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更新日:2019年12月6日

阪神南(障害者就労支援施設・企業)の取組事例(第11回)

1事業所紹介

ハーバースタジオ外観写真
ハーバースタジオ南館

法人名:株式会社シュゼット

  • 住所:〒662-0927
    兵庫県西宮市久保町5-16ハーバースタジオ南館
  • 電話:0798-36-8700
  • 創業:1969年(昭和44年)4月
  • 従業員数:338名(平成26年3月現在)

[事業内容]洋菓子の製造・販売ならびに喫茶に関する付帯業務

株式会社シュゼットは、1969年4月兵庫県芦屋市に本格デザートが食べられる喫茶店「アンリ・シャルパンティエ」を創業されました。現在は社名を株式会社シュゼットに名称変更され、焼き菓子フィナンシェで有名なアンリ・シャルパンティエを中心に、2つのブランドを国内外で展開されています。同社は、創業以来、地域貢献、社会貢献に積極的に取り組まれており、障害者の雇用にも実績を積んでこられました。
今回は、人事課長の平岡さん、スタジオと呼ばれる製造工場勤務の障害者採用の塚本さんと、塚本さんの直属上司のスタジオ長重松さんにお話をうかがいました。

2総務人事部人事課長平岡美生(みお)さんへのインタビュー

人事課長平岡さん
温かく、厳しい目で見守る人事課課長平岡さん

人事課長平岡さん2
「働き甲斐を感じてくれていることが、何よりもうれしいです。」

平岡さんは製造部門・広報部門を経て、人事課長に就任されました。現在、学生の就活からパティシエ採用まで、あらゆる就職採用に東奔西走されています。若い社員が多い会社の人事部門を担う、笑顔が素敵な人事課長さんです。

貴社は地域社会との交流や社会貢献を積極的に行なっておられますが、どのようなことをされていますか?
平岡:創業者の時代から地域貢献を大切にしており、芦屋市内の洋菓子店14社による「ケーキの街芦屋」会に加盟しています。この会では毎年12月に、芦屋市内の障害者・高齢者施設へクリスマスケーキを贈呈しています。また、製菓技術の指導や、お菓子づくり体験のお菓子教室を定期的に実施して地域との交流を図っています。以前夏休みに開催した子ども対象の「なりきりパティシエ体験」には、40名の招待に700件もの応募がありました。
あとは、東北支援のチャリティー商品「スマイルフォー東北-フロム芦屋」を震災以降発売し、継続的に東北に寄付をさせていただいています。

障害者のかたは、現在何名在職されて、どのような仕事をされていますか?
平岡:現在、従業員数338名中13名が、障害者採用です。そのうち10名は工場で、個包装された菓子の検品と箱詰め作業をして、3名は知的障害者施設「ワークホームつつじ」で、贈答用の箱折作業をしています。

貴社で働いている障害者のかたは、どのような感想をもっておられますか?また、普段のようすはどうですか?
平岡:自分たちが折り、商品を詰めた箱が、百貨店や店舗のショーウィンドウにきれいに並べられているのを見て、「とてもうれしい。」と聞いたことがあります。そのように喜んで、働き甲斐を感じてくれていることが、何よりうれしいです。
検品作業などは、集中力や丁寧な作業を必要としますが、気を抜かず、がんばってくれています。昼休みにはみんなで楽しくおしゃべりして休息をとっています。

県民の皆様に伝えたいことはありますか?
平岡:当社が、お菓子の製造販売業を営むことは、これからも変わりません。しかし、私たちの仕事は、単純に菓子というモノをお客様にお届けするだけの仕事ではありません。
お菓子を通じて感動を作り出す。お菓子が生み出す特別なシーンを演出する。
モノと同時にシーンを創りだすのが、私たちシュゼットの仕事です。
一軒の小さな喫茶店からはじまったブランドですが、地元のみなさんにご支持いただいたおかげで、いまや全国、海外まで展開することができました。もっと多くの地元の皆さんと接点をもち、お菓子で驚きや喜びをお届けしていきたいと思います。喫茶・カフェを阪神間で広げてデザートを囲む空間を楽しんでいただいたり、お菓子教室でお菓子を介してコミュニケーションを深めていただいたり、地元で採れた食材をお菓子の材料に使い、地産地消に取り組むなど、地元兵庫と繋がるたくさんの機会を増やしていきたいと思いますので、ご期待いただければうれしいです。

3社員塚本裕也(ゆうや)さんへのインタビュー

第2スタジオ塚本さん
「たとえ小さな異物も見逃しません。」と語る
塚本さん

検品作業する塚本さん
スタジオで作業する塚本さん(手前)
上司の重松さん(奥)

