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更新日:2009年9月15日

新型インフルエンザ対策検証委員会について

 国内で初めて感染者が確認された新型インフルエンザに対する、兵庫県のこれまでの対応について、6月15日に「兵庫県新型インフルエンザ対策検証委員会(委員長:岩尾總一郎 前WHO神戸センター所長・国際医療福祉大学副学長)」を設置し、同委員会において検証を進めてきた。このたび、報告書がまとまり、県に対して報告がなされた。

趣旨

 新型インフルエンザに対する兵庫県等の対応を検証し、その結果を兵庫県新型インフルエンザ対策計画や今後の対策に反映させることにより、新型インフルエンザ対策の充 実強化や県民の安全・安心のための備えの充実に資する。

検証の柱

検証委員会では、次の5つの柱を立て、総合的視点から検証を行った。
 (1) 医療提供体制及び接触者対応のあり方
 (2) 患者情報の伝達、共有のあり方
 (3) 社会活動の制限と県民生活維持対策のあり方
 (4) 広報・リスクコミュニケーションのあり方
 (5) 行政システムのあり方

検証体制と経過

1 検証委員
氏名(五十音順) 所属・役職
姉川 詔子 芦屋健康福祉事務所長
荒川 創一 神戸大学医学部感染制御部長
伊藤 紀子 弁護士・県健康対策協議会感染症対策専門委員会委員
岩尾 總一郎(委員長) 前WHO神戸センター所長・国際医療福祉大学副学長
岩田 健太郎 神戸大学大学院医学研究科教授
内田 幸憲 神戸検疫所長
河上 靖登 神戸市保健所長
田中 淳 人と防災未来センター上級研究員・東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター長・教授
谷澤 義弘 社団法人兵庫県医師会副会長
藤原 久義 県立尼崎病院長
室﨑 益輝 人と防災未来センター上級研究員・関西学院大学総合政策学部教授
森本 和憲 日本放送協会神戸放送局長
山下 淳 関西学院大学法学部教授
山村 博平 県立健康生活科学研究所長
慶山 充夫 株式会社神戸新聞社論説副委員長

2 検証経過
 平成21年6月15日   第1回検証委員会(検証項目、検証の進め方等についての協議、決定等)
             6月23日   医療関係ワーキングの開催
             6月29日   医療関係ワーキングの開催
             7月2日    第2回検証委員会
             7月13日   第3回検証委員会
                           関係者等からのヒヤリングをあわせて実施
                            ・小林公正(兵庫県保育協会会長)・瀧淑郎(兵庫県老人福祉事業協会デイ部会長)
             7月17日   第4回検証委員会
                           関係者等からのヒヤリングをあわせて実施
                            ・岡野幸弘(兵庫県立神戸高等学校長)・和田耕次(社団法人有馬温泉観光協会事務局長)
                           「当面とるべき医療体制について」提言
             7月29日   第5回検証委員会   
             8月3日    第6回検証委員会 
             8月24日  第7回検証委員会(検証結果のとりまとめ)
             9月3日   第8回検証委員会、県への検証報告

主な提言

1 提言における対策の枠組み
(1) 対策の考え方
重症者の発生状況によって3つのモデル的な対策オプション(対策レベル1~3)を用意する。
重症者の発生状況と、流行状況の組み合わせには、様々な場合があり得るため、実際に実行する対策は、対策レベル1~3を参考に、適宜選択していくことを提案する。
たとえば、現状(平成21年9月初旬)では、感染者数、重症者数とも比較的少数であるため、基本的に「対策レベル1」を採るが、県内定点の平均患者数の急増など、感染者数や重症者数が大幅に増加する兆候が現れた場合には、病床確保等一部の対策項目を「対策レベル2」の対策に切り替えて実施することになる。
対策項目の選択にあたっては、学識者の専門的な意見を聞いて決定することが適当である。

(2)新たなインフルエンザへの対応
H5N1ウイルスによる新型インフルエンザ等、まったく異なるウイルスによるインフルエンザが発生する可能性もあるため、初動期における海外からの侵入防止も含めた封じ込め対策の実施などを盛り込んだ対策レベル3を設けた。

