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更新日:2015年8月25日

阪神南(障害者就労支援施設・企業)の取組事例(第四回)

1 事業所紹介          

 法人名:尼崎あすなろ福祉会

 施設外観

アクアガーデンの施設外観

事業所名:アクアガーデン

主たる利用対象者:精神障害者(就労継続支援B型)

住所:〒661-0033 尼崎市南武庫之荘3-30-12 F1

連絡先:06-4962-4118

{主な自主製品}

とうふケーキ、パウンドケーキ、クッキー、パン

ホームページ:http://www.amaasunaro.or.jp/ (外部サイトへリンク)

2 生活支援員 大久保博子さんへのインタビュー

大久保さんは、この施設運営の責任者的な立場で活躍中です。勤務を始めて5年目で、それまではまったく違う職種で勤務されていました。身内に精神障害を持った人がおられたことがきっかけで、障害者の就労支援に貢献したいと転職されました。

○アクアガーデンの施設の概要についてお聞かせください。

大久保さん

おかあさんの役目も果たす大久保さん

大久保:アクアガーデンは、精神障害者の就労支援の施設です。こころの病を持っている方の仲間づくりや、生活のリズムの改善、自立生活の支援などの業務を行っています。また、地域に開かれた「いこいの施設」を目指し、地域との交流が図れるようイベントなどにも参加しています。
 現在の登録者は20歳~60歳までの方13人で、毎日平均して9~10人が利用しています。利用者は、就労を目指し技術を習得する方や日中の居場所として利用されている方もおられます。

○歩みや運営方針、地域社会との連携についてお聞かせください。

大久保:アクアガーデンは、あすなろ福祉会が2001年に開設しました。
アクアガーデンのほかに、弁当を作っている「あすなろ亭」や内職作業を行っている「あすなろ製作所」、「生活支援センターポルタ」があり、連携して運営しています。

就労支援として、クッキーやパンの製造・販売を行っています。阪神尼崎駅に近い三和商店街にある、尼崎を代表する名品を集めて売っている「MIAステーション」の「ココロワ・ブース」に製品を展示・販売し、市役所や社会福祉協議会、尼崎市女性センタートレピエでも販売していただいています。また、学童保育の子どもたちのおやつなども注文販売にも応じています。

毎年10月に、地域のお祭りがアクアガーデンの近くの大井戸公園で行われますが、その中の催しの一つであるバザーに呼んでもらっています。大変好評でよく売れて、毎年アクアガーデンの製品を楽しみにしている方も多いようです。

指導風景 

職員と一緒にパンづくり 

○仕事をしていて、楽しいこと、嬉しいことはなんですか。

大久保:メンバーのみなさんと関わっていることが、一番楽しいです。嬉しいことは、アクアガーデンに来た方がだんだんと明るくなっていくのを見ることと、利用者の方が一般企業に就職が決まることで、これまでに就労された方が3名います。

○目玉商品のとうふケーキについて、特にPRされたいことは。

大久保:この取組事例(第一回)で紹介されていました、尼崎TMOさんから「メイドインアマガサキコンペ」で、グランプリを受賞された老舗の豆腐店「宮島庵」のおからを使って、お菓子を作ってみないかと、紹介を受けました。そして、ピロシキで有名な尼崎の「モンパルナス」さんから、お客さんの好む味やレシピ、販売のこつなどを教えていただいて、誕生したのが「とうふケーキ」です。

 試行錯誤の末、完成したパウンドケーキは「とうふケーキ」の名で売り出され、名品の素材とレシピを引き継ぐ味、作業所と地域の企業や店が持つ力と、ノウハウを結集させたコラボ商品が話題を呼び、注文が多かったですが、最近はあまり売れなくなっています。おからが入っているためヘルシーなのでお子様、ダイエット中の方にもぜひ食べていただきたいです。

○商品について、特にPRされたいことや、県民の皆様へのメッセージがあればどうぞ。

大久保:アクアガーデンでは、クッキー、ケーキ、パンなどの製造販売を行っています。健康に良い食材を使い、無添加にこだわった商品作りに心がけ、パンは、すべて手ごねで材料は自然・無添加のものを使用しています。ケーキは5種類で、季節にあったケーキを作っています。
 また、クリスマスやバレンタインには、チョコレートケーキやチーズケーキなどイベントに応じた商品もあり好評です。ご注文いただいてから、その都度丁寧に手作りしていますので是非ご賞味ください。

3 生活支援員 池田明子さんへのインタビュー

  池田さんは、当所の運営に関わり4年目の職員です。主にパンやクッキーづくりの担当として利用者に寄り添いながら、技術支援をされています。

○どのような商品を作られていますか。また、その評判はいかがですか。

支援員

パンのでき具合を確認の池田さん

池田:パン作りは、昨年の春から始めました。利用者は、当所は、慣れてなくとまどいがありましたが、パンが売れるようになり、やりがいを感じている人が多いです。また、働くことに自信がつき、休まず毎日通所するようになりました。

 パンは1日40個ほどを作り、1個100円で販売しています。市役所や学童保育などのなじみのところは、メンバーが配達に行き、交流を図っています。特に好評なのが、レーズンパンやオレンジパンで、手ごねで無添加なので、もっちり感があると喜ばれています。

 その他にも無添加・手作りにこだわったパウンドケーキやクッキーを作っています。 その中でもココアクッキーは、第一回「チャレあま」スイーツコンテストにおいて最優秀賞に選ばれました。アクアガーデンの商品につけていますマスコットの「クマさん」は、親しみがあると喜ばれています。

製品写真

「クマさん」マークでおいしいと評判のクッキー

○障害者の皆さんが働きやすいように工夫されていることは何ですか。

大久保:利用者の方のその日の体調にあわせて、その方に合った作業を提供し、声掛けを行っています。生活のリズムを整えるための体操やあいさつをしています。また、いつも職員が笑顔でいることを心がけています。
 勤務時間は、一生懸命働き続けて疲れる人が多いので、30分働き、10分間休憩を取るようにしています。

○働いている利用者の皆さんの様子はどうですか。また、どのような支援をされていますか。

大久保:毎日自分で来られて、皆さんと出会え交流して、仕事が出来ているようです。利用者同士で意見をだしたり、声掛けをしながら楽しそうに作業をされています。

 利用者への支援としては、一人ひとりの体調の変化に気を配り、声かけをして見守っています。状況によっては面談をし、個々のニーズに応えられるようにしています。
生活面での乱れなどが目立つ場合には自宅へ訪問し、通院同行などもしています。

4 宮島食品代表 宮島義彦さんへのインタビュー

「宮島庵」は尼崎市杭瀬市場内にある老舗の豆腐屋で、日本で初めて有機豆腐製造小売店として有機JAS認定を受けた店として有名です。安全にこだわり、「本物」を追求し続ける商品は多数の方から支持されており、多くの新聞や雑誌などにも紹介されています。

○アクアガーデンの皆さんに関わられたきっかけを教えてください。

宮島:尼崎市は、近松門左衛門の生まれた所ですが、その時代の豆腐製造法で作った「近松豆腐」が、TMO尼崎が主催した「メイドインアマガサキ」のグランプリをもらいました。「あいあい市」という市民の祭りに出店して、目に留まり推薦を受けたのが受賞のきっかけではないかと思います。「近松豆腐」は、「にがり」を使い、国産の有機大豆を使って製造しているため非常に安全安心で、JASマークをいただいています。

 TMO尼崎から、作業所の「アクアガーデン」がケーキの材料として、おからが欲しいと連絡を受けたことがきっかけです。障害者の就労支援としてケーキづくりに使用されているので、その支援として、無償での提供を行っています。

 以前には障害のある方の雇用の相談がありましたが、店の規模が小さいため従業員は自分で何でもやらなければならず、採用したい気持ちはあるものの難しい状況です。

○とうふケーキについては、いかがですか。

宮島氏

「とうふケーキ」で支援の宮島さん

宮島:非常においしいのですが、売り上げが伸びずなかなか思うようにいきません。豆腐店の「宮島庵」にも最初置いていましたが、ケーキは豆腐屋にはそぐわなかったのかあまり売れず、現在ではおからの提供のみになっています。作業所と地域の企業や店が持つ力とノウハウを結集させたコラボ商品であり、これからも支援していきたいと思っています。

○アクアガーデンにメッセージがあればお願いします。 

宮島:障害者の自立を助けるという方針はとてもすばらしいと思うので、私たちがやれることならば何でも応援したいです。自分の身内にも障害者がおり、そのような支援に対する気持ちは強いです。

 障害者の皆さんは、気持ちが純粋なので余計なことを悩まない・考えないというのは素敵なことです。自分もそのような純粋な気持ちを見習い、いらない悩みを取り払って成長していきたいと思っています。

【宮島庵】
〒660-0814 尼崎市杭瀬本町1-19-8
営業時間: 8:00 A.M.~ 7:00 P.M.(定休:木曜)
ホームページ:http://www.miyazima.com/(外部サイトへリンク)

5 取材のまとめ

  今回取材しました「アクアガーデン」は、阪急武庫之荘駅から近い、住宅地のマンションの1階にあります。取材を通して、「地域に開かれた いこいの施設を目指し」をモットーに、精神障害者の仲間づくりや、就労支援、自立生活の支援などの活動をされていることがわかりました。利用者が働きやすいように、個性にあった支援をされているので、みなさん楽しそうにパンやクッキーづくりの作業をされていました。

 また、目玉商品「とうふケーキ」の食材のおからを、無償で提供されている老舗の豆腐店の代表宮島義彦氏からも話を伺いました。この「とうふケーキ」は、地域の作業所と企業と店舗の技術やノウハウをタイアップした商品で尼崎市の傑作商品の一つになっています。

多くの作業所で、授産品の販売に苦労されている中、地域のノウハウを活用し市場ニーズに応じた質の高い商品を開発し、製造・販売している「とうふケーキ」の例は、今後の作業所の商品開発の方向性を示していると思います。

お問い合わせ

部署名:阪神南県民センター 芦屋健康福祉事務所

電話:0797-32-0707

FAX:0797-38-1340

Eメール:Ashiyakf@pref.hyogo.lg.jp