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太市のたけのこ |
【生産地】 姫路市
【来歴】
姫路市太市地区におけるたけのこ栽培の歴史は古く、古文書によると、嘉永年間(1850年)に太市村中(現姫路市太市中地区)の親竹として『孟宗竹』を移植したのが始まりと記されている。以後、自家消費を対象に増反され、明治10年代に販売するまので産地となった。
当地は、県の西南部、播州平野の中央部に位置し、大津茂川流域の平野部と標高300m内外の太市山群に囲まれた地域である。
高い品質評価により産地化が急速に進み、明治43年頃には全村の農家だけ藪を所有するまでに至り、作付面積22ha、生産量約413tを算出していた。販売先は姫路市はもちろん、神戸市、西は岡山県、倉敷市に至っていた。
その後も、県下の特産物として順調に増反し、作付面積30~40ha前後で数十年を経過し、現在に至っている。
なお、太市のたけのこ組合では、大正13年に組合直営の加工処理施設を設置し、加工処理を加味した生産出荷方式が取り入れられている。
【特性】
「器量の山城(京都)、味の太市」といわれるように太市のたけのこは京都のたけのこに引けを取らない。やや急傾斜の鉄分を多く含む白い粘土層土壌で栽培されているため、白くて、柔らかく、きめが細かく、アクが少なく、形状がよいとして他産地のものと比較して高い評価を受けている。
【利用方法】
生食として煮物、てんぷらなど和食や中華、幅広く利用されている。また、缶詰加工もされている。
【問い合わせ先等】
《購入先》 姫路市及び周辺地域のスーパー
《販売時期》 3月上旬~5月上旬
《問い合わせ先》 太市筍組合 TEL:079-269-0034
姫路のれんこん |
姫路若菜 |
【生産地】 姫路市
【来歴】
ビニールハウス等による栽培が無かった昔、冬に露地で栽培できる貴重な葉物野菜であった。お正月用の青菜として、また冬場の貴重なビタミン補給として、新鮮な野菜を摂取するために昔から作られてきた。
品種の由来等、詳細は不明であるが、明治時代には栽培されていたと言われている。
昭和20年頃に障子紙による施設栽培方式が導入され、安定的に栽培が可能となったことから30年頃にかけて最盛期を迎えた。
昭和30年頃にビニールハウスが広がり、他の品種へと移り変わっていった。
【特性】
寒さに強く、真冬でも葉枯れが少なく、作りやすい
クセもなく、やわらかく美味しい
葉はつやのある淡緑色の丸葉である
茎は白く柔らかい
【利用方法】
漬物、おひたし、煮びたし等
【問い合わせ先等】
《主な販売先》 姫路市内のスーパーや直売所
《販売時期》 12月~3月下旬
《問い合わせ先》 姫路農業改良普及センター TEL:079-281-9331
【その他特記事項】
現在、出荷量はごくわずかである。
海老芋 |
【生産地】 姫路市
【来歴】
詳細は不明であるが、明治30年代には姫路市兼田地区で栽培されていた。当時は、水稲の台風被害が多く、所得を安定させるために栽培が広がったと言われている。昭和初期に天皇陛下に献上されていたと言われている。
昭和30年代に栽培の最盛期があり、32戸により5~6haが栽培されていた。当初は全国でも大阪(富田林)に次ぐ産地であり、主に京都へ出荷されていたが、最盛期には東京(神田、築地)、京都、下関、別府へと出荷を行っていた。
【特性】
里芋の一種で、親から子へ次々と増えて成長していくため縁起物としておせち料理などで重宝されている。特に、縞模様と曲がり具合が海老にそっくりなことから『えびいも』と呼ばれている。
この曲がりは、種芋を4月下旬に定植した後、8月まで3~4回の土寄せやかん水を行う。この土の重さで芋が逃げるように曲がっていくためにこの形が作られる。いわば人の入念な作業によりつくられる特産物である。
【利用方法】
煮物、揚げ物等
【問い合わせ先等】
《問い合わせ先》 姫路農業改良普及センター TEL:079-281-9331
【その他特記事項】
兵庫在来種保存会が中心となって海老芋保存会を設立し、面積拡大、普及、新たな栽培者の掘り起こしに取り組んでいる。
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