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更新日:2015年10月22日

出町 慎さん(佐治倶楽部) 丹波市

佐治倶楽部 出町 慎さん

 元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 宿場町の面影を残すまちなみに静寂の時が流れる丹波市青垣町佐治。ここに空き家を活用して、地域の再生に向けたさまざまな仕掛けづくりを行う団体、佐治倶楽部があります。倶楽部を立ち上げた今月のキラリすと、出町慎さんは奈良県の出身。Iターンで佐治に来て約9年、地域の人と二人三脚でまちづくりに携わってきました。出町さんが考える移住のカタチ=“関わり続ける定住”について、今回詳しくお話を聞きました。

人とまち、つながり続ける定住のカタチ

宿場町佐治のまちなみ

 周囲を山々に囲まれた自然豊かな丹波市青垣町。その中心部に位置する佐治は、京都丹波口から亀岡を通り篠山城下や但馬国へ続く丹波街道の要衝で、古くから宿場町が形成されてきました。街道沿いに並ぶ商家からは、和紙や佐治つむぎ、丹波布などの「市」が開かれた市場町としてもにぎわっていた頃の面影を感じることができます。現在230軒ほどの家が立ち並ぶ佐治ですが、そのうち空き家は2割ほど。県内全体でも、増える空き家への対策が急がれますが、ここ佐治でも空き家対策は課題のひとつとなっています。現在、佐治で2軒の空き家を活用して、地域内外の住民や都市部の大学生を中心に、まちづくりを行う佐治倶楽部。その発起人、出町慎さんと佐治との出会いは2006年にさかのぼります


佐治倶楽部の拠点のひとつ「佐治スタジオ」

 ・・佐治倶楽部、立ち上げの背景を教えてください。
 2006年日本建築学会近畿支部主催で、佐治を舞台にしたまちづくりシナリオを考えるという募集が行われました。当時、関西大学建築環境デザイン研究室に所属し、空き家を改修・活用したまちづくりを行うというシナリオを作ったのが僕と佐治との出会いです。このシナリオは丹波市長賞に選ばれ、実現に向けて動き出すことになりました。地元の人との交流会やワークショップを重ねて、翌年6月に空き家を活用した第一号のまちづくり拠点「佐治スタジオ」が開設。そこから本格的にスタジオの改修作業が始まりました。改修作業は約1年をかけて完了し、佐治スタジオは関西大学の学生と地域の方によるまちづくり活動の拠点としてスタートしました。
 佐治スタジオは当初、大学研究の場として国の補助金などバックアップを受けて始まりましたが、「この体制のままだといずれ活動に終わりが来るのではないか。なにより地元の人のよりどころになるには、学生が滞在する、しない時期に関わらず、年間365日開けておくべきではないか」と考え、2011年1月このスタジオを運営する佐治倶楽部を立ち上げました。

佐治倶楽部ミーティングのようす

 ・・どういった方々が活動していらっしゃいますか?
 佐治倶楽部は30代から60代の、学生や社会人、職業もさまざまな会員で構成しています。会員数は増え、現在45人の会員がいますが、そのうち丹波市内の方が30名以上。市外から来る方もいらっしゃいます。今は「佐治スタジオ」と、もうひとつの空き家活用拠点「本町の家」の2軒の拠点があり、どんな風に拠点を活用できるか、どんな活動をしていきたいかみんなで決めていっています。倶楽部では、やりたいことを実現するために、会員同士で「部」をつくって、それぞれの部で活動しています。例えば、定期的にカフェなどを開く「調理部」、佐治の情報紙を作る「編集部」、丹波の木材で家具などを作る「木ぃ部」なんかがあります。ちなみに僕は「全部」に所属して(笑)、倶楽部事務局の運営なども行っています。


佐治ゲリラガーデンマーケット

 ・・部活動のような感覚で活動できるのは、楽しそうですね。
 
そうなんです。ミーティングでは「こんなんやってったら、いいんじゃない?」と、いつも前向きな意見が出ますよ。そうして実現に至っている活動は、カフェだけで4種類。カフェによって出店者やメニュー、開催のペースが異なります。ほかに、僕もカウンターに立つ月1回開催のバーや、毎月定例の茶道・生け花教室、都市部の花屋さんが1日限定でお店を出す「佐治ゲリラガーデンマーケット」など数々あります。いろいろやってみて思うのは、空き家は地域の資源だということ。空き家という空間はいろんな可能性を持っています。催しをしたりして、まずはここに足を運んでもらうきっかけをつくる。そんな小さなきっかけを作り続けることで、だんだん「まちの居場所」になっていくんです。僕たちの目標は、単に人が集まるイベントをつくることではなく、まちにどのような空間、交流、暮らしをつくることができるかを提案し、実践していくことなんです。



兵庫丹波の奥丹波 山と田んぼの物産展

 ・・大阪の方でもイベントを行っているそうですね。
 
大阪市北区の天神橋筋商店街にある関西大学リサーチアトリエという地域研究・社会連携のための活動場所があるんですが、2012年3月から年に3~4回のペースで「兵庫丹波の奥丹波 山と田んぼの物産展」と題した出張販売を行っています。これが大阪の人に大好評で、お客さんからは「丹波の野菜かぁ。買って帰ろうか」「丹波の木工品、ええなぁ」と喜んでもらい、商店街からは「“本物”がやってくることで、ほかの商店街との差別化にもなる」と言ってもらえています。
 メンバーも、地元の中で見る佐治の評価と、都市部での評価のちがいに驚いています。都市部でのそうした交流が楽しくて「また行きたい。もっといろいろ出ていこう」と言う会員もいるんですよ。そんな風に反響を肌で感じることが、地元・佐治への意識や関わり方を変えるきっかけになっていったらと思います。たまに物産展で「以前、丹波の辺で働いてたんや」とか声をかけてもらうことがあるんですが、都市部の人には都会にいながら丹波を感じてほしいと思っていますし、もっと言えば、そのなかでも丹波出身の人にこそ発信を届けたい。「丹波でおもろいことやってるんだ」と気づいてもらって、Uターンをしてほしいんです。



木のぬくもりが温かな本町の家

 ・・と言う、出町さん自身はIターンですよね?
 
そうなんですけどね(笑)。僕以外にも、佐治へIターンで越してきた人は何人かいるんですが、日本全体の人口が減り続けていくなかで、特定の地域ばかりに移住者が増えたり、田舎同士でIターンの取り合いみたいになったりするのもちがうと思うんです。“どのまちに住むか”ではなく“どうまちと関わり続けられるか”。今、自分自身は佐治に住んでいますが、地元・奈良市や淡路島ともつながりをもっています。地元・奈良市には、これまでの経験を生かしてなにか還元できたらと思いますし、淡路島とは親しい淡路瓦師さんを介してつながっています。居住地ではないので、これらのまちに税収は納められないですが、人の動きがあることで情報も運ばれますし、経済的な流れも期待できますよね。ある場所に住まいを置きながら、別のまちとも関わり続ける、そんな定住のカタチを提唱しているんです。
 実際、田舎に移住するには仕事の問題などがあります。それを解決するのが“兼業”だと僕は思っています。それも前向きな兼業です。僕自身は建築士をしながら、こういった活動をしていますが、田舎で安定して暮らしていくには、すきま産業のような、地域のちょっとした困り事などを仕事化して暮らしていくという方法もあるのではと思うんです。海外に目を向けると、もっと人口が少なくても自立して、村人自身が「いい村やろ?」と言う幸せな村もありますし、これからの成熟社会に向けて、“労力”と“アイデア”で生きていかないと、と考えています。


地元の食材を使ったCafeUriucaのランチ

 私が訪れた日は、佐治スタジオでは「CaféUriuca」、本町の家では「いしやカフェ」というカフェが開店していました。CaféUriucaは、いずれ飲食店を出したいという会員さんが、いしやカフェは、地元のお母さん方へ恩返しをしたいという会員さんが開いているんだそう。いしやカフェの店主さんは、寒い日も暑い日も、お母さん方が道端で立ち話をしているのを見ていて、「お母さん方には自分も子育てでお世話になったし、だったら、ゆっくりお茶して話ができる場所をつくろう」と週3回、カフェを開くようになったんだとか。町屋の雰囲気を残したまま、木のぬくもり温かな空間に生まれ変わったこの家には、地元の人たちの明るい笑顔が集まります。

笑顔が集まる佐治スタジオ

 “自分の住むところ以外のまちと関わり続ける”と聞くと、一見大変そうなイメージがわきますが、“好きなまちの好きな人たちとつながる”と考えれば、誰しもそんな場所のひとつやふたつ、あるもので、出町さんの考える“関わり続ける定住”を自然に実践している人は案外いるのかもしれません。「10年前、こんな風にできたらいいな」と考えていたことが実際に形になっていき、日々感動を覚える、と話す出町さん。「佐治でのまちづくりは、外からの要因に頼りきらず受け身にならず、みんなでつくりあげていっているという感覚があります。まだまだ種を植えたばかりの状態ですが、気づけばもう約10年。これまでやってこれたことへの感謝の気持ちしかない」と続けます。今年からは新しく2人の大学院生が倶楽部の活動に加わり、さらにもうひとつ新たに空き家を改修する予定もあるんだそう。みんなで佐治のまちを耕し、まいてきたその種には、これからも佐治の人を笑顔にする花実がつき続けることでしょう。 (清水)


◇佐治倶楽部◇
 事務局:関西大学佐治スタジオ
 〒669-3811 兵庫県丹波市青垣町佐治683
 Tel:0795-86-7078
 HP:http://sajiclub.jimdo.com/


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~兵庫の丹波と京都の丹波にまたがる“大丹波”の魅力を発信しませんか?~
 「大丹波観光サポーター」募集のお知らせ

「大丹波観光サポーター」は特別に難しいことを行っていただくのではありません。
知人、友人、グループ、団体、職場等の関係者に丹波地域の魅力や特色などの情報を口コミで発信して、丹波への訪問、交流を応援していただくものです。
“大丹波”とは、歴史的・文化的につながりが深く、兵庫県の北東部に広がる兵庫丹波(篠山市、丹波市)と、京都府の中部に広がる京都丹波(福知山市、綾部市、亀岡市、南丹市、京丹波町)の6市1町で、豊かな自然と文化に彩られた美しい地域です。

~大丹波観光サポーター 募集要項~
〈条件〉
大丹波地域に関心をもち、地域の応援団としてご支援いただける方
〈役割〉
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〈任期〉
1年間(平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)
引き続いて活動いただける方は毎年度末に更新します。
〈顕彰等〉
サポーターの活動について報酬等はありませんが、優れた活動報告をしていただいた方のなかから抽選で、丹波地域の特産品等を贈呈いたします。
〈活動支援〉
四季折々の丹波地域の観光情報やイベント案内情報をお届けいたします。
〈登録申込方法〉
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[携帯電話] https://e-hyogo.elg-front.jp/uketsuke/iform.do?id=1306387368799

当該サポーターの登録申込みに係る個人情報については、安全かつ厳重に管理し、大丹波観光サポーターに関する情報提供・連絡のみ活用し、これらの目的以外の利用は行いません。

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