2 主な提言
(1) 医療提供体制等
○ 県民に対する相談体制
新型インフルエンザ専門相談窓口を設置するべきである。(対策レベル2、3)
○ 医療機関等に対する情報の提供
インフルエンザに関する情報を一元的に集約し、医療機関に対して発信する情報発信センターの構築を検討するべきである。(各対策レベル共通)
○ 外来医療体制等
・ 発熱患者が増加し、医療機関の診療に支障を来すことが予想されるため、経過観察の検査など、数週間の延期が可能なものについて検討し、適切な重症患者への医療提供を図るべきである。(対策レベル2)
・ 慢性疾患等を有する定期受診患者に対して、ファクシミリ等を活用して抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを発行する体制を確保するべきである。 (対策レベル2)
○ 入院医療体制
・ 当面の目標として、入院協力医療機関の主に重症患者に対応する200床の確保を図るべきである。(各対策レベル共通)
・ 病状により入院期間を調整したり、同じインフルエンザ様患者については同じ病室や病棟で集中させるなど、病床確保に努め、重症患者への医療提供を図るべきである。(対策レベル2)

(2) 社会活動の制限
○ 学校、保育所・福祉関係事業所等の休業
対策レベル3において面的制限の実施を検討するべきであるが、これに備えた学校の体制整備、保育所・福祉施設の代替機能の用意が必要である。
○ 企業等の事業活動の自粛
可能な限り事業者の自主的な判断を尊重するべきである。
ただし、対策レベル3では、不特定多数の者が利用する施設を運営する事業者、不特定多数の者が集まるイベント等の主催者に対しては、事業活動の自粛を要請することも想定するべき。

(3) 広報・リスクコミュニケーション
<新型インフルエンザ関連情報の共有>
○ 個人情報取扱方針の策定
対策にあたって、個人情報が他に漏洩し、あるいは他の目的に利用されることのないよう、また、患者が自らの個人情報がどこでどのように取り扱われるかを事前に知ることができるよう、個人情報取扱方針を定めて公表しておくべきである。 (各対策レベル共通)
○ 市町への情報提供
患者が発生し、あるいは在住する市町に対して関係する患者の情報を提供するべきである。
そのためには、市町新型インフルエンザ対策計画に、患者情報を利用した具体的な対策や、個人情報保護方策を記載しておくなどの条件整備が重要である。(各対策レベル共通)
○ 患者発生施設(学校、事業所等)への情報提供
必要な範囲に限り、施設等に対し、所属する患者の個人情報を提供するべきである。
情報提供にあたっては、患者の個人情報の取り扱いに関するガイドラインを示すなどにより、患者に不利な取り扱いがなされないよう、徹底する必要がある。(各対策レベル共通)
○ 報道機関に対する情報提供
患者が所属する学校・事業所名や、患者が入院している医療機関名の公表は、感染拡大防止上の必要性と、患者や学校・事業所、医療機関に対する影響の大きさを慎重に比較衡量して対応するべきである。(対策レベル1、2)
<風評被害対策>
○ 安心情報の発信
インフルエンザ定点における感染状況等のデータをホームページ等で提供するなどして、県民が自ら感染の危険性や防御行動の必要性を判断できるデータを提供するべきである。(対策レベル1)
○ 普及・啓発活動
一部で感染症に対する無防備、無理解が見られるため、感染症に関する県民への知識の普及に取り組むべきである。(各対策レベル共通)

(4) 行政システム
○ 法制度の見直し
1) 都道府県を中核としたシステムへの転換
現在国(厚生労働省)が担っている役割と権限を、都道府県に分権する方向で法制度を見直すべきである。
・ 都道府県に対する調整権限の付与
・ 広域調整のしくみの検討
2) 危機管理の発想の組み込み
都道府県や市町村が危機管理として新型インフルエンザ対策に取り組むことができるよう法制度を見直すべきである。
・ 対策本部、対策計画の法的位置づけの明確化
・ 社会活動制限の法的位置づけの明確化
・ 医療実施の要請・指示と補償
3) 地方自治体としての役割と責務の明確化
地方自治体としての市町村・都道府県の役割と責務を明確にし、適切な危機管理体制をとって相互に連携・協力を図ることができるよう、法制度を見直すべきである。
・ 市町村の役割の明確化
・  財源の確保 等
○ 県の体制の充実強化
1) アドバイザーの委嘱
機動的に対策を実施するため、専門家をアドバイザーとして委嘱して助言を求める体制を整備するべきである。 
2) 平常時における疾病対策体制の充実・強化
疾病対策体制を充実・強化するべきである。
3) 県庁業務継続計画(BCP)の作成
多数の県職員が数週間にわたり欠勤することを想定し、継続する重要業務を絞り込む業務継続計画を作成しておくべきである。

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お問い合わせ

部署名:企画県民部災害対策局災害対策課

電話:078-362-9833 

FAX:078-362-9911

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