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令和5年全国広報コンクールに兵庫県から4作品が入賞!

2023年5月9日

担当部署名/総務部秘書広報室:広報広聴課地域広報班  直通電話/078-362-3019(内線2070)

 公益社団法人日本広報協会が主催する令和5年全国広報コンクールの総合審査会において、広報紙等5媒体10部門の審査が行われ、応募作品448点の中から、兵庫県内からは別紙のとおり受賞されましたのでお知らせします。

【兵庫県の受賞作品】
●佐用町「広報さよう」2022年12月号
部門
 広報誌(町村部)(応募作品:27点)
受賞
 読売新聞社賞・入選2席
審査評
 特集の姫新線とイベント記事で全体の半分以上を占め、読み物中心の構成となっている。町の人に読み物で楽しんでもらおうという意図が見える。鉄道記事は一般の人にも楽しく読めるような内容だが、すでに廃線になった他地域の状況をレポートすることで、廃線の危機感を伝える展開になっている。JRが発表した収支状況で、町を走る姫新線も深刻な赤字路線であることが示された。「廃線の危機は感じるが、何をしたらいいのかわかない」という声が多いことを受け、企画された。利用者数の推移など、エビデンスとなる具体的な数値を交え、ロジカルにストーリーを展開し、住民の意識・行動の変容をうながす企画構成になっている。地元鉄道が維持されるかどうかは地域の大きな問題であり、国の政策・議論とともに報道もされているが、地元の視点が深く掘り下げられた点に意味があり、今まさに重要な特集であったと感じる。広報誌では経営の現状と予算もわかりやすく紹介し、「私たちにとって」の路線をどうしていきたいかを皆で考えるきっかけの場となった。給食のお味噌汁コンテストに関する記事は少しほっこりする。

●洲本市「広報すもと」2022年11月号
部門
 広報紙(市部)(応募作品:67点)
受賞
 入選
審査評
 ひきこもり、潜在的ひきこもりに焦点をあてた特集。引きこもりになった原因は、怠慢や甘えではなく、
人それぞれに様々な要因が複雑に絡み合って不本意ながらそのようになったという“知識”がしっかり説明されている。だからこそ一人ひとりに寄り添ってその人なりの対応が必要で、そのために相談員と居場所があるのだという現に引きこもってもがいている人たちへの呼びかけが感じられる、思いやりのある作品となっている。ひきこもり問題を扱うのは難しい。ある人のひきこもりが解決できた例を示したからと言って、それが他のすべての人に当てはまるわけではない。それがわかっているから、どこまで紙面に示すかの葛藤があったことと推測される。問題にまじめに立ち向かおうとする姿勢に好感がもてた。単純に新設されたサポートセンターの紹介という見せ方ではなく、当事者のストーリー、当事者やご家族に寄り添った丁寧な取材、言葉やフォントの選び方、文字を詰め込みすぎない安心感のあるレイアウトや色合いなど、端々から「誠実さ」が伝わってくる編集であった。文章で説得しようとするのではなく、非言語で「余白=隙」が表現されており、自然と「相談してみようかな」と思えるデザインになっている点が素晴らしかった。

●佐用町「広報さよう」2022年7月号・表紙
部門
 広報写真(一枚写真部)(応募作品:61点)
受賞
 入選
審査評
 こどものアップ、昆虫目線がじつに愛らしい一枚。今にも飛び立ちそうで撮っている側もハラハラしそう
である。スマートフォンでの撮影。いまや、A4判の表紙に使えなくもない解像度も装備してきたので、今後増えてくるかもしれない。屋内のイベント撮影で、人混みなどの制約もあったと想像するが、スマホの手軽さ・機動性もあり、表紙写真として成立させることができた。画像全体のぼかし具合をみると多分、背景のぼかし効果を調整したのだろう。その効果で、読者の視線を子どもの目線とトノサマバッタに集中させている。昆虫と少年のキラキラとした瞳が印象的な写真だ。スマートフォンでの撮影は身近な分、大きなカメラより警戒心もなくなり、子どもたちの素早い動きなどにも対応しやすいため、こうしたイベントでは大活躍する。広角レンズが搭載されたスマートフォンは歪みやすいが、適切な距離感でポートレイトモードを上手に活かしている。

●多可町『広報たか「だいすき!taka」』2022年10月号・表紙
部門
 広報写真(組み写真部)(応募作品:33点)
受賞
 入選2席
審査評
 これはなんともチャレンジングであり映画的な雰囲気もあるアート性が高い作品だ。これまで、あまり見かけなかった新鮮な組み写真。みているこちらも引き込まれてしまうドラマ性があり曇り空だからなのか青みがかかる色味も雰囲気と合っている。あえて表情を見せていないのが想像を掻き立てられていい。タイトルも主張しすぎず、紙もマットな質感でこれなら若い世代でも思わず手にとってしまうセンスのある作品となった。視覚的な派手さや迫力でアピールするのではなく、静かに読者の心を引き寄せる写真といえるかもしれない。2枚の組み写真なので、対比的にするのはセオリーどおり。一方、「生きる」の語源のひとつは「息をする(息る)」とされているが、表紙のコピー「息る」と2枚の写真を重ね合わせ、「?」と感じた人もいるだろう。まるで映画の予告編を観ているように感じ、しばらく目が離せなくなってしまった。2枚しかない組み写真なのに、背景にある計り知れない物語の質の高さを垣間見た。上段の写真は手で顔を覆っているが完全に隠れていない状態が気持ちの奥行きを表現していて、絶妙なタイミングを狙っていて見事だ。下段の逆光の光が全体を優しく淡く包んでいるような演出がさらにドラマチックに表現している。1枚ずつでは表紙にはなれなかった写真が、2枚で1つの最高の表紙として、完成度の高さを感じた。