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更新日:2016年3月29日

畑本 康介さん (龍野城下町むかしみらい学校)たつの市

畑本 康介さん

 元気な地域づくりの担い手を直撃インタビュー!キラリと光る活動や人柄をご紹介します。
 各地に押し寄せる過疎高齢化の波。ここ、たつの市の龍野城下町も例外ではありません。増える空き家対策や、観光客・移住者の誘致は早急な検討課題です。町の特色を生かしながら、マイナスの要素をどうプラスに変換していくことができるのか・・・。町の存続だけでなく、住民個人の幸せやよりよい暮らしをどうすれば守ることができるのか・・・。今回は、温故知新の精神で城下町に新たな風を吹き込む、「龍野城下町むかしみらい学校」代表の畑本康介さんを訪ねました。

街並みと暮らしぶりを『龍野ブランド』に

龍野城

 春には桜が咲き、淡いピンク色に包まれる龍野城。今から約500年前に赤松村秀によって山城が築かれ、寛文12(1672)年には今と同じ場所の山麓に築城されました。本丸御殿や白亜の城壁、隅櫓(すみやぐら)などが復元され、たつの市のシンボルとして存在し続けています。たつの市龍野町。この一帯は城下町としても栄え、歴史を感じさせるたたずまいの家屋が立ち並ぶ場所。この町並みを守り続けるために奮闘するグループが、「龍野城下町むかしみらい学校」です


 むかしみらい学校のメンバー

・・グループ名の「むかしみらい学校」にはどんな思いが込められているんですか。
 現在、私は城下町の町並み保全や活性化のために活動する「NPO法人 ひと・まち・あーと」の代表理事を務めています。主には移住者のサポートをしたり、空き家などを改装してそこに出店する人の相談などにのったりしています。NPOを運営する中で、新しく町にやってくる人に龍野の町のことを理解してもらう必要性を感じました。歴史的背景はもちろん、この町の特色や人々の暮らしぶりをよく知ることで、町の一員になるんだという意識をしっかり持ってもらえると思ったからです。そのための情報交換の場として、去年「むかしみらい学校」をつくりました。昔を知って、みんなで未来をつくっていく。そんな学びの場でありたいという思いから「学校」と付けています。現在主要メンバーは10人ほどで、この地域を好きになった人たちが西播磨や神戸から通ってきてくれています。



龍野の町家

・・龍野の町にはどんな特徴があるんですか
 城下町の歴史ある雰囲気をしっかり残している町、というのが特徴ですね。町家は、江戸・明治・大正時代の建物が混在していて、それぞれの趣を感じられます。

ルネッサンス様式の建物も

おまんじゅうやさん、呉服店、こうじや砂糖の専門店など、昔から代々続くお店もあれば、最近はカフェや美容室などが空き家に入り、新旧様々な店舗が軒を連ねているのも特徴です。通りを歩けば、気になる店に出合えると思いますよ。

こうじの専門店

 また、日常の風景も大きな魅力のひとつなんです。例えば、毎朝おばあちゃんが家の前の道をホウキで掃いています。だから道にゴミがおちていません。洗濯物を人目に付くような場所には干していません。だから、景観が守られています。見過ごしがちですが、日本の古き良き習慣がここにはちゃんと残っています。脈々と受け継がれてきた、この地域の人たちにとって「当たり前」のライフスタイルは、世界に誇れる立派な文化だと思っています。

 




 龍野の町並み

・・それは外国人観光客にもアピールできるポイントということですね。
 外国の人がイメージする日本の奥ゆかしい生活は、昔ながらの質素な暮らしではないでしょうか。「質素」というとマイナスイメージに捉えられがちですが、我々はプラスのイメージで「質の高い、素朴な暮らし方」として発信していきたいと思っています。この町には、観光客向けに何かを作ったりイベントを開いたりという派手さはありません。でも、日本の歴史や文化に興味があり、ゆっくり落ち着いた城下町やつましい昔ながらの生活の様子を見たいという方にはぴったりの場所だと思います。ぜひ龍野まで足を延ばしてほしいですね。




龍野の町並み




・・「町並みや生活風景を残す」ことは大変な作業ですよね。

 
住民の高齢化の問題もあり空き家は増える一方で、実際ここ5年くらいの間で急激に家屋の取り壊しが増えてきました。取り壊されて空き地が増え、町の空気が変わったような気がしているのは住民のみなさんも同じだと思います。町が壊れてきている→守らなければならない→そのためには空き家を活用していかなければならない!このことに理解を示してくれる方は増えてきました。古い建物は、雨漏りもすれば家としての強度も弱い。でも屋根をふき替え、柱を補強して見た目を「復元」しただけではダメなんです。どう「活用」していくかが重要なんです。そこに人が住み、ビジネスをして修繕費を生み出せるような循環をつくることが、100年後も200年後もその町家を存続させ、ひいては町を保っていくために必要なことなんです。まさに今、街を守るために住民が一丸となる時期に来ているんだと思います。


