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更新日:2015年11月27日

岸本 正紀さん(NPO法人バイオマス丹波篠山)篠山市

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  元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 地域の75%を森林が占める篠山市。その大半が広葉樹林で、季節の移ろいに合わせて色を変える様子は、篠山の自然の豊かさの象徴です。しかし今、
その里山が荒れていると言います。そこから見えてきた様々な課題。ふるさとの未来に危機感を抱いた地元の有志が立ち上がりました。活動のキーワードは「つながりを取り戻す」。「NPO法人バイオマス丹波篠山」の理事長・岸本正紀さんとメンバーの皆さんにお話を聞きました。

里山整備で“顔の見える”つながり社会を

 お伺いした事務所のドアを開けたとたん、ふわっと温かい空気に包まれました。部屋の中にはスタイリッシュでちょっとレトロなストーブ。煙が出ないから臭いもなく、やわらかに揺れる炎は体の芯から温めてくれます。燃料は木質ペレット。ペレットは間伐材を原料とした、人にも環境にも優しい燃料です。このペレットストーブの普及促進を活動の一つとして取り組むNPO法人バイオマス丹波篠山の皆さん。ペレットストーブのぬくもりに包まれながら、熱のこもった話に耳を傾けました。

木製ペレット・・“ふるさとの未来”と“ペレットストーブ”。どんな背景で活動をスタートしたのですか。
 「近頃はさっぱりマツタケが出んようになったな」。同世代の仲間とした何気ない話がきっかけだったんですよ。この辺りはマツタケの産地で、昭和30、40年代は、踏んで滑って転ぶぐらい群生していたんです。当時、炊事や風呂の燃料はまきで、住民は定期的に山へ入り、雑木を伐採していました。しかし、生活スタイルが変わったことで、雑木を切らなくなったし落葉を肥料として使うこともなくなった。そうすると、光が届かずじめじめした地面に葉が堆積して、雑菌が繁殖する。それによってマツタケ菌が死滅してしまったんです。また、里に下りてきた野生動物による被害、森林の貯水機能の低下による土砂災害の危険性など、山が荒れることでたくさんの問題も生まれました。かつては、山の恵みを受けて生活していたのに、今では山が負の遺産のようになっていたんです。「山とのつながりも人とのつながりも、つなぎなおす必要がある」。そんな思いで3年前、平成21年8月に「NPO法人バイオマス丹波篠山」を立ち上げました。山に入ってもらうためには、お願いするやり方では難しい。経済効果に結びつく仕組みが必要でした。そこで、切り口として間伐材の燃料としての利活用を考えたんです。

篠山市役所に設置されたペレットストーブ・・その一つが木製ペレットだったんですね。どんなふうに活動を展開していますか。
 私たちは、木製ペレットの製造と販売をすると同時に、その需要を増やすためペレットストーブのレンタルにも力を入れています。去年、篠山市役所本庁に導入され、今年は丹南、多紀支所にも広がりました。他にもすでに6件の申し込みを頂いています。3年後に、市内の小学校12校すべてに一台ずつ設置するのをはじめ、老人ホームや病院などの施設や個人住宅も含めて、60台のストーブの普及を目指しています。ペレットストーブは、地球温暖化防止にも貢献しているんです。というのも、木は成長する過程で二酸化炭素を吸収しているので、木質ペレットを燃やしても大気中に含まれる二酸化炭素の総量を増やすことにはなりません。そして、ペレットストーブの周りには人が集まるでしょう。山も復活して、地球温暖化防止にも貢献して、人をつなげて、まさに一石三鳥です。
 まき割り大会やしいたけ菌植え大会などたくさんの方に山や木に親しんでもらう活動も行っています。さらに今月から山の整備が地域の活性化につながる新しい試み「木の駅」プロジェクトをスタートしました。

・・「木の駅」プロジェクトとは、どんな仕組みでどんな効果が期待されるのでしょうか。
 一言でいえば「木の駅」プロジェクトは「森・人・商店が元気になる仕組み」。具体的な流れを説明すると、里山を保有している人たちが整備した間伐材を軽トラックで運んで「木の駅」に出荷します。そうすると1トン(軽トラック約3台分)あたり約6000円が支払われます。この代金が支払われるのは「丹波篠山地域里山券」という地域の商店だけで利用できる地域通貨。山がきれいになり、地域の商店が活性化し、かつてそうだったように地域内でお金が循環することが可能になります。また、山主や地域の商店主、山の整備を手伝う地域の若者、お年寄りなど、この事業に多くの人が携わることで、人と人とのつながりが生まれ、地域への関心や愛着が増すきっかけになると期待しています。

NPO法人バイオマス丹波篠山のメンバー・・今後はどんなふうに活動を広げていきたいですか。
 長い目で地域の未来をみた時に鍵となるのは、子どもたちだと思っています。親が山で仕事をしている姿を見せる、学校の机や教材に地元の木を使う。そのように、小さい頃から山や木が身近にある環境の中で育つことは、地元に誇りを持つことにつながるのではないかと思うんです。また、都市部の子どもと田舎の子どもが一緒になって山でふれあう事業も実現したいですね。例えば、どんぐりを植えて、その成長を継続的に見に来てもらったり、育った植物でクラフトをつくるワークショップをしたりしながら、長い時間をかけて一緒に公園づくりをする。都市部にも森の魅力を伝えていきたいです。結果がすべてではないと思っているので活動は“ぼちぼち”。でも、最終的には「篠山から日本を動かす!」それぐらいの気概を持ってやっています。

子どももまき割りに夢中 「あったかいお茶が入りましたよ。ちょっと休憩しましょう」。その掛け声とともに、一人また一人、ストーブの周りに集まってきました。ストーブの上には、お餅、下には焼き芋。労働後の汗には、あったかいお茶とおやつが効果てきめん。笑顔とおしゃべりの輪が広がります。この日は、4回目の開催となったまき割り大会。最初は4組だった参加者もインターネットの口コミで広がり、今回は大阪など都市部の参加者や家族連れも増えました。「初めてで難しい!大変」。ふぅふぅ言いつつ、一心不乱におのを振り下ろす若いお父さん。その傍らで、「力任せじゃ、だめだめ。木の筋を読んで上手に扱わないと、へそ曲げてしまうよ(笑)」とアドバイスする田舎暮らし3年目の移住者。そんな様子を見つめる理事長の岸本さんは、「山の課題はとても一朝一夕では解決できない。こうしたまき割り体験も、木のぬくもりを知ってもらう、山の恵みを感じてもらう貴重なひと時。一つ一つの積み重ねです」と、笑顔で言います。

 皆さんとの会話の中でよく登場する“つながり”という言葉。ストーブの周りにできた人の輪を見ていると、ペレットストーブがつないでいるのは、自然と人だけではなく、人と人もだと感じます。便利な生活の中でちぎれてしまったさまざまな関係が丁寧につなぎ直された時、きっとマツタケ山が再生するはず―いつになるかわからないその夢の実現に向かう気持ちを岸本さんに尋ねると「それでも今やらなかったら未来も無いですから」。その言葉に大きくうなずく若手のメンバーが、思いのバトンを10年、30年と次の世代に渡していきます。“顔の見える”つながりがある地域を取り戻すために、確実な一歩が踏み出されました。(米田)

まき割りに挑戦



☆NPO法人バイオマス丹波篠山☆

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