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更新日:2015年8月20日

久保 千賀子さん(但馬食育研究会「スコラ」 代表) 豊岡市

但馬食育研究会「スコラ」代表 久保千賀子さん

 元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 松葉ガニをはじめとする海の幸や、神戸ビーフや松阪牛など名だたるブランド牛の素牛である但馬牛など、全国に知られている特産品を育む但馬地域。各家庭で、おみそやしょうゆなどの発酵調味料がつくられていたり、イカやサバのこうじ漬けなど昔からの知恵がつまった保存食が食べられたりと、地元の食材を上手に使った独自の食文化が継承されてきました。そうした但馬の食のよさを伝えると同時に、但馬の農業や漁業の現場を知ってもらおうと、さまざまな活動をする但馬食育研究会「スコラ」があります。今月は代表の久保千賀子さんに会いに行ってきました。

食べてささえる 食べてつなげる 但馬の食

 仰向けになったキューピーに見える猫崎半島

  私が降り立ったのは、豊岡市竹野町。まだ日の出から幾分しか経っていませんが、暗がりのなか民宿の看板らしきものがちらほらと見えます。夏はシュノーケルやカヌーなどのマリンレジャー、冬はカニや温泉などを求めて観光客が訪れる地域でもあります。民家の並ぶ路地をすすむと、船着き場に到着しました。今日は漁船に乗り、刺網漁という漁を見学させてもらえるというので、船酔いの心配よりも期待に胸が高鳴ります。目指すは、兵庫県最北端の猫崎半島。キューピーが仰向けになっているように見えることから地元では“キューピーさん”と呼ばれ親しまれている場所です。スコラのみなさんは今年度、山陰海岸ジオパーク推進協議会が行う支援事業を活用し、猫崎半島周辺で漁業などを見学した後、とれたてのジオの恵みを食べるという体験メニューを企画しています。“大切なのは地元の食材を食べること-”。そこから広がる未来がありました。

 

 料理教室で母子に食育をする久保さん

・・どんな活動をされてきたんですか?
 約3年前に設立し、若いお母さんや男性も入って活動している団体なのですが、今まで、食品添加物の話や心と身体の健康と腸内細菌の話、但馬の発酵食品についての講演会を行ったり、子どもも参加できる料理教室などを行ったりしてきました。料理教室では、もぎたての夏野菜を調理し、ドレッシングを手作りして食べたり、有機無農薬栽培のエダマメを収穫して調理したりしました。また、昨年まで行っていたジオグルメツアーでは、松葉ガニや但馬牛のおいしさを堪能できるプログラムも行ってきました。2013年に実施した「松葉ガニ・セリ体験ツアー」では、セリ市場に入り、普段なら絶対に参加できないセリでカニをせり落とします。そして、さばき方の講習を受けたあと、自分たちでカニ汁、カニご飯などカニ料理に挑戦しましたよ。
 

・・どんな思いで活動されていますか?
 もともと私自身、食べ物と体の関係について関心があったのですが、孫が生まれてからそれをさらに強く意識するようになりました。食品添加物や遺伝子組み換え食品など、安全・安心に食生活を送るうえで気をつけたいことは多くあります。でも実は、安全で安心な食というのは、地元の食材や食文化とも深くかかわっているんです。例えば、野菜の種の話。スーパーに並ぶ野菜のほとんどは「F1種」と言われるいくつかの品種を交配させた種からできています。大きさや形など規格がそろい、私たちが好む味をもった野菜が売れるからです。しかし、このF1種、実は子孫ができにくいという問題があるんです。昔の家庭では、ごく当たりまえに親子代々受け継がれてきた在来種の種で野菜が育てられ、種もその生命のバトンを次の代に渡していました。今、子孫ができにくい種の野菜ばかり食べていると、体はどうなるでしょう。さらに、但馬でもおみそやしょうゆなどの発酵調味料が家でつくられたり、イカやサバの麹漬けなど食品添加物がなかった時代から食べられてきた保存食などがあったりします。全国に誇るおいしいものもたくさんあります。代々食べられてきた地元の魚や野菜を食べること-。それが私たちの食の安全と、そして何より、地元の生産現場を守り、絶やすことなく次の世代につなげていくことに直結していくと思うんです。この但馬の環境を未来につなぎたい、そういう思いでいろんな活動をしています。

 

柱状節理など珍しい地形・地質を見られる猫崎半島

 ・・今企画されている、ジオパークの体験メニューはどういったものですか?
 