改装するメンバー

・・今、「ふるさと」というバーの復活にも力を注いでいますね。
 「むかしみらい学校」を一年やって感じたことは、「町の人ともっと話をしないといけない」ということでした。そこで町にみんなが集まれる場所をつくりたいと思い、目を付けたのが「ふるさと」でした。ここは元々「スタンドBARふるさと」として50年以上街の人々に愛されましたが、3年半前にオーナーが亡くなり、閉店してしまいました。50年以上の店の歴史は町の人々の歴史でもあります。

改装するメンバー

「初めてお酒を飲んだのはここだった」とか「毎晩みんなで集まっていた」とか・・・「ふるさと」の思い出話は尽きません。コミュニティスペースとして活用するにはぴったりの場所ですよね。去年夏から解体工事に取りかかり、壁塗りなど自分たちでできることは「むかしみらい学校」のメンバーでやっています。「ふるさと」復活の知らせに、「オープンはいつか?」と町の人からの問い合わせも多く、みなさんの期待も感じてうれしく思います。

以前のカウンター

 <以前のカウンター>

改装中のカウンター

 <改装中のカウンター>

 生まれ変わった「コミュニティBARふるさと」は、営業スタイルが少し変わっています。「日替わりマスター制度」なんです。毎日、違う人がマスターとなって店に立ちます。例えば移住希望の人がマスターになれば、お客さんから町の情報を聞くことができますし、またどんな思いでこの場所に移住してくるのかを知ってもらうこともできます。住民と新しくやってくる人が情報交換したり、町の未来について意見交換したりすることができる、そんな楽しく学ぶ場所になっていってほしいと思います。



・・これから、龍野のどんな未来を描いていますか
 町を存続させるために観光客や移住者の対策も大切ですが、私たちが何より大切にしていきたいのが「住民の普通の暮らし」です。住民が幸せを感じられる町でなければならないと思っています。先日、高齢で毎日食事を作るのが大変だという方のお話を聞いて、すぐにカフェでお弁当の販売ができないかどうか相談をしました。手作りのお弁当なら、気軽に買えるうえ栄養もきちんととれます。地域のニーズをしっかり聞くことは、商売の基本ではないかと思うんです。困っていることがあったらみんなで解決していく。それが当たり前にできる町であり続けたいです。
 そんな暮らし方がすてきだな・・・そんな町を見に行ってみたいな・・・そんな町に住みたいな・・・と憧れてもらえる場所をこれからつくり上げていければいいですね。町並みと人々の暮らしぶり、それが合わさって「龍野ブランド」に育っていくと信じています。まずは、5年後を目指して頑張ります。




取材先の「ふるさと」にて

 「コミュニティBARふるさと」は、4月8日に待望のオープンです。看板や外観は、町の人たちが入りやすいようにあえて昔のまま。内装は、若者も居心地がいいようにオシャレな空間に仕上がる予定です。人々の郷愁を誘う「ふるさと」にあかりが灯り、新たな交流が生まれ、思い出と歴史が再び刻まれ始めるのは、本当に感慨深いことでしょうね。
 取材中、畑本さんに町を案内していただいていると、「何しているの?」「この前はありがとね!」と住民の方が何人も声をかけてきました。相生出身の畑本さんですが、すっかりこの地域に溶け込み、町の一員として頼りにされていることが感じられます。持ち前の明るさはもちろん、コミュニケーションを大切にしてしっかり人の言葉に耳を傾けてきた結果ではないかと思いました。畑本さんが龍野の街を好きなこと、取り組みを心から楽しんでいることがみなさんにも伝わっているのだと思います。
 今年は明石や大阪から移住してくる人たちもいるようですし、9月には町に新たなゲストハウスも完成予定。ますますにぎわいが増しそうです。「龍野らしさ」を「龍野ブランド」にしていく取り組み、今後も目が離せませんね。
 (高曽根)


≪コミュニティーBARふるさと≫
※4月8日オープン予定です。
定休日や営業時間が変動することがありますので、お問い合わせのうえお出かけ下さい。
●定休日:不定休
●営業時間
・ランチ&カフェ 午前11時~午後4時
・バー&夜カフェ 午後6時~午後11時
●問:0791-63-5001(NPO法人 ひと・まち・あーと)


≪平成28年度「ふるさとづくり青年隊」事業実施団体 募集中!≫

 「龍野城下町むかしみらい学校」も参加した「ふるさとづくり青年隊」の募集です。この事業は、「地元青年」と「他地域青年」で構成する「ふるさとづくり青年隊」が、地域の活性化や課題解決に取り組む団体等と連携して、若者のふるさとへの関心や地域貢献への関心を高め、このことを通じて、地域づくりの核となる人材を育成していくことを目的としています。
 地域の活性化や課題解決にあたり、地域外の若者を受け入れ、若者とともに考え、ともに地域づくりに取り組む地域団体等を募集します。

平成28年度「ふるさとづくり青年隊」募集要項

お問い合わせ

部署名:企画県民部 広報戦略課

電話:078-362-3016

FAX:078-362-3903

Eメール:kaigaikouhou@pref.hyogo.lg.jp