ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 広報 > 広報専門員情報 > 「ひょうご☆キラリすと」Vol.17 前田泰子さん・松森恵里さん(神戸女子大学大学院家政学研究科・大学家政学部) 神戸市

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更新日:2014年3月17日

前田泰子さん・松森恵里さん神戸女子大学大学院家政学研究科・大学家政学部神戸市

きらりすと

  元気な地域づくりの担い手をを直撃インタビュー!キラリと光るその活動やお人柄をご紹介します
 安全安心な社会をつくるために不可欠な「防災教育」。兵庫県では阪神・淡路大震災の経験と教訓を生かし、主体的に防災教育に取り組む学校や団体を毎年、1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」で表彰しています。その先進的な取り組みの一つが、平成23年度「東日本大震災支援特別賞」を受賞した「神戸女子大学Smile空間プロジェクト」。活動を始めたきっかけやそこに込められた思いを、同大学大学院家政学研究科の前田泰子さんに、そして現在ゼミでその活動を引き継ぐ家政学部4回生の松森恵里さんにお話を聞きました

神戸から東北へ~かまぼこ板に思いをのせて~

思いを込めて一つづつ手づくり

 神戸市須磨区にある神戸女子大学・大学院。夏休み期間中の校内の一室で、穏やかな雰囲気の中、学生たちによる細やかな手作業が進んでいました。集まっていたのは家政学部で住空間を学ぶ皆さんで、女性視点の居住環境・居住福祉を専門とする上野勝代教授のゼミ生が中心となっています。手元に広げられていたカラフルな色紙やフエルト生地を器用に切り貼りし、うちわやコースターなど、みるみるうちにかわいらしい小物に生まれ変わっていきます。「最後まではあえて作らないんです」と、家政学部4回生の松森恵里さん。その理由を「最後の仕上げは東北の仮設住宅の方々と一緒に作らせてもらいたいから」と話します。活動の始まりは、松森さんの2年先輩にあたる家政科7人の「Smile 空間プロジェクト」という取り組みから。先輩から後輩へ。神戸女子大学で引き継がれていく活動の根底には、18年前の阪神・淡路大震災の経験があります


全国から集まったかまぼこ板とメッセージ

・・「ぼうさい甲子園」で表彰を受けた「Smile 空間プロジェクト」の活動とは?
 東北で東日本大震災が起こってから、テレビなどで凄まじい映像を見る度に「何かしたい。でも学生だし、遠く離れた東北には行きたくても行けない」というジレンマを抱えていました。そんな時、震災発生の翌月4月に大学の講義で、人と防災未来センターで阪神・淡路大震災の語り部ボランティアをされている長岡照子さんのお話を聞く機会がありました。「“仮設住宅はどれも同じ。自分の家がどこなのかも分かりづらくて困る”という話を聞いて、かまぼこ板で表札を作って配った」という18年前のエピソードを知り、「これなら住空間を勉強している私たちも役に立てるのでは」と、表札づくりを始めました。
 まず最初は、かまぼこ板集めから。学校内や一般の方、企業などに協力を呼びかけました。その結果、集まったかまぼこ板の数は、なんと5070枚! 兵庫県立舞子高校や広島の呉工業高校なども協力してくださり、多くの方の“何かしたい”という思いを実感しました。寄せられたかまぼこ板には、「皆さんの思いで東北の方々を元気にしてあげてください」「お役に立ててもらえるとうれしいです」などの温かいメッセージも。それを見て、「これだけの人たちの願いをきちんと届けたい」という気持ちがより一層強まりました。


色とりどりの表札で仮設住宅に元気を

・・表札づくりに、どんな思いを込めましたか
 集めたかまぼこ板に水彩絵の具で色を塗り、板の周りには麺棒やつまようじで花や動物のイラストを描いたのですが、作る工程で大切にしたのは、「身近にあるもので作ること」。“誰にでも出来る。高価な道具がなくても出来る。その分手間ひまかかってもみんなで工夫をしよう”。それだけは最後まで貫きました。また、表札の裏側には伝えたい思いを言葉で届けようと、手書きのメッセージを添えたんです。~「一日も早く皆さんの笑顔が戻りますように」「私たちはずっと応援し続けます」~このメッセージもみんなで一生懸命考えました。その中で、ある言葉だけは控えようと決めた言葉があります。それは「がんばってください」の一言。東北の皆さんは、既にもう十分がんばっていらっしゃる。「当時、これ以上何をがんばればいいのかわからなかった」 そう話してくれた長岡さんの体験談を思い出し、阪神・淡路大震災を経験している私たちだからこそ、神戸から送る表札は、被災された方々の心に寄り添えるようなものにしたいというのがみんなの共通の思いでした。


仮設住宅の皆さんと表札づくりワークショップ

・・実際に東北に届けに行かれたそうですね
 この表札をぜひ直接手渡しさせてもらいたいと思っていたんです。そこで、平成23年8月2日から4日まで長岡さんと一緒に、学生4人が代表で岩手県陸前高田市や宮古市、山田町を訪れました。実際に自分の目でみた津波の傷跡は想像以上にひどく、「これは大変なことになっている」と体で感じました。だからこそ「表札なんて受け取ってもらえないのではないか」という不安もあったんです。しかし、そんな心配はよそに、一軒一軒訪ねた仮設住宅では手渡すとすぐに自分の名前を書き入れてくれて、「わざわざ神戸から来てくれてありがとう」と喜んでくださいました。中には、裏のメッセージを読んで涙を流される方もいて、私たちも胸がいっぱいに。“表札には名前を書く“という固定概念があった私たちですが、仮設住宅の集会所や老人ホームの皆さんと一緒に行った表札づくりの体験ワークショップでは、名前の代わりに好きな言葉を書かれる方もいて、そんな風に楽しみながらアレンジして使ってもらえるのを見た時は本当にうれしかったです。元気を届けに来たはずが、逆に元気をいただいてしまいました。


