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更新日:2014年3月17日

やまぐち くにこ さん(NPO淡路島アートセンター)洲本市

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  元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 彼岸花が咲き棚田が広がる、まるで昭和の時代にタイムスリップしたような淡路市長澤地区。つづら折りの山道の頂上にある懐かしいたたずまいの小学校の旧校舎は、現在、カフェの運営や展覧会、ワークショップの開催などアーティストが運営する交流の拠点「ノマド村」として活用されています。淡路島中を舞台にこうしたプロジェクトを手がけ、アートという手段で新しい価値を生み出す「NPO淡路島アートセンター」。理事のやまぐちくにこさんにお話を聞きました。

アートで耕せ!淡路島の魅力

多くの人でにぎわうカフェ・ノマド・・今日お邪魔している「ノマド村」の「カフェ・ノマド」は、他府県からも大勢の方が来られる人気スポットですが、誕生のきっかけをつくられたそうですね。
 2009年に、写真・映像作家の茂木綾子氏と映像作家のヴェルナー・ペンツェル夫妻と子どもたちがこの地に移住してきたことからコミュニティ「ノマド村」がスタートしました。それ以前の私たちの活動は、期間限定のイベントが中心だったのですが、その頃ちょうどアーティストがこの淡路の地で生活をすることで、作品が生まれる過程やより深い考え方に迫れるのではないかと考え始めていたんです。ですので、この移住の相談を受けた時は「ぜひ誘致したい!」と、関係者に一斉猛アタック(笑)。廃校を使用する許可や引っ越しなどは大変な部分もありましたが、実際に一家の移住によって、期待していた以上に視点が広がり、さまざまなプロジェクトが生まれました。最近では、地元の農家が育てた農作物を販売するなど、地元の人たちとの結び付きも生まれています。

 

海の見えるビニールハウスのレストラン・・アーティストと地域とを結び付ける活動のほかに、どんな活動をされていますか。
 毎年夏に1、2カ月の期間、アートの祭典「淡路島アートフェスティバル」を開催しています。毎回テーマを決めて、招聘(しょうへい)アーティストと地元のアーティストとともに淡路島の素材を生かした作品を作ります。たとえば、2010年のテーマは「暮らしっぷり淡路島」。そのメインイベントが岩屋の海岸で行われた「海の見えるビニールハウスのレストラン」。淡路と言えば食、しかも海の幸も山の幸もある。そして、淡路と言えば農業、さらに農業のシンボルはビニールハウス。まるで淡路にまつわる連想ゲームのようにメインイベントが決まっていきました。今年のテーマは「ツアー」。9月、10月に島内をめぐる二つの趣の違うツアーを実施しました。
 

リノベーション前の日の出亭・・活動のきっかけにはどんな背景がありますか。
 淡路島が大変な被害を受けた2004年の台風23号がきっかけなんです。というのも、土砂崩れに見舞われた淡路市の空き家が、私の曾祖父の所有と判明。もともと人が住んでいない上に土砂で半壊状態ですし、かといって撤去には何百万というお金がかかる。100年前の古民家を前に、どうしようか心が揺らいでいたんです。そんなある日、淡路在住の宮大工さんが来られて、柱をコンコンとたたいて言われた言葉が「べっちゃない」。これは淡路の言葉で「大丈夫、問題ない」という意味ですが、その言葉が私の背中を押してくれて、残すことに決めました。どうせ片づけるならおもしろく片づけたいと思い、アーティスト仲間や建築関係の学生などを巻き込みながら、リノベーションを進めてきました。淡路市の塩田港が栄えた当時、料理旅館を営んでいたという証言からその当時の屋号「日の出亭」と名付けられたこの古民家は、現在も改装プロジェクトが進行中。生活空間として、展示空間として、私たちの憩いの場となっています。


タノタイガ氏の作品「プライベート・パブリック・プール」・・活動を通して、どんなことを伝えたいですか
 2010年のアートフェスティバルで、タノタイガというアーティストが洲本市にある古い噴水跡を利用して「プライベート・パブリック・プール」と題したプールを製作し、開放したんです。多くの親子連れで連日にぎわいを見せ、私が子どもの頃に繁栄していた公園がよみがえりました。これは、工夫を加えたことで場が生き返り、人が入ることでにぎわいが生まれた一つの例ですが、そんな風に、アーティストが持つ想像力と創造力で、凝り固まった価値観を耕して新たな価値観を提案することが私たちの目的です。そんな思いから、私の愛称は「耕す女」なんです(笑)。
 また、“アート”というのは、必ずしも作品だけではないと私は考えています。作品と個人の間に生まれる五感を揺さぶるものや、ありふれたものをかけがえのないものに変える気づき。そんな形が無くもやっとした“関係性”が大切なんだと思います。