竹野の漁業を学び、ジオの恵みを食べて楽しむ体験メニューを考えているのですが、何よりもこだわったのが、食の生産現場を知ってっもらうということ。まず参加者には漁船を活用した海上タクシーに乗っていただきます。そして猫崎半島周辺で、岩が柱状になった柱状節理など山陰海岸ジオパークの珍しい地形・地質を見てもらったり、漁の様子を間近に見学してもらったりします。セリの行われる日は、セリを見学し、いよいよジオの恵みをいただきます。とれたての魚を自分たちでしめ、さばいて食べるんです。調理方法などは地元の民宿のおかみさんたちから教えてもらったり、と漁村で食べられている食べ方を伝授してもらおうと考えています。

・・今、こうした体験メニューの企画にふみきった理由とは?
 
講演会や料理教室に参加するお母さんがたは食育について意識の高い方ばかりなんです。今、子どもたちの魚離れが叫ばれていますが、お母さん自体「そもそも魚を食べない」「魚は食べに行くものだ」と話す方もいらっしゃっるんです。講演会に参加する方だけでなく、そういうお母さんにこそ食卓を大切にしてほしいと思ったのが理由のひとつです。例えば、子どもが思春期に道をそれてしまうんじゃないか・・・・そんな時に、家庭で母親が料理をしたり、家庭の味があったりしたら、そうして愛情をかけて育ててもらったことがブレーキになるんですね。だから、お母さんが「魚が目の前にある。さぁどうしよう」では、だめなんです。そういうこともあって、今回の体験メニューには自分たちで魚をさばくというプログラムを入れています。
 もうひとつに、地元の漁師さんが「海上タクシーや漁業を生かして、なんかしたいなぁ」と言っていたことがあります。実はこの竹野は、会社や役所勤めと兼業で、農家・漁師をしている人が多い地域。かつて漁業だけで暮らしていた人も、子どもには苦労をさせたくないというところから、漁をしろ、魚をさばけ、などとは言ってこなかったそうです。ですが、勢いをなくしていっているその漁業で、なにかをしたいという人がいるのも事実です。漁業者ではない者、別の者の目線が入ることで、地域の声をつなげていきたいと思ったのが、もうひとつの理由です。



・・これからの展望を聞かせてください。
 
例えば、豊岡の人でも山側の人は「地元のカニって、魚って、こんなにおいしかったんだ」と言う人がいたりと、自分のとこの食を知らない人もけっこういるんです。地元のスーパーに出回ってない、ということもあると思います。一方、漁獲高が減っているうえに魚の単価が下がり、漁業だけでは暮らしていけない漁師さんたちが増えてきているという現状もありますよね。地元の人だからこそ、漁業や農業などの現場と地元食材の味を知って、輸入のものではなく地元のものを食べる機会を増やす。今、漁協とタイアップしてスーパーに鮮魚を並べてもらい、地元の人が地のものを買えるよう、働きかけたりもしています。
 突きつめれば、私は「食べ物は地域を救う」そんな風に考えています。おいしいものを食べているのに怒っている人はいないですし、なにより人間の体の機動力です。観光源でもあります。美しい景色だけでなく、そこにおいしい食べ物もあったら、人は泊まってでもその地に足を運ぶと思います。そんな食の生産現場が元気にならないことにはいけません。ありがたいことに、但馬は食が豊かな地域です。食が豊かということは、暮らしが豊かということでもあります。これからも模索しながら、子どもたちの未来と但馬の食を、食べて支えていきたいと思っています。



刺網漁を行う地元の漁師

 いよいよ出航の時が来ました。日の出とともに徐々に明るみになっていく竹野の海は、光をうけて緑色に透き通っています。漁船を活用した海上タクシーは海面との距離が近く、乗っていると、まるで海を飛ぶトビウオになったような気分です。今回見学させてもらうのは、刺網漁という漁。3月から9月くらいまで行われる漁で、海中12~3m、長さ約400mに広げた網をしかけ、魚がかかるのを待ちます。今日は前日にしかけた網を引き上げていくということで、どんな獲物がかかっているかドキドキです。

今日の収穫、イシダイにキジハタ、シマダイなど

あがってきたのは、イシダイやキジハタ(別名アイナメ)、シマダイにオコゼ、サザエまで!網が海底をすくって、一緒に取れるんだとか。実は漁師の祖父をもつ私ですが、漁を目の前で見たのは初めて。岸からわずか2~3kmほどの沖で、けっこういろんな魚がかかると喜ぶ私に、漁師さんは「昔に比べて漁獲の絶対量が減った」と話します。漁獲高の減少、漁業の担い手不足など、漁業をとりまく深刻な課題も教わりました。 


漁師さんの話に真剣に耳を傾ける久保さん

 漁師小屋に戻ると、漁師さんたちと話をする久保さんですが、おもしろかったのが会話のテンポのよさ。「また舟に乗り来るで」、「来んでええわ」と冗談まじりで言葉をかわしながらも、漁師さんの不満や思うところにきっちり耳を傾けます。今回の体験メニューを形にするには、漁師さんや海上タクシー、おかみさんなど、地元のみなさんの協力なくしてはすすめられないところ。久保さんは「みんな知らん間に巻き込まれていって」と言いますが、職種も気質もちがう人たちの間で調整ごとをすすめていけるのは、はきはきと明るく、それでいて相手の意見に耳を傾けられる、柔軟な久保さんのお人柄があってこそだと感じます。
 今回、食の豊かさというものについて考えさせられました。まちには、あらゆるジャンルの飲食店が並び、スーパーにも年中を通して、ほしい野菜のほとんどが用意されています。多くの選択肢があるということは、本来幸せなことなのだと思います。しかし、真に豊かな食とは、私たちにたくさんの選択肢があることなのでしょうか。家庭料理が減っている、植物が生命をつないでいけない、生産現場が元気でない…。選択肢が増える一方で、失っているものもあるということを知らないといけません。たくさんの中からおいしいものを選べることも喜びですが、何を摂取すべきで、何を摂取すべきでないのかを知ったうえで選ぶことも必要です。今回お話を聞かせてもらって浮かびあがってきた、真に成熟した食環境へのキーワード。それはきっと、“昔からあるもの・地元にあるもの”。私も、今一度見つめ直し大切にしていきたいと思います。 (清水)



但馬食育研究会「スコラ」 
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山陰海岸ジオパーク推進協議会では、下記の事業を募集しています。

山陰海岸ジオパーク講座支援事業
~ジオパーク講座を開催する地域団体を募集します~

 地域住民の山陰海岸ジオパークへの関心を高めるため、山陰海岸ジオパークに関する講座を開催する、公民館や自治会、ガイド団体等を対象に講座開催に係る経費を支援します。

1 補助対象となる者
①兵庫県但馬地域3市2町にある公民館、自治会、ガイド団体等の地域団体及びグループ
②山陰海岸ジオパーク内(京都府・鳥取県)にある市町の公民館、自治会、ガイド団体等の地域団体及びグループ

2 補助対象事業 
補助対象となる者が講師を招いて受講者5人以上で、2時間程度の講座を企画実施する場合に5万円を上限に支援します。

3 補助対象期間・補助金額
補助対象期間 2016年2月28日まで
補助率 定額
補助金額:上限5万円 (※予算の範囲内で10件程度を予定)

4 申請手続き
山陰海岸ジオパーク推進協議会に問い合わせていただくか、交付要綱を確認してください。

5 お問い合わせ先
山陰海岸ジオパーク推進協議会
〒668-0025 豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内)
TEL 0796-26-3783

詳細について、および、交付要領・申請書のダウンロードは、こちらのページをご覧ください。
http://sanin-geo.jp/modules/geopark/index.php/kzshien.html



平成27年度山陰海岸ジオパーク「保護保全活動支援事業」
~ジオパークを守る活動を行う地域団体及び遠方からのサポーターを募集します~

 山陰海岸ジオパークの貴重な地形・地質、自然環境の保護保全を図るため、ジオサイトで地域団体等が行っている清掃活動や自然環境の再生・維持活動等の保護保全活動にかかる経費の一部を補助します。
 また、近年遠方からの保護保全活動への参加者が増えており、これらの人達がより多く参加できるように、山陰海岸ジオパーク外からの参加者(サポーター)を今回新たに支援します。

1、補助要件
(1)補助対象とする団体
山陰海岸ジオパークのジオサイト(別紙参照)で保護保全活動を行う団体(個人は対象外)
(2)補助対象事業の区分
① 保護保全活動補助(地元団体)
地元の団体(個人は対象外)による、保護保全活動全般を対象とします。
② 【新規】保護保全サポーター補助(外部団体)
地元の団体が企画・実施する保護保全活動に、山陰海岸ジオパーク外から、概ね10名以上で参加協力する際の移動にかかる費用を対象とします。
(3)補助対象となる活動
平成27年4月1日から平成28年2月28日の間にジオサイトで行う次の活動
① 清掃活動
② 自然環境の再生・維持活動
③ 巡視活動
④ 遊歩道等の整備・補修活動
⑤ 希少な動植物の保護活動
⑥ 保護保全のためのPR・調査研究
(4)補助対象となる経費
① 保護保全活動補助(地元団体)
〈謝金〉…事業の遂行に必要な専門的な指導・助言等を受けるために、樹木医等の専門家に謝礼として支払う謝金
〈消耗品費〉…軍手、ごみ袋などの消耗品の購入経費
〈燃料費〉…草刈機、チェーンソーなどの燃料代、ごみの運搬にかかる車の燃料代
〈印刷製本費〉…調査研究の報告書や活動を広くPRするためのチラシ等の印刷経費
〈食糧費〉…活動に伴うお茶代(延参加人数×150(円)を限度とする)
〈保険料〉…傷害保険や賠償責任保険の掛金など
〈使用料・賃借料〉…レンタル機器などの借上げ料、会場使用料など
〈原材料費〉…補修材料などの購入経費
〈備品購入費〉…替刃、鎌、火ばさみなどの消耗品や、草刈機、チェーンソーなど備品の購入経費
② 保護保全サポーター補助(外部団体)
〈使用料・賃借料〉…移動にかかるバス代(運送事業を営むバス会社)、レンタカー事業者からの車両借り上げ費用、又は、公共交通機関の乗車等代金
(5)補助金額
① 保護保全活動補助(地元団体)
補助率:定額
補助上限:1団体あたり5万円
② 保護保全サポーター補助(外部団体)
補助率:1/2
補助上限:1団体あたり10万円

2、申 請 期 間
2015年12月28日(月)まで順次受付

申請書のダウンロードや、詳細については下記のページをご確認ください。
http://sanin-geo.jp/modules/geopark/index.php/27hogohozen.html

また、申請書は窓口でも配布、受付できます。

【申請書の配布・受付先】
●山陰海岸ジオパーク推進協議会事務局
 兵庫県豊岡市幸町7-11 (兵庫県豊岡総合庁舎3F)
 Tel. 0796-26-3783
●京丹後市商工観光部観光振興課
 京都府京丹後市網野町網野353-1
 Tel. 0772-69-0450
●豊岡市環境経済部大交流課
 兵庫県豊岡市中央町2番4号
 Tel. 0796-21-9016
●香美町観光商工課
 兵庫県美方郡香美町香住区香住870-1
 Tel. 0796-36-3355
●新温泉町商工観光課
 兵庫県美方郡新温泉町浜坂2673-1
 Tel.0796-82-5625
●岩美町商工観光課
 鳥取県岩美郡岩美町浦富675-1
 Tel. 0857-73-1416
●鳥取市経済観光部鳥取砂丘・ジオパーク推進課
 鳥取県鳥取市尚徳町116
 Tel. 0857-20-3036


お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp