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更新日:2022年11月24日

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兵庫県にU・Iターンした5人 vol.3

 歴史や文化が異なる5つの国が合わさって一つになった兵庫県。神戸に代表される都市部もあれば、自然豊かな農山漁村もあり、世界に誇るものづくり企業の集積地や日本有数の観光地も。多様性に富んでいるからこそ、型にはまらない理想の仕事や暮らしが見つかるはず。

No.1 情緒あふれるまち並みと不自由のない生活環境が決め手となりました

千葉県船橋市→宇都宮市→名古屋市⇒豊岡市

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温泉街の老舗の宿で接客チームを束ねる

 

 柳が揺れる大谿川沿いに旅館やホテルが並ぶ城崎は、県内屈指の温泉地。その一角に立つ、創業160年の(株)西村屋が営む西村屋ホテル招月庭が冨松和幸さんの職場です。大学卒業後は名古屋の機械メーカーに就職したものの、もともと旅行が好きで「旅に関わる仕事、できれば宿泊施設で接客がしたい」と27歳で転職を決意。情緒があり、かつ不自由なく暮らせる観光地という条件で選んだのが、城崎温泉でした。「これまでいくつかの県で暮らしてきたので、特に不安はありませんでした」と振り返ります。

 客室係の出社は通常7時。朝食のサービスや客室の掃除を済ませ、11時半から16時半までの休憩を挟んで夕食のサービスなどをし、業務を終えるのは21時ごろ。「コロナ禍以前は外国人のお客さまも多く、日本流のおもてなしを喜んでいただけたのがうれしかったです」

 副部長に昇格した現在は、客室を担当することはなくなりましたが、朝食会場での案内業務のほか、スタッフのシフト作成などに力を注ぎます。

 1年単位の変形労働時間制のため、繁忙期は出勤が増える一方オフシーズンは休みが多く、連続休暇を取り自然の中でリフレッシュ。「城崎の外湯はもちろん、シルク温泉や新温泉町の湯村温泉にも行きました」

 昨年には、勤務先近くの社員寮から豊岡の市街地に新設された寮へ転居。通勤時間は車で15分かかるようになりましたが、日常生活に必要な物は近所でそろうので便利になったと感じているそうです。ふるさとから離れた地で着実にキャリアを積みながら、充実した日々を送っています。

 

(株)西村屋勤務

 冨松和幸さん Iターン

千葉県船橋市生まれ。栃木県にある大学の航空宇宙工学科で材料学を学んだ後、愛知県名古屋市の機械メーカーで5年間、主に製品の強度解析業務を担当。2014年、(株)西村屋へ入社。客室部に所属し西村屋ホテル招月庭の客室係を務め、昨年、同部副部長に昇格。約50人のスタッフをまとめている。

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△バックヤードで客室部のスタッフと朝のミーティング。

その日の業務内容などを確認します

 

No.2 自治体や職場の支援に感謝 プレーできる喜びをかみしめています

東京都墨田区→仙台市→京都市→さいたま市⇒淡路市

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白球を追い求めて始まった島での生活と仕事

 

 創業99年目の2007年に開発した生パスタが大ヒットし、直営レストランも盛況の淡路麺業(株)。泉由希菜さんは、近年の新入社員の中でも異色の経歴の持ち主です。東京生まれの彼女は6歳で野球を始め、高校卒業後はプロの世界へ進み、2歳上の姉・由有樹さんと共に活躍。しかし、資金難からリーグが消滅状態となり、クラブチーム「淡路ブレイブオーシャンズ」への加入を機に2021年1月に入社しました。

 「淡路市の紹介で工場を見学させてもらい、明るい職場だと思いました」と好印象を抱き、見学後にごちそうされたボロネーゼのあまりのおいしさに「ここでお世話になろうと決めました」。製造部の一員として、次々と流れてくる生パスタの重さを量り、袋に詰めたり、セットを組んだりするのが主な仕事です。「単純作業は好き。自分には向いています」

 ブレイブオーシャンズは元プロ選手の田中朋子監督が淡路市の支援を受けて立ち上げたチームで、由有樹さんも投手兼コーチとして名を連ねます。試合は主に週末に組まれ、練習は就業後に市の施設で週4日、練習のない日は市内のジムで汗を流します。「周りの協力のおかげで野球を続けられ、感謝しかありません」と言葉にも力がこもります。社内報で活躍が伝えられるなど、職場の仲間たちの応援も大きな励みです。「試合の翌日は社長にも結果を聞かれます」

 休みの日は、同居する由有樹さんやチームメートと神戸のアウトレット施設へ出掛けることも。「島暮らしは快適。ふらっと海岸へ出るだけでも気分転換になります。淡路に住んでよかったと思う瞬間ですね」

 淡路麺業(株)勤務

 泉由希菜さん Iターン

東京都墨田区生まれ。都内の女子野球の名門高校から仙台のプロチームに入団。以降、京都、埼玉のチームを渡り歩き、強打の捕手として活躍。2021年1月、淡路市を本拠地とするクラブチーム「淡路ブレイブオーシャンズ」に加入し、市内の淡路麺業(株)に入社。程なく侍ジャパン女子代表に初選出された。

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△一般向け生パスタのセット組み作業。

「ご家庭でも本格生パスタを味わっていただけます」

 

 

No.3 自分の描いた柄が製品として並んでいるとうれしくなります

奈良県生駒市⇒多可町

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播州織をデザインする仕事に日々奮闘

 

 

 「『どうしてこんな田舎に』と聞かれることも多いのですが、正直、働く場所はどこでも良かったんです。織物関係でデザインや企画の仕事ができれば」と打ち明ける植田梨紗子さんは、山々に囲まれた多可町にある桑村繊維(株)に入社して2年目の社員です。

 大学院では、自ら染めた布を使って立体的な作品を制作していた植田さん。「一人で突き詰める職人の道ではなく、組織の中でみんなと作る方が合っている」と就職活動をする中で見つけたのが、播州織の産地で織物の企画から工場での製造、販売までを手掛ける同社でした。

 次々と新作を生み出し続ける同社では、部署ごとに営業と企画の担当者がチームを組み、常時、オリジナル商品や注文品のデザインを考えて製品化しています。

 植田さんは主に女性向け商品を扱う部署で、希望通り企画担当者として活躍中。生地の厚さや風合い、トレンドなどを考慮して柄を描き、営業担当者と話し合いながら修正を重ねていきます。「先日、自分がデザインした生地がワンピースとなって売られているのを見掛けて、本当にうれしかったです」

 隣の西脇市内にある会社が借り上げた社宅から職場までは、車で10分ほどの距離。「ちっちゃな山がぽこぽこと連なるフォルムがかわいいなと思いながら運転しています」と、周囲の自然は癒やしになっているそう。「近所には何でもそろっているから、生活する上で困ることはないですね。大阪へも2時間足らずで行けるので、休日は気軽に学生時代の友人たちと出掛けられますし」と、初の一人暮らしを満喫しています。

 桑村繊維(株)勤務

 植田梨沙子さん Iターン

奈良県生駒市生まれ。京都の美術系大学、大学院で染織を専攻し、繊維産業を中心に就職活動。自分に合っていると感じた桑村繊維(株)からの内定を機に、移動手段を確保するため自動車学校へ通い、運転免許を取得。2020年4月の入社以来、デザインも車の運転も着実にスキルアップ中。

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△播州織の産地用に開発された専用ソフトを使ってデザイン。

「他と比べて動きが速く、操作しやすいです」

 

No.4 やりたいことを優先し就職 東京を離れることに抵抗はありませんでした

東京都江東区⇒神戸市

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時間に縛られない自由な働き方で神戸暮らしを満喫

 

 ユニークな商品展開でユーザーの心をぐっとつかむ(株)フェリシモは、神戸市に本社を置く通信販売会社。波止場に近いオフィスからは、神戸ポートタワーや大型船の往来など、港町らしい風景を眼下に一望することができます。「自宅からは自転車で通勤しています。風が気持ちよく、運動にもなります」と笑顔で話す廣中靖之さんは入社2年目。自社サイトの運用や、ウェブ上での販売企画などに携わっています。

 理系の大学でプロダクトデザインを学び、ものづくりや商品の企画・開発をしてみたいと同社に入社。「都内での就職も考えましたが、やりたいことを優先したかったので、東京を離れることに抵抗はありませんでした」

 コアタイムのないフレックスタイム制を導入する同社では、月ごとの規定時間を満たせば、自由に勤務時間を変更できます。「前日に長く働いたら翌日は早めに帰ったり、朝起きて体が重いなと感じたら遅めに出社したりと、かなり助かっています」。廣中さんの所属するチームでは基本的にはメールにやり取りで完結するため対面でのミーティングはほとんどなく、各自で業務の調整をすれば、休暇も取りやすい雰囲気だそうです。

 休日は、学生時代から毎年訪れていたという京都や奈良への小旅行が楽しみ。観光客が少ない土曜日の早朝に電車に乗り、「静かな雰囲気が好き」という神社やお寺へ赴きます。一方、買い物などは商業施設が集まる三宮や西宮へ。「東京や大阪ほど混雑しておらず、なおかつ必要なものが手に入る、ちょうどいいサイズ感の街だなと感じています」と、すっかり神戸での暮らしのなじんでいます。

(株)フェリシモ勤務

 廣中靖之さん Iターン

東京都江東区出身。都内の大学で自動車や家電製品などのプロダクトデザインを学ぶ。2020年に自社開発製品の通信販売会社、(株)フェリシモへの入社を機に神戸へ。ウェブマネージャーとして自社サイトの運用や販売企画などに携わりながら、将来は商品開発にも関わりたいと意気込む。

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△ウェブ上での商品の見せ方を試行錯誤。

「お客さまの反応がすぐに見え、やりがいがあります」

 

No.5 駅前ビルの運営を通して故郷の活性化に関われる喜びを感じています

姫路市→東京都国立市→姫路市

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地元ににぎわいを呼ぶ施設の管理・運営に従事

 

 「姫路市の書写山の麓で生まれ育ったので、まちを走るオレンジ色のバスはとても身近なものでした」と松葉桂さん。地元になくてはならない神姫バス(株)は、バス以外にも不動産や子育て、介護など、さまざまな分野の事業を行っています。入社してからはずっと不動産部門に所属し、自社が所有するビルやマンションの管理・運営を担当しています。

 中でも、姫路駅前に立つ複合オフィスビル「姫路ターミナルスクエア」と飲食ビル「QWELL(キュエル)姫路」は、バスターミナルと隣接して姫路駅北広場の一角を成す建物。稼働率を上げるためにテナントを探し入居の誘いをするなど、事業者と交渉する毎日です。「私が中心となり開催した内覧会に参加された方が、他の物件にも興味を示してくださることが増えてきました。仕事の広がりを感じて、励みになります」と松葉さん。

地元のにぎわいづくりに参加している自負もあると言います。「故郷が活性化するのはうれしいし、地域の人たちの役に立てる喜びを感じています」

 今後は土地の取得から携わる不動産開発にも意欲を見せます。「周辺地域のまちづくりに関わりたい。バスがないと困る地域を、バスを使ってもっと人を集められる場所にしたいと考えています」

 2年前から加古川市で暮らしており、自宅から姫路駅前の職場までは20分ほどなので通勤のストレスは全くないそうです。職場は実家と近いため、月に2回は週末を家族と過ごしているとか。なじみのあるまちで生き生きと暮らしています。

 神姫バス(株)勤務 

 松葉桂さん Iターン

姫路市で生まれ育つ。東京の大学に進んだが、もともと卒業後は帰郷したいと考えており、姫路の企業を中心に就職活動を展開。バス事業にとどまらず多彩に事業展開する神姫バス(株)なら、いろいろな仕事ができると感じて2017年に入社した。以来、不動産部門に所属している

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△上司に業務の進ちょく状況を報告。

「職場の人たちはみんな温かく、とてもいい環境で仕事ができています」

 

 

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部署名:総務部秘書広報室広報広聴課

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