で第2回会議が開かれて、「兵庫行動枠組」が決議され、この10年の国連加盟国の防災減災対策はこれに基づき行われてきました。この兵庫行動枠組で強調されていたのは、一つは、防災減災対策をメインストリームにすること、つまり国々の中心施策にすること、もう一つは、防災減災対策をコミュニティレベルまで一体的に取り組むことでありました。第一の主要施策化は10年前に比して180カ国を超える国々、しかも多くの閣僚が参加した大会議となったことから十分達成されたことがうかがえました。第二のコミュニティ化は、例えばフィリピンでの台風被害に対する救援救助の取り組みを見ても、地域ぐるみの対応を見ても、かなり浸透しつつあるといえます。仙台では、「仙台防災枠組」が決議され、今後の多発する自然災害に対して、都市化や人口増加などの人間社会としての体制を整備すること、このための支援体制を強化すること、そして、15年後の2030年に向けた目標などが定められました。この10年の大きな成果、阪神・淡路大震災後の変化に注目したいと思います。

(南海トラフ地震・津波対策アクションプログラム)

知事エッセー2709

県災害対策本部会議の様子(26年8月)

この6月に南海トラフ地震・津波対策アクションプログラムを作りました。これは、今後30年のうちにマグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率が70%程度とされていることを踏まえて、想定外は許されない、生命を守る行動を徹底しようとするもの。このため、しなやかに耐え、いち早く立ち直る、減災社会・兵庫の実現を基本理念としています。そして、この基本理念を実現する基本目標として三つの減災社会像を定めています。一つが、県民の命を守りぬく。二つが、県民財産の損害を大幅に減らす。三つが、県民生活をいち早く回復することを狙っています。このための具体的減災アクションも3本の柱となっています。第一が、県土空間の耐震と耐津波を進めることです。建物、施設等の耐震化、防潮堤等のハード整備により地震動と津波による被害を大幅に軽減しようとするもの。第二が、県民と行政の災害対応力を高めることです。津波からの避難対策の徹底、消防救助救急の強化、地域・家庭の防災力の向上、防災教育や研究の推進などにより県民と行政の災害対応力を高め、被害の発生・拡大を抑止します。第三が、被災生活の支援と復旧復興体制を整備することです。被災生活の支援体制を整え、交通・物流機能の確保、生活・住まいの再建などの対策を推進することです。これにより、アクションプログラム実施による想定被害は、浸水面積6,141ヘクタール〈うち阪神・播磨・淡路の堤内地(防潮堤の内側地域)4,019ヘクタール〉から2,142ヘクタール(うち堤内地639ヘクタール)に減少し、建物全壊棟数約3.7万棟から約1.2万棟に、死者数約2万9,100人が約400人に激減することが見込まれます。このアクションプログラムを10年のうちに実現することに全力を挙げます。

(首都直下地震)

さて、もう一つの大きな課題は、首都直下地震です。南海トラフ地震と同じように、今後30年のうちにマグニチュード7程度の大地震が70%程度の確率で発生すると予測されています。このために私たちは、いくつかの提案をしています。一つが、まず国として首都機能をどう維持するか。国としての事業継続計画(BCP)をきちんと作ることです。首都がまひしてしまったとしたら、たとえ一つの防災拠点が残ったとしても日本全体が機能不全に陥ります。東日本大震災時の自動車の部品の提供が止まった時の世界的生産まひ、サプライチェーンの断絶の影響を思い出してください。二つが、首都機能をバックアップする地域を事前に定めておくことです。その意味での適地は関西しかありません。東京に対抗する諸機能を備えて、現に動けているのは関西です。京都御所だってあります。三つは、いざ発災時の救援支援体制を事前に整えていることです。東日本大震災の時は、関西広域連合と被災各県とのカウンターパート方式での災害支援が効果を発揮しました。このような救援被災地支援を事前に用意しておくことです。私たちこそ、その先頭に立たねばなりません。

(減災社会の構築)

ともあれ、今後の防災減災対策を計画的に目標を定めて着実に進めていこうではありませんか。災害は時を選びません。しかも不意打ちで一番弱いところを突いてきます。これに負けない私たちの決意と行動が求められているのです。しっかり取り組んでいきましょう。

音声による知事メッセージ

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