ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 広報 > 広報専門員情報 > 「ひょうご☆キラリすと」Vol.3 小谷 正美さん(田君川バイカモ保存会)

ここから本文です。

更新日:2014年3月17日

小谷 正美さん(田君川バイカモ保存会)

kirarisuto

  元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
  川面に咲く可憐な白い花「バイカモ(梅花藻)」をご存じですか。春から初夏に、まるでじゅうたんのように300mにわたり群生する川が新温泉町にあり、多くの人を魅了しています。今まで何度も消滅の危機に直面しながらも「地域の宝」として守ってきたのは、思い出と共に育った地元の人たち。活動への思いを聞きました。

バイカモ咲く風景を孫世代まで

地元子ども達も移植作業に参加・・田君川バイカモ保存会は、具体的にどんな活動をされていますか。

  絶滅寸前だったバイカモという花を保護し、周辺の環境を保全する活動をしています。バイカモはキンポウゲ科の水生植物で、川底に群生し、川の流れに沿うように育つ多年草ですが、きれいな水のところにしか自生しません。自生場所は清流の一つの目安とされますし、バイカモも兵庫県版レッドデータブックのBランクに登録される貴重な植物です。ここの地理的条件をみても、バイカモの群生は全国的に珍しいと言われています。
 具体的な活動として、年5~6回、河川敷の草刈り、川の中の草取りなどをしています。平成16年の台風23号や度重なる自然災害により、幾度となく消滅の危機に瀕しましたが、そのたびに保存会で苗の移植作業を行い、復活させてきました。実は、昨年も、9月の台風15号でも根こそぎ流されました。今咲いているのは、地元の浜坂南小学校や県立浜坂高校の生徒たちとともに移植したものなんです。地元の子どもたちには、勉強会やバイカモ植え付け体験、川の清掃作業などを実施してきました。そうした体験を通じて、以前よりは子どもたちが川の中や周辺で遊ぶ姿を見かけることが増えましたし、彼らにも自分たちの川という意識が芽生えてきているのではないかと感じています。

 

休憩所で小谷さんと共に・・設立のきっかけにはどんな背景がありますか。

 
私たちが子どもの頃は、田君川(たきみがわ)の約2kmにわたってバイカモの群生がところどころに見られ、「金魚草」の名前で地域の人たちに親しまれていました。川の水量も多く、アユ、サケ、ナマズやウナギを取るのが大人も子どもも楽しみだったんですよ。ところが、少しずつ川に葦(ヨシ)が繁殖するようになり、川で遊ぶことができなくなりました。平成12年、土木の河川整備でヨシの除去が行われたことがきっかけになり、「もう一度、バイカモが咲く昔の田君川を取り戻そう。子どもたちが遊べるような環境を残そう」という合言葉で「田君川バイカモ保存会」を発足し、活動を開始。近くに咲くバイカモを川に移植し、周辺の草刈りなどの環境整備を行って、翌平成13年にバイカモが蘇ったんです。


・・どんな方々が会員なんですか。
 
 田君集落の全38戸が保存会の会員です。これは「バイカモは田君地区の宝」という認識で、みんなで守っていきたいから。もちろん、時期によっては活動への参加が難しい世帯もあると思いますが、このバイカモ保存活動は短期間では終わりません。20年、30年後に活動できる時が来たら頑張ってもらえれば良いという考え方です。最近、若い世帯の参加が増えてきたんです。都会から移り住んできた人たちもいますが、思いは同じ「ここの自然を守りたい」ということだと思います。自分たちの住む環境を守っていくことは“当たり前のこと”として、誇りを持って活動してもらいたいと思っています。

 

地域住民による草刈り・・最近は、多くの観光客も増えてきました。活動に変化などはありますか。

 5~6年前から増え始め、現在は年間1万人以上の方が訪れるようになりました。関西圏だけでなく、遠くは愛知や東京などから毎年来られるファンもおられます。せっかく来られたからには、より良い状態を見ていただきたい、がっかりして欲しくない。だから、保全活動・環境整備をしっかりやることは当然ですが、加えて活動の案内パネルが掲示された休憩場所の整備や、生息する生き物の案内板、植物の名札付けなど行ってきました。また、5年前からは環境の大切さや必要性を全国にPRする「田君川バイカモ祭り」を6月に行っています。地域の女性グループがバイカモの保護活動がきっかけで、紙フラワーづくりなど地域やイベントを盛り上げるための活動を自主的に開始するなど、活動から広がるつながりや取り組みが増えていることも喜ばしいことですね。

 

・・今後の活動の抱負は?

  やりたいことは山のようにあります(笑)。たとえば、観光客のニーズにより応えるために、要望の多いトイレの設置やバイカモの展示館、特産品・飲み物を提供できるような施設の検討をすること。大型マイカーや観光バスも増える中で、バイカモ公園に続く県道の道幅が狭く、車の交差ができないことが多いので、道幅の拡大か退避場所を確保すること。観光客が急激に増えて良い変化がある一方で、資金面、人員確保の面で困難が生じつつあるのも事実です。今後は、集落の高齢化が進み、活動できる人員が減る中で、これからはどう地元企業や近隣地域、行政に協力してもらい、連携できるかが鍵となると考えています。

                                                                                              川のほとりで水遊びする親子 
 浮草のように川面に揺れて咲くバイカモがなんとも愛らしい、6月の田君川バイカモ公園を訪ねました。先客には、知人から「気持ちが良いところだよ」と薦められてお散歩に来ていた親子が。浅瀬に足を浸してキャッキャッと水遊びに夢中の子どもたちの様子は、まさに桃源郷。すっかり私も和んでしまいました。その後も、ほんの30分ほどの間に、途切れることなく6組もの観光客を見かけることに。「去年、祭りに訪れた時に見たバイカモが忘れられなくて」。「自分が小さかったころの風景を思い出すんです」。かき立てられる思いの出所はさまざまでも、目の前のバイカモの愛らしさに魅了され、豊かな自然に癒やされに訪れる人は後を絶ちません。


 台風で流されるたびに一から移植し続け、夏の暑い盛りに川に入って手で草取りをする。「地域の宝」を守るためとはいえ、大変な作業に変わりありません。そんな中、小谷さんにとって励みになった言葉があります。5月に草取りをしていた時に観光バスで来られた一行からかけられた言葉。「こうした作業を地元の方がされているからこそ、この風景が見られるんですね」。一度崩れてしまった自然環境を戻し、維持することは並大抵のことではない。「だから、バイカモの美しさの背景には守っている人がいるということも知って欲しいんです」と笑顔で話してくれました。 
 30年後、いったいどんな集落になっているでしょうね、という私の問いに対して、「都会に出てもまた帰ってきたいと思える地域であってほしい」と小谷さん。ちょうど水遊びをしていた子どもたちが私と同じくらいの年になった頃、バイカモの白いじゅうたんが揺れる変わらぬ風景を、彼らが守る日が来る。そんな日の実現に向け、地域を上げた活動はこれからも続きます。(米田)

バイカモが白いじゅうたんのように咲く田君川 ☆田君川バイカモ保存会☆
 【連絡先】 TEL&FAX:0796-82-2628
        メールアドレス:m_kotani@leto.eonet.ne.jp 


 


  ☆ひょうごの生物多様性保全プロジェクトの募集☆
 

 【趣旨】 生物多様性の保全と持続可能な利用に向けて、行政はもとより県民、NPO等活動団体事業者など様々な主体が互いに連携し、それぞれの役割を担って行くことが重要になっています。幸い、県内各地では、NPO等による生物多様性の保全・再生に資する様々な取り組みがなされています。このようなことから、兵庫県では、これらの活動の中からモデルとなる代表的な活動を選定し、広くPRすることによって県民等の参画をさらに促進するとともに、企業との連携もマッチングするなど、活動の発展を支援したいと考えています。
 
 【プロジェクトに選定されると・・】 
   
(1)選定プロジェクトの活動情報を県内外へ広く発信します。(記者発表、ホームページ、冊子など)
   (2)企業等からの希望に応じて連携・協働(人材、活動資材、活動費等)のためのマッチングを行います。
   (3)活動発表や交流の企画を設けて、団体相互のネットワーク化を推進します。

 【募集対象】 県内における生物多様性保全につながる活動
         -植樹・再生活動
         -河川清掃を通じた清流づくり活動
         -海の生物観察・磯観察会・保全活動など

 【応募方法】 「ひょうごの生物多様性保全プロジェクト応募書」を作成の上、活動場所を管轄する県民局環境課に提出してください。(詳しくはHPをご確認ください)

 【応募締切】 7月9日(月曜日)

 【お問い合わせ】 
兵庫県農政環境部環境創造局自然環境課自然保護係
               電話:078-362-3274 FAX:078-362-3069
                               Email: shizenkankyo@pref.hyogo.lg.jp 

                
 *詳しくは、ホームページまで。 

 

お問い合わせ

部署名:企画県民部知事室広報課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp