ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 広報 > 広報専門員情報 > 「ひょうご☆キラリすと」Vol.34 三原 廣巳 さん(真野地区まちづくり推進会) 神戸市

ここから本文です。

更新日:2015年1月22日

三原 廣巳 さん真野地区まちづくり推進会) 神戸市

 真野地区まちづくり推進会代表三原廣巳さん

 元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 神戸・三宮から西へ約5km、神戸市長田区の南東部に位置する真野地区。1965年頃から起こった公害反対運動をきっかけに住民主体のまちづくり運動が盛んになったこの地区では、阪神・淡路大震災の発生時、培ってきたその地域力が大きな役割を果たしました。震災から20年を迎えた今年度は、震災の経験と教訓を発信するさまざまな事業を行うということで、真野地区まちづくり推進会代表の三原さんを訪ねました。

震災の教訓を、真野から未来へ

 40haほどに約2,300世帯、4,000人以上が暮らす真野のまち。地下鉄の開通や大型スーパーの出店により交通や買い物の便がよいところですが、ひとたび路地を入ると新しい建物の間に昔ながらの長屋や多くの工場が混在し、どこか懐かしい気持ちになります。約50年前に起こった公害反対運動を機に、まちづくり先進地区として知られるようになった真野地区ですが、阪神・淡路大震災では建物の約3割が全壊・半壊するなど大きな被害を受けました。住民が力強く手を携え築いてきた真野のまちづくりを、三原さんがひも解いてくれました。


・・住民によるまちづくりは50年も前にさかのぼるんですね?
 
住宅地に工場が多く立ち並んでいたため空気が悪く、住民の4割にぜんそく症状が出るほどでした。「うちの子も困っている」「私のところも」と声が集まり、原因の工場をほかへ移転するよう市に要請し移転がかないました。そこから、「困っていることはまず自分たちで何とかしよう」という機運が高まりました。寝たきりのおじいちゃんがお風呂に入れないという時には、自治会長や民生委員さんたちが簡易のお風呂を用意して入浴サービスを始めました。市の助成制度に先駆けてのことです。また、まちに緑がなければ、家1軒1軒に花を置いてもらったり、工場跡地を公園にしたりと、まちぐるみで緑化運動にも取り組みました。「あの時は会長さんが、ようがんばってくれたから」と、自治会のがんばりが住民を喚起し、お互いが協力し合う関係が自然と出来ていったんです。


 まちづくり推進会の3役・事務局会議

・・「真野地区まちづくり推進会」の発足はいつ頃でしょう?
 
住民によるまちづくり運動がすすむ中、1980年に誕生したのが「真野地区まちづくり推進会」です。発足から2年後には、神戸市と住民が協働してまちづくりのルールを決める「まちづくり協定」の第1号地区にもなりました。推進会の役員には、この地区に16ある自治会の会長さんをはじめ企業や学校が入って、まちづくりを支えています。月に数回ある役員会への出席は強制ではないのですが、ほとんど欠席がなく、みな本当に熱心です。敬老会など恒例の催しは、真野ふれあいのまちづくり協議会という別の団体が行い、主に空き地の活用や区画の整理などハード面の事業は私たち推進会が行います。また役員が常駐する事務局を置くことで、まちの窓口にもなっています。県内外の自治体からの見学依頼や、まちづくりを学びに来る立命館大学の学生などとの調整役も担っています。

 

阪神大震災真野地区復興まちづくりニュース 真野っこガンバレ

 ・・そして20年前の阪神・淡路大震災。培ってきた地域の力が危機を乗り越える力になったと聞きました。
 
住民の手で火災の延焼を食い止めたという話があるんです。火の手が上がり、いち早く住民が消火をはじめたんですが水圧が低い。そこで三ツ星ベルトやミヨシ油脂という会社にお願いすると、会社の自衛消防隊が来て消火活動に力を発揮してくれました。みなさんの協力がなければ、もっと広範囲に火災が広がっていたと思います。また震災発生から3日目に、当時の推進会の代表を本部長に災害対策本部が立ち上がりました。私は自治会の副会長をやっていて、救援物資の配布を担当していました。真野では「強い者が勝つ」そんなことにならないよう、対策本部に集まった物資を各自治会に人数割りで配分し、一人一人に行き届くような体制を作りあげました。一方で物資と同様に必要だったのが情報でした。そこで震災発生から50日後には、「阪神大震災真野地区復興まちづくりニュース 真野っこガンバレ!!」を発行したんです。発行からしばらくは行政の救援施策や対策本部の支援活動、被災者の声などを主に紹介していましたが、次第に地元行事の話題なども増えていきました。まちづくりの状況や経過を住民に知らせることで深めてきた連帯感は、今につながっています。

 1.17希望の灯り

・・震災から20年の今年度、どんな取り組みを行うんですか?
 
主な取り組みは、毎年1月17日に行っている「1.17希望の灯り」や「震災祈念集会」、防災避難訓練や小学校での避難所開設・宿泊体験、三ツ星ベルト広告塔ライトアップなどです。今回の催しには、「真野の変わったところを見てください」という気持ちで、専門家や大学の研究でまちづくりを学びに来ていた大学生など今まで力をお借りした方々へ案内を出しました。「震災祈念集会」には、東日本大震災以降、真野小学校の校長先生が訪問を続けている仙台市立東六郷小学校の生徒さんたちも招きました。さらに阪神・淡路大震災からの20年をまとめた20年記念誌の発行も今年度の大きな取り組みです。推進会の事務局も高齢化がすすんできて、編集は大変な作業だったんですが、昔この地区であったことを、次の世代そして未来へ伝えなければ」という一心で作りました。言わば、この本は証しなんです。自分たちでまちを守ってきたという証しです。
 

震災祈念集会

・・どんなことを未来へ伝えていきたいですか?
 
50年のまちづくり、震災からの復興まちづくりにおいても、基本となっているのがコミュニティと自主努力だと思っています。災害対策本部や救援物資の配布体制がすぐにできたのも、自治会や推進会など地域に根付いたコミュニティと、そのコミュニティと手を取り「自分たちで何とかしよう」と声を上げ続ける住民がいたからです。これからを担う次の世代には、共助の気持ちを大切にしてほしいです。その人の能力に応じた、余裕に応じた、助け合いの心を持ってほしと思っています。また地域の防災避難訓練にも、ぜひ参加してほしいですね。学校や企業とも連携した訓練を行ってきた真野では、それぞれの避難場所はもちろん、誰が誰を援護して避難するか、誰が情報をまとめ発信するかなど各自の役割が決まっています。要援護者支援には守秘義務の壁があると言われていますが、この地区では緊急時のためなら家庭の状況を開示するという人が多く、要援護者支援制度ができる前から、誰が誰を援護するかが決まっていました。さらに学校にも水やカンパンの備えがあり、企業も体育館や敷地を避難所として提供してくれることになっています。

 

 ライトアップされた三ツ星ベルト広告塔

 夕闇に「三ツ星ベルト」の文字が照らし出されました。1919年にこのまちで創業し、推進会とともにまちづくりを支えてきた三ツ星ベルト株式会社。震災の発生時、延焼の食い止めに尽力し、体育館には避難所として多くの避難者を受け入れました。さらに全国から駆けつけたボランティアの方たちが「あの三ツ星ベルトの広告塔が長田区だ」と、この塔を目指したそうです。そんな長田のシンボルも震災の影響で本社の移転を余儀なくされますが、「復興に力を貸してほしい」という推進会の強い呼びかけもあり、2000年本社が真野に戻ってきました。「やっぱり本社がここにあるのは、心丈夫だ」と三原さんたちは言います。



 真野地区のみなさんによる炊き出し
震災から20年を迎えるにあたり1月17日までの4日間、復興支援への感謝を改めて示そうと行われた広告塔ライトアップ。地域内外から多くの方が集まりました。点灯式に続いて炊き出しのふるまいも行われ、私もカレーをいただくことに。寒空のもと心身ともに温まり、ありがたさが込み上げます。隣に座った方が「あの時いただいたものは、たとえ炊き出しで配られた器ひとつであっても捨てられないの」と話してくれました。器と一緒に届けられた人の温かさ、その時抱いた感謝の気持ちは、20年経った今もなお心の中にあり続けるのだと感じます。
  「つ・な・ご・う」と題された20年記念誌を開くと、まちづくり活動や大学時代の研究などで真野と関わった方々からの言葉に目が留まります。“真野はわたしの一部”“懐の深いまち”-真野を思う人は全国にいます。地域の課題に住民自ら立ち向かってきたその姿や熱意は、求心力となって地域や世代を超えて多くのつながりを育んできました。今、老朽化にともない昔ながらの長屋はどんどん姿を変えていきますが、人と人とが助け合っていける真野、阪神・淡路大震災からの復興を力強く歩んできた真野が発信する教訓は、これからも変わらず未来へつながり続けていくことでしょう
。(清水)


真野地区まちづくり推進会
〒653-0022
兵庫県神戸市長田区東尻池町6丁目3-27
電話 (078)671-9834
真野地区まちづくりfacebook https://ja-jp.facebook.com/manomachizukuri


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  

阪神・淡路大震災20年を振り返るさまざまな展示を行っています。どうぞお運びください。

◇兵庫県公館県政資料館 阪神・淡路大震災20年メモリアル特別展示
「1995.1.17から20年 もう一度振り返る阪神・淡路大震災」の開催について◇

 この特別展示では、1月17日で20年を迎えた阪神・淡路大震災を、写真やデータ、実物資料、映像等で振り返り、震災の教訓や減災の大切さを広く発信します。 

<展示物>写真パネル、データパネル、実物資料、映像モニター、タッチパネル等
<展示期間>
平成27年2月21日(土)までの月~土曜日
        平日:9:00~17:00 土曜日:10:00~16:00
※毎週土曜日は、県公館の一般開放日になっており、県政資料館だけでなく迎賓館部門もご覧いただけます。
※平成27年1月24日(土)は休館します(一般開放及び庭園の開放は行いませんのでご了承ください)。
<入場料>無料
<会場> 兵庫県公館県政資料館「兵庫の文化」展示室(展示室7)
<会場住所> 神戸市中央区下山手通4-4-1
詳しくは、こちらのHPをご覧ください http://web.pref.hyogo.lg.jp/kk03/event/culture26_12.html


◇阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
阪神・淡路大震災20年メモリアル特別展示の開催について◇

<テーマ>
「1.17阪神・淡路大震災20年 伝えよう未来へ世界へ」
・震災の風化が進む中、震災資料を通じて被災体験や被災地の様子を改めて想い起こしていただく。
・震災の今日的意味を浮かび上がらせ、特に震災を知らない世代に分かりやすく伝える。
・震災後、兵庫を中心に育まれてきた減災の精神や取り組みの成果を国内外に発信する。
・人と防災未来センターの壁面ライトアップと一体的に実施することにより、阪神・淡路大震災を風化させることなく後世に伝えるとともに、減災へのメッセージを発信する。

<期間>平成27年6月28日(日)(予定)
<展示内容>
①「あらためて振り返る1995.1.17」:西館2階企画展会場(防災未来ギャラリー)
・被災状況を示す大型マップの展示・当時の時代雰囲気が感じられる所蔵未公開資料の展示
・被災地の3D記録映像の特別上映・タッチパネルによる復旧・復興のデータ閲覧 等
②「1.17と3.11 ふたつの災害の特性を知る-阪神・淡路大震災と東日本大震災」:東館2階展示スペース(通路壁面)
・両災害の被害データ、特徴等を比較して紹介
③「20XX.X.X 将来の巨大地震に備える」:東館3階特設会場(多目的ルームほか)
・デジタルマッピングジオラマ模型による首都直下地震の被害想定の紹介
・首都直下地震想像画の展示
・南海トラフ巨大地震の被害想定等の展示
・避難所の一角の原寸再現
・防災・減災の先進的な取組み事例紹介等
④「阪神・淡路大震災を後世に伝える」:西館北面、西面
・LEDを使った夜間の壁面ライトアップ(時期:平成27年3月~の予定)

人と防災未来センターHPは、こちら http://www.dri.ne.jp/wordpress/index.php

 

 

お問い合わせ

部署名:企画県民部知事室広報課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp