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更新日:2011年5月20日

但馬県民局/局長メッセージ(平成21年5月)

タムシバ

 “SPRING”は「春」と同時に「バネ」の意味もあるように、原義は「突然飛び出す、はねる」。但馬では冬の気候が厳しいだけに、春の訪れは抑圧されたものが一気に「はじけ出す」情景が方々で見られ、その喜びがより一層、強烈に感じられます。

 

 「兵庫の屋根」と呼ばれる県内最高峰「氷ノ山」1510m。日本二百名山、兵庫50山の一つ。是非とも登ってみたいと思っていましたが、この年にしてやっと実現しました。

 山開きは5月に入ってからと知りながら残雪の氷ノ山を見たくて、地元のことに詳しい西村義雄さん(民宿経営)に道案内をお願いしました。

 

 4月19日(日)は早朝から、雲ひとつない抜けるような好天。主な登山ルートは兵庫県側からは2ルート。(1)大段ヶ平コースと(2)東尾根コース。西村さんの判断で(2)を選択。

 氷ノ山国際スキー場(奈良尾キャンプ場)→東尾根避難小屋→神大ヒュッテ→山頂避難小屋を辿りました。(所要時間:登り約3時間、下り2時間)

 

 下界とは異なり「春まだ浅く草木の芽吹きはこれから」でしたが、初めて見る多くの植物に出逢いました。遠景ではぼんやり白く見えた花は桜ではなく「コブシか?」と思いきや、これが「タムシバ」モクレン科の落葉低木。花の下に葉がないことでコブシとは見分けが付くそうです。語源「噛む柴」(カムシバ)が転じたもの。確かに小枝を歯で噛みしだくとほのかに甘い香りがしました。昔は蕾が漢方薬として珍重され、これを薬屋さんに持ち込んだそうです。樹皮が黄色く木の中心まで薄黄色い「キハダ」(ミカン科)は漢方薬、チシマザサ(イネ科)のタケノコはこれからが旬、是非とも味わって・・・などと植物にも詳しく74歳ながら極めて壮健な西村さんの解説付きガイド「氷ノ山のことなら何でもござれ」には感嘆することばかりでした。


連理した樹木

 標高1200mあたりで見かけた実に不思議な「連理」(二本の木が途中で癒着結合したもの)。古来より中国では、有徳の統治者による天下安寧を祝福して現れる祥瑞(めでたいしるし)とされています。

 「比翼連理」(夫婦の仲が睦まじいこと)という四文字熟語を連想しましたが、地元でこの樹にネーミングを募集し、センスの良い看板を設置するなど工夫をすれば「夫婦和合」「縁結び」のシンボルとして脚光を浴びるのでは?などと考えていました。


残雪の氷ノ山を歩く

 「神大ヒュッテ」を過ぎたあたりから残雪はさらに深くなりました。頂上に近い「古千本杉」の群落、「古生沼」(こせぬま。氷河期からの高地湿原植物群落が自生)は、雪が溶けると背の高いササに遮られる登山になりますが、この時期は厚い雪で覆われ、普段ではとても歩けないところを登っていきました。スキーを楽しむ人も何人か見かけました。陽光に照らされた残雪の中を歩く爽快感、あっけらかんとした荒涼。さえぎるもののない周囲の大パノラマには大きな感動を覚えます。

 

 早起きして明石からやって来たという健脚の男性は「年に4~5回登ります。早春、夏山、秋の紅葉、厳冬など季節ごとの表情を見に・・・」爽やかな笑顔を残して風のように私たちを追い越して行きました。

 

氷ノ山からの眺望

  頂上は、まさに兵庫県・鳥取県の県境。北には扇ノ山・瀞川山・鉢伏山、南に三室山、空気の澄み切った冬には大山(伯耆富士)まで眺望できるとのこと。

 因みに、気圧計は850ヘクトパスカルを示していました。

 

 新田次郎「孤高の人」のモデルとなった但馬出身の登山家・加藤文太郎(1905~1936)は、亡くなる4年前、氷ノ山の猛吹雪で道に迷い、雪中ビバークで危うく九死に一生を得るという体験をしています。さらに加藤の遺志は、彼に心酔した世界的冒険家・植村直己(1941~1984)に引き継がれ、但馬人特有の粘り強さを象徴的に世に示しました。

 時には優しく、また時には厳しい氷ノ山。今も昔も但馬の誇り、心のよりどころであると共に、多くの人々の心を魅了し揺さぶり続けています。

 

 「富士には月見草がよく似合う」の名言を残したのは太宰治。さて、氷ノ山にはどんな草木が似合うのでしょうか?四季の氷ノ山を満喫してから考えたいと思います。


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