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更新日:2014年12月26日

坂本 規 さんテアトロ三木) 三木市

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 元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 12月10日は何の日かご存知でしょうか。1948年、国連で「世界人権宣言」が採択されたことを記念して定められた「世界人権デー」です。「人権文化をすすめる県民運動」を推進している兵庫県でも、12月は各地で人権に関連する催しが行われます。毎年12月、地域の文化祭で人権のことを伝える演劇に取り組んでいる団体が三木市にあります。「テアトロ三木」の代表・坂本規(さかもと・ただし)さんに活動をお聞きしようと、公演直前の稽古場を訪ねました。

人権文化の花咲かそう

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 「テアトロ三木」が練習を行っている三木市立総合隣保館を訪ねると、メンバーが車座でお茶を飲みながら談笑しているところでした。 「初めまして」と緊張気味の私に「米田さんも輪の中に入って下さいね」と、お茶を手渡してくれた坂本さん。平日の夜、それぞれ仕事が終わった後、一人また一人とメンバーが集ってきます。稽古を始める前の、この何気ないコミュニケーションが、舞台へのエンジンを温め、メンバー同士のつながりを確かめ合う大切な時間になっていると、坂本さんは言います。この日は、公演前の最後の練習日。でもそんな雰囲気を感じさせない、和やかさと気負いのなさが「テアトロ三木」の魅力の一つです。さて、私の目の前で最後のリハーサル。「むか~しむかし、あるところにキツネがおったとさ―」。坂本さんの味のあるナレーションが、私を物語へと引き込んでいきました。

・・今年の演目、「きつねのおきゃくさま」で、どんなことを伝えたいですか?
 
小学校低学年の道徳教材にも紹介されるような原作ですので、子どもたちにもわかりやすい内容です。主人公のキツネは最初、悪役として登場しますが、他の動物たちとの関わりを通して少しずつ仲間を思いやる心が芽生え、良いキツネに変わっていきます。周りの人に親切にすることや仲間がいることはうれしいこと、人は変わることができるということなどが伝えられたら良いと思います。

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・・12月の上演に向けて、どのように劇を作り上げますか。
 
3ヶ月前くらいから準備が始まり、まずは、劇の演目や配役などをメンバーで相談して決めます。物語の脚本を作ることもあります。メンバーは地域住民の他にも地元小・中学校の先生など年齢も職業も幅広いですが、演劇経験者はほとんどいません。衣装や道具づくり、照明や演出も自分たちで話し合い工夫しながら作っています。年に一度だけ、文化祭での発表のために取り組むので、本番でみんなが一つになって、120%の力を出し切った時、なんともいえない充実感を感じます。

・・活動のきっかけはどんなことだったんですか。
 
30年程前から、地域の子どもたちが人権学習をする過程で取り組んできたのが演劇でした。子どもたちが一生懸命学習し、劇に取り組む姿を見た保護者たちが、大人のがんばる姿も子どもたちに見せたいと、地元の小学校の先生方と一緒に始めた朗読劇が原点です。そして、2007年に劇団「テアトロ三木」が立ち上がりました。私自身は、劇団立ち上げの翌年に幼なじみから「一緒にせえへんか」と声をかけてもらったのが参加のきっかけでしたが、何しろ演劇なんて未経験。初めての舞台では、せりふがなかなか覚えられず、公演が近づくにつれて緊張で不安が募ったことを覚えています。でも公演を重ねるうち、仲間と練習することが楽しく感じられるようになりましたし、公演を楽しみにして下さる方がいることも張り合いになっています。

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・・これまでどのような劇を上演してきましたか。
 
同和問題をはじめ、戦争と平和や高齢者問題などさまざまな人権課題をテーマにした劇を上演してきました。たとえば、以前「村にバスがやってきた」という劇。これは地元三木市での実話をもとにつくられたオリジナルですが、地域でのバス停の設置を巡る住民同士の意見の衝突を通して同和問題に焦点を当てる内容でした。バス停から乗り降りすると同和地区在住だと知られてしまう、でも子どもたちや村の未来のためにはバス停が必要だ、という賛否両論がありましたが、住民たちの話し合いが重ねられ、決して差別を許してはいけないという強い思いからバス停が設置されることになりました。劇で描かれた“自分のふるさとを胸張って言えないということ”。これほど悲しく辛いことはありません。このように、劇を通してさまざまな人権課題に少しでも多くの人にふれてもらい、気づきがあるように願いを込めて劇を行っています。

・・これからどんなふう活動を続けていきたいですか。
 
私自身も、「テアトロ三木」の活動を通して人とふれあい、学習を深めることで、人権に関する自分自身の意見を周りの人に伝えることをいとわなくなりました。これからも人権について色々な人たちと考えを深めていきたいですし、人権問題が解決されるその日まで、楽しさも交えながら啓発を続けていきたいと思います。

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 「やさしいキツネ」「親切なキツネ」「神様みたいなキツネ」―。周りの動物たちにそう言われるたびに、主人公のキツネは、表情が明るく、もっとやさしくなっていきます。最後に、仲間を守るため、キツネがオオカミと戦うシーンでのこと。「子どもたちから思わず『頑張れ、頑張れ』とキツネに声援が出たんです。最初は悪役だったキツネが変わったことを子どもたちは感じ取ってくれたのかもしれませんね」と坂本さんは笑顔で言います。本番では、リハーサルとはまた違うアドリブが加えられ、会場を笑いの渦に巻きこんだり、芝居にぐっと引きこんだりしながら「テアトロ三木」の20分の公演が終わりました。この20分のために3ヶ月間、限られた中で時間を割き、熱意を持って取り組んできた皆さん。でも、この劇は役者だけで完成したものではありません。「劇団メンバーの人数ははっきりしていません。地元の人たち、子どもたち、地元小・中学校の先生方。舞台に立つ人は限られますが、舞台をともに作ってきた人は限りないんです」。坂本さんに劇団メンバーの人数を尋ねた時の答えが、それを表しています。

 この取材を通して「人権って何だろう」と考えていました。「きつねのおきゃくさま」の物語を見ていて感じた、“人に優しくすること”や“人の存在を認めること”。また「テアトロ三木」の皆さんと接して伝わってきた、“肩書きや世代を超えて一つになること”や“個性を発揮しながら輝きあうこと”。 「人権」というと何か難しい事や、自分には関係がない事のように思いがちですが、身近なことに置き換えてみると、“自分のこと”なのだと気づきます。人権問題をすべて解決することは容易ではないかもしれませんが、一人ひとりの意識が変われば、決して不可能ではありません。逆に、一人ひとりが自分のこととして捉えなければ、解決は遠のきます。「自分という存在を、自分のふるさとを胸張って言えるような世の中を次世代に残したい」。その思いを込めて、人権問題が解決されるその日まで―。人権文化の花をいっぱい咲かせようと、これからも「テアトロ三木」の皆さんは種をまき続けます。(米田)

◇テアトロ三木◇
三木市立総合隣保館
TEL:0794-82-8388 FAX:0794-82-8658

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 兵庫県では「人権文化をすすめる県民運動」を推進しています。県民の皆様に、地域や職場などで人権について学んでいただけるよう、さまざまな研修や教材をご用意しております。お気軽にお問い合わせください。

◆ 人権研修講師を派遣します!

 (公財)兵庫県人権啓発協会では、住民学習会、PTA研修会、企業研修会など様々な研修会に、人権研修講師を派遣しています。

~平成25年度研修実績~
派遣先: 人権擁護委員会、民生委員児童委員協議会、行政書士会、PTA、警察署、消防署、病院、学校、
       高齢者支援施設、障害者支援施設、各種企業、市役所など
研修テーマ: 男女共同参画、子ども(いじめ、虐待、不登校、体罰など)、高齢者、障がい者、同和問題、多文化共生
         インターネット、セクハラ・パワハラ、メンタルヘルス、公正採用、CSR、風評被害、無縁社会、人権全般
         住民学習会の進め方など
*研修料、旅費が必要です。

◆平成26年度人権啓発ビデオが完成しました!

 「あなたに伝えたいこと」(上映時間36分)という「インターネット時代における同和問題」をテーマとした人権啓発ビデオが完成しました。市町、企業、学校などでご活用いただけるよう販売・貸し出しを行っております。そのほかにも、「無縁社会と家族」や「意識と人権」など、さまざまなテーマの作品がありますので、お問い合わせ下さい。

~「あなたに伝えたいこと」制作の趣旨~
 
同和問題の解決を図るため、30年以上にわたって地域改善対策が行われてきました。その結果、生活環境などハード面での改善は進みましたが、結婚差別や身元調査など、意識の面では依然として課題が残されているほか、新たにインターネットによる差別的な書き込みが発生するなどの問題も起きています。
 この物語の主人公は、ごく普通の若い女性です。親友がネット上の悪質な書き込みにより中傷されていることをきっかけに、祖母や母が同和問題でつらい思いをしてきたことを知ります。そして恋人や友人、家族などとの関わりを通し、ネット上の情報だけでなく、実際に人とふれあう中でお互いを正しく知ることの大切さに気づきます。
 この作品はインターネットの持つ危険性に私たちがどう向かい合っていくのか問い直すとともに、同和問題を正面から取り上げ、この問題が決して他人事ではないこと、正しく知ることが同和問題やすべての差別をなくしていくために重要であることを明るい希望とともに伝えます。

【問い合わせ】
(公財)兵庫県人権啓発協会
〒650-0003 神戸市中央区山本通4丁目22番15号 県立のじぎく会館内
TEL:078-242-5355 FAX:078-242-5360
詳しくはこちらのHPまで http://www.hyogo-jinken.or.jp/ 

お問い合わせ

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