  
・・今後の活動はどんなふうに展開していきたいですか
 
具体的には、子どもを対象としたワークショップを増やしていきたいです。淡路には自然が多いので、子どもたちは自然の中で駆け回って遊んでいると誰もが思いますが、実はそうではないんですよね。淡路の子どもたちも大半は家でゲームをしているんです。都市部の子どもたちに用意されているような“自然の中で遊ぼう”といったプログラムを、提供していければと思います。
 また個人的には、活動を通じて“淡路で仕事を増やしたい”との思いを強く持つようになりました。イベントをすると人が集まる。誰もが口々に「おいしいものが多いし、住みやすそう」と言う。でも、住まない。なぜか?こんなに素材が豊富な淡路島で、今の時代に新しい仕事の仕方を作れないはずがないと思う。たくさんの人たちが淡路に移住できる場所にしていきたいです。
 結局、気づいてしまうとやらざるを得ない性分なんですよね(笑)。これからもこの“おせっかい本能”をもって、淡路島の価値観を耕し続けるのだと思います。



農民車を見学 「できらん、行けらん、泳げれらん。淡路弁はら行が多い!信じれらんでしょ~」-「信じられ・・信じれら・・?。“ら”と“れ”が逆さまや(笑)」。ツアーガイドの淡路弁講座で、ひとしきの盛り上がりを乗せながら秋の淡路島をめぐるマイクロバス。先日、淡路島アートセンターが企画・運営する淡路島バスツアーに参加してきました。その名も「べったべたやけどべっちゃない淡路島ツアー」。淡路島に観光スポットは数々あれど、“べったべたの”淡路島ツアーが見せたいものはそこにはあらず。だって、ツアーの初っ端が、養鶏場でたまご取り体験ですから(笑)。その後も、地元の大工さんとマイ箸を作ったり、農家を訪れて淡路ならではの“農民車”と呼ばれる農業用機械を見せてもらったり、その農民車をアートとして製作するアーティストを訪ねたり。養鶏場、農民車、古民家、民謡、淡路弁。一見、観光とは結びつかなそうなこれらのキーワードも、淡路島アートセンターの手に係るとあら不思議。暮らしの中に息づくアートとしてクローズアップされ、淡路島らしいツアーの一丁上がりというわけです。 
 驚いたのは、参加者の多彩さ。アート系の方々が多いのかなという予想は見事に外れ、87歳の女性をはじめ年配の女性グループが半分ほど。また、遠方からの参加が多いのも特徴です。「何度か来ていますが、来るたびに絶対また来るな、と思うのが淡路島」という言葉が印象的だった東京からの参加者。淡路にひかれる理由を尋ねると、「やっぱり“ひと”かな。色々な人がいるけど、淡路を大切に思っていることが、今回のツアーでも伝わってきましたから」と答えてくれました。 

 「べっちゃない」から始まった淡路島アートセンターの活動は、今では「信じれらん」ほど多岐にわたります。そのコツは?とやまぐちさんに尋ねると「一本釣りです」との回答。つまり、何かをやりたい思いがあったら、その実現に必要なスキルを持つ人たちを一本釣りし、思いを渡していく、ということなんだそうです。今回しっかり淡路の魅力に一本釣りされてしまった私。これからもどんなふうに淡路島が耕されていくのか、注目です。
 (米田)

  


☆NPO淡路島アートセンター☆
兵庫県洲本市本町8-4-11
【連絡先】
TEL:090-5066-4604
FAX :0799-22-3322
Email: contact@awajishima-art-center.jp

☆淡路くにうみ夢フォーラム 参加者募集☆ 

 淡路地域ビジョンで描かれた新たな将来像を実現していくための資源や課題を洗い出すため、「淡路の魅力を再発見!~もっと知ろう、語ろう、淡路島!」をテーマに「淡路くにうみ夢フォーラム」を開催します。「行政とともに取り組むプロジェクト」分科会や地域で活動する団体からの活動紹介、参加者全員による地域資源を数え上げる作業などを通じて、淡路島の魅力や課題を、一緒に再発見しませんか?

 
【日時】平成24年10月27日(土曜日) 13時20分~16時40分
【場所】しづのおだまき館3階大会議室(淡路市志筑3117-1 電話:0799-62-0157)
【募集人数】 70名
【参加費】 無料
【お問い合わせ&参加お申し込み】 淡路県民局公園島推進室ビジョン課
電話: 0799-22-3541(内線221)  FAX: 0799-23-1250
E-mail: koenjima@pref.hyogo.lg.jp

お問い合わせ

部署名:企画県民部知事室広報課

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