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更新日:2011年4月15日

但馬県民局/局長メッセージ(平成23年3月)

但馬の地域資源:山陰海岸ジオパーク/三尾大島(新温泉町)

 大きな夢に近づくためには、その手前の小さな夢を一つずつ叶えていくことが大切。
 新春の知事対談で、宇宙飛行士の野口聡一さんがそんな趣旨の話をされていました。
 先に発表した平成23年度の県民局予算は、「あしたのふるさと但馬」という「大きな夢」を実現するために、いま出来ること、やらなければならないことを着実に実行していくためのものです。

●柱は三つあります。その第一が、地域資源の活用です。
 コウノトリ、ジオパーク、鉱石の道などの「原石」に磨きをかけ、その魅力を世界に発信していくこと。森川海の恵みや伝統、生活文化、懐かしい景観をツーリズムや地域産業に活かしていくこと。
 神戸夙川学院(観光文化学部)の河本大地さんが、最近の新聞のコラムでこんなことを書いていました。
 人々の暮らしが織りなしてきた「文化多様性」は、生態系サービスの恵みをもたらす「生物多様性」と、その土台となる「ジオダイバーシティ」とに支えられている。そして、これらが交じり合って現れる個性が「地域多様性」であると。
 ジオダイバーシティの訳語は定まっていませんが、これをたとえば「地の多様性」と和訳すれば、「地」は「知」につながります。但馬の四つの多様性がもたらす豊かな地域資源は、脈々と今に息づく知(現代を生きぬき、未来を創っていくための智慧や技術)の多様性に通じているわけです。
 そういう意味では、発掘し加工して活用する「資源」というよりは、それ自体の力で価値を産みだし流通させる「地域資本」と呼ぶべきかもしれません。

「迷える者の禅修行」(ネルケ無方著 新潮新書)

●第二の柱は、地域の再生です。
 但馬は、近未来の兵庫、日本が本腰を入れて対処しなければならない社会的課題群のショーケースのような地域です。
 若者の流出による人口減少と高齢化がもたらした集落(コミュニティ)機能の脆弱化や、農畜林水産業、商工業、観光業の衰退。危機的な影響は、交通基盤や医療体制、教育、まちづくりといった分野にも及んでいます。
 これらの諸課題を解決することで、但馬は兵庫・日本のフロントランナーになれる。
 そうした「マイナスをプラスに転じる」気概をもって、がんばる小規模集落へのサポートや、地域産業、食と農の再生に取り組むこと。
●浜坂の山奥にある安泰寺(外部サイトへリンク)のドイツ人住職・ネルケ無方さんの著書『迷える者の禅修行』に、こんな話題がでてきます。
 欧米型のコミュニケーションは、「私」と「あなた」がそれぞれ山頂に立って遠いところから叫び合うようなもの。日本人は、深い井戸を掘って、共有できる水脈を互いに探ろうとする。
 欧米人は「どうして日本人から返事が返ってこないのだろうか」と不思議に思い、日本人は「どこまで深く掘れば、相手に伝わるのだろうか」とため息をつく。
 たかだか一年足らずの但馬暮らしでこんなことを口にするのは僭越ですが、私は、ここで言われる日本型コミュニケーションの美質(と言っていいでしょう)が但馬には存分に残っていると感じました。
 そして、この心性を徹底し、互いが「共有できる水脈」に至る井戸をどこまでも深く掘り続けていくことが、但馬の地域再生の基本方向になるのではないかと思っています。
 「産直型」の顔が見える新しいコミュニケーションの小さなネットワークを域内域外にたくさんつくっていくことが、これからの地域の経営や経済の仕組みの骨格をなすと考えるからです。
 都市部と農山村部が相互交流のネットワークを深め、いわば生き死にを共にする共同体としての絆を結んでいくこと。その絆をもとに、自然資本や地域資本が産み出す価値を大切に保全しつつ、身の丈にあったかたちで流通させる地域固有の小さな産業(自給・持続型のスロー・ビジネス)を興すこと。
 そうした、より大きな意味での経済のシステムの根底に、水脈を共有する者どうしの「信頼」がなければならないと考えるからです。

安泰寺本堂

●第三の柱は、地域と人々の「夢」の実現をめざすことです。
 具体的には、但馬地域ビジョンの改訂版と理想の都の祭典20周年記念事業の基本計画を一体のものとして策定すること。
 地域ビジョンの策定・推進にあたっては、但馬3市2町の将来計画との腰を据えた連携、そして但馬夢テーブル委員会の活動とその他の地域団体・グループの活動との息の長い融合が欠かせません。
 そのために、私は「夢シナリオ」という手法を提案したいと思います。
 但馬に住み暮らす人、但馬に縁のある人、但馬ファンの人々から、10年後、30年後の但馬がどうあって欲しいか(そんな先の話ではなく、もっと手近なものであってもいい)、そしてその夢の実現に向けて自分は今何ができるか、やりたいか、やっているかを具体的に描いてもらう。
 個人の夢だけではなくて、グループ、団体、NPO、企業、行政の夢でもいい。もちろん市町や県民局の職員が、財源論や責任論はしばらく措いて、なかば個人の立場で自由に「夢の企画書・提案書」を描くのもいい。
 そのような「夢シナリオ」の全体が、新しい但馬の地域ビジョンそのものになる。私はそう考えています。
●シナリオというからには、関係の人々が互いに共有できる明確なテーマ(夢)とキャスト(登場人物)とストーリー(物語)とプロット(筋立て)がなければなりません。
 大切なのはキャストとプロット(誰がどういう手順で夢のストーリーを具体化するか)です。
 夢のシナリオ群をネットに公開して、互いに練りあい磨きあい、また相互の夢をすりあわせて共有し、連携して実践する仲間づくりのためのフォーラムを設けるのも面白いでしょう。
 いわば「夢合わせ」の場です。(夢合わせは本来、夢の吉凶を占うことをいいますが、ここでは、人々が同時に同じ夢を見る、夢が現実となる、夢をたたかわせる、といった複数の意味を重ね合わせて使っています。)
 夢シナリオには、一つの共通の通過点を設けてはどうかと考えています。
 たとえば、4年後の平成26年度を当面の目標年次とする。そこで、それまでの取り組みを集大成して、様々なイベント手法を講じながら広く内外に発信する。次なる展望を見出し、夢の実現へ向けた歩みを加速する。
 そういう意味での通過点となる場と機会を提供するために、20周年記念事業を展開してはどうかということです。
●ネルケ無方さんが修行のため初めて安泰寺を訪れたときの話。当時の堂頭(どうちょう)さんからいきなり「何をしに来たの?」と聞かれます。以下、原文を引きます。
「禅を学ばせてもらうために、そして修行をさせてもらうためです」
 私は優等生らしく答えたつもりでしたが、堂頭さんは目を光らせて、
「安泰寺はお前が創るんだ」
 と、衝撃的な言葉を私に投げ返しました。それは、試合開始のゴングと同時にKOパンチを食らったような衝撃でした。驚いた私の顔を見て、彼はなお続けました。
「『安泰寺』という既製品がここにあるのではない。ここにあるのは、お前が創る安泰寺しかない」
 その後、不慮の事故で亡くなったという堂頭さんの言葉をお借りするならば、「あしたのふるさと但馬」という既製品がここにあるわけではない。ここにあるのは、あなたが創る但馬でしかない。

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