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更新日:2014年8月22日

佐々木 勉 さん(チーム やさしさわすれないで)神戸市

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 元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 19年前の平成7年1月17日、神戸・長田の街は炎に包まれました。校区の8割が全半焼、全半壊という過酷な状況の中、避難所になった神戸市立二葉小学校。避難所から仮設住宅へ、学校が地域の生活の場となる中、子どもたちの頑張りが地域を照らす光となっていきました。そうした子どもたちを間近で見つめ、地域とつないだのが当時の教育復興担当教員、佐々木勉さん。19年前のこと、そして当時の思いを胸に現在取り組む、東北の子どもたちとの交流活動について聞きました

やさしさわすれないで

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 神戸市長田区にある神戸市立地域人材支援センター。地域づくりの拠点として、市民活動が活発に行われていますが、平成7年1月17日、阪神・淡路大震災が発生し、当時二葉小学校だったこの建物は1170人もの近隣住民が身を寄せ合う避難所となりました。二葉小学校4年2組の担任をしていた佐々木さんも、学校長の下、他の教師と共に避難所の運営にあたりました。校区の1/3を焼いた炎が何度か二葉小学校の校舎にも迫り、避難している住民を別の避難所に誘導したこと。目の前で、自宅が燃えていく様子をなすすべもなく見つめる児童に、かける言葉が見つからなかったこと。佐々木さんが体験した阪神・淡路大震災を振り返る形で、インタビューがはじまりました。

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・・教育復興担当教員として、どんなふうに震災や子どもたちに関わられたんですか
 教育復興担当教員というのは、全校的視野で学校の再建に取り組み、児童生徒の心理的なケアや、学校と家族や地域のつなぎ役を担う役職です。平成8年4月から4年間担当しました。私が心がけたのは、“子どもを真ん中に学校と保護者、地域の絆を結ぶこと”を念頭に置いた取り組みです。何もかも失われ暗い雰囲気の漂う街で唯一の希望は、子どもたちの頑張りでした。明るい子どもたちの歓声こそが街を明るくするとの思いから、児童たちの頑張っている様子を伝える「復興担だより」をほぼ毎日作成し、保護者に配布しました。また、地域の清掃や支援者へのお礼の手紙書き、復興住宅での行事への参加など、子どもたちが地域とつながる場をつくることにも力を尽くしました。取り組みの根底にあったのは、「何かをしてもらうばかりではなく、過酷な状況でも自ら何か行動を起こし発信すること。それこそが子どもたちの真の復興につながる」という信念でした。

・・現在、東北の子どもたちを兵庫県に招く交流事業をされていますが、19年前の経験が今につながっているのでしょうか。
 そうなんです。着想のきっかけになった取り組みというのが、阪神・淡路大震災発生の翌年平成8年から2年間開催された学校間交流事業。神戸市長田区の二葉小学校と1年目は北区、2年目は西区の小学校と、互いの校区を年5回ずつ訪問しました。西区や北区では川で生き物に触れたり、田んぼで米作りしたりという自然体験学習を、長田に来てもらった時は、子どもたちが語り部になって街を案内したり、地域の大人にインタビューしたりという震災学習をしました。最初の交流は震災から1年が過ぎた6月。北区の緑豊かな場所に子どもたちがバスから降り立った時、「わー、きれい!」「気持ちいい!」と声が上がったんです。家々が焼かれてしまった風景を見ながら生活してきた子どもたちにとって、自然の色に触れることがいかに大切で、場所を変えて気分転換をすることがどれほど必要かを噛みしめました。あの時の子どもたちの和やかな表情は忘れられません。その時の経験から、東北の子どもたちにもそんな体験をしてほしいと思ったんです。

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・・東北の子どもたちを招待しての交流事業は、具体的にはどのような内容ですか。
 心と体をリフレッシュしてもらうことと、阪神・淡路大震災から20年近くが経過した今の神戸を見てもらうことを目的に、平成24年から宮城県気仙沼市立階上(はしかみ)中学校の生徒3人と先生1人を兵庫県に招待しています。今年は阪神・淡路大震災の教訓を発信する事業を支援する「ひょうご安全の日推進事業」の助成制度を活用させてもらいました。具体的なプログラム内容は、HAT神戸や六甲道、岡本での交流会、人と防災未来センターの見学や岡本商店街のまち歩きなど、神戸の人や街、阪神・淡路大震災にふれてもらう企画と、神戸北野異人館や甲子園など生徒さんたちの希望に沿った場所で兵庫での滞在を楽しんでもらう企画が盛り込まれています。ですが、とにかく楽しい時を過ごしてもらいたい、というのがただ一つの願いです。

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・・「チーム やさしさわすれないで」という団体名はどこからきたのでしょうか。
 
阪神・淡路大震災から3年目の平成10年1月17日に、二葉小学校の焼却炉のレンガでモニュメントを作ることになりました。そこに刻む言葉を校内で公募したんです。「負けるな、二葉」「二葉がんばれ」など色々な言葉が集まりましたが、投票の結果、全校生に選ばれたのは、小学3年生作の「やさしさわすれないで」という言葉でした。これが、震災から3年経って小学生の心の底にある思いだったんですね。震災直後、全国から、世界からたくさんの温かい心をもらったことが、子どもたちの生きる力になっていると感じました。その当時の子どもたちの思いと共にという意味もあって「チーム やさしさわすれないで」なんです。


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・・来年1月17日で阪神・淡路大震災発生から20年となります。改めてどのように震災を振り返りたいですか。
 
私の原点は、震災当時担任をしていた二葉小学校4年2組38人の子どもたちです。当時、9,10歳でしたので、30歳になる年です。まずは、彼らの今の姿を知りたいと思っています。震災作文集の中で、親戚の赤ちゃんのことを書いた児童がいますが、現在は3人の子どものお母さん。子どもを守る立場になりました。また、当時のボランティアとのふれあいが今の福祉関係の仕事を目指す決め手になった児童もいます。震災から20年の歩みの聞きとりをして、それぞれの成長を何かの形でつづることができないかと考えています。そして、私の長年の夢をかなえたい。それは、震災以降消息がわからない5人の子どもたちに再び会うことです。震災前最後の登校日、1月13日までの笑顔にあふれた4年2組38人でもう一度集まれたら、これほどうれしいことはありません。

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 「木造二階建ての1階に住んでいて、家の下敷きになりました。そのまま、4回目の目覚まし時計を聞いた時、『もうだめかな』と思いました」。生き埋めになって60時間後に助けだされた男性の話に、思わず中学生のペンが止まりました。この8月、神戸市内の災害復興公営住宅の集会所に住民有志が集まって行われた、気仙沼市立階上中学校の生徒との交流会の一幕です。阪神・淡路大震災の体験談のほかにも、住民の方からは、20年近くを経た“今”の課題である高齢化や孤独死という言葉も聞かれました。一方、階上中学校の生徒からは、地域の被災状況だけでなく8年前から力を入れて取り組む防災教育の報告があり、その実践力の高さに感心の声が上がりました


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 阪神・淡路大震災を生きてきた方々の言葉には多くのメッセージがありました。20年経っても、変わらぬ苦しみがあること。20年も経つと、震災の風化や防災意識の低下があること。東日本大震災から3年半、まだ復興が始まったばかりの状況で16年先の未来を見ることは容易ではないかもしれません。被災の状況も、街の特性も異なります。それでも、参加した東北の中学生が「神戸の街の復興の速さ、そして長い年月が経った今でも、震災への思いが街から強く感じられることは見習うべき復興の手本」と述べたように、何かをこの地から、この街の人から受け取ってもらえたことに、私は胸が熱くなりました。