塚本さんは障害者採用で、入社5年目。人事課長平岡さんから「塚本さんは、採用当時は、パイを担当していました。そのころから、すでにシェフからも信頼されていて、即戦力だったんですよ。」と紹介されました。緊張しながらも一生懸命インタビューに答えて下さる姿が、とても印象的でした。

塚本さんはどのようなお仕事をされていますか?
塚本:スタジオ(工場)で、製造、包装されたフィナンシェやマドレーヌなどの焼菓子を検品しながら贈答用の箱に詰める、セット作業をしています。

シュゼットに就職を決めた理由やきっかけは?
塚本:西宮にある阪神友愛食品株式会社に併設された「能力開発センター」で訓練を受けていて、そこからシュゼットに企業実習に来ました。2週間の研修が終わった時、「ありがとうございました。」という気持ちでいっぱいでした。
私の能力を活用していただければと思い、就職を決めました。

毎日の作業で、特に気をつけておられることはありますか?

塚本:検品作業は、集中することが大事です。きちんと包装されているか、焼菓子の日付が正しく印字されているかを見ます。また、製品の袋に、異物が混入していないかを調べますが、私は、たとえ小さな異物でも見逃しません。検品しながら、入れ間違えの無いように箱に詰めるのは疲れますが、毎日がんばっています。
それから、作業をしていて、わからないことや困ったことが起きれば、すぐに、上司の重松さんや周りのスタッフに報告して相談します。

後輩へのアドバイスがあればお願いします。
塚本:私を含めて「能力開発センター」からきた仲間は、製品を検品・箱詰めしたり、段ボールや梱包材を運んだりと、それぞれ責任を持って作業を担当しています。集中して行う作業は、いろいろ大変ですが、みんな一生懸命がんばっています。自分で心がけていることは、「決められたルールを守って、集中してやりましょう。」ということです。

4職場の上司重松竜平さんへのインタビュー

上司の重松さん
現場での気配りを大切にされている重松さん

重松さんと塚本さん
緊張しながらも答えて下さる塚本さん(右)
さりげなくフォローされる重松さん(左)

重松さんは入社13年目。ケーキなどの洋生菓子やフィナンシェなどの焼菓子の製造を担当され、現在は、「スタジオ」と呼ばれる製造工場で、4種の焼菓子部門を統括し、障害者の方たちを指導されている若き工場長さんです。

現場で気配りされているのは、どういうところですか?
重松:障害者のかたは、工場で、突発的なこと、困ったことが起きた時に、どうしたらいいのかがわからなくなって、動作を止めてしまうこともあります。そのような時に相談しやすくする雰囲気作り、声のかけ方の工夫を心がけています。「何かあれば、まず報告すること。」も徹底づけています。

塚本さんの勤務の様子はいかがですか。また、勤め始めてから、変わられたところ、成長されたと思われるところはどんなところですか。
重松:塚本君は、とても細かく検品作業をしてくれて、一番よく異変に気づいてくれます。彼は、入社当初は、自分から話しかけることが少なかったですが、今では、昼休みもみんなと楽しそうに食事をしています。そして、朝礼では順番に司会進行係が回ってきますが、塚本君も朝の挨拶や身支度チェック、連絡事項の確認などの役目も問題なくこなしてくれるようになっています。

障害者のかたと一緒に働くことで、重松さんご自身に何か気持ちの変化はありましたか?
重松:障害者に対して、これはできないだろうと、自分で壁を作ってしまっていた時期がありました。でも、たとえ初めは難しくてできないことでも一生懸命がんばって、次第にいろいろなことができるようになるんだと感じました。
それ以来、障害者だからという前提で物事を考えることは、なくなりましたし、健常者でも障害者でも最初からできないとか決めつけるような、そういう壁を作ってはいけないんだなと思うようになりました。

5取材のまとめ

今回取材をさせていただいたシュゼットさんは、創業の地が芦屋健康福祉事務所と同じ芦屋市公光町というご縁もあり、繁盛期にもかかわらず、快くインタビューにご協力くださいました。ありがとうございました。
社員の塚本さんが質問に対して少し緊張しながらも一生懸命答えてくださる姿からは、「誠実さ」が、ご自分が担当している作業について語られる言葉からは、仕事に対する「自信と誇り」が、しっかりと伝わってきました。また、同社は、塚本さんやほかの障害者採用の社員さんを一般の社員さんと同じ目線で、温かく見守り指導されているのだと感じられました。今後も障害者採用を積極的に継続されるということを聞き、心強く感じました。
取材にご協力くださいました皆様に、心から感謝申し上げます。

お問い合わせ

部署名:阪神南県民センター 芦屋健康福祉事務所

電話:0797-32-0707

FAX:0797-38-1340

Eメール:Ashiyakf@pref.hyogo.lg.jp