ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 広報 > 広報専門員情報 > 「ひょうご☆キラリすと」Vol.21 本多 秋香(あいか)さん(小規模集落サポーター)

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更新日:2014年3月17日

本多 秋香 さん(小規模集落サポーター)香美町

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  元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
  但馬北部の山間の集落、香美町村岡の長須地区。ここに、かつて暮らしの道具として日常に作られていた手すき紙があります。その名は射添紙(いそうし)。いま、50年ぶりに新たな手すき紙を作り、紙すき体験を通して地域の元気を生み出し未来につなごうと、集落一体となって取り組みを進めています。「ながす手漉き紙プロジェクト」の中心にいる一人が、小規模集落サポーターとして今年6月からこちらで暮らす本多秋香(ほんだ・あいか)さん。神戸市出身、着物がトレードマークの本多さんを訪ねました。

手すき紙に地域再生を込めて

きちんとお祀りされたお地蔵さん

 但馬の冬空の下、呼吸しているようにもやが立ち上る山々とその裾野に静かにたたずむ集落香美町長須地区。路地を歩くと道端の小さなお地蔵さんがきれいにおまつりされていて、住民の方々による丁寧な暮らし方が感じられます。一方で、人口の流出や高齢化の波には逆らえず、50年前には45、6軒を数えた世帯数も現在は20軒という状況に。「何とか地域の活力を維持しなければ」。そんな決意のもと、長須地区は平成23年3月に県の集落活性化事業「小規模集落元気作戦」に手を挙げました。「交流」をキーワードに、地域づくりのアドバイザー派遣や交流拠点整備など、住民の主体的な取り組みを応援する当事業。その中で、アドバイザーと地元住民をつなぐ大切な役割を果たすのが、小規模集落サポーターです。

・・小規模集落サポーターとしての具体的な活動内容について教えてください。
 実際に地域に住み、そこでの暮らしを共有しながら活性化のお手伝いをすることが主な仕事です。去年一年担当した前任者に続き、私は2代目。活動の柱は「ながす手漉き紙プロジェクト」に決定していましたので、実際に進めていくことが今年の集落の目標であり、私の役割でした。とはいえ、紙すきに関して私はまったくの素人。一からの出発でした。牛乳パックを材料に紙をすいたり、和紙の産地で研修に参加し技術を学んだり、独学で道具を製作したり。手探りで進めてきて、ようやく今日初めての紙すき体験を行いました。今後は、手すき紙で地元の人と何か製作したり、多地域との交流に生かしたりしていきたいと思います。
 また、周りの地域も一緒に元気になっていければという思いがあり、色々なイベントに足を運び、つながりづくりを心がけています。そうした日々の活動をウェブサイトや広報紙などで紹介することで、集落の魅力を発信しています。

集落に配る手製の新聞

・・この香美町に来られたきっかけは何だったんでしょうか。
 以前、神戸で10年間洋服などを製作し販売していたのですが「自分のしたい“ものづくり”は何なのか」とある時、疑問に思ったんです。そして東日本大震災が起こったことで、より深く、地域のつながりやものづくりの意味を考えるようになりました。コミュニティづくりや地元に根差した活動に興味を持ち始めて1年が経つころ、偶然、耳にしたのが集落サポーターの募集でした。神戸の出身で両親も都会育ちのため、言わば“田舎”のない私にとって、田舎暮らしは大きな挑戦。ですが、地元に根差し、自然と共生する“持続可能な生活”は都会にいると見えてきません。長須での暮らしが、個人的に目指す“持続可能な生活”につながるのではないか。それならやってみよう!と飛び込みました。

・・長須で実際に生活してみてどうですか。
 野菜がおいしい!星がすごくきれい!毎日、驚きの連続です。実感したのは、ここの暮らしは自然の理にかなう形で営まれてきたんだということ。春から秋までは田んぼと畑での農作業があって、冬場の農閑期に紙すきをする。1年の自然サイクルに沿ってできることばかりです。そして、多くのものが長須や周辺で手に入ります。例えば、都会の暮らしは何でも“お金ありき”ですよね。食べるものもお金で買わないといけない。でも、ここでの食は“畑で野菜を育てること”から。私たちにとって大切な“食”への心配はそれほどいらないんです。それってすごく豊かなことだと思いませんか。また、そのようなおいしい農産物を育む豊かな土やきれいな水、紙の原料になる植物が自生できる山もある。お金には変えられない素晴らしい財産が、長須にはあります。

芸踊りについて話す奥谷区長

・・これからどんなことに取り組みたいですか。
 多すぎて困るほどです(笑)。紙すきに関しては、今年は集落の各世帯で紙すきに必要な植物「トロロアオイ(花オクラ)」を育ててもらい、秋に根っこを少量ですが収穫しました。来年春には原料となる「コウゾ・ミツマタ」を畑に植え、収穫し、地元産の紙を作りたいと思っています。
 また、「芸踊り」という長須の伝統芸能の復活にも取り組みたいんです。お盆に披露される村芝居のようなもので、15年程前に廃れてしまったと聞きました。でも、年配の方が芸踊りの話を懐かしそうにされたのが印象に残っていて、何とか踊りを受け継がせてもらえないかと考えています。そして、発信ツールとして取り組みたいのがネットなどでのラジオ放送。生の人の声で伝えられるというのは、文字にはないおもしろさがありますよね。他にも生活に取り入れたいものはたくさん。稲わらを使った昔ながらの道具づくりや竹細工に炭焼き・・。挑戦したいことは本当に尽きません。このように私が感じている「集落の魅力」を外に発信することはもちろんですが、もっと町内の方々、特に若い世代にも知ってもらえるように工夫をしていきたいと思います。

高校生が紙すき体験に挑戦

 「明日、高校生と手すき紙体験会!」。区長の奥谷光正さんから伝えられたニュースを聞きつけ、地元の方々が改装した旧公民館に集まってきました。真新しい設備が備えられた“ながす紙漉小屋”が、期待と緊張で満たされます。紙すき体験の第一号は、地元、県立村岡高等学校の地域創造類型の1年生。これまで2回、集落の現状や紙すきを学ぶ特別授業で準備を重ねてきました。着物にピシっとたすき掛けをした本多さんが今日の先生。「自分が手をかけた道具は愛着がわく」との思いもあり、まずは道具“すき簾(す)”の準備からです。良い香りを放つヒノキの木枠にしつらえを施し“すき簾”を完成させると、いよいよ紙すきに挑戦。原料液の中に“すき簾”を垂直に入れ、液をすくって揺する―これを3回繰り返します。「揺すり方が激しいかなぁ。でも個性が出ると思うよ!」。褒め言葉なのかフォローなのか(?)、本多さんの言葉に生徒も思わず笑顔に。うまくできたら得意顔が広がり、うまくいかなくても笑顔が生まれる。水は冷たくても温かな空気がその場を包んでいました。
 「この地区で生まれ育ったが射添紙のことを知らなかった。もっとたずさわりたい」。「自分で作った紙を使ってみたい」。生徒たちの心にもしっかりと今日の体験が刻まれたようです。目指すのは2年後、卒業証書を自分ですくこと。「紙すきの体験だけでなく、材料の植物を育てる段階から生徒の皆さんにも関わってもらえたら」と、本多さんはこれからの構想を描きます。また、そんな高校生の姿に目を細める区長の奥谷さん。紙すきを手伝った子どもの頃の記憶が蘇ります。「『村の文化を残したい』。温めてきた思いが目の前で現実になってきた」と顔をほころばせました。

紙すきについて話す本多さん

 「ともかく本多さんのパワーがすごい!」と奥谷さん。「その“常識にとらわれない”発想が村には必要」と太鼓判を押します。確かに!本多さんが長須暮らしを発信するホームページ「ながすくらす」。これは必見です。こんな好奇心と行動力の塊みたいな方は滅多にお目にかかれません。そして、温かなまなざしで綴られる長須の生活はとても豊かです。前任者が丁寧に耕してきた“信頼”という土壌に、本多さんが“可能性”という多くの種をまいたこの2年間。そして来年は―。集落の皆さんの笑顔の花が、きっとあちこちで咲いていることでしょう。また訪れるのを楽しみにしていたいと思います。(米田)

本多秋香さん活動HP 「ながすくらす」 http://nagasuu.blogspot.jp/(外部サイトへリンク)


☆平成26年度 兵庫県立村岡高等学校 新類型「地域アウトドアスポーツ類型」新設!☆

 今回、長須で紙すき体験を行ったのは県立村岡高等学校地域創造類型の生徒の皆さん。この類型では「地域に学び、地域と協働し、地域を創る人づくり」を目標に、3年間かけて地域を舞台に学びを深めます。また、全校挙げて積極的に地域のイベントに関わったり、雪かきボランティアを行ったりするなど、「地域になくてはならない」高校づくりを進めています。
 平成26年度、地域での学びをさらに拡大した新たな類型が誕生。県内外から広く生徒を募集します!兵庫県北部・香美町の豊かな自然の中、ここでしかできない学びをしてみませんか。

地域アウトドアスポーツ類型 ~平成26年度入試 全国から生徒募集!~

○ 自然を生かしたアウトドアスポーツの理論と実技を体験的に学ぶ「アウトドアスポーツ系」を新設。
○ 従来の「地域創造類型」を「地域創造系」として継続実施。
○ 学校設定科目「地域学入門」など特色ある学習で、確かな基礎知識と、自分で考え、チームの中で提案し、議論し、行動できる能力を身につけます。

<アウトドアスポーツ系>
学校設定科目:地域スポーツⅠ・Ⅱ・Ⅲ
スキーや冒険教育、健康ウォーキング、ゴルフなどの実技とスポーツ理論、自然や観光などについても体験的に学びます。地域の自然を生かしたアウトドアスポーツに関する心理・栄養・コーチング・トレーニングなどの理論を学びながらスポーツ技能を磨き、地域のスポーツイベントの企画について体験しながら地域の活性化を研究します。

<地域創造系>
学校設定科目:地域探求Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
地域の現状を知り、地域を研究し、地域へアイデアを提言する探究活動を行います。「地域」を題材に、調査・研究・プレゼンテーションの手法を学び、大学進学後、または社会に出てからも必要とされる探求・コミュニケーションスキルが身につきます。

☆ 習熟度別少人数学習で丁寧な指導
☆ 月額最大4万円香美町の下宿費補助制度
☆ スキー部兵庫県高校総体26連覇中!インターハイ出場常連校!


入学募集要項をHPで公開中。
詳しくは、県立村岡高等学校HPまで 
http://www.hyogo-c.ed.jp/~muraoka-hs/index.html

【問い合わせ】
兵庫県立村岡高等学校 兵庫県美方郡香美町村岡区村岡2931
TEL:0796-94-0201 FAX:0796-94-0203

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部署名:企画県民部 広報戦略課

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