 佐々木さんの体験を聞き、また今回の交流に同行させてもらって、改めて、阪神・淡路大震災は地震に遭った人たちの運命を変える大きな出来事だったのだと知りました。同時に、人生に深く刻まれるようなたった一人との出会い、たったひと時の時間をもたらすことがあるという事実も。平成24年に参加した東北の生徒が、こんな決意を手紙につづりました。「神戸訪問を終えてから『被災地がいつか神戸のような素敵な街になるといいな』という思いが私の中で育ち、それが、いつからか『被災地を私が素敵な街にしていきたい』という思いに変わりました。そして、震災の復興に関する仕事に就きたいと思うようになりました。階上中学校で学び震災を体験し、様々な活動に参加させていただいたことを生かしたい!今回の神戸訪問は、そんな夢への第一歩となるものでした」。
 佐々木さんは繰り返し言います。「子どもたちの本当の復興は何かを発信すること」。子どもたちの頑張りが、神戸の人たちを元気づけてきたように、東北の子どもたちが復興の光にきっとなる―。20年前と変わらぬ“子どもの力を信じる強い思い”が、佐々木さんの柔和な笑顔の奥に宿っていました。
米田)

 

☆ひょうご安全の日推進事業助成制度のご案内☆
 阪神・淡路大震災から来年1月17日で20年を迎えます。1.17は忘れない「伝える」「備える」「活かす」を基本コンセプトに
震災の教訓を発信する事業を支援します!

地域・全県事業(従来分)

1.対象となる団体
団体規約等を有し、事業責任者、会計責任者等を明確にしている団体。
(NPO、自主防災組織、実行委員会、学生グループなど)
*行政機関のみで構成する団体、反社会的活動を行う団体またはその構成員が事業の企画運営に関わる団体、単独の民間企業は対象となりません。

2.対象となる事業
1. 震災で学んだ教訓の継承と発信
2. 災害への備えや対応についての実践や発信
3. 復興課程で積み上げた経験の継承と発信
4. 犠牲者の追悼、震災の振り返り
5. 震災以降の災害を踏まえた教訓の共有と発信

3.助成金の額
◆地域事業-助成額:2~50万円以内、助成率:定額 対象経費の概ね1/2以内
◆全県事業-助成額:5~100万円以内、助成率:定額 対象経費の概ね1/2以内

4.申請期間
第3期-事業開始月:平成26年11月~平成27年3月、申請期間:8月22日~9月5日

実践活動事業(拡充分)

1.対象となる団体
1. 地域団体(自主防災組織、自治会、婦人会、PTAなど)
2. 学生グループ(子ども会、学生団体など)*学校を含む
団体規約等を有し、事業責任者、会計責任者等を明確にしているもの

2.助成の対象となる事業
地域団体や学生グループが行う、次なる災害に備える実践的な事業(防災訓練、防災学習)

3.助成金の額
実践活動事業
-助成額:2~30万円以内
-助成率:定額 対象経費の15万円まで10/10、15万円を超える部分は概ね1/2

4.申請期間
通年
 原則事業開始の1ヶ月前まで(最終:平成27年2月末まで)

対象要件等

1.対象となる期間
平成26年4月1日~平成27年3月31日の間に行われる事業
ただし、地域事業・全県事業は1事業あたりの対象となる実施期間は最長6ヶ月

2.対象となる開催地
原則として兵庫県内

3.助成対象経費
謝金、交通費、印刷製本費、通信運搬費、消耗品費、保険料、委託料、使用料、人件費、その他事業の実施に要する経費で県民会議が認めるもの

4.審査・選考方法
審査委員会において、審査・選考します。審査・選考の結果、不採択や減額をすることがありますので、あらかじめご了承ください。

【お問い合わせ・資料請求】(手引きや申請様式をダウンロードできます)
ひょうご安全の日推進県民会議事務局
〒650-8567 神戸市中央区下山手通5-10-1(兵庫県復興支援課内)
TEL:078-362-9984 FAX:078-362-4459
詳しくはこちらのHPをご覧ください。 http://www.19950117hyogo.jp/index.htm

お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp