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更新日:2015年2月16日

山田 公平さん(NPO法人 介護コミュニティー咲咲館)西宮市 H24.4

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  地域を元気にし、未来を創る「兵庫の人」を直撃インタビュー!キラリと光るその活動やお人柄をご紹介します。
  誰もが直面する可能性がある“介護”という現実。「一人で抱えずに、みんなでつらさを共有できる場を」。介護を経験した男性たちが、男性介護者のためのコミュニティーづくりから、誰もが住みよい社会を目指す取り組みを始めています。

男性介護者の笑顔広がる場に

紙しばいで啓発・・「介護コミュニティー咲咲館」ですが、具体的にはどんな活動をされていますか。

  介護者支援を目的として、高齢者とその家族に対して相談・助言サービスを行い、高齢者虐待防止に寄与する活動を行っています。具体的な目標として、まず介護者の社会参加。自宅で介護をしていると、外の世界との接点が少ない。そこから孤立感、閉そく感が生まれ、虐待につながりやすくなります。そこで、週3日、食事やお茶をしながら悩みを語り合ったり、介護経験者から助言をしたり、介護をしている人がひと時でもほっとしてもらえる場を提供しています。また、家から出られない介護者に向けて、インターネットを通して、講演会やセミナー、ジャズライブなどの発信も行っています。もう一つの目標は、地域での見守りを推進すること。介護は、当事者でなければ、なかなか実感としてわかってもらえないものですが、やはりこれからは「高齢者虐待防止」や「認知症」などに対して、地域の理解が求められると思うんです。その啓発のために、手づくりで紙芝居を作成し、市民講座などで発表する機会を設けています。

 

・・設立のきっかけにはどんな背景がありますか。

 
私自身が、2年半、実父の介護をしました。私は、ヘルパーの資格を持ち、訪問介護所をしていますが、仕事で関わる福祉と自分の親の介護は、気持ちの上で全くの別物。厳格だった父が要介護5になり、一人で何もできないという状況にとてもいらだち、つい声をあららげてしまうこともありました。その後はいつも自己嫌悪でした。同時に、父を失いつつある喪失感とも闘っていたんです。振り返ると、私は典型的な“男性介護者”でした。つまり「人に頼らない」「弱音をはけない」「人の言うことを聞かない」。父を残して母が亡くなった時に、「わしが全部きちんとやるから、任せておけ」と母と約束をしてしまったことも、一人で抱え込む一因になったのかもしれません。介護者が孤立せずつながり合える場所をつくりたいと思ったのは、父が亡くなってからのこと。平成23年8月に、コミュニティー広場・咲咲館をオープンしたんです。

 

山田さんたちの手づくりの紙しばい・・ご自身の経験から、“男性の介護者のための”というところにこだわりがあるのですね。

 介護者が集まっての家族会や交流会は結構行われているんですよ。ただ、男性の参加者はほとんどいない。女性はそうした場に積極的に参加し、壁を作らずに話をすることができますが、男性は苦手な方が多いでしょう(笑)。でも現実は、分からないことばかり。介護は買い物や食事、洗濯など生活の延長ですから、今の“イクメン”世代ならともかく、会社社会で生きてきた私たちのような50代以上の世代は、一からのスタートなんです。毎日、献立を考え食事を作ることがこんなに大変だと思いませんでした。また、精神的にも孤独感を感じやすい。介護生活のために、離職を余儀なくされる場合があるからです。夢や目標を持って頑張ってきた仕事を辞め、人生の方向転換をしなければならない。会社の中にあった居場所が、突然無くなる。“こんなことにならなかったら” と複雑な思いを抱えがちです。そういう気持ちがはき出せて、つらい気持ちを分かってもらえる場所が、男性にとって必要だと思いました。

 

男性介護者で交流会・・今後はどんな風に活動を広げていきたいですか。

  今後、予定している企画は、介護経験者によるお料理教室。調理が簡単な缶詰を使った料理や、レンジでできる肉料理など時間短縮レシピに限らず、食器を減らす工夫や少ない油でできる調理法など、実体験から生まれたアイデアも共有したいですね。食事の後は様々な世話がありますから、片付けも楽なものが良いんです。家事の量を減らせられれば、自分の自由な時間を増やせますから。それから、インターネットで配信しているメニューを広げたい。落語や寄席など笑いで息抜きできるメニューや、お花見中継などもできたらいいですね。とにかく、もっともっとここの存在を知ってもらい、利用者を増やしたい。現在は、利用者が6人で、広く認知されているとは言い難い状況です。仲間が増えると、それぞれの経験や知恵も集まり、活動の幅も広がりますから。そして、一緒に悩みや楽しみを共有しながら、介護生活の負担を少しでも軽減できればと思います。


 コミュニティー広場を開設されているマンションの一角にお邪魔すると、「こんにちは」と明るい声でお出迎え。エプロンをつけた男性にコーヒーを入れていただきました。父親ほどの年齢の方に、お茶を入れていただく経験はあまりないので、なんともあったかい気持ちになった私。介護を経験した男性たちから放たれる優しくて柔らかいオーラで、部屋が満たされていました。

 この日集まっていたのは、介護経験者2人と現在介護をしている方2人。話題になっていたのは、介護保険のこと。コミュニティー広場では、こんなふうに制度に対する疑問から、介護用品の安売り情報までざっくばらんに情報が交わされます。それに加えて、社会保険労務士による介護保険法や育児・介護休業法などの相談会も実施。自分がもし介護する立場に立ったら、と考えるといかに皆さんの存在が心強いかが身にしみます。妻を介護する70代の男性も「男性ばかりで気兼ねしなくていいし、気が休まる。身内にも言えないことを聞いてもらえるしね」と、ほっとした表情を見せました。 
 
この4月からインターネットのUstreamでジャズライブの発信を担当するスタッフの井上さんも介護経験者。「私のストレス発散はジャズを聞くことでした。夜中に出かけて3時ぐらいに帰ってくる。体は疲れていても、それが無ければやっていけなかった。同じ思いを抱えている人に何かしてあげたくて」と、活動への思いを語ります。当事者だからわかる痛みや辛さが心の支えになる。経験者だから伝えられる様々な情報が介護生活をより快適にする。さらに、介護を通じてできたつながりは、これからの地域社会を支える絆ともなります。「最終的には、医療機関や行政、住民みんなが連携を深めて、誰もが安心して暮らせる地域になれば」。山田さんたちの願いは、男性介護者の笑顔のつどい場から広がっていくに違いありません。(米田)

咲咲館でほっとするひとときを

 

 

 

 


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               高齢者生活支援ビジネス離陸応援事業←NEW

 兵庫県では、地域住民が地域課題の解決のためにサービスを有償で提供するコミュニティ・ビジネスの創出を促進するために、新たにコミュニティ・ビジネスを起こそうとする団体を対象に立ち上げ経費の一部を補助します。

 さらに今年度から、高齢者が高齢者を支える社会づくりをめざして、高齢者が共同して、高齢社会のニーズに対応したサービスを提供する高齢者生活支援ビジネスの創出を促進するため、新たに高齢者生活支援ビジネスを起こそうとする団体を対象に立ち上げ経費の一部を補助します。

【応募期間】 平成24年5月7日(月曜日)~6月8日(金曜日)
【お問い合わせ】兵庫県産業労働部政策労働局しごと支援課
電話:078-362-9183 FAX:078-362-9473
【ホームページ】http://web.pref.hyogo.lg.jp/work/cate3_327.html


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