・・そして現在も、そういった活動は続いているそうですね。
 かまぼこ板の表札も、訪問した場所以外にも需要がないか電話で聞き取りをし、希望があったところには送付しています。また、震災から約1年後に上野教授が岩手県の仮設住宅を訪れた際、雑巾を縫っていた主婦の方々から「裁ちばさみや物差しが入る裁縫箱があったらいいね」という声があったそうです。その話を聞いて、去年の夏、兵庫県からの復興への思いも込めて、西脇市の播州織の布を使った裁縫箱を作り、メッセージを添えて送りました。今月8月末には、家政学部の学生36名と教諭3名で長岡さんと共に再び岩手県に行かせていただき、仮設住宅など約15カ所を訪ねる予定です。現在、現地でプレゼントする小物類を作成中。岩手県では一緒に小物づくりを楽しみたいと「お茶っこ飲み(お茶会)」を企画していて、そこでいろんなお話をしながら交流を深められればと思っています。「私たちが心を込めて作ったもので少しでも元気になってもらいたい」という先輩たちの思いは、形は変わっても、これからも届け続けていきたいですね。


帆船には「神戸女子大丸」の名前も

 「これなんです」と前田さんが大切そうに抱えながら見せてくださったのは、瓶の中に帆船が入った立派なボトルシップ。かまぼこ板の表札をプレゼントした陸前高田市の仮設住宅の方からお礼にと、心の込もった手紙と一緒に送られてきたそうです。「こんなにステキなものをいただいて、感激してしまいました」と心から喜ぶ前田さん。「たくさんの方が力を貸してくださったからできたこと。皆さんの思いが届いた証しですね」。最後にそう締めくくった前田さんの言葉からは、めいっぱいの感謝の気持ちが笑顔となってあふれ出ていました。
 東日本大震災で被災した皆さんを応援しようと立ち上げたグループ「Smile 空間プロジェクト」の名前の由来は、“笑顔になるような空間をつくりたい”、“空間で笑顔を作りたい”という願いから。その思いは絆となって、今、東北と神戸をつないでいます。阪神・淡路大震災の語り部さんから聞いた体験談。東日本大震災の被災地で見て感じたこと。その全てを、今後、住まいや住環境づくりに深く関わっていく彼女たちは、必ず生かしていってくれることでしょう。 (吉田)



◇ 神戸女子大学 家政学部◇
 

【住所】 神戸市須磨区東須磨青山2-1
【電話】 078-731-4416 (代表)
【H.P】 http://www.yg.kobe-wu.ac.jp/wu/index.html


☆平成25年度 1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」応募団体募集☆

 県では、阪神・淡路大震災の経験や、その後の様々な自然災害から得た教訓を生かし、自然の脅威と生命の尊さ、共生の大切さを考える「防災教育」を推進しています。また未来に向け安全で安心な社会をつくるため、児童・生徒などが、学校や地域で主体的に取り組む「防災教育」において先進的な活動を顕彰する『1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」』を実施し、全国から公募します。
 今年度は、1.津波避難訓練や津波対策の取り組み、2.教科教育の中での防災教育の取り組み、3.過去に応募がなかった地域での取り組み等の特色のある取り組みを表彰します。また、継続的にご応募いただいている学校・団体の表彰も予定しています。

【対象部門・活動】  1 小学生、2 中学生、3 高校生、4 大学生
 学校、クラス、サークル活動、ボランティア活動、地域などの単位で応募してください。(他薦も可)
【賞】 1 ぼうさい大賞・・・・各部門1点(活動費 20万円)
        2 グランプリ・・・・・・ぼうさい大賞の中から1点(活動費 40万円)
         3 優秀賞・・・・・・・・・各部門1点
         4 奨励賞・・・・・・・・・各部門数点
         5 だいじょうぶ賞・・・数点
         6 はばタン賞・・・・・・数点
        *テーマ賞の選考を予定
         1.津波避難訓練や津波対策の取り組み
         2.教科教育における防災教育の取り組み
         3.過去に応募がなかった地域での取り組み(新規)
        *継続応募校への賞の選考も予定
【応募締め切り】 平成25年9月30日(消印有効)
【応募先】 〒663-8201 西宮市田代町16-8 パルティーレN棟西号室
  (特非)さくらネット内 ぼうさい甲子園事務局
  (電話) 0798-64-5829  (FAX) 0798-65-5254 (E-mail) bousai_koushien@yahoo.co.jp
【応募用紙の配布場所】 県復興支援課 (電話) 078-362-9984
  (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構人と防災未来センター事業部事業課 (電話) 078-262-5068
 ※インターネットでの応募は
     http://npo-sakura.net/bousai-koushien/(外部サイトへリンク) まで

     ぜひ、ご応募ください!

 